杉並区議会の令和5年第1回が開催され、区長が新年度編成の基本方針を示すとともに、複数のから区政の諸課題についての代表質問が行われた。会議ではの付託、監査結果の報告、特別の活動報告なども報告された。
- ・新年度編成の基本的考え方と重要課題について区長が方針を説明
- ・コロナウイルス感染症の5類への変更に伴う区政環境の変化への対応
- ・不登校児童生徒への支援とメタバースを活用した教育の推進
- ・区立保育園の民営化計画に関する修正(令和4年→令和7年)
- ・区債発行時期と金利負担軽減についての検討課題
- ・新規火葬場建設など複数の常任への付託
- ✓会期を2月9日から3月15日までの35日間に決定
- ✓監査委員から監査結果等の報告を受けた
- ✓5件を総務財政等に付託した
- ✓各特別の活動経過報告書を報告として受けた
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// 発言者(5名)
// 発言(32件)

これより令和5年第1回杉並区議会定例会を開会いたします。 本定例会におきましても、新型コロナウイルス感染症対策に御理解、御協力をお願い申し上げます。 本日の会議を開きます。 区長から挨拶があります。 区長。 〔区長(岸本聡子)登壇〕
皆様おはようございます。初めに、2月6日にトルコ南東部において発生した大規模地震により、トルコ国内ほか、シリアなど周辺国において亡くなられた方々の冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。 さて、本日は、令和5年第1回区議会定例会を招集しましたところ、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。 開会に先立ちまして1点御報告を申し上げます。 去る11月5日、区職員が住民基本台帳ネットワークシステムから個人情報を漏えいしたとして、住民基本台帳法違反容疑により逮捕され、その後、12月16日に起訴されました。このことを受け、当該職員を1月25日付で懲戒免職といたしました。 このたびは、区民及び関係者の皆様の区政への信頼を大きく損ねる事態を招いてしまったことに対し、心よりおわびを申し上げます。 本定例会では、本件に関し、私及び副区長の責任を明らかにするために、給料減額の特例条例を御提案申し上げます。そのほかの提案案件でございますが、現在のところ、条例案件が14件、令和4年度の補正予算が4件、令和5年度の当初予算が4件、人権擁護委員候補者の推薦が3件、専決処分の報告が1件でございます。 何とぞ慎重な御審議の上、原案どおり御決定いただきますようお願いを申し上げて、御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

説明員は、電子データにより御配付した説明員一覧のとおりであります。 会議録署名議員を御指名いたします。 15番國崎たかし議員、45番浅井くにお議員、以上2名の方にお願いいたします。 ──────────────────◇──────────────────

これより日程に入ります。 日程第1、会期についてであります。 お諮りいたします。 本定例会の会期は、議会運営委員会の決定どおり、本日から3月15日までの35日間とすることに異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

異議ないものと認めます。よって、本定例会の会期は、本日から3月15日までの35日間とすることに決定をいたしました。 ──────────────────◇────────────────── 令和5年2月9日 陳情付託事項表 総務財政委員会 5陳情第 1 号 新規火葬場建設に関する陳情 5陳情第 2 号 日本全体で解決すべき問題として、普天間基地周辺の子どもたちを取り巻く空・水・土の安全の保障を求める陳情 5陳情第 3 号 <緊急>阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業の抜本的見直しを求める陳情 5陳情第 6 号 <至急>阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業の見直しを求める陳情 区民生活委員会 5陳情第10号 「性の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組の推進に関する条例」の条文変更を求める陳情 5陳情第11号 「杉並区性の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組の推進に関する条例案」と、それに基づく「杉並区パートナーシップ制度案」の否決を求める陳情 都市環境委員会 5陳情第 8 号 温暖化対策見直しを求める国への意見書提出に関する陳情 5陳情第 9 号 区の温暖化対策についての提案に関する陳情 文教委員会 5陳情第 7 号 杉並区立小・中学校の給食費を無償にすることを求めることに関する陳情 議会運営委員会 5陳情第 4 号 <至急>陳情処理の適正化を求める陳情 5陳情第 5 号 <至急>議会等運営における非違行為の処分を求める陳情

日程第2、陳情の付託についてであります。 電子データにより御配付した陳情付託事項表のとおり常任委員会及び議会運営委員会に付託いたしましたので、御了承願います。 以上で日程第2を終了いたします。 ──────────────────◇────────────────── 4杉監査第337号 令和4年11月28日 杉並区議会議長 脇 坂 たつや 様 杉並区監査委員 上 原 和 義 同 三 浦 邦 仁 同 内 山 忠 明 同 大 熊 昌 巳 令和4年度 工事随時監査(竣功)〔杉並区立天沼小学校増築建築等(竣功)〕の結果について(報告) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第5項の規定に基づき随時監査を実施したので、同条第9項の規定により、その結果を別紙のとおり報告します。 4杉監査第342号 令和4年11月28日 杉並区議会議長 脇 坂 たつや 様 杉並区監査委員 上 原 和 義 同 三 浦 邦 仁 同 内 山 忠 明 同 大 熊 昌 巳 令和4年10月分 例月出納検査の結果について(報告) 地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、例月出納検査報告書のとおり報告します。 4杉監査第374号 令和4年12月22日 杉並区議会議長 脇 坂 たつや 様 杉並区監査委員 上 原 和 義 同 三 浦 邦 仁 同 内 山 忠 明 同 大 熊 昌 巳 令和4年11月分 例月出納検査の結果について(報告) 地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、例月出納検査報告書のとおり報告します。 4杉監査第418号 令和5年1月30日 杉並区議会議長 脇 坂 たつや 様 杉並区監査委員 上 原 和 義 同 三 浦 邦 仁 同 内 山 忠 明 同 大 熊 昌 巳 令和4年12月分 例月出納検査の結果について(報告) 地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、例月出納検査報告書のとおり報告します。 4杉監査第391号 令和5年1月30日 杉並区議会議長 脇 坂 たつや 様 杉並区監査委員 上 原 和 義 同 三 浦 邦 仁 同 内 山 忠 明 同 大 熊 昌 巳 令和4年度 工事随時監査(竣功)〔杉並区立久我山東保育園移転改築建築等(竣功)〕の結果について(報告) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第1項及び第5項の規定に基づき随時監査を実施したので、同条第9項の規定により、その結果を別紙のとおり報告します。 4杉監査第414号 令和5年1月30日 杉並区議会議長 脇 坂 たつや 様 杉並区監査委員 上 原 和 義 同 三 浦 邦 仁 同 内 山 忠 明 同 大 熊 昌 巳 令和4年度 環境部定期監査結果について(報告) 地方自治法第199条第1項及び第4項の規定に基づき定期監査を実施したので、同条第9項の規定によりその結果を別紙のとおり報告します。

日程第3、監査結果等の報告についてであります。 電子データにより御配付したとおり監査委員から監査結果等の報告がありましたので、御報告いたします。 以上で日程第3を終了いたします。 ──────────────────◇────────────────── 令和5年2月9日 杉並区議会議長 脇坂 たつや 様 災害対策・防犯等特別委員会 委員長 そね 文子 災害対策・防犯等特別委員会活動経過報告書 災害対策・防犯等特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。 記 1 令和4年11月30日 (1)報告聴取 ア 犯罪発生状況等について イ 令和4年度杉並区総合震災訓練の実施結果について ウ 不燃化促進住宅の今後について エ 道路等の除雪について 令和5年2月9日 杉並区議会議長 脇坂 たつや 様 道路交通対策特別委員会 委員長 川野 たかあき 道路交通対策特別委員会活動経過報告書 道路交通対策特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。 記 1 令和4年12月1日 (1)報告聴取 ア 外環道の進捗状況について イ 下井草駅周辺のまちづくり等について 令和5年2月9日 杉並区議会議長 脇坂 たつや 様 文化芸術・スポーツ・まちのにぎわいに関する特別委員会 委員長 松本 みつひろ 文化芸術・スポーツ・まちのにぎわいに関する特別委員会活動経過報告書 文化芸術・スポーツ・まちのにぎわいに関する特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。 記 1 令和4年12月2日 (1)報告聴取 ア 杉並区区制施行90周年記念「交流自治体中学生親善野球大会」の実施結果について イ 令和4年度「第1回ユニバーサルタイム」の実施結果について ウ 杉並アニメーションミュージアムの再開に向けた取組等について エ 令和4年度障害分野におけるスポーツ等推進の取組について 令和5年2月9日 杉並区議会議長 脇坂 たつや 様 DX・議会改革に関する特別委員会 委員長 川原口 宏之 DX・議会改革に関する特別委員会活動経過報告書 DX・議会改革に関する特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。 記 1 令和4年12月5日 (1)報告聴取 ア 「令和4年度区のデジタル化の進捗状況等」について

日程第4、特別委員会の活動経過報告についてであります。 電子データにより御配付したとおり各特別委員会委員長から活動経過報告書が提出されておりますので、御報告いたします。 以上で日程第4を終了いたします。 ──────────────────◇──────────────────

日程第5、令和5年度予算の編成方針とその概要について説明を聴取いたします。 理事者の説明を求めます。 区長。 〔区長(岸本聡子)登壇〕
令和5年第1回定例会の開催に際しまして、新年度の予算編成の基本的な考え方及び今後取り組んでいく重要課題の概要について申し上げます。 欧州で学び、研究し活動した自分が、区長として新たな区政運営をスタートさせ、これまで7か月にわたり、ひたすらにその職責遂行に邁進してまいりました。この間、議員の皆様、職員、そして多くの区民から様々な御意見をいただくことで、区政の課題を学び、理解を深め、喫緊の課題に対応しながら、区政を着実に進めることができました。ここに厚く御礼を申し上げます。 私の区政運営に対する基本姿勢につきましては、所信表明において6つの柱をお示ししましたが、これに基づく取組は着実に進めることができたと考えております。 1つ目の柱は、時代の変化に柔軟に対応した総合計画などの修正及び改定でした。これにつきましては、私の区長就任や策定後の社会経済環境や状況の変化等を機動的に反映させるため、計画の一部修正を行ったところです。また、令和5年度には、本来令和6年度に予定していた改定を1年前倒しで実施してまいります。 2つ目の柱は、私が重視する対話の前提となる区民との情報共有のための情報公開、発信の向上です。私は、所信表明において、区政の情報は区民のものであるとの認識から、情報公開度ナンバーワンの区政を目指すことを申し上げてまいりました。その具体的な取組として、この間、私の日々の行動記録を詳細に公表するほか、就任時における各所管からの説明資料や、まちづくり基本方針骨子案への区民からの意見募集内容の公表、予算編成過程における情報の公表内容の充実など、区政情報の積極的な公開、提供に努めてきました。引き続き、これらの取組を推進し、区政の透明度向上を図ってまいります。 3つ目の柱とした、区の財政運営を区民に身近に感じてもらうための区民参加型予算の導入につきましては、来年度、森林環境譲与税基金の使途をテーマとして、その実現に向けた試験的な取組を行ってまいります。 4つ目の柱は、効率的な区政運営を進める上での民間委託などの手法の検証です。これにつきましては、現在、指定管理事業者やその従事者、利用者へのアンケート実施など検証作業を進めているところです。また、施設再編整備についても検証作業に取り組んでいます。これらの取組は来年度も継続して行ってまいりますが、その検証結果につきましては、今後予定している総合計画等の改定にも生かしてまいります。 5つ目の柱である風通しのよい職場づくりでは、職場や仕事について、私が職員と直接話をする「ナミー’s Cafe」をこれまでに14回実施し、多くの提案や疑問、新しいリーダーシップへの期待、公務の現場の醍醐味や苦労を聞き、たくさんの気づきを得ることができました。とりわけ日常ではあまり話を聞く機会がなかった若手職員、女性職員、会計年度任用職員の意見を聞くことは大事だと思っており、「ナミー’s Cafe」は今後も続けてまいります。また、ハラスメントに関する職員アンケート調査の結果を受け、杉並区役所ハラスメントゼロ宣言を行いました。そして、これを踏まえ、全管理職、係長級職員がおのおのハラスメントゼロ宣言を行うなど、具体的な取組を進めました。引き続き、仕事の見直しや働きやすい職場環境づくりの取組を進めてまいります。 6つ目の柱は、議会との自由闊達で生産的な議論です。区議会議員の皆様とは、立場や主張の違いはあると存じますが、活発な議論を重ねることで、区民のための区政を目指すという大きな目的の実現に向けて、よりよい方向を見いだしていけると考えております。こうした認識の下、これまでの2回の定例議会を通じて、様々な区政の課題について議論を深めることができたと感じております。改めて感謝を申し上げます。今後も、これらの基本姿勢を踏まえた区政運営に努めてまいります。引き続き、皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。 今後の区政運営におきましては、これまで申し上げてきた基本姿勢に加えて、私は、対話と相互理解が重要だと考えております。 この間、私は、公約のスローガンでもある「対話から始まる みんなの杉並」の実現を目指し、道路から考えるまちづくりの対話集会や区立施設再編整備計画、パートナーシップ制度とその根拠条例に関する説明会などを開催してまいりました。そして、昨年末からパートナーシップ制度とその根拠条例、まちづくり基本方針、総合計画、実行計画等の修正といった大きなテーマでパブリックコメントを実施しました。まちづくり基本方針については、パブリックコメントの実施に先立ち、骨子案への意見募集も行いました。これらの取組を通じて、区民一人一人からいただいた御意見は全てがとても貴重なものでした。また、議会を傍聴し、区政を自分の目と耳で捉え、地域での議論を広げてくれる多くの区民の存在、それら全てが対話による区政運営にとって欠かすことのできないものだと思っています。 西荻窪と高円寺で8回にわたって実施してきた都市計画道路とまちづくりを考える「さとことブレスト」では、私は計画説明型から対話協調型の行政へという考えを毎回参加者に申し上げました。それは、仮に同じAという結論に至るとしても、そこにどうたどり着いたかというプロセスが大切であり、異なる意見や考えを持つ方とも、胸襟を開いて対話を重ねることで、相互理解を深め、対立ではなく協調による合意形成の道を開くことにつながると確信しているからです。そして、自治体の長である私自らが、地域での対話の機会に参加することで、こうした考えを多くの区民にお伝えし、御理解いただくことができたという手応えを得てまいりました。また、私と共に参加した職員ともその意義を共有できたと実感しています。 なお、まちづくりには、大人だけでなく子どもの視点と参加も同様に大切であることから、今後、子供や若者が区政や対話に加わってもらえるスキームを考えてまいります。 まちづくりや防災の取組、公共施設は計画決定後も連綿と続いていきます。施設再編や道路計画は、長く利用する地域の財産を形成していくものであることから、各地域で区民に施設の整備・運営や、まちづくりに関わっていただくことで、区民の側にも主体性やオーナーシップが生まれ、住民自治の実践のよいきっかけになるのではないかと思っています。 今後の区政を語る上では、気候変動も大変重要な課題です。昨年のパキスタンでの未曽有の洪水や、ヨーロッパ、北アメリカでの熱波による山火事、アフリカの干ばつなど、気候危機と言える自然災害が多発している中で、2030年までに温室効果ガス排出量を半減させなければ、気候変動が不可逆的に進行する破滅的な転換点を過ぎてしまうと科学者たちは指摘しています。 また、気候変動問題においては、その影響の原因をつくっている側の人や地域と、その影響を受ける側の人や地域、または現役世代と将来世代との間に生じる不公正を是正しなければならないという気候正義という考え方があります。これは、私自身がかねてから主張をしてきた問題意識でもありますが、昨年エジプトで行われたCOP27では、この気候正義の考え方が議題として取り上げられ、解決を図る方向が示されました。 私は、杉並区がゼロカーボンと気候正義の実現に貢献する自治体としてリーダーシップを取る環境都市を目指すべきと考えています。そのためには、区がその意思を表明して取り組むだけでは不十分であり、多くの区民や事業者が積極的に参画することが不可欠です。 また、気候危機の対策は、省エネなどのライフスタイルの変革にとどまらず、杉並区の産業政策全般、教育、建築、地域公共交通を含めたモビリティーやまちづくり、農から食品ロスに至る食べ物、地域資源循環に至るまでの横断的で野心的なものでなければなりません。そのために、私は、仮称気候区民会議で活路を開きたいと考えております。無作為抽出により選ばれた区民が、気候変動問題を学び、議論をし、主体的に政策形成過程の一部に参画することで、ボトムアップによる合意形成を図っていきます。このようなくじ引民主主義とも言われる手法は、国際的に大きな広がりを見せています。 また、私は、気候変動対策に組織横断的に取り組むことを通じて、地域経済の活性化と雇用の創出につながる新たな脱炭素の地域社会の実現を図ることができると考えています。例えば都市農業を育てることなどを通じた食やエネルギーの自立、自給の推進、移動や物流の距離を短くするサプライチェーンへの転換や緑地の保全などによるCO2の削減、また、公共施設建替えなどの際のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化推進や、既存の民間建物の積極的な断熱と不燃化を進めるために、工事などの担い手となる地元の事業者を育てること、さらには、脱炭素の取組を行う個人や団体などの情報交換、講座の実施や区の取組実例の紹介の場など、脱炭素化を協働で進める地域のコミュニティーづくりのために空き家を活用することなども考えられます。 仮称気候区民会議は、このようなゼロカーボンシティー杉並の実現に向け始動する契機となるとの考えから、早期の開催に向けた検討を進めてまいります。 職員との対話である「ナミー’s Cafe」では、部署や役職を問わず、デジタル環境とテレワークなどの働き方がいつも話題に上りました。ワーク・ライフ・バランスの観点だけでなく、仕事の質や職場の魅力を増すためにも、時代の変化を捉えた働き方改革に取り組まない選択肢はありません。私は、テレワークの拡充や、職員が自席を持たないオープンオフィス化の推進、会議の電子化など、仕事の仕方を多様化し、働きやすい職場づくりの取組を早急に進めるべきと考えております。DXを進める第一歩は、全ての職員が仕事をしやすくなる環境づくりだとの認識の下、来年度はその成果を上げていきたいと思います。 また、この「ナミー’s Cafe」から着想を得て、昨年末、全ての職員に呼びかけを行い、もっとこうすれば働きやすい職場になる、無駄が減り効率的な仕事ができるといった提案を募集しました。保育や清掃などの現場の職員からも多くの意見があり、全体で746件の回答が得られました。今後、この内容を職員とも共有し、今後の区政に生かしていきたいと考えます。 区役所の仕事の中には、今までやってきたからという理由で続けている仕事の仕方がまだまだあるのではないかと思います。そうしたことを再考する機会にするとともに、職員の負担を可視化し、職員が中長期的な政策を考え、チーム間で議論や、新しい分野の勉強など、クリエーティブな思考を行う余裕を生み出していきたいと考えています。 ここで改めて、新年度の予算について申し上げます。 新年度予算は、私が編成する初めての本格予算であり、「対話から始まる みんなの杉並」を実現する上で大変重要な予算です。また、いまだに終わりの見えないコロナ禍やこの間の異常な物価高から区民の暮らしと命を守るための自治体の役割がまさに問われています。そうしたことを踏まえ、以下、予算編成方針の基本的な考え方について3点申し述べます。 第1に、区民の暮らしと命を守るために必要な予算を計上したことです。 今年は関東大震災から100年という節目の年ですが、首都直下地震への備えは急務です。昨年、私は、震災救援所や町会・自治会などの防災訓練に参加しましたが、防災会をはじめとする地域の方々が主体的に震災などの災害に備えている姿に感銘を受けました。このような地域の取組は全国的に見ても当たり前のことではないと防災の専門家からも聞き、区民の皆さんの地域づくりと人づくりにかける熱量は杉並のパワーであり、財産だと強く感じたところです。区としては、そうした区民の取組をしっかり支えつつ、長期的な視点が欠かせないハード面の取組も着実に進めてまいりたいと考えております。 また、コロナ対策としては、感染状況が一定継続することを想定し、当面必要とされる受診・相談センターの運営経費や患者の移送等の経費、医療機関に対する支援などに係る経費について計上しております。なお、ワクチン接種に係る経費につきましては、国の動向を踏まえ、今後の方針が示され次第、必要に応じて補正予算を編成し、適切に対応する考えです。 さらに、ロシアによるウクライナ侵略やコロナ禍等による原油価格、物価高騰にさらされている区民生活を支え、コロナ禍からの回復を確かなものにするため、今年度から実施している福祉施設への光熱水費などの助成や中小事業者の支援、学校給食の保護者負担の軽減に要する経費について予算措置を行いました。 第2に、総合計画、実行計画に掲げる各事業について必要な予算を確実に計上したことです。 総合計画等については、今年度、一部修正したことに加えて、来年度には、前倒しの改定を予定しているところですが、基本構想に掲げる区の将来像である「みどり豊かな 住まいのみやこ」の実現に向けて必要な事業については、着実に前進させるための予算を計上しております。一方で、これまでの取組の検証を踏まえて今後の方針を決定すべき事業につきましては、公開の場での議論やシンポジウムの実施など、区民に開かれた公正、公平な検証に要する経費を予算計上しております。 なお、前倒しの計画改定に当たっては、この間、将来の活用も見据え、積み立ててきた財政調整基金の一部をその財源として活用することで、脱炭素の取組など、今後注力すべき施策を推進していく考えです。 第3に、将来にわたって区民生活を守るために、健全な財政運営の維持に努めたことです。 少子高齢化、格差の拡大、気候変動、物価高騰、公共施設の更新など、山積する課題に取り組んでいくためには、その裏づけとなる財源が必要不可欠です。先ほど申し上げたとおり、私は、杉並区が気候正義に貢献する自治体のリーダーシップを取る環境都市として、地域経済にも寄与できる取組を進めたいと考えておりますが、その取組は、長期的な視点に立ち進めていく必要があります。こうした将来への投資とも言える一定の期間を要する取組については、来年度に予定している総合計画等の改定の中で検討していく考えですが、その取組の実現のためには健全な財政基盤が必要不可欠です。 現在の区財政は、この間、歳入が堅調であったこともあり、健全な状況と言えますが、今後の不透明な社会経済状況や増大する行政需要などを踏まえると、決して楽観視はできません。区民生活を守る喫緊の課題については、最優先で機動的に対応することが行政の責任であることは言うまでもありませんが、将来にわたって健全な財政状況を確保しつつ、人と地域、産業を育てる長期的、戦略的な投資を行うことは未来の区民に対する責任です。 こうした認識の下、歳出削減、歳入確保、事務の効率化等に努めながら、財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方を踏まえた予算編成を行いました。 なお、私の公約に掲げた項目については、その実現に向けたプロセスに乗せるための予算を計上いたしました。私の公約の実現に向けては、これまで優先順位の仕分け作業や精査を行ってまいりました。当然ながら、公約に掲げた政策を一気に実現できるものではありませんが、私は、それぞれの項目について、議論を経ながら一致点を見いだしていくなど、実現のプロセスに乗せることに対して誠実でありたいと思っています。本予算は、その実現に向けた初めの一歩を踏み出すものとなると考えております。 次に、基本構想が掲げる8つの分野に沿った主要な施策の概要、並びに現下の重要課題でもある物価高騰対策について申し上げます。 初めに、防災・防犯の分野について申し上げます。 区民の命を守る防災・減災の取組としては、緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化を重点的に進めるほか、建築物の不燃化建て替え支援の対象区域を拡大します。また、災害時の円滑な避難及び緊急車両の通行を確保するため、狭隘道路の拡幅整備と電柱の移設を進めるとともに、生活道路の無電柱化を促進します。さらに、全ての震災救援所で災害時の生活用水を確保できるように学校防災井戸を修繕するとともに、公園等整備に合わせた災害備蓄倉庫の整備を進めます。また、通電火災の防止効果が高い感震ブレーカーの設置を加速化するため、火災危険度の高い地域について、期間を限定して設置費を無料にします。 防犯対策としては、特殊詐欺対策の推進、サイバーテロやネット犯罪への対策として、広く区民や中小事業者に向けて、セキュリティー意識の向上及び犯罪被害防止に関する啓発活動を推進します。 次に、まちづくり・地域産業の分野について申し上げます。 まちづくりの取組としては、都市計画道路の区施行優先整備路線のうち、補助132号線及び補助221号線の事業認可区間については、区民と直接意見交換をする対話集会等を踏まえ、住民との合意形成を図りつつ事業を進めてまいります。また、道路の整備に合わせて、無電柱化や歩道のバリアフリー化を行うことにより、誰もが安全・安心に移動できる道づくりを推進します。加えて、誰もが気軽で快適に移動できる地域社会の実現に向け、グリーンスローモビリティーの導入準備など、杉並区地域公共交通計画に掲げた各取組を進めてまいります。 地域産業に関連する取組としては、区内中小事業者に対する原油価格・物価高騰等対策の支援を継続するほか、商店街が実施するイベント等への補助の拡充、就労支援センターにおける就労相談・面接ブースの提供等の取組を通して、地域のにぎわいと活力を生み出す地域産業の振興を図ります。また、援農ボランティアの充実・活性化や仮称井草区民農園の開設等により、区内農業者への支援及び都市農地の保全に取り組みます。 次に、環境・みどり分野について申し上げます。 環境分野の取組としては、さきに述べましたように、まず、気候変動問題について、無作為抽出により選ばれた区民が学習や議論を行い、その結果を区政運営に生かす仕組みである仮称気候区民会議の開催に向け、先行自治体の事例等を踏まえ、検討を進めてまいります。また、都では、太陽光発電設備の設置義務づけ等新たな制度を打ち出しましたが、区としても、再生可能エネルギーのさらなる普及を目指し、既存の広場、駐車場、歩道などに設置できる太陽光発電舗装システムを試験導入するほか、各家庭や事業所における太陽光発電システム等の再生可能エネルギーの導入助成、窓や扉の断熱、屋根・外壁の高日射反射率塗装など、断熱改修等省エネルギー対策助成などの取組を引き続き実施してまいります。 みどり分野では、気候変動への対応も視野に入れたグリーンインフラの取組など、みどり施策の骨格となるみどりの基本計画の改定に着手します。仮称荻外荘公園については、復原工事を進めるとともに、荻外荘オリジナルグッズの販売等を通じ、開園に向けた機運醸成を図ります。また、馬橋公園の拡張整備や仮称杉並第八小学校跡地公園の擁壁改修及び公園整備工事等、地域の核となる公園の整備を進めるほか、身近な公園の整備として、富士見丘北公園については、令和6年度の開園に向けて拡張整備工事に着手します。 次に、健康・医療分野について申し上げます。 健康・医療分野の取組としては、現下のコロナの感染状況を踏まえ、引き続き、受診・相談センターの運営等コロナ対策を実施するとともに、帯状疱疹ワクチンの任意接種にかかる費用の助成を新たに開始いたします。がん検診につきましては、国の指針に基づいた検診を実施することにより、がんの早期発見及び適切な治療につなげ、がん死亡率の減少を目指します。また、がん患者等の経済的な負担の軽減と就労などの社会生活を支援するため、医療用ウィッグや補整具の購入費用の助成を新たに開始いたします。 次に、福祉・地域共生分野について申し上げます。 地域福祉分野の取組としては、複合化、複雑化した区民の地域生活における課題に対応するため、専門の相談機関だけでなく、地域も含めた包括的な相談支援体制を強化します。 高齢者分野では、新たに補聴器購入費助成を開始するほか、認知症初期集中支援チームによる訪問支援など、認知症施策の充実を図ります。また、区内介護事業所の介護人材の確保や定着を支援するため、従事者の資格取得支援の充実などを行います。 障害者分野では、障害者グループホーム等の整備や、介護保険サービス事業所を活用して障害サービスの提供を行う共生型サービス事業所の開設を促進するための助成制度を創設します。また、身近な地域での医療的ケア児の受入れ体制を拡充するため、通園、通所の総合調整役を担う医療的ケア児等コーディネーターの配置に加え、重度心身障害者通所施設での受入れ体制などの充実を図ります。このほか、障害者の円滑なコミュニケーション支援のための遠隔手話通訳システムの導入、障害特性に応じたデジタルディバイド対策の実施など障害分野でのデジタル化の取組を推進します。 地域共生分野では、パートナーシップ関係にある2人の生活上の不便を軽減するための制度として、この4月から新設条例に基づく杉並区パートナーシップ制度の運用を開始したいと考えております。この件につきましては、パブリックコメントや説明会の結果等を踏まえた内容の修正を図り、本定例会に条例案を御提案いたしておりますので、御審議方よろしくお願いいたします。また、これに併せて性的マイノリティーに関することや、性を理由とする差別等に関する相談に適切に応じるため、4月以降、定期的に専門相談を実施するなどの取組を進めてまいります。 次に、子ども分野について申し上げます。 子ども分野の取組としては、子供の権利擁護の取組をより一層推進するため、子どもの権利に関する条例の制定に向けた検討を進めます。区立児童相談所については、令和8年度の開設に向けて、設計などの施設整備に関する取組を着実に推進します。あわせて、児童虐待の早期発見、未然防止の強化に取り組むとともに、子供の貧困や、ヤングケアラーの実態を把握するための調査を実施します。 また、子供を望んでいるにもかかわらず不妊に悩む夫婦に対する支援として、特定不妊治療の先進医療に係る医療費の一部について区独自の助成を行います。さらに、子育て家庭の利便性を高めるため、デジタル版子育て応援券の導入に向け準備を進めるとともに、乳幼児の健やかな成長のため、3歳児健康診査の視覚検査において新たな検査機器を導入し、弱視等の早期発見、早期対応を図ります。加えて、現在中学生までとしている医療費の無償化の対象を高校生まで拡大して実施いたします。 子供の成長と子育てを応援する子ども・子育てプラザの整備につきましては、子ども・子育てプラザ下高井戸が9月にオープンすることで、区内7地域全てに1か所ずつの設置が実現します。 なお、先般、下高井戸児童館については計画どおり廃止する決定をいたしましたが、児童館をなくさないでほしいという2,400筆を超える署名が提出されたことは皆様御存じのとおりです。区政や計画の継続性等を考えての決断でしたが、当事者である保護者や子供たちのためにも、今後の子供の居場所については、対話を続けていくことで、利用者と協力しながら、子ども・子育てプラザの柔軟な運用などを図り、計画をよりよいものにしていきたいと考えております。 保育環境の整備につきましては、引き続き、希望する全ての子供が認可保育所等に入所できるよう、歳児別、地域別に保育需要を精査の上、必要となる定員数の確保に取り組むとともに、保育の質の確保にも引き続き注力してまいります。また、学童クラブの待機児童解消と安全・安心な育成環境の確保のため、引き続き小学校内等への整備に取り組むほか、区立保育園、子供園、学童クラブにおいて、保護者と各施設の職員の負担軽減等のために、スマートフォンなどを用いて出欠席の連絡や児童の入退室などの状況を確認できるアプリケーションの導入に向けた準備を進めます。 なお、児童館施設の再編整備に係る子供の居場所づくりについては、この間、取組の成果などを検証するとともに、多様な子供の居場所についての方向性を検討してまいります。 次に、学びの分野について申し上げます。 学校教育分野では、引き続き教員の働き方改革の推進に取り組むほか、不登校児童生徒がそれぞれの状況に応じた教育の機会を確保できるよう、学校や関係機関との連携を推進し、社会的自立に向けた支援の充実を図るとともに、幅広い学びの場の提供に向けて、不登校特例校の設置等に関する調査研究を進めます。さらに、就学援助の認定基準額の引上げを行い、対象者を拡大し、子どもの学びを支援いたします。 学校教育の環境整備に関連しては、富士見丘小学校と富士見丘中学校の一体的整備をはじめ、杉並第二小学校、中瀬中学校、神明中学校に加え、西宮中学校の改築、久我山小学校の長寿命化改修などを計画的に進めてまいります。このほか、高円寺図書館の移転、改築に取り組むほか、本年8月には大規模改修中のセシオン杉並がリニューアルオープンするとともに、旧杉並第四小学校の跡地を活用した科学の拠点については、本年10月のオープンに向けて整備を進めてまいります。 次に、文化・スポーツ分野について申し上げます。 文化・スポーツ分野では、区民や区内に拠点を持つ団体が行う文化・芸術活動への助成等を通じて、多様な文化・芸術活動を振興するとともに、今年度の実績を踏まえ、広島平和学習中学生派遣事業を引き続き実施してまいります。 また、より多くの障害者が、身近な体育施設で気軽にスポーツ、運動に親しめるプログラムを用意し、参加者が自由に選択して適宜実施することができるユニバーサルタイムについて、荻窪体育館での実施回数を増やすとともに、新たに上井草スポーツセンターでも実施します。 加えて、上井草スポーツセンター、大宮前体育館プールの照明機器のLED化を図る改修工事のほか、荻窪体育館の老朽化したアリーナ床の貼り替え工事や松ノ木運動場のテニスコートの人工芝の部分貼り替えなどを実施するなど、区民の皆さんに安全・安心に利用していただけるよう施設の改修を行います。 最後に、物価高騰対策について申し上げます。 昨年の国内企業倒産件数が3年ぶりに前年を上回りました。ロシアのウクライナ侵略などの影響による原油・原材料価格の高騰もその一因と言われています。また、23区の昨年の12月の消費者物価指数は、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が、前年同月比4.0%増と約40年ぶりの高水準となりました。 原油価格や物価の高騰が長期化し、区民や区内事業者へ大きな影響を与えている状況を踏まえ、来年度につきましても、公衆浴場に対する燃料費等の助成や、区内中小事業者に対する原油価格・物価高騰等対策特例資金や信用保証料の全額補助、福祉施設などにおける食糧費、光熱水費の補助を実施します。また、学校給食で使用する食材の高騰が続いている状況を踏まえ、今年度に引き続き、給食費の増額分を区が負担し、保護者負担の軽減を図ります。 以上、述べてまいりました考え方に基づき編成しました令和5年度一般会計の歳出予算規模は2,107億円と、前年度と比較して81億100万円、4.0%の増となっております。規模が増加した理由としましては、学校改築などの投資事業や保育関連経費などの既定の事業が増加したことなどが主な要因でございます。 次に、特別会計でございますが、国民健康保険事業会計につきましては、被保険者の高齢化等に伴う保険給付費の増などにより、会計規模は前年度比で2.5%の増を見込んでおります。 次に、介護保険事業会計でございますが、保険給付費等の増に伴い、会計規模は前年度比3.4%の増を見込んでおります。 最後に、後期高齢者医療事業会計でございますが、広域連合納付金等の増に伴い、会計規模は前年度比で5.1%の増を見込んでおります。 ロシアによるウクライナ侵略から1年になります。国際社会は、対立を暴力で制することを止めることができず、今も罪のない人々が攻撃にさらされ、生活を奪われ、地域社会、環境が破壊されています。このような状況が続く今、私は、改めて対話によって問題を乗り越える文化を地域社会から実践し醸成することが重要であると感じています。さきに申し上げたとおり、私は、区政運営を行う上で、対話と相互理解が重要であるとの考えから、区民の小さな声にも耳を傾け、区政に生かしていきたいという強い思いを持ち、積極的に区民と対話を行うことに注力してまいりました。この間、こうした対話を通じて、仮に結果が変わらなくても、手法の一部を修正することは可能であり、計画等の決定後も区民が関与し続けることができるという実感をいたしました。また、区民参加による対話や議論の成果を広く区民にフィードバックすることで、行政の取組を一方通行にせず、区民と共につくる区政を実現していくことができるという思いも強くいたしました。 今後も、議会、区民との対話や熟議を通じて、よりよい方向を見いだし、多くの区民や関係団体等の協力の下、「みどり豊かな 住まいのみやこ」となる杉並を目指してまいりたいと存じます。区民の皆様、そして議員の皆様の御理解と御協力を重ねてお願いいたします。 以上、令和5年度の予算編成の方針と主要な施策の概要についての御説明といたします。よろしく御審議の上、同時に御提案申し上げます関連議案と共に、原案どおり御議決賜りますようお願いを申し上げます。

以上で日程第5を終了いたします。 ここで11時5分まで休憩いたします。 午前10時48分休憩 午前11時05分開議

休憩前に引き続き会議を開きます。 日程第6、令和5年度予算の編成方針とその概要に対する各会派の代表質問に入ります。 慣例により、多数会派順にこれを許可いたします。 自由民主党杉並区議団代表、18番大泉やすまさ議員。 〔18番(大泉やすまさ議員)登壇〕
質問に先立ちまして、2月6日にトルコ南東部で起きた大規模地震により、トルコ、シリア両国合わせて1万1,000人以上もの貴い命が失われました。今なお、まだ生存者の捜索も続けられている状況でございます。謹んでお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた全ての皆様にお見舞いを申し上げます。そして、今なお続く懸命な救助活動により、一人でも多くの生存者が見つかりますように切に願うものであります。 それでは、自由民主党杉並区議団を代表して、このたび区長から提案のありました令和5年度予算の編成方針とその概要、その他関連する区政の諸課題について伺ってまいります。 令和5年度予算は、岸本区政にとっての初めての当初予算となりますが、コロナ禍以降という点では4度目の予算編成でもあります。過去2年の予算編成では、法に基づく緊急事態宣言の発出を含め、未曽有の困難化における編成との認識が示されてきたところであります。 そこで、まず伺いますが、現時点における区政を取り巻く環境については、依然としてコロナ禍、また物価高騰といった状況を受けた有事、危機下にあるとのお考えであるのか、区の基本的な認識から確認をいたします。 ロシアによるウクライナ侵略などを契機とした燃料、資材の高騰が続いており、昨年12月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で4.0%上昇と、41年ぶりの上昇率となりました。また、昨年の通年の指数でも前年比2.2%の上昇となり、区民生活に大きな影響を及ぼしています。そうした中で、区長も物価高騰対策を行っていくと明言されているとおり、苦しい状況にある区民、事業者に、今後もなお一層の支援が必要と考えますが、区長は支援に当たっての基準や視点をどのように判断していくお考えか、お示しください。 その上で、新年度予算で打ち出された対策は、今年度の補正予算を継続させたものであり、また、特定の区民、事業者への支援を中心としたものとなっています。現下の状況は、食品メーカーの原材料高などのコスト上昇分の価格転嫁も36%にとどまり、さらに価格転嫁が進むというのが一般的な見方でもあります。こうした点を加味した上で、新年度予算で新たな対策を講じるとのお考えはなかったのでしょうか、見解を伺います。 また、区財政においても、この間、様々な影響を受けてきたと思いますが、長期化する価格高騰も含め、今後の区財政をどのように見通しているのか、その見通しは極めて厳しく、民間企業同様、区においてもさらなる経費節減の取組が重要と考えますが、新たな取組は考えているのか、加えて、施設の運営、改修や再編整備の進め方にも影響が生じるものと考えますが、この点はどう捉えているのか、併せて見解を伺います。 予算編成方針では、気候変動問題にとりわけ注力していこうとする区長の認識は十分に読み取れますが、そのほかにも世界に例のない本格的な超高齢社会の到来や少子化対策、確実に起こるとされる首都直下地震への対応など、基本構想の中でも指摘されている様々な喫緊の課題が山積をしています。気候変動問題は、大切な地球規模の課題であると理解しつつも、区民の生活実感からは、それ以外の様々な困難をどう乗り越えていくかという多角的なビジョンに基づいた区政の展望が必要と考えますが、その点について区長はどのようにお考えか、伺います。 次に、区長が区政への基本姿勢として示した6つの柱について伺ってまいります。 まず、1つ目の柱である総合計画等の修正及び改定について。 来年度に総合計画、実行計画等の改定作業を1年前倒しして実施することが改めて示されましたが、今年度も計画の毎年度修正として、実行計画等の一部修正案が昨年11月に示され、パブコメを経て修正内容の意思決定が行われたと伺っています。一部修正の内容は今定例会中に改めて説明があるとのことですが、そもそもスタートしたばかりの計画でもあり、大きな状況変化が起こったとは考えにくいところでもあります。岸本区長の公約に基づく修正も一部示された一方で、それ以外の修正はごく一部にとどまったとのことから、区長は総合計画、実行計画等の内容について、全体としてはおおむね賛同されているとの認識でよろしいか、また、令和5年度に行われる計画の前倒し改定は、部分修正ではなく、全体についての改定となるのか、併せて、改定に当たってはどういった点に意を用いているお考えなのか、見解を求めます。 その上で、議会への報告時期、パブコメの実施時期も含め、スケジュール設定については、パブコメの締切りが区民から意見をお寄せいただく際の参考となる全員協議会の議事録公開前に終わるということのないよう配慮を求めますが、この点も踏まえてどのようなスケジュールを描いているのか、確認をいたします。 次に、2つ目の柱の情報公開、発信の取組について。 この取組の推進自体は歓迎されるものでありますが、公表される情報を一部の区民だけが活用するにとどまるのであれば、その効果も限定的と言わざるを得ません。より多くの区民に関心を持っていただき、利用されることが重要であると考えます。 そこで、この間の取組で、区民からはどのような反応があったのか、またその評価とさらなる手法、手段をどのようにお考えか、伺います。 次に、3つ目の柱とされる区民参加型予算について。 森林環境譲与税基金の使途をテーマに試験的な取組を行うとのことですが、現在の検討状況を確認するとともに、他自治体では同様の取組事例があるのか、またその成果をどう評価しているのか、確認をいたします。 また、仮称気候区民会議の実施等も含め、区長は区民との対話を政策決定の重要な要素として位置づける一方で、6つ目の柱、議会との生産的な議論において我々区議会議員との対応はどのように位置づけているのか、また、区民参加による区政と、おのおの2,000人以上の区民から負託を受けた議員で構成される議会制度との整理をどのように行っているのか、見解をお示しください。 次に、4つ目の柱とする民間委託等の手法の検証について。 現在、指定管理者制度の検証を行っていますが、区はこれまで指定管理者制度や民間への業務委託について、民間事業者のノウハウを生かした良質なサービスを区民に提供するために、有効な手段としてこの取組を推進してきたものと認識をしています。昨年12月17日の日経新聞に、「民間パワー、公共施設磨く PFI活用広がる」という記事において、全国の自治体における民間資金を活用した社会資本整備について、実例やデータを挙げながら民間パワーの活用が進む現状が明らかにされていました。自治体組織のトップである区長は、自治体組織の経営者である以上、区民福祉を増進させていくために、時には民間手法とタイアップし、自治体経営をデザインしていくことは不可欠であると考えます。 そうした観点から、現在行っている指定管理者制度等の検証もよりよい方向で前に進めるのであれば、当然に歓迎をするものでありますが、区職員の中に、諦めのムードや民間性悪論まで飛び出しているという声も漏れ伝わってきております。改めて、PFI、PPP、そして指定管理者制度等、自治体経営をデザインし、前進させるこれらの制度について、区長御自身どのように捉えているのかお考えを伺うとともに、今般行われている指定管理者制度等の検証において最も重視している点は何であるか、伺います。 また、施設再編整備の検証も含めて、さきの定例会において公平、公正、中立な補正予算の執行を行うよう附帯決議を行っています。検証状況の説明がないままに突然検証結果が公表されるということのないよう願いますが、現在の進捗状況はいかがか、確認をいたします。 さらに、検証結果については、来年度の計画改定に反映するとのことですが、どのように検証結果を公表するお考えか、改めて確認をさせていただきます。 次に、5つ目の柱である風通しのよい職場づくりとして、区長は職員と直接話をする「ナミー’s Cafe」を挙げています。この中で、職員から多くの気づきを得ることができたと述べていますが、例えばどのような気づきがあったのか、具体例を伺います。 また、区長は、就任に当たっての所信表明において、職員に対しても区長に対してクリティカルであり続けてほしいと述べておりますが、区長の区政運営に対し、職員からはどのような意見があったのか、併せて伺います。 区政運営における課題については3点を挙げています。ここでも対話重視ということが語られていますが、まずこの点について伺いますと、区長が進める対話協調型の行政とは、行政と住民、あるいは住民同士が対話を重ねて相互理解を深め、合意形成につなげていくことが不可欠ということ、そして、都市計画道路整備やまちづくりをはじめ、区政においては住民の理解と協力が必要であるため、そのプロセスをしっかり積み上げていくことが重要という考えであると読み取れるところです。 そこで伺いますのは、「仮に同じ結論に至るとしても」と区長が言及されたシーン、そこには合意形成に向けたプロセスを尽くした後には、たとえ個々の事業に対する反対意見が残っていたとしても、しかるべきときには判断をし、その事業を進めていくという考えであると理解してよいのか、確認をいたします。 2つ目の課題として、気候変動対策が大変重要な課題と言及されております。確かにこの点については重要課題の一つとして理解しますが、自治体の責務である区民福祉の増進、そして区民の心の豊かさの実現は気候対策のみで図られるものではないと考えます。そうした視点から、その他の重要課題としてどのようなものを捉えているのか、お示しください。 その上で、区長は気候変動対策に組織横断的に取り組むことで、地域経済の活性化と雇用の創出につながる新たな脱炭素の地域社会の実現を図ることができると述べられております。例示として、都市農業の育成を通じた食やエネルギーの自立、自給の推進、移動や物流の距離を短くするサプライチェーンへの転換等々を挙げられていますが、率直に申し上げて、これらの壮大なテーマを組織横断的な取組や気候区民会議の活用によってどう実現していくかという道筋に想像が及びません。むしろ基礎自治体単独の取組では経費を積み重ねていくばかりになるのではないかと強く懸念するところでありますが、現時点でその道筋をどのように描いているのか、お伺いをします。 3つ目の課題として、区長はこの間の職員との対話も踏まえ、職員の働く環境を変革し、働きやすい職場づくりを進めると述べています。このことは職員のワーク・ライフ・バランスを確保するとともに、仕事へのモチベーションや組織の生産性を高める上で当然必要なことではありますが、それ自体はあくまでも区組織の内部管理の問題であり、重要なことは、職場環境の改善をいかに区民福祉の向上につなげていくか、そしてそれをどのように区民に見える化をしていくかということかと考えます。この点、区長はこの道筋についてどのように描いているのか、伺います。 次に、予算編成の基本的考えについて伺っていきます。 まず、区民の暮らしと命を守るという点について、区長は首都直下地震への備えが急務であるとの認識の下、昨年、地域の防災訓練にも参加をしたということです。私も地域の消防団の一員として様々な訓練に参加をしていますが、発災時に震災救援所の運営の担い手となるのは、地域の町会・自治会、防災会などの役員の方々であり、かねてよりその高齢化に伴う担い手の不足が課題となっています。 そこで、今後、地域の防災力向上のために欠かせない震災救援所運営連絡会等の担い手となる人材不足の課題に対してはどのような対策を講じてきたのか、また講じていく考えであるのか、伺います。 また、首都直下地震への備えが急務であることは区長自身も言及したとおりであります。区長は予算編成方針の中で、長期的な視点が欠かせないハード面の取組も着実に進めてまいりたいと述べていますが、ハード面の取組として具体的に何を進めていくのか、ハード整備は時間がかかるものであることから、これまでの取組の進捗状況や成果、整備されるまでに必要な取組や時間、進める上での課題などをどのように捉えているのか、伺います。 また、新型コロナウイルス感染症については、政府が感染法上の扱いを5月8日にも5類へ移行する方針を決定し、議論を進めています。現時点では移行における経過措置などの詳細が明確でない状況であり、またウイルスの病原性や感染力そのものが変わるものではないため、区が現下の状況を踏まえた引き続きの対策を行っていく考えは理解をいたしますが、5類となれば自治体がこれまで実施してきた業務も大きく変化すると考えます。さらに、医療提供体制にも変化が生じることもあり、混乱が予想されますが、実際に5類に移行することでどのような影響があるのか、またどのような懸念があるのか、財政的な影響も含め、区の見解をお示し願います。 次に、財政運営について伺います。 この間の堅調な歳入状況にあっても、決して楽観視せず、健全財政を確保しつつ、人と地域、産業を育てる長期的、戦略的な投資をしていくという考えは妥当なものと受け止めていますが、具体的にはどのような投資を想定しているのか、御所見を伺います。 また、区長は所信表明に対する私の代表質問への答弁で、喫緊の課題にも対応しながら、必要な行政サービスを継続的に提供できる区政運営を進めるためには、健全で持続可能な財政運営が必要であり、そのベースとなるのが、財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方であると答えられました。新年度の予算編成においてもこの基本的な考え方を踏まえたとのことですが、具体的にどのような点に意を用いて予算編成を行ったのか、お尋ねをいたします。 冒頭に申し上げたとおり、コロナ禍での予算編成も4度目となりますが、当初、コロナ禍の影響により、数か年にわたり区財政は厳しい状況が続くことも想定をしていました。結果としては、この間、区の歳入は伸びており、令和5年度においても、特別区税、地方消費税交付金、特別区財政交付金の増収を見込んでいます。区はこの間の歳入増についてどのように受け止めているのか、伺います。 また、併せてこの間の歳出予算については、コロナ関連経費を除いても伸びていますが、こうした状況についてどのように捉えているのか、伺います。 当初予算の編成としては2年連続で財政調整基金の取崩しがゼロとなりました。その要因は主に歳入の伸びによるものと認識をしていますが、財調基金については予算編成方針において、計画改定における財源としてその活用を見据えるとしており、この点、受け止め方によっては、財調基金は区長公約実現のための財源であるとも捉えられます。かねてより財調基金は、大規模災害や経済事情の著しい変動への備えとして積み立てているものと理解をしているところですが、この活用について区長はどのように考えているのか、改めて見解を伺います。 また、区債の活用については、今後の金利上昇局面を見据えた慎重な判断が求められるものと考えますが、現時点で区債の活用方針に変更はあるのか、またどういった影響を想定しているのか、見解を伺います。 特別区財政交付金については、新年度増収を見込んでいますが、都区間の配分割合については、児童相談所の運営に関する特例的な対応として、令和2年度から特別区の配分割合を0.1%増やし、55.1%とすることとされております。その配分割合については、令和2年度に児童相談所を開設する先行3区の平年度ベースの実績が出る令和4年度になって改めて協議をすることとなっていましたが、その配分割合の0.1%分、元に戻すかのような話も聞こえてきております。一体どのような協議がなされていったのか、また協議内容をどう受け止めているのか、その上で新年度予算にはどういった考え方に基づいて予算計上したのか、併せて伺います。 一方で、ふるさと納税流出額については約41億円と拡大する一方であります。編成方針でこの点に関する言及はなく、あまり危機感というものが読み取れませんが、引き続きじっと耐え忍ぶのみということなのか、かねてより寄附メニューの拡充による防衛策等を提言しておりますが、区ではこの間どのような検討を行っているのか、確認をいたします。 それでは、ここからは主要な施策の概要について8つの分野ごとに伺っていきます。 「みんなでつくる、災害に強く、犯罪を生まないまち」という防災の分野については、令和5年度から建築物の不燃化建て替えの支援の対象区域拡大をするとしていますが、具体的にどの地域に拡大をするのか。支援制度によって建て替えを速やかに促進していくためには、当該区域にお住まいの方へのしっかりとした周知が重要と考えますが、どのように取り組むお考えか、伺います。 また、通電火災の防止効果が高い感震ブレーカーの設置促進のため、期間を限定して設置費を無料にするとのことですが、対象となる火災危険度が高い地域とは具体的にどの地域なのか、加えて、無料とする期間はいつまでなのか、併せて伺います。 緊急輸送道路沿道建築物の耐震化については、都が耐震診断や改修状況の義務化を定めている特定緊急輸送道路においては、これまで区も耐震化助成を行い、一定の成果があったと理解をしています。一方で、緊急輸送道路においては、都が耐震診断、改修状況の報告を義務化していないことから、そもそも沿道建築物所有者が耐震の必要性を感じられていないということも考えられます。当該事業の実効性を担保するために区はどのような施策を展開していくお考えか、伺います。 防犯対策では、特殊詐欺対策について、自動通話録音機の無償貸与や振り込め詐欺被害ゼロダイヤルの設置等、積極的な対策に取り組んでいるものと承知しています。一方、デジタル社会の進展に伴い、インターネットにまつわる犯罪が増加する中、ネット犯罪防止活動については現在どのような対策を講じていて、今後どのような対策を考えているのか、伺います。 次に、まちづくり・地域産業の分野では、まず、都市計画道路について伺います。 都市計画道路については、事業認可している2路線、補助132号、そして補助221号と、その他未着手路線と分けて進める、あるいは検証するとしています。繰り返しの言及となりますが、そもそも都市計画道路は、東京全体の道路ネットワークを検証し、優先的に整備すべき路線を選定した東京における都市計画道路の整備方針(事業化計画)に基づく東京都全体の計画として進めていることから、一自治体の判断で進めるとか検証するといった性質のものではないと認識をしていますが、優先整備路線か否かではなく、許可済みか否かで分けて考えることを可能とする根拠はあるのでしょうか、また、事業認可を受けた路線、区間と、まだ認可を受けていない路線、区間での進め方の違いはどのように整理をするお考えなのか、見解を伺います。 さらに、まちづくり基本方針案では、事業認可を取得しない区間については、防災機能の強化や環境負荷の軽減を図る観点から効果の検証を行い、その結果を踏まえて必要性を検討するとあります。もとより、現在計画中の都市計画道路は全てその必要性について検証済みとの認識からいえば、都市計画道路の整備効果自体が防災機能の強化であり、環境負荷の軽減とも言えますが、区が考える検証とはどういったものであるのか、見解をお示しください。 続いて、地域公共交通計画について伺います。 コロナや環境、人生100年時代、ICT化など様々な要因から、まちの交通の在り方は大きく変わろうとしています。こうしたタイミングを捉えて計画を策定することには意義があると考えますが、地域公共交通計画が意図するところについて、区の見解をお示しください。 あわせて、この計画によって具体的に何がどう変わっていくことを想定しているのかについても確認をいたします。 シェアサイクルについても伺いますが、杉並区シェアサイクル実証実験が始まってから1年以上が経過しました。区内でもサイクルポートが着実に広がっていることを日々実感をしていますが、区民の利用状況や得られた感想などについてお示しください。 また、新年度から具体的に事業を開始するに当たっては、さらなるサイクルポートの展開が必須であります。特に民間の敷地に設置してもらうことを想定すれば、区はシェアサイクルにかける意気込みを先行的に分かりやすい形で世間に示していくことも重要と考えます。例えば区役所の一角に設置をすれば、広く区民にも周知することにつながると考えますが、こうした手法への可能性も含めて、これからのシェアサイクル事業の展開について見解をお示しください。 地域産業分野についても伺います。 創業支援については、令和4年度から創業スタートアップ助成を実施していますが、その実績はいかがでしょうか。助成に当たり、地域の商店会に加盟する条件が付されていたと承知していますが、その成果は着実に現れているのか、また、令和5年度も同様のスキームで実施するようですが、さらなる創業支援の拡充についてどのように考えているのか、確認をいたします。 商店街支援に関連して、昨年12月から実施しているプレミアム付商品券等事業の実施状況はいかがでしょうか。進捗について確認をします。 商品券事業については、物価高騰対策として、区民への支援にとどまらず、燃料費高騰などの影響を受けている事業者の経営支援としても有効な面があるのではないかと考えますが、こうした商品券等事業の意義や今後の展望をどのように考えているのか、見解を伺います。 また、都市農業の支援について、区長は気候変動対策の取組の一つでもあるとしていますが、都市農業の役割はそれ以外にもあるものと考えます。区はその意義をどのように認識し、どのような将来像を描いているのか、また、その将来像に向けた令和5年度の主要な取組としてどういったものを考えているのか、確認をいたします。 次に、環境・みどり分野について伺います。 環境分野では、特に仮称気候区民会議について言及していますが、議会との関係も含め、いまだにその詳細が見えてきません。この会議について、現在の検討段階で想定するスキームがどのようなものであるのか、確認をいたします。 また、この会議を行うことで現在の気候危機に対し、具体的にどのように活路が開けると考えているのか、見解をお示しください。 環境施策では、太陽光発電設備の設置推進について、東京都による要件に該当するディベロッパーが供給する新築住宅への設置義務づけ等、新たな動きがある中で区の助成制度にはどのような影響があり、どう対応していくお考えか、確認をいたします。 また太陽光発電舗装システムを試験導入するとのことですが、現段階での具体的な計画をお示しください。 確かに、都市部の住宅では屋根への設置が容易でないケースも多いと考えられる中、有効策とも思いますが、どのような効果があると考えているのか、伺います。 また、予算編成方針では触れられていませんが、青梅市とのカーボンオフセット事業及び体験型森林環境学習については、この間、検討を行っていたものと承知しています。これらの事業について、現在の進捗状況と令和5年度の取組を伺います。 みどり分野に関しては、みどりの基本計画の改定を予定しているとのことで、気候危機への対応も視野に入れたグリーンインフラの取組について触れられています。区のこれまでのグリーンインフラに関する取組はどういったものがあるのか伺うとともに、計画改定で気候危機への対応も視野に入れて、どういったことを重点に水と緑による水害対策に取り組んでいくのか、伺います。 あわせて、気候危機、脱炭素への対応に向けて、みどりの基本計画の改定ではどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 次に、健康・医療分野では、まず、がん対策について伺います。 国立がん研究センターによると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性で65.5%、女性で51.2%と日本人のおよそ2人に1人ががんと診断されることになります。がんによる死亡を減らすには、やはりがん検診による早期発見が有効であり、厚生労働省ががん検診の受診率50%以上を目標とする中で、当区でもがん検診の推進により、がんの早期発見、早期治療につなげ、死亡率の減少を目指しているところであります。そうした中、このコロナ禍の3年は、がん検診の受診控えもあったと聞いていますが、この間、区は受診勧奨の面でどのような取組を行ってきたのか、伺います。 また、がんやがん治療により、脱毛、手術後、部分欠損等、外見に変化が起こり、今までどおりの生活が送りにくくなる方があり、こうした方の中には、アピアランスケアを望まれる方もいます。このたび区が新たにウィッグや胸部補整具の購入費用の助成を行うとしたのは、こうしたことを踏まえてのことだと思いますが、どのような経緯でがん患者支援に取り組むこととしたのか、助成内容やその規模の想定についても併せてお伺いをいたします。 帯状疱疹ワクチン接種の助成開始については、東京都が新しく助成制度をつくったことで、区も積極的に動き出すことができたと考えていますが、この助成を始めることが区民福祉の向上につながると判断した理由をお示しください。 また、さきの決算特別委員会では、区の医師会の話を聞かせていただいた上で、我が会派からも助成の開始を強く求めたところであります。当時の御答弁からは、あまり区の積極姿勢を読み取れておりませんでしたが、今回大きな政策変更に至った経緯についても確認をいたします。 次に、新たな今回新たに創設することとした新特定不妊治療費助成制度についても伺いますが、これまでも区は不妊治療に係る助成を行っている中で、今回、新たな助成制度では、先進医療に係る医療費の一部を区独自に助成することといたしました。こうした制度を創設した目的、またこれまでの制度とは具体的にどのような点が違うのか、確認をいたします。 この分野の最後に、このたびの編成方針には区民の健康づくりについての言及がありませんでした。スポーツ庁が昨年10月に公表した調査では、小学生から高齢者までの幅広い年齢層で、コロナ前と比べて体力低下の経過が見られるとのことであります。区民の健康づくり施策に関しては、区はどのように考えているのか、伺います。 福祉・地域共生分野では、まず高齢者関連から新たに補聴器購入費の助成を開始するなど、認知症施策の充実を図っていくとのことですが、高齢者の補聴器は、購入したものの、あまり使われていないという話をよく耳にします。その点を踏まえ、難聴の高齢者が適切な補聴器を使い続けられるよう、助成制度が必要と考えますが、見解を伺います。 また、認知症初期集中支援チームの充実を図るとしていますが、現在3チームで年間30件程度の支援、これをどのように拡充をしていくのか、併せて、認知症家族安らぎ支援も含めた認知症施策充実について大枠の方向性をお示しください。 障害者分野では、介護保険サービス事業所を活用して障害者サービスの提供を行う共生型サービス事業所の開設を促進するため、新たな助成制度の創設が示されました。その助成内容の詳細を伺います。 また、障害者が身近な地域で充実した生活を続けられるためには、個々の身体状況や適性に合ったサービスを受けられる通所施設整備が重要であり、確実に共生型サービス事業所を増やしていく必要があると考えます。今後どのように事業者の理解を得ていくお考えか、併せて伺います。 聴覚障害者支援の遠隔手話通話システム事業の創設については、区内の何か所への導入を考えているのか、また、聴覚障害者の方も気軽に利用できるユニバーサルタイムが拡充される荻窪体育館、上井草スポーツセンターにもタブレット等の配付は行うのか、確認をします。 障害者分野の最後に、障害者のデジタル技術活用に向けた支援については、視覚障害者向けスマートフォン講座としていますが、視覚障害者以外の障害者への支援はどのように考えているのか、確認をいたします。 地域共生分野については、パートナーシップ制度について確認をいたします。 4月から新設条例に基づくパートナーシップ制度の運用を開始するということですけれども、我が会派から性の多様性の尊重とは関わりのない事実婚を対象から除外することや、そっとしておいてほしい当事者への配慮、区内の不動産事業及び医療機関への調査など、より丁寧かつきめ細やかな対応を強く求め、また要望書を提出してきた経緯があります。これらを踏まえ、区はこの間どのように取り組んできたのか、また、骨子案に対するパブリックコメントや説明会の結果等を受けて、主にどのような内容の修正を図ったのか、答弁を求めます。 次に、子ども分野では、まず児童相談所に関して伺います。 区は、こども家庭庁の設置や児童福祉法の改正のほか、昨年12月に新たな児童虐待防止対策体制総合強化プランを策定するなど、年々増加していく児童虐待への防止対策をさらに進めています。区はこうした状況を踏まえ、区立児童相談所について令和8年度の開設に向けて取組を進めていると考えますが、今後、施設の設計を進めるに当たり、どのような視点を大切にし、設計の内容に盛り込んでいく考えか、伺います。 次に、子供の権利擁護の取組について。条例制定に向けた検討を行うとのことですが、まず条例を必要とする背景、目的を確認します。 その上で、審議会を設置するとしていますが、どのくらいの規模で、どういった構成員を想定しているのか、また子供の関係者としては、従前の子ども・子育て会議がありますが、その会議との関係や整合性についてはどのように考えているのか、また子供からの意見聴取の方法と保護者からも意見を伺うのか、併せて確認をいたします。 次に、ヤングケアラーの実態調査を行うとのことですが、昨年6月に国が公表した実態調査の結果では、小学6年生の約15人に1人が世話をする家族がいるとの回答でした。区におけるヤングケアラーの実態を調査することは非常に重要な取組と考えますが、実態を十分に把握するためには、そもそも調査の対象となる子供自身がヤングケアラーの認識を持っていると考えているのかが重要であります。区ではこの点をどのように考え、どのように実態を調査する考えなのか、伺います。 また、各分野関係機関への研修実施について、研修する対象は各分野の関係者だけとなるのか、民生委員や児童委員、ケアマネなどにも行う必要があろうかと考えますが、見解をお示しください。 続いて、保育施策についても伺います。この間の区の積極的な保育施設整備により、待機児童数ゼロを続けていることを評価するとともに、その舞台裏における各担当職員の皆様の懸命な御尽力に改めて感謝を申し上げます。その上で、予算編成方針では、引き続き必要な定員数の確保に取り組むこと、及び保育の質の確保に注力することが示されておりますが、一方で、今般の実行計画等の改定案においては、当面、保育施設の新規整備は行わないこととされており、一見矛盾があるようにも思います。今後、具体的に保育施策をどのように進めていくお考えか、区長の見解を伺います。 次に、学びの分野から不登校児童生徒に対する取組については、社会的自立に向けた支援の充実を図るとともに、幅広い学びの場の提供に向けて、不登校特例校の設置等に関する調査研究を進めることとしています。文部科学省の調査では、全国の不登校児童生徒数が2021年度には24万人を超えたとの報道がありました。区の不登校児童生徒数も増加傾向にあると聞いており、不登校児童生徒にどう向き合っていくかが区としても大きな課題であります。現在区でも、さざんかステップアップ教室の設置、運営等により、不登校児童生徒への対応を行っているところでありますが、不登校特例校についてはまだまだ制度自体の周知が進んでいないとも言われています。区としては特例校についてどのような認識を持ち、特例校の設置を含めて、不登校児童生徒に対する対応をどのように進めていこうとしているのか、伺います。 なお、教育分野においては、この間、区長の発言や公約から、義務教育保護者負担軽減の在り方の検討について、給食費の無償化を含めて時間をかけて検討することとしていたと認識をしています。それが今般、引上げ幅は小さいとはいえ、就学援助の認定基準の引上げを実施し、対象者の拡大を図ることが示されました。新年度に向けて引上げを行うこととした考え方と、今後どのように進めていく考えか、見解を伺います。 教育施設整備に関しては、本年10月オープン予定の旧杉並第四小学校の跡地を活用した科学の拠点設置について、我が会派から度々提案してきたサウンディング型市場調査を実施し、その結果、歳入確保を図った上で、民間事業者に区民の科学の振興に向けた様々な事業を展開してもらうという取組に大いに期待をしているところであります。10月のオープンということで、実施に向けた具体的な内容も固まってきていると思いますが、今後どのような形で区民に周知をし、どのような事業が予定をされているのか、また教育委員会として期待している効果等についても併せて伺います。 最後に、文化・スポーツ分野について伺います。 コロナ禍による影響はこれまでに築き上げてきた友好自治体との交流にも及んでいます。社会のフェーズの変化がもはや不可避である中で、新年度から果たして従前より積み上げてきた交流を引き続き行うことが可能であるのか、その見通しについて区の見解を伺います。 その上で、これまで友好自治体との交流で大きな役割を果たしてきた東京高円寺阿波おどりについては、この間のコロナ禍における窮状を既に我が会派からもお示しさせていただいたとおりであります。区としては、新年度、どのような支援を考えているのか、改めて確認をいたします。 特に起爆剤という意味では、何か目に見える発信力のある取組を期待するものですが、区の御所見をお伺いいたします。 この分野の、そして私からの最後の質問となりますが、我が会派はこれまでも区民が安全・安心に体育施設の利用ができるように、区立体育施設の実情に応じた改修を計画的に進めることを求めてきました。昨年第3回定例会における代表質問では、前向きな御答弁をいただいたものと理解をしていますが、改めてこの点について区の基本的な認識と令和5年度の取組について伺います。 以上、区政全般についてるる質問をしてまいりました。本定例会を終え、4月になりますと、我々区議会議員は4年の任期を全うし、5月から思い新たに歩みを進めることとなります。任期の最後となる本定例会で審査をする新年度予算については、区の責務である区民福祉の増進が効果的に図られているかについて、まさに新生議会が区の意思決定機関として監視、牽制、そして議決を行っていくための重要な基礎となるものであります。我が会派は、そうした認識を重く受け止め、また地域に根差し、多くの区民の皆様より意見を託していただいた立場として、そして区議会第一党としての矜持を持って本定例会に臨むこと、そしてこれからも区民目線で区政の前進に尽くしてまいることを最後にお誓いを申し上げ、自由民主党杉並区議団を代表しての質問を終了させていただきます。御清聴どうもありがとうございました。

理事者の答弁は休憩後とし、ここで午後1時まで休憩いたします。 午前11時45分休憩 午後1時開議

休憩前に引き続き会議を開きます。 大泉やすまさ議員の代表質問に対する理事者の答弁を求めます。 区長。 〔区長(岸本聡子)登壇〕
自由民主党杉並区議団を代表しての大泉やすまさ議員の御質問にお答えします。 最初に、現時点における区政を取り巻く環境についてのお尋ねがございました。 御指摘のとおり、コロナウイルス感染症の感染症法上の取扱いが2類相当から5類に変更されることが決まり、マスク着用の緩和などを含め、コロナ禍からの回復については、一定の見通しが立ってきたと言っていいのではないかと捉えています。しかし、なお強い感染力を持つ感染症であることに変わりはなく、今後もワクチン接種の勧奨、支援、区内医療機関の状況の把握など、区として対応を図る必要がありますし、感染の拡大が区事業の継続性に与える影響にも留意が必要です。また、広範囲にわたる物価高騰が長引くことによって不透明な経済状況が続くことが、区民や区内事業者に及ぼす影響などを考えると、引き続き危機感を持って区政運営に当たらなければならないと受け止めています。 今年1月の消費者物価は、東京都区部の総合指数の速報値で、前年度比4.3%の上昇となり、2か月連続で4%を超えています。この物価高騰はいわゆるコストプッシュ型のインフレであり、消費を支える十分な賃金増を伴っていない点で、区民生活への打撃が深刻なものになるおそれがあります。 今回の予算編成に関しては、今年度に引き続き、物価高騰対策を行うところですが、特に電気料金に関して、今後、数か月間は国の支援によって値上げ幅が抑制されるものの、夏前には再度大きな値上げが想定されております。今後は、電気、ガスなどの光熱費を含めた物価高騰の推移が、区民、区内事業者に与える影響についても十分に注視しつつ、年度途中であっても、さらなる追加対策が必要と判断した際には、議会とも御相談しながら迅速な対応を図ってまいります。 物価高騰も含めた今後の区財政についての御質問にお答えします。 長期化する物価高騰は、区民生活や区内事業者に大きな影響を与えており、この間、補正予算により必要な対策を講じましたが、新年度予算案においても必要な支援策を盛り込んだところです。区への影響としては、エネルギー価格の高騰に伴う光熱費の上昇が大きく、追加経費を今定例会に補正予算として御提案させていただいております。また、新年度の歳出予算においても、物価高騰の影響を広範に受けており、光熱費のほか、工事費や委託経費、物品の購入経費などが上昇しており、こうした状況を踏まえた予算計上をしております。一方で歳入については、コロナ禍においても堅調に推移しており、新年度の特別区税ほか主要な財源については、いずれも増収を見込んでいます。 今後の見通しですが、物価高騰については、今年の後半ぐらいには落ち着いてくるのではないかとの一部の専門家の見解もありますが、アメリカや中国をはじめとした世界経済の動向、今後のウクライナ情勢など、日本経済を取り巻く環境は引き続き不透明であり、こうした状況について十分注視する必要があると考えております。区財政については、今後も区民生活の状況などを見極めつつ、区民の生活を守るため、必要な支援策はちゅうちょすることなく行いながら、様々な景気の下押しリスクを踏まえ、健全な財政運営に努めていく必要があると認識しております。また、景気動向に大きな影響を及ぼす新型コロナウイルス感染症については、5類移行後も引き続き感染状況を注視していく必要があると考えております。 次に、経費削減の取組についての御質問にお答えします。 経費削減の取組については、私はこれまで行ってきた取組に加え、新たに時代の変化を捉えた働き方改革を進めることも大きな成果につながるものと考えています。こうした考えの下、業務の効率化や仕事の仕方を多様化するため、テレワークの拡充や会議の電子化の導入など行政内部のDXを進めます。また、従来の考えにとらわれない視点から仕事を見直し、無駄を省くことで、職員の負担の軽減につなげていきたいと考えています。このような取組を重ねることで、職員のモチベーションが向上し、区政課題の解決に向けたクリエーティブな思考を行う余裕が生まれ、最少の経費で最大の効果を生む区政運営につながるものと確信しております。 次に、物価高騰が区立施設の運営や改修等に与える影響に関する御質問にお答えします。 御指摘のとおり、区立施設については光熱費が上昇しており、ランニングコストに影響が出ております。工事費についても、資材高騰などもあり、今後も影響を受けるものと認識しています。このため、社会経済環境を注視しながら、効率的な施設運営に努めるとともに、再編整備などの施設整備に当たっては、できるだけ既存建物などの活用により仮設を設けない工夫や工事期間の短縮など、工事費の圧縮に努めてまいります。 次に、今後の区政の重要課題、展望に関する御質問にお答えします。 区政の様々な課題の中で、私がとりわけ気候変動問題にフォーカスを当てて区政を進めていこうとしている理由は、脱炭素化という目標が、今までの温暖化防止という政策の範囲を超え、社会、経済、都市計画、土地利用、産業構造といった社会の在り方そのものを問う大きなチャレンジだからであり、持続可能な地域社会づくりのビジョンを示すものであるからです。しかし、もちろん気候変動問題への対応のみで区政の様々な課題の全てを乗り越えられるとは考えていません。気候変動問題をはじめとする多くの課題をトータルに解決するためには、それぞれの課題が相互につながっていることを十分に意識し、ほかの分野との連携、連動を前提に、複眼的かつ分野横断的に解決策を考える視点がとても重要だと思っており、基本構想は、まさにそうした視点からのビジョンを描いているものだと考えています。 なお、区政を取り巻くその他の重要課題としては、例えば人生100年時代を生き生きと過ごすための施策や、安心して子育てができるまちづくりに向けた施策など、少子高齢化対策の推進などの課題があるものと捉えています。 次に、総合計画、実行計画等に関するお尋ねにお答えします。 昨年の所信表明において申し述べたとおり、私は基本構想を尊重していくという基本認識を持っており、行政の継続性という視点を持つことは重要だと考えております。しかし、基本構想の将来像を実現するための具体的な道筋である総合計画、実行計画等については、こうした視点を持ちながら、これまでの取組を振り返り、必要な見直しを行うべきと考えております。来年度の改定に当たっては、現在進めている施設再編整備計画や指定管理者制度の取組などの検証結果を踏まえ、また、それ以外の状況変化なども見定めつつ、計画全体を改めて網羅的に見直していくこととしております。 スケジュールの詳細はこれから詰めてまいりますが、春から夏にかけて、区民意見を伺いながら各検証作業を進めるとともに、庁内検討を進め、第3回定例会後には新計画の素案を区民と議会にお示しし、パブリックコメントを実施してまいりたいと考えております。また、計画素案の議会への事前説明については、大きな改定であることも踏まえ、開催方法や議事録の公表時期も含め、今後、対応を考えてまいりたいと思います。 次に、情報公開及び情報発信の取組についての御質問にお答えします。 この間、何より区民と区政の情報を共有することが重要であるという考えに基づき、まちづくり基本方針骨子案への意見募集に寄せられた500件以上の御意見は全文公開したところです。なお、区民から寄せられた御意見は広く共有していくことが必要との観点から、今後、パブリックコメントで提出していただいた御意見については原則全文を公開することといたしました。 また、私の日々の行動記録の公表やまちづくり基本方針案について、私自身が説明する動画を発信するなど、様々な取組を行ってまいりました。こうした取組を通じて、区政は変わってきている、多様な区民がおり、それぞれに意見を持っていることが分かった、私の声がしっかりと区に届いていると感じたなど、御意見や御感想をいただきました。 私自身、区民の方との対話や区にいただいた御意見から気づかされることはたくさんあり、区政運営に当たっては、自由な発想を持ち続けなければならないと実感しているところです。今後は、いただいた御意見をどのようにフィードバックするかが課題であると考えております。 今後もこれまでの取組を引き続き推進するとともに、区民が区政の情報を容易に入手できるような環境を整えるため、情報の公表に関する方針を令和5年度中に策定し、積極的な情報の公開、発信につなげてまいります。 次に、区民参加型予算についての御質問にお答えします。 区民参加型予算につきましては、6年度予算案へ反映すべく、森林環境譲与税基金の使途をテーマにモデル実施の予定です。この参加型予算の取組は、ブラジルのポルトアレグレ市で始まり、海外では多くの自治体で導入されています。国内でも東京都や三重県など複数の自治体で取組が進められているところであり、海外の事例も含め他自治体の事例を参考に、現在、区民からどのように提案を受けるのかなど、具体的な事業のスキームやスケジュール等について検討を進めているところです。 区民参加型予算については、区民が予算の一部の使い道を提案し、その決定においても区民参加により行うものであり、区民の区政への関心を高めるとともに、参加促進につながる大変意義のある取組であると考えております。 次に、区議会議員との対話の位置づけ、区民参加による区政運営と議会制度との関係に関するお尋ねにお答えします。 気候区民会議や区民参加型予算については、区民が予算の使途を考えることなどを通じて、区政を我が事として捉えるきっかけとするとともに、区民の意見を政策に反映させる仕組みとして検討を進めているところです。政策の推進に当たっては、予算への反映などが必要になることから、議員への事前の説明を丁寧に行うとともに、議案の審議を通して、十分に議会とも議論を重ねてまいりたいと考えております。 次に、指定管理者制度等の検証についての御質問にお答えします。 私は、公共サービスの分野に民間事業者による利益追求の論理や市場主義の法則を持ち込むべきではないとの考えを持っておりますが、民間活力の活用についてその全てを否定するものではありません。民間企業やNPO、社会福祉法人などが創意工夫や蓄積された知識を生かし、地域に根差した、区民にとってよりよい公共サービスを提供できるのであれば、委託なども有効な手法であると考えております。そうしたことから、今般の指定管理者制度の検証は、民間活力の活用がそれぞれの導入目的に照らして適切に行われているのか、そして、当初見込んでいた効果が得られているのかを改めて確認するために行うものです。 また、さきの定例会における附帯決議については重く受け止めており、公平、公正、中立な視点による検証を行うこと、そして運営に係る現状等を正確に把握し、検証結果をよりよいサービスの提供につなげていくことが重要との認識を持ち、様々な立場の人から幅広く丁寧に意見を聴取しながら、検証作業を進めているところです。 指定管理者制度の検証については、業務担当課、指定管理事業者及びその従事者に対する調査のほか、無作為抽出による区民アンケートが終了し、現在、集計作業に着手しております。なお、施設利用者のアンケートは2月下旬を回答期限として実施しているところです。 次に、区立施設再編整備計画の検証についてですが、施設の利用者や運営事業者との意見交換を行っているほか、無作為抽出による区民アンケートや施設利用者アンケートを実施してまいります。いずれの検証についても、適宜、議会への進捗状況を報告しながら進めていきます。 検証結果については、議会に報告するとともに、区公式ホームページなどを通じて、全ての調査結果や調査で得られた生の声なども区民に分かりやすくお伝えすることで透明性の確保に努め、区民に御理解いただける検証としてまいります。 次に、職員と直接話をする中で得られた気づきに関するお尋ねですが、総じて職員は自らの担当業務に問題意識を持ち、日々努力をしていること、一方で、こうしたらもっと効果的、効率的に仕事ができると思っていても言い出す機会がなく、胸の内に抱えてしまっている職員が少なからずいることが分かりました。具体的には、区は民間と比較するとデジタル化が遅れ、テレワークなどの仕組みも不十分であると感じている職員が多いこと、会計年度任用職員の中に報酬や雇用期間の改善を願う声があることなどを認識することができました。 私の区政運営に関連したクリティカルな意見としては、区長は児童館廃止に反対する人の意見しか聞こえていないのではないか、審議会の公開をめぐっては、一部傍聴者からの要望があった区として映像を撮影し、公開することよりも、早期の議事録の公開が必要ではないかといったものがありました。今後も対話の機会を設けてまいりますので、職員の様々な意見に真摯に耳を傾けていきたいと考えております。 次に、対話に基づく合意形成についての御質問にお答えします。 地域課題の解決に当たっては、唯一の正解が存在することはまれであり、全ての人が納得する解決策を見いだすことは実際には困難だと思います。賛成と反対の双方の意見が対立するような状況において、私が重要だと考えるのは、いわゆる熟議を尽くすことであり、相手に自分の意見を押しつけるのではなく、お互いに納得できるような修正案や妥協できる点を見つけ出そうとする話合いを通じて、お互いの理解を深めながら合意形成を目指すことだと考えております。 一見遠回りのように見えても、こうした相互理解のための努力や工夫を重ねることによって、分断や対立を乗り越え、新たな決め方、新たな政策づくりができるのではないかと信じています。しかし、対話と熟議を尽くしても、反対の立場の方が残ることもあります。その場合は、いつまでも議論を続けているのではなく、議論を収束させるために、賛成、反対の双方がそれぞれの立場を理解し、お互いの納得の度合いが高まったことを確認した上で、リーダーである私が最終的な判断を下す場面が必要であると考えております。 次に、新たな脱炭素の地域社会の実現に関するお尋ねにお答えします。 区は、ゼロカーボンシティーの実現に向け、今後も組織横断的に取組を進めていきます。その際、各所管が進める取組の中に脱炭素という視点を加えることで、地域経済の活性化や雇用の創出、新しいモビリティーの普及、新たな地域社会づくり等、従来からの取組が一層広がりのある推進につながるとの考えから、予算編成方針で例示として触れたところでございます。 なお、具体的な道筋は、今後検討を本格化する仮称気候区民会議において、区民の参画を得ながら広範に議論し、その結果が区の施策に反映されることで、脱炭素に向けた様々な取組の推進につながるものと考えています。 次に、職場環境の改善についての御質問がございましたが、デジタル化や業務フローの見直しなど、仕事の効率化を推進するとともに、部署や役職を超えて自由闊達に議論ができる風通しのよい職場環境の整備を進めれば、職員のモチベーションが向上し、仕事によりクリエーティブに向き合うことができるようになり、組織の生産性は向上します。職員は日々、組織目標達成に向け一丸となって業務に取り組んでおり、組織の生産性を向上すれば、当然、目標達成と、ひいては区民福祉の向上に資するものだと考えております。その成果については区民の目に見える形で実感してもらえるよう、情報発信等の工夫を考えてまいります。 次に、震災救援所運営の担い手に関するお尋ねにお答えします。 震災救援所運営連絡会は、御指摘のとおり担い手が不足している地域もあることから、これまで協働推進計画に基づき、地域の民間事業者などに参加を働きかけております。今年度は、建設業界の団体である一般社団法人杉並建設防災協議会の会員の参加があり、大いに活躍していただいていることに加え、地域で防災知識の普及活動を行っている地域防災コーディネーターも連絡会のメンバーになっております。今後も小中学校の協力を得ながら、児童生徒の参加を促すほか、区内の福祉施設や郵便局などへ機会を捉えて参加の働きかけを行う対策を講じてまいります。 次に、首都直下地震への備えとしてのハード面の取組に関する御質問にお答えします。 災害に強いまちの基盤づくりとして、震災時の避難や救援活動などに必要となる道路の拡幅整備や公園等のオープンスペースの確保などの基盤整備とともに、建物の耐震化、不燃化、木造住宅密集地域の解消などの取組を進めてまいります。 令和3年度末現在、区内の都市計画道路の整備率は49%、狭隘道路の整備率は40.7%、区民1人当たり公園面積は2.22平方メートルとなっております。また、令和3年度の区内建築物の耐震化率は92.9%、不燃化特区の不燃領域率は62.2%と、いずれも上昇傾向にあります。 都市基盤等の整備には、首都直下地震への区民意識の啓発をはじめ、地域住民との合意形成や用地の確保などの課題があり、時間もかかるため、長期的な視点を持って実行計画等に位置づけた上で、区民の理解を得ながら計画的に取り組むことが重要だと考えています。 次に、新型コロナウイルス感染症についての御質問にお答えします。 感染症法上の分類が5類に移行した場合の影響ですが、医療機関から患者の氏名、住所などの情報を保健所へ届け出る義務がなくなり、患者に対する入院勧告、就業制限、移送、患者・濃厚接触者の行動制限、在宅療養者への健康観察などを区が実施する必要がなくなります。 また、5類移行後の懸念としては、入院、外来の自己負担分の公費支援の段階的廃止、患者や濃厚接触者の外出自粛の見直しなど、患者等への対応の変更、入院や外来の取扱いが、原則としてインフルエンザなどほかの疾患と同様となるといった医療提供体制の変更などがあると考えており、これらの変更点については、区民に対し速やかに情報提供をしてまいります。 財政的な影響については、入院勧告に伴う入院医療費は4分の1が区の負担、移送費は2分の1が区の負担であり、5類に移行した場合、これらの負担が減ることになりますが、現在、移行に伴う課題について、国の厚生科学審議会感染症部会などで議論をされており、区としてもその動向を注視してまいります。 次に、人と地域、産業を育てる投資についての御質問にお答えします。 予算編成方針でも一部触れたところですが、持続可能な地域社会をつくっていくためには、地域経済全体の活性化や新たな雇用の創出を意図した中長期的な戦略が必要だと考えています。例えば区内にある空き家の利活用であれば、それぞれの地域特有のニーズを把握した上で、地域の拠点となる施設の運営や、事業の担い手となる地域の人材や団体を掘り起こしていくなど、地域づくりのための戦略的な仕掛けが必要です。また、区内の建築事業者の皆さんに対しては、今後求められる建物の断熱化や省エネ化を進めるための具体的な技術などを学んでいただく機会を提供するなど、技術力アップのための人材育成の仕組みを構築することを通じて、脱炭素化時代を生き抜く区内事業者づくりと、温暖化対策を同時に進められないかといったアイデアが考えられます。今申し上げた事例以外に、人や物への投資として考えられるのは、例えば超高齢社会の進展を見据えたグリーンスローモビリティーやシェアサイクルなどの移動サービスへの投資などが考えられます。 こうした取組への先行投資は、区民や区内事業者と共に、持続可能な地域社会を構築していくために必要不可欠な要素だと考えています。このような基本的な考え方に基づく具体的な手法や取組については、来年度の計画改定の中でしっかり検討していきたいと考えています。 次に、予算編成において財政運営の基本的な考え方を踏まえた点に関する御質問にお答えします。 財政運営の基本的な考え方における行政コスト対税収等比率、債務償還可能年数の両指標につきましては、予算編成時にお示しすることができませんので、ほかの項目について御説明いたします。 初めに、財政調整基金につきましては、基本的な考え方では、年度末残高350億円の維持となっておりますが、歳入の状況を踏まえ、今年度に引き続き当初予算編成における取崩しは行わず、基金残高の維持に努めたところです。施設整備基金につきましては、毎年度40億円以上の積立てを行うこととしておりますが、当初予算では積立ては行わず、決算剰余金などを財源に、来年度の補正予算で積立てを行う考えです。また、今後の施設の更新需要の増加を考慮し、取崩しの圧縮に努めたところです。 次に、区債につきましては、歳入の状況を踏まえ、適債事業の一部について活用しない判断をしたところです。また、公債費負担比率につきましては、予算編成時にお示しすることは困難ですが、これまでの区債の発行状況を踏まえれば、基本的な考え方に示した5%を超えることはないのではないかと受け止めております。なお、区債の繰上償還は、金利動向等を踏まえ、予定しておりません。 次に、コロナ禍における区の歳入予算、歳出予算についての御質問にお答えします。 コロナ禍の区財政への影響については、当初100億円にも及ぶ減収を覚悟していたと聞いておりますが、結果的には、区歳入の3分の2を占める特別区税、特別区財政交付金、地方消費税交付金については増加傾向が続いております。これは、納税義務者及び区民所得の増、堅調な企業収益等の影響によるものと受け止めておりますが、今後こうした状況が継続するかは不透明であり、国内外の経済状況等については引き続き注視していく必要があると考えています。 また、コロナ関連経費を除いた歳出予算については、少子高齢化の進展や区立施設の更新需要の高まり等の影響から、既定経費や投資的経費、特別会計への繰出金などが増加しております。こうした傾向は今後も続くものと受け止めております。今後とも限られた財源を有効に活用するため、歳出予算の削減、積極的な国や都の補助金などの特定財源の確保などに取り組み、健全な財政運営に努めてまいります。 次に、財政調整基金についての御質問にお答えします。 財政調整基金については、令和4年度末残高が約570億円となる見込みですが、「財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方」に示しているように、大規模災害や経済事情の著しい変動などによる減収への備えとして積めるときに積み立てておくべきものと認識しております。一方で、今般のコロナ禍など非常時における局面では、ためらうことなく、区民生活を支える取組などの財源として活用していくべきものと考えています。 財政調整基金については、安定した区政運営のために極めて重要な財源であると受け止めており、来年度、総合計画の改定の際に、必要額などその在り方について検討する考えです。また、計画の改定に当たりましては、各計画事業の見直しも行うことから、この間、積み増してきた基金の一部を脱炭素の取組など、将来を見据え、区として長期的に取り組むべき課題等の財源として活用することも併せて考えてまいりたいと存じます。 次に、区債の活用についての御質問にお答えします。 区債の活用につきましては、将来世代の負担となるため、財政状況を踏まえ、必要性や金利動向等を精査した上で活用することが必要であると考えています。また、区債の発行については、長期にわたり低金利で借りられる公的資金を優先し、公的資金が対象とならないものは民間等資金を活用することとなりますが、金利上昇リスクに備え、いずれも固定金利方式を選択しているところです。 現在、金利の上昇局面を迎えつつありますが、こうした考え方に変更はございません。御指摘のとおり、金利の上昇局面においては、区債の活用についてはより慎重に判断することが重要だと認識しており、新年度予算においては、適債事業の一部について区債を活用しない判断をしたところです。今後の金利動向については、正確に見極めることが困難ですが、今後ともこうした考えの下で、施設整備基金と負債をバランスよく活用してまいりたいと考えております。 次に、特別区財政交付金に関する都区協議についての御質問にお答えします。 特別区財政交付金については、政令で指定された特別区が児童相談所を順次設置していくことから、令和2年度の財調協議において、児童相談所関連経費に係る都区間の配分割合について協議を行いました。協議において都区間の見解が分かれましたが、結果、特例的な対応として、令和2年度から特別区の配分割合を0.1%増の55.1%とし、児童相談所を先行して開設する3区の平年度ベースの実績が出る令和4年度に改めて協議するとされておりました。 今年度の協議においては、都は、児童相談所の設置は都に依然として義務づけられていることから、都区間の役割分担の大幅な変更には当たらず、特例的な対応を解消し、区側の配分割合は、現在の55.1%から55%にすることが適切であるとの考えを示しております。こうした都の主張は、都と特別区が連携して、児童相談所、児童相談行政の拡充を図るべきことが求められている昨今の状況を踏まえれば、ゆゆしき問題であると受け止めており、区としては到底受け入れることができません。特別区財政交付金は区の歳入の約4分の1を占める重要な財源であり、引き続き、他区と連携し、粘り強く都と協議を進めてまいりたいと考えております。 なお、令和5年度予算における特別区財政交付金は、予算編成時点において都区間の協議がまとまっていない状況であったため、配分割合は今年度と同じ55.1%で予算計上しております。 次に、ふるさと納税についての御質問ですが、本区の住民税流出額が年々増加し、令和4年度で約41億円に上っていることにつきましては、これまでも申し上げているとおり、極めて深刻なことと認識しております。こうした危機意識の下、令和5年度には、区政モニターアンケートや「聴っくオフ・ミーティング」などを活用して、幅広い区民の意見を聴取することとしており、その結果等を踏まえて、さらなる寄附メニューの充実につなげていく考えです。 加えて、ふるさと納税制度の課題に関する情報発信とともに、国に対して制度の抜本的な見直しを働きかける取組にも引き続き注力してまいります。 次に、建築物の不燃化建て替え支援の地域の拡大に関する御質問にお答えします。 来年度から、大規模災害時に火災による延焼被害の拡大が懸念される3つの地域に拡大することとしております。具体的には、阿佐谷北3丁目や天沼1丁目、成田東3丁目、和泉4丁目を中心とした地域となります。今後、制度チラシのポスティングや、町会・自治会への説明を行うとともに、区の公式ホームページや「広報すぎなみ」、防災イベントなど、機会を捉えて積極的に普及啓発に努めてまいります。 次に、感震ブレーカー設置支援に関するお尋ねにお答えします。 通電火災の防止に効果が高い感震ブレーカーの設置無料化につきましては、令和4年9月に東京都が公表した地震に関する地域危険度測定調査で、火災危険度5ランク及び4ランクとなった地域を対象として、令和6年度までの2年間程度の実施を考えております。具体的な地域としましては、阿佐谷北2・3丁目、阿佐谷南1丁目、天沼1・2丁目、和泉1丁目、梅里2丁目、高円寺北1・3丁目、高円寺南3丁目、下高井戸4丁目、松庵3丁目、成田東1・3・5丁目、西荻北4丁目、西荻南2丁目、方南1丁目、本天沼1・2丁目、松ノ木3丁目の21町丁目でございます。 次に、一般緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に関する御質問にお答えします。 これまで重点的に実施してきた特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化では、一定の成果が出てきております。このため、一般緊急輸送道路沿道建築物においても、令和5年度から、所有者や建築年などの調査を行い、対象建築物の把握に努めるとともに、耐震診断の助成制度も拡充いたします。 次に、ネット犯罪防止活動の取組についてのお尋ねにお答えします。 いわゆるネット犯罪には、インターネットを利用して他人の個人情報を悪用する不正アクセスやコンピューターウイルスを使ったサイトへの攻撃、メールなどから詐欺のサイトに誘導させるフィッシング詐欺など多くの手口があります。その被害の防止には、パソコンやスマートフォンを利用する幅広い世代のセキュリティー意識の向上が必要です。現在、区では、警察や商工会議所などの関係機関と連携を図り、中小企業向けにサイバーセキュリティー対策向上を目的としたセミナーを実施するほか、区民向けにネット犯罪被害防止に係る啓発活動を行っております。今後はさらに、子供から高齢者まで幅広い世代に届くよう積極的な啓発活動に取り組んでまいります。 次に、都市計画道路についての御質問にお答えします。 現在、第四次事業化計画に基づき、区施行の優先整備路線2路線の事業認可を受けておりますが、残りの2路線につきましては、計画期間内の令和7年度までに事業化のめどがついていないため、事業認可を取得している路線のみの記載としています。既に事業認可を取得している路線、区間では、住民との合意形成を図りつつ事業を進め、事業認可を取得していない路線、区間につきましては、来年度以降、次期事業化計画の策定に向けて、都や隣接自治体と連携して、都市計画道路の全体ネットワークや必要性について検証してまいります。 また、東京都全体で行う検証とは別に、地域特性等を踏まえた区独自の検証を行っていく考えです。第四次事業化計画の検討時から10年近くが経過する中で、ゼロカーボンに向けた取組や、防災・減災対策の強化など、区政を取り巻く状況は変化しており、基礎自治体である区として、防災、環境、交通、まちづくり等、様々な観点からの検証を行ってまいります。 次に、地域公共交通計画についてお答えします。 御指摘のとおり、デジタル化や脱炭素化、さらには新型コロナウイルスによる行動変容などの社会情勢の変化から、都市部を含め、公共交通は現在転換期にあります。また、地域の公共交通は、区民が豊かな生活を送る上で重要な社会基盤となっており、区は、交通や移動から派生する課題解決に主体的に取り組むための羅針盤として、地域公共交通計画を策定するものでございます。 なお、本計画に基づく具体的な取組として、MaaSの活用を見据えたグリーンスローモビリティーやシェアサイクルなど、新たな移動サービスの拡充や、南北バスすぎ丸のEV化等の導入を進めることにより、当区の住宅都市としての魅力や、区民の利便性の向上が一層図られるものと考えてございます。 次に、シェアサイクルについてお答えします。 令和3年12月からの実証実験開始以降、利用者数、利用回数ともに着実に増加しております。また、昨年夏には利用者アンケートを実施した結果、買物や通勤などの定期利用が多く、年代も30代から50代を中心にあらゆる世代に利用されており、ほとんどの方が今後も引き続き利用したいとの意向が確認できております。 区では、今回の効果検証等から、シェアサイクル事業の継続性や導入効果が確認できたため、次年度から本格導入する考えでございます。一方、導入済みの他自治体と比較すると、サイクルポートの数が少ないことに加えて、公有地の提供が公園や自転車駐車場のみと限定的であることが課題であると認識しております。 このことから、今般の区役所本庁舎敷地内へサイクルポートを設置し、これを契機として、今後は他の区有施設等へ拡充したいと考えております。拡充に当たっては、広報紙やSNSを活用するとともに、運営事業者と連携し、効果的な広報に努めるなど、シェアサイクル事業を推進してまいります。 次に、創業支援に関する御質問ですが、令和4年度に開始した創業スタートアップ助成については、既に当初見込んでいた申請件数に達しており、事業所の家賃助成を受けた事業者の約半数となる14事業者が地域の商店会に新規加盟いたしました。これらの実績を踏まえ、令和5年度も創業スタートアップ助成及び創業支援資金融資を核とした創業支援をしっかり進めていく考えです。また、さらなる支援の在り方につきましては、来年度に行う実行計画等の改定を図る中で、区内産業経済団体の意見やほか自治体の動向を参考にしながら検討してまいります。 次に、プレミアム付商品券等事業についての御質問がありました。 昨年12月1日から20日までの期間で実施したPayPayポイント還元キャンペーンは、現時点の速報値で、区内約5,700店舗において約3億8,000万円のポイント還元額になっていると承知しています。今後、委託事業者から、対象店舗に対するアンケート結果を含めた事業報告を受けた後、区として事業の総括を行うこととしているところです。 このキャンペーンに引き続く第2弾として実施するプレミアム付紙商品券につきましては、既に発行予定の8万セットを上回る購入申込みを受け付けており、今月28日から利用開始に向け、当選者の抽せん及び商品券の販売などを円滑に進めてまいります。こうした状況から、本事業は、現下の社会経済情勢の中で有意義な取組の一つと考えておりますが、近年では、せたがやPayなど自治体独自の取組も広がりつつありますので、杉並区商店会連合会と連携して、これらの調査研究及び意見交換を進め、共に今後の方向性を見極めていきたいと考えてございます。 次に、都市農業につきましては、新鮮な農産物の供給及び農業体験、学習の場に加え、緑地空間や防災空間など、多面的な役割があり、「みどり豊かな 住まいのみやこ」を目指す当区にとって、可能な限り守り育てていくべき大切な社会資源と捉えております。 私は、こうした役割、意義のある都市農業の将来を見据えると、気候変動対策にも資するよう、近隣自治体との連携の可能性などを含め、さらなる地産地消の推進を図るべきだと思っています。そのため、令和5年度は、区内農業関係者の理解と協力を得て、生産者グループ等が区内各所で行っている販売会や学校給食における地元野菜デーの拡充に取り組むとともに、さらなる地産地消の推進に向けて意見交換を積み重ねながら、今後の具体的な取組につなげてまいりたいと考えてございます。 次に、仮称気候区民会議に関するお尋ねですが、現在、先行自治体の取組や学識経験者からの助言などを踏まえ、会議の形式や参加人数、実施回数など多角的に検討を進めているところです。また、仮称気候区民会議を実施することで、区や区民、事業者等の様々な分野に議論が広がり、区では考えが及ばないような、各主体が取り組むべき多様な新しいアイデアが出るものと考えております。 そうした幅広い議論を区が受け止めて施策に反映してまいります。そして、当然この関連予算は議会で御審議いただくことになると考えております。こうした段階を経て、多くの主体が気候変動対策を自分事として捉えられることになり、より効果的に対策を推進できるものと考えております。 次に、太陽光発電に関するお尋ねですが、都では令和7年4月から大手住宅メーカーが建設する延べ床面積2,000平方メートル未満の新築建物を対象に、太陽光発電設備の設置義務づけを予定するとともに、この間、既存建物への設置助成も拡充してきています。そのため区では、都の助成制度などを踏まえ、より早く太陽光発電設備等再生可能エネルギー導入や省エネルギー対策が促進されるよう、適時、区の助成制度の見直しに努めてまいります。 また、太陽光発電舗装システムについては、太陽光発電機器の一般的な設置場所である建物屋上の形状により設置が困難な場合などに向け、来年度、試験的に本庁舎敷地内に設置し、空間の有効活用の検証を行ってまいります。 加えて、多くの来庁者に御覧いただくことで、太陽光発電機器の設置場所の選択肢をお示しするとともに、環境配慮行動の意識啓発にもつなげてまいります。 次に、カーボンオフセット事業と体験型森林環境学習に関するお尋ねにお答えします。 この間、青梅市と協議を進めてまいりましたが、今後、令和5年3月に協定を締結し、令和5年度からカーボンオフセット事業を実施してまいります。なお、体験型森林環境学習については、引き続き実施方法等の検討を進めてまいります。 次に、緑に関する御質問にお答えします。 これまでのグリーンインフラに関する取組ですが、雨水の地下浸透化の促進や、大規模な公園等を河川やと幹線道路の緑でつなぐ、みどりと水のネットワークづくりを通じ、ヒートアイランド現象の緩和などに取り組んでまいりました。 また、グリーンインフラを取り入れた今後の水害対策への取組ですが、下水道や河川改修による水害対策は時間がかかることから、これまでの取組と併せて、区民が身近な場所でできる緑化、雨水をためる様々な取組事例を収集、紹介するなどし、自然の持つ多面的な機能を生かした身近な水害対策が進むよう検討してまいります。 次に、みどりの基本計画改定における気候危機や、脱炭素に向けた取組についてですが、大規模な公園の確保、農地や屋敷林の保全、民有地の緑化推進など、現施策の取組を環境への配慮の面で充実させるとともに、グリーンインフラの視点を強化するなど、関係所管の連携を密にし、計画の改定に取り組んでまいります。 次に、がん検診の受診勧奨に関する御質問にお答えします。 がん検診につきましては、コロナ禍が始まって以来、相次ぐ緊急事態宣言等の影響を強く受け、受診控えの現象が起こりました。こうした中で、区は、受診率の維持を図るため、従来からの広報、ホームページによる周知に加え、ツイッターやフェイスブックなどのSNSを活用した啓発のほか、定期的ながん検診の必要性を盛り込んだ乳がんに関する動画を作成し、区の公式ユーチューブチャンネルに掲載するなど幅広いツールを活用した広報に努めてまいりました。また、胃内視鏡検査については、過去に受診歴がある方に受診券をあらかじめ送付し、本人の申込みを不要とするなど、受診に伴う手続を簡素化した受診勧奨も行ってきたところです。 今後、まずはコロナ禍以前の受診率まで回復を目指すとともに、より一層効果的な受診勧奨の工夫に努めてまいります。 次に、がん患者への支援に関するお尋ねにお答えします。 区は、がん治療に伴う外見の変化に悩む患者からの要望を踏まえ、がん患者の心理的、経済的な負担を軽減するとともに、療養生活の質を向上させ、就労の継続や社会参加を支援するため、ウィッグや胸部補整具の購入等に要する費用を助成することといたしました。助成の内容についてですが、対象は毛つき帽子等を含むウィッグと、人工乳房や補整下着などの胸部補整具で、これらの購入またはレンタルに要する費用について、1人当たり1回3万円を上限に助成します。また、規模としては、初年度は200人程度の申請を見込んでいます。 次に、帯状疱疹ワクチンについての御質問にお答えします。 帯状疱疹は、80歳までに約3人に1人が発症すると推定され、症状の回復後も痛みが長期間継続することがありますが、ワクチンを接種することで、発症及び重症化を予防することが可能となります。これまで帯状疱疹ワクチンの任意接種にかかる費用助成については、都の補助制度がなかったため、費用助成を行うためには、全額区の一般財源で賄う必要がありました。しかし、本年1月6日に東京都から、区市町村が行う帯状疱疹ワクチン予防接種事業の一部公費助成に関する通知が発出され、来年度から、接種費用の2分の1が都により補助されることになりました。 この助成制度を利用して、23区内でも複数の自治体で助成事業を開始する予定であること、区議会及び区民から助成制度創設の要望がその後も多数あることなどを総合的に勘案し、また、ワクチン接種をすることで発症と重症化の予防を促進し、超高齢社会における生活の質の向上にもつながることから、本年4月より費用助成を開始する判断に至ったものです。 次に、特定不妊治療の先進医療に係る医療費の助成に関する御質問にお答えします。 区は、これまで不妊に悩む夫婦が、医療保険適用外の特定不妊治療を受けた際に、東京都の特定不妊治療費助成事業による助成に加え、区独自に特定不妊治療費の一部を助成し、安心して妊娠、出産できる環境づくりに取り組んでまいりました。しかし、令和3年の区の合計特殊出生率は0.96で、全国の1.30や東京都の1.08と比較し、依然として低い水準になっております。 特定不妊治療については、令和4年4月から医療保険が適用されましたが、先進医療については引き続き自己負担となっているため、東京都は医療保険適用の特定不妊治療とともに実施された先進医療にかかる費用の一部助成を開始したところです。区ではこうした状況を踏まえ、不妊に悩む夫婦のさらなる支援を行うため、経済的負担の大きい医療保険適用外の特定不妊治療における先進医療について、都の助成に加え、区独自に自己負担額の一部を助成することとしたものでございます。 次に、区民の健康づくりに関する御質問にお答えします。 区ではこの間、生涯にわたって、健やかに生き生きと暮らせる地域社会の実現を目指し、区民の健康の維持増進に取り組んできたところです。その一方で、スポーツ庁の調査結果や区独自のアンケート調査などにより、コロナ禍以降、体力低下やスポーツ施設での運動の機会が減ったなどの結果が出ていることについては危惧を抱いております。 区としましては、人生100年時代を迎え、区民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を送ることができる健康長寿社会を築くことが何よりも重要だと考えております。そのため、若い世代から高齢者までのライフステージに応じて、スポーツや運動に親しみ、楽しむことができる場をはじめ、区民一人一人が健康づくりに取り組みやすい環境を整備するほか、歯と口腔の健康づくりや食育推進活動などの取組を総合的に展開することにより、健康であると感じている区民をさらに増加させていく考えでございます。 認知症施策に関する御質問にお答えいたします。 まず、高齢者への補聴器購入費助成についてですが、助成内容を検討する過程において、耳鼻咽喉科の医師や実際に補聴器を利用している方などからお話を伺い、補聴器を使い続けるためには、専門医の診断とそれに基づく補聴器の選定や継続した調整が必要であることを認識しました。そのため、まずは補聴器相談医を受診し、補聴器の使用が必要であるとの診断を受けた後、認定補聴器技能者がいる販売店で本人に合った補聴器を購入した場合に、購入費を助成することとしました。購入後も補聴器相談医と特定補聴器技能者による調整等のサポートを受けることで、議員が指摘されている補聴器を使い続けられることになると考えております。 次に、認知症施策の充実についてですが、区では、医療や福祉の専門職から成る認知症初期集中支援チームが認知症の疑われる高齢者を訪問し、状況把握を行いながら、適切な支援につなげてまいりました。今後、さらに認知症及び単身高齢者が増加していく中、認知症の早期発見や対応ができるよう、地域での認知症理解の普及啓発を進めるとともに、ケア24を中心に関係機関との連携を強化し、チームによる支援に積極的につなげていきたいと考えております。 また、認知症御本人のみならず、介護されている御家族のニーズに合わせた支援ができるよう、認知症施策の充実を図ってまいります。 次に、共生型サービス事業所の開設促進に向けた取組についての御質問にお答えします。 まず、助成内容でございますが、開設に当たって必要となる職員研修や事業周知等に係る経費の助成及び障害者を受け入れた際の運営経費の一部を助成するものでございます。また、事業者に対する本事業の理解の促進については、有識者や共生型サービス事業所の関係者等によるシンポジウムの開催や、障害者福祉サービス事業所及び介護保険サービス事業所が相互に施設見学会を開催するなど、丁寧な周知と事業への理解促進に努めてまいります。 次に、遠隔手話通訳についての御質問にお答えします。 遠隔手話通訳システムについては、障害者施策課及び障害者生活支援課にタブレットを各1台配置し、必要に応じて庁内各課で共用することとしております。また、荻窪体育館等でのユニバーサルタイムの実施に当たっては、タブレットの配付はいたしませんが、聴覚障害者の方が気軽に参加できるよう、手話のできるサポーターを配置しているところでございます。 次に、障害者へのデジタル技術活用支援に関する御質問にお答えします。 障害者があらゆる分野の活動に参加するためには、情報の十分な取得利用や円滑な意思疎通が重要であると考えており、これらを支援する手段として、様々なデジタル機器が開発されております。しかし、障害者がデジタル化の利便性を享受するには、デジタル機器を適切に活用していただく必要があるため、まずは視覚障害者が必要な情報を的確に取得できるよう、視覚障害者向けスマートフォン利用促進講座を実施することといたしました。 今後は、聴覚障害など様々な障害特性に応じたデジタル技術の活用支援に取り組み、障害者のデジタルディバイド対策を推進してまいります。 次に、新設条例に基づくパートナーシップ制度の導入に関する御質問にお答えします。 まず、この間、区議会において提案のあった区内の不動産業者や医療機関への調査につきましては、その趣旨を受け止め、12月に東京都宅地取引業協会杉並支部、及び区内医療機関の会合に出向いて意見交換を行った結果、条例及び制度の意義の共有等を図ることができました。 一方で、条例及び制度の骨子案に対する区民等の意見は、その多くが肯定的な内容でしたが、骨子案に反対または一部修正すべきとの内容も含まれております。その反対または一部修正すべきとする意見の主な内容は、制度の対象者は、性的マイノリティーのカップルに限定すべき、いわゆるそっとしておいてほしい当事者は制度を求めていない、性自認を条例に規定することは、トイレ等の女性スペースを安全に利用できなくなるおそれがあるというものであり、これらは、議員が所属する会派が12月26日付で区に提出した緊急要望でも指摘されているところです。 こうした経過を踏まえ、私は区議会で条例案等について、より多くの賛同を得て本年4月の制度導入を図るべきと判断し、次のとおり骨子案を修正することといたしました。その1点目は、条例で定義する制度の対象者は、導入時点においては、性的マイノリティーのカップルとし、それ以外の事実婚カップルは対象外としたことです。2点目は、条例に規定する基本理念において、いわゆるそっとしておいてほしい当事者への配慮を追記しました。3点目は、同じく性を理由とする差別等の禁止規定について、公衆浴場の女湯や女性用のトイレ等を男性が利用しようとする場合に、当該男性の性自認等を確認することは、正当な理由に該当し、禁止事項ではないことを明確化した規定内容にしたことであります。 これら大きく3点にわたる修正の上、条例案等を御提案しておりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。 次に、区立児童相談所に関する御質問にお答えします。 児童相談所は、法的介入が必要な虐待案件や非行等の相談対応を行いますが、子供やその保護者などが心理的に安心できる空間であることが必要であると考えています。このため、諸室の配置や動線等がプライバシーに配慮されるとともに、相談や心理検査等が適時適切に実施できるよう、十分な数の相談室を確保したいと考えています。 また、一時保護所は、心理的に深い傷を受けている子供が過ごす場所であるため、個別的なケアができるよう居室を個室化することや、閉鎖的な空間でのストレスを軽減するために、運動遊びをできる空間を確保したいと考えています。このほかにも、子供や職員の安全を守るため、外部からの不当な侵入を防止する対策についてもしっかりと設計に盛り込んでいく考えです。 子供の権利に関する条例についての一連の御質問にお答えします。 区では、基本構想に掲げる子供の権利を大切にし、子供が主人公となるような取組を進めるとの方向性の下、関連施策、事業の推進に努めているところですが、虐待や貧困、不登校など、子供の成長を妨げる問題が絶えない、むしろ深刻化している現代社会において、児童の権利に関する条約の理念をしっかりと認識し、これに基づく条例を制定することは大変に意義深いものと考えております。 現在、審議会設置条例の提案に向け、詳細を検討しておりますが、規模としましては、子供の権利擁護に関する知見を有する学識経験者、保護者を含む公募区民、学校関係者、関係団体の推薦者など20名程度で構成し、2か年にわたり、7回程度開催することを想定しています。また、子供の意見聴取につきましては、審議会委員の意見もお聞きしながら、より意見の言いやすい手法を考えてまいります。 なお、子供の関係者に参画していただく審議会としましては、子ども・子育て会議もございますが、これは子ども・子育て支援法に基づき、子ども・子育て支援事業計画や各施策の総合的かつ計画的な推進に関する事項等について調査審議する合議制の機関でございまして、今回設置する予定の審議会とは性格が異なっております。一方で関連する部分もございますので、適宜、情報の共有及び必要な意見聴取を行ってまいる考えです。 次に、ヤングケアラーに関する御質問にお答えします。 御指摘のとおり、自身がヤングケアラーであることを認識していない子供や、認識していても、そのことを発信しない子供がいると考えています。そのため、調査を行う前に、子供への周知をしっかりと行う必要があると考えています。加えて、発信がない子供の状況についても把握できるよう、家庭内の様子が分かる、障害、高齢等の各分野の関係機関も調査対象とする予定です。調査に当たっては、ケアマネジャーやヘルパー事業所などを対象に研修を実施し、ヤングケアラーに関する理解を深めた上で実施していく考えです。 民生委員や児童委員などについては、日頃からヤングケアラーを含め、支援が必要な子供の見守り等で連携しておりますが、改めて理解促進に向けた周知を図っていきたいと考えています。 なお、子供への周知や研修の内容、調査項目や方法につきましては、ヤングケアラー当事者だった方とも意見交換を行いながら、今後、検討を進めてまいります。 次に、今後の保育施策についての御質問にお答えします。 現在、区では5年連続で待機児童ゼロを継続しておりますが、今年4月の保育施設の一次申込数を見ても3,418件、前年から231件の減少と、保育需要の増加が鈍化する状況は続いており、6年連続の待機児童ゼロが達成できる見込みです。こうした状況の中で、今後、保育施策を考えますと、これまで以上に保育の質の充実に力を入れることが必要だと考えています。 保育の質の充実に向けた取組として、まず4月から中核園を現在の7園から10園に増やし、地域の保育園の情報連携、情報共有の一層の充実を図ります。また、保育定員に余裕が生まれつつある状況も踏まえ、区立保育園による医療的ケア児や、福祉的な支援を必要とする子供の受入れの拡充を進めるほか、在園児の保育を継続する観点から、両親が同時に育休を取る際の退園基準などについて見直しを行ってまいります。 こうした取組を行っていく上で、区立保育園の果たす役割の重要性が一層増していくことから、区立保育園については、民営化を行わず、当面の間、令和4年4月時点の27園を維持することといたします。 次に、友好自治体との交流事業につきましては、令和4年度においてコロナ禍に配慮しつつ、国内交流自治体の物産展や写真展などの各種交流事業を年間を通じて、おおむね予定どおりに実行することができました。また、国外交流については、昨年4月に予定していた東京高円寺阿波おどり台湾公演は中止になったものの、杉並区交流協会が主催したまるごと台湾フェアや、すぎなみフェスタにおけるパキスタン、ウズベキスタン等の出店ブースは来場者の好評を博したところでもあります。 こうした実績等から、令和5年度の交流事業も着実に実施できることと考えており、これまで積み上げた交流をより一層深化させることができるよう取り組んでまいります。 次に、東京高円寺阿波おどりにつきましては、この間、3年間にわたり屋外での開催ができず、振興協会の皆様におかれましては、阿波おどりとプロジェクションマッピングを融合させた観光コンテンツや、屋内での公演の企画、実施など、大変な御苦労があったものと受け止めています。 こうした状況を踏まえ、区といたしましては、区内の一大イベントである東京高円寺阿波おどりの支援により一層力を入れていく必要があると認識しているところです。 令和5年度は、5月に杉並区交流協会が主催する4年ぶりの台湾公演、そして8月には4年ぶりとなる屋外での本大会が予定されておりますので、区の関係部署が一丸となってサポートするとともに、区の振興事業補助金の必要な増額を図ることとして当初予算に計上しております。加えて、これらの催しについて、区ホームページやSNS等の媒体を最大限に活用して、国内外への情報発信を積極的に行い、多くの人々の興味関心を引きつけるとともに、支援の輪を広げていく考えでございます。 次に、区立体育施設の改修についての御質問がありました。 この件につきましては、昨年第3回区議会定例会での議員の御指摘を踏まえ、所管課がよりきめ細やかに指定管理者による施設、設備の保全状況の確認を行い、その結果を基に営繕部門との調整を図ることで、定期的な修繕または長寿命化改修につなげていくことといたしました。 こうした基本的な考え方の下、令和5年度の当初予算には、上井草スポーツセンターや大宮前体育館、荻窪体育館、松ノ木運動場などにおいて、照明設備のLED化やアリーナ床の貼り替え、防球ネットの取り替えなど、各施設の実情に応じた改修等に要する経費を盛り込んだところでございます。 このほか指定管理者による補修を適宜実施し、区民、団体が安全・安心に利用をすることができる体育施設の管理、運営に引き続き取り組んでまいります。 私からは以上です。

教育長。 〔教育長(白石高士)登壇〕
私からは、初めに、不登校児童生徒への対応についてお答えをいたします。 多様な価値観が社会全体で広がりを見せている現在、不登校児童生徒数は依然として高い水準で推移しており、一人一人の学びの機会の確保が喫緊の課題であると捉えております。 教育委員会といたしましては、これまで、さざんかステップアップ教室の設置及び拡充、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーといった専門職の増員等、不登校児童生徒の社会的自立へ向けた支援を行ってまいりました。今後も学校をはじめとする様々な場で、児童生徒の思いや願いを実現すべく、ICTを活用しながら学びの選択肢を増やしてまいります。 また、不登校特例校については、学校教育法に基づいた学校でありながら、登校する時刻や学習する内容を選択できるなど、柔軟な教育活動が可能となります。今後は、他自治体での事例を含め、区内における施設整備、教職員の適切な配置、学習プログラムの工夫等について、設置に向けた調査研究をさらに進め、一人一人の社会的自立につながる学びの機会を保障してまいります。 次に、就学援助の認定基準の引上げに関する御質問にお答えいたします。 国民生活基礎調査によれば、児童のいる世帯の平均所得金額は近年増加しているものの、今年度に入り、実質賃金はマイナスが続いており、今般の急激な物価高騰に賃金の伸びが追いついていない状況があります。このため、認定基準額を超える世帯でも経済的に困窮することを想定し、当面の対応として認定基準の引上げを実施し、対象者を拡大することとしたものでございます。 就学援助については、教育委員会で設置した検討組織の中で、給食の無償化などの他の保護者負担軽減と併せて、その在り方について検討しているところであり、その結果を踏まえて、区にとって望ましい義務教育における保護者負担軽減の方法や、全庁的な中での財源確保に向けた検討を進めていく予定でございます。 私からの最後に、科学の拠点に関する御質問にお答えいたします。 科学の拠点を担う運営事業者は、貴会派から御提案いただいたサウンディング型市場調査を経て選定した最初の事例です。科学の進展は日進月歩で、多くの区民や子供たちに楽しみながら科学に触れる機会を提供することが何より大切なことであると考えております。この意味で、旧杉並第四小学校の跡地を活用し、運営事業者から貸付料が入り、最先端の科学教育事業を展開できる科学の拠点は、大変有意な取組になるものと考えております。区といたしましては、10月の開館に向け、運営事業者と連携し、準備に余念なく取り組んでまいります。 このような取組を広く区民に知っていただくため、今後は運営事業者独自の情報発信に加え、区においても、広報を活用しながら連携して、区民周知に努めてまいります。また、展開する科学教育事業は、専門性の高いスタッフが多様な主体と連携し、サイエンスショーとワークショップを融合させた新たなプログラムや実験教室、モノづくり工房などを開催し、民間ならではの発想で、企画内容を随時更新し、何度来ても新しい発見ができ、楽しめる工夫を凝らしていく予定となっております。 これら科学の拠点において展開される運営事業者の自主事業に加え、これまで社会教育センターが培ってきた科学教育事業を同事業者へ委託化することで相乗効果が生まれ、区民の科学に対する興味関心の裾野が大いに広がることを期待しております。 私からは以上でございます。

大泉やすまさ議員の代表質問に対する答弁につきまして、答弁を訂正したい旨の申出がありましたので、これを受けます。 区長。 〔区長(岸本聡子)登壇〕
保育に関する御質問に対する答弁を修正させていただきます。 区立保育園の民営化につきまして、令和4年4月時点、27園を維持と申し上げましたが、正しくは令和7年4月時点に修正させていただきます。申し訳ありませんでした。

以上で自由民主党杉並区議団の代表質問を終わります。 杉並区議会公明党代表、42番島田敏光議員。 〔42番(島田敏光議員)登壇〕
杉並区議会公明党の島田敏光でございます。質問に先立ち、先日、トルコ、シリア国境付近で発生した大地震で多数の犠牲者が出ております。心より御冥福をお祈りいたします。早速、日本からも国際緊急援助隊救助チームの第1陣と第2陣が現地に向かいました。我が国としても最大限の救助活動への支援をしていただきたいと思います。 それでは、会派を代表し、区長の令和5年度予算の編成方針とその概要及び直面する区政の諸課題について質問いたします。 まずは、岸本区長誕生から半年以上が経過しましたが、区長の杉並区政に対する認識及び政治家、岸本聡子氏の政治姿勢について何点かお伺いいたします。 区長は、長年にわたるヨーロッパでの生活から、昨年、日本に帰国し、ほぼ1年杉並区に住まわれています。生活環境も大きく変化し、慌ただしい日々を過ごしておられると思いますが、杉並での生活実感はいかがなものでしょう。御感想をお聞かせください。 欧州と日本、国情や生活習慣、税や社会保障など、負担と給付の度合いについての違いなど一生活者として戸惑うことも多いのではないかと推察いたしますが、いかがでしょうか。 昨年の日本への帰国後、杉並区長への就任から夏の参議院選と日本の政治に関わりを持たれて以来、今現在において、政治に対する考え方、また、消費税をはじめとする税体系や社会保障の在り方について、区長のお考えに変化はありましたでしょうか。 私は、昨年9月の区長の所信表明に対する代表質問で、まずは区長にしっかりと杉並区政についての理解を深めていただき、半年後となる次の予算議会からしっかりと論戦を交じ合わせていただくと申し上げました。この間の杉並区政についての学びの度合いはいかがでしょうか、自己評価をお聞かせください。 区長はこの間、ラジオ番組への出演や外国人記者クラブでの記者会見など、メディア取材も積極的にこなされ、多忙であったと思います。それらにはどのような意図で対応されてきたのでしょうか。 一方で、区長には、区民からの面会要請や区内各地でのイベントへの出席の要請なども多く寄せられてきたと思います。こうした機会は、区民意見聴取やイベント内容の把握など、杉並区長にとって大変貴重なものです。メディア対応など対外的な活動と、地元区民と直接交わる活動と、限られた時間の中での調整についてどのような考えで行われているのでしょうか。 続いて、区政を取り巻く景気、経済環境についてお尋ねいたします。 世界銀行が1月10日に示した新たな経済見通しは、23年の世界全体の経済成長率を前年比1.7%と、昨年6月時点から1.3ポイント引き下げました。インフレや中央銀行の利上げに伴う景気の冷え込みを想定しています。一方、国際通貨基金(IMF)は、1月30日に公表した新たな世界経済見通しで、23年の世界全体の経済成長率を昨年10月の時点の前年比2.7%増から0.2ポイント引き上げ、2.9%としました。世界経済の懸念材料となってきた世界的なインフレについても、IMFは22年をピークに、23、24年と低下していくと見通しています。このように、世銀とIMFで見方が大きく分かれております。一方、日本政府は、世界経済の減速は見込まれるものの、GDP成長率は実質で1.5%、名目で2.1%程度と見込んでいます。区は、今後の経済、景気をどのように見通しているのか、お尋ねいたします。 また、主要貿易相手国であるアメリカや中国の景気減速見通しもありますが、日本経済への影響をどのようにお考えか、伺います。 景気動向とともに、物価動向が大変気になります。12月の消費者物価指数は前年同期比4%の増となり、企業間取引(BtoB)の物価指数は19%もの上昇となっています。帝国データバンクによると、この2月に値上げする飲食料品は4,283品目、昨年10月の約6,700品目に次ぐ値上げラッシュとなるそうです。卵が高騰しています。ロシアのウクライナ侵略による畜産の市場価格の高騰と、鳥インフルエンザによる鶏の殺処分が重なり、卵は物価の優等生でなくなりました。同じ要因で卵の価格は世界中で高騰しています。欧米では卵と物価上昇の英語を組み合わせたエッグフレーションと呼ばれる事態になっています。電気料金は、今後3割アップの予定です。国も様々な対策を検討しているようですが、区として新たな対策はお考えでしょうか。コロナ禍での施策の継続だけでよいとお考えなのでしょうか、お伺いいたします。 物価上昇に伴い賃金の上昇が図られようとしています。ユニクロブランドの製造販売元であるファーストリテイリング社の賃金4割アップの報道は大きなインパクトを与えました。労使ともに賃金アップの方向で交渉が始まるようです。現在施行されている本区の公契約条例でも労務単価の引上げが必要になってくると思われます。改定を急ぐべきと考えますが、いかがでしょうか。 昨年の第1回定例会での代表質問でも取り上げましたが、公務員給与に関して、特別区人事委員会勧告について伺います。一昨年の同委員会の勧告で、公務員給与が引下げとなりました。公務員と民間の給与が負のスパイラルに陥らないか懸念を示し、前区長に人事委員会の改革を訴えました。そのとき、前区長からは、職員には変化の激しい社会情勢に適切、迅速かつ柔軟に対応していく能力が求められており、公務員の給与はこうした能力を持った優秀な人材を確保するという観点も踏まえて決定する必要があると考えており、区長会の場や報道機関等を通じて問題提起をしてまいりたいとの答弁がありました。実際に前区長は都政新報のインタビューでも、このままだと人事委員会勧告が永遠にデフレの牽引者だ、今日、見直すべきは人勧のサンプル数の拡大だとの趣旨の発言を行っております。区長経験者や副区長の天下り先としての人事委員会ではなく、社会情勢や経済状況を敏感に感じ取れる人物を構成員としなければならないのではとも思います。現区長のお考えはいかがでしょうか、お示しください。 金利の動向も気になります。日銀は賃金上昇が伴う物価上昇率2%の安定的な実現を目指し、大規模な金融緩和を続けています。国内は、原材料高に伴う物価高の逆風はあるものの、円安を背景に、輸出産業を中心に業績が順調に推移しています。国内消費も、訪日外国人の増加などで上向いています。日銀は国内経済の先行きリスクについて海外経済の動向を挙げています。エコノミストの間では、懸念材料が減ってくれば、今春以降、日銀の金融政策も正常化に動く状況が整うとの指摘も多いようです。4月には日銀総裁が交代いたします。金利の上昇は、区債発行に大きな影響を与えます。区として、金利の先行きをどう見ておられるのか、また、基金管理監のアドバイスはいかようなのか、お示しいただきたいと思います。 昨年の第3回定例会で、積立基金の在り方について検討が必要と訴えました。震災など緊急事態に備えての財政調整基金の額は、検討当初の社会経済状況から大きく変化しており、現状では心もとないものと言えます。また、施設整備基金においても同様に増額を図らなければならないと考えます。積立基金についての検討はなされたのか、検討がなされたのであれば、その結果もしくは経過をお示しください。 区民の人口動態の変化を見越した予算編成の考え方について伺います。先ほど示された予算の編成方針とその概要には、大きな課題である2040年問題、すなわち、我が国において高齢者人口がピークを迎える将来についての言及がないことが気になります。この2040年の壁をどう乗り越えるか、いち早く取り組み、検討し、備えることが重要ではないでしょうか。そう遠くはない将来のことで、予測がつかないと言っていられる問題ではないと思います。財政面でも、社会保障の面でも、そこからフィードバックして計画を立てるべきではないでしょうか、見解はいかがでしょう。 一方で、コロナ禍の過去3年間を振り返り、区が当初計画していた事業が執行できなかったケースが多々あると思います。当然、それらの精査はされていると思いますが、今後どう巻き返していくのか、施策の在り方が不明です。課題は明確になっているのか、ある意味、失われた3年とも言えるこれまでの影響をどう取り戻すのか、所見をお伺いいたします。 政府は、新型コロナ感染症をゴールデンウイーク明けの5月8日に5類に分類すると発表いたしました。これを受けての区の施策はどのように変わるのでしょうか。区の医師会の対応等も含め、御説明いただきたいと思います。 それでは、以降、予算の編成方針とその概要の個々の分野について質問してまいります。 初めに、所信表明で示された6つの柱について幾つかお尋ねいたします。 まず、総合計画等の修正、改定についてです。 同計画策定後の社会経済環境や状況の変化を機動的に反映させるための改定とのことですが、改めてその改定の主な論点についてお示しください。また、来年度には、1年前倒ししての改定を実施するとしていますが、併せてこれについても主要論点をお示し願います。 次に、情報公開、発信の向上についてお聞きいたします。 この間の具体的な取組を幾つか挙げられています。その中で、予算編成過程における情報の公表内容の充実にも努められたと述べられていますが、私としては、その充実度合いについて、いま一つ明確ではありません。いかなる情報発信をなされたのか、御説明願います。 続いて、区民参加型予算の導入についてお伺いいたします。 試験的な取組として、森林環境譲与税基金を充てるとしています。今年度最終補正予算後の同基金残高は6,200万円余りです。区民参加型予算としては基金の使途がかなり限られたものになることを考えると、いかがなものでしょうか。また、区民参加型予算は、予算の1%程度を目指しているとも聞こえてきますが、来年度一般会計予算案は2,107億円余で、その1%が20億円以上となります。試験的導入とはいえ、区長が目指すところの額とは大きな格差がありますが、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。 次に、ハラスメントについてお尋ねいたします。 ハラスメントゼロ宣言、大いに結構です。2020年6月、労働施策総合推進法の改正法が施行されました。この改正法は通称パワハラ防止法、ハラスメント規制法とも呼ばれており、職場におけるハラスメント撲滅への取組が加速しています。職場におけるハラスメントの中でも、パワハラ、セクハラ、マタハラは3大ハラスメントと呼ばれています。これらは、通称パワハラ防止法や男女雇用機会均等法、育児・介護休業法で禁止されており、防止措置が義務づけられています。近年、3大ハラスメントのほかにも様々なハラスメントが認識されるようになっています。男性の育児休業に対するパタニティーハラスメント(パタハラ)のほか、モラルハラスメント、ロジカルハラスメント、時短ハラスメント、エイジハラスメント、ジェンダーハラスメント、リモートハラスメント、ソーシャルハラスメント、スモークハラスメント、スメルハラスメント、音ハラスメント、ハラスメントハラスメントなどがあります。ちなみに区長は全て御理解されていますでしょうか。たとえ相手を傷つける、いじめるという意図がなくても、相手が不快な感情を抱けばハラスメントは成立します。そんなつもりはなかった、相手のためを思っての指導だった、いじっていただけなどという言い訳は通用しません。 ハラスメントは、誰もが加害者であり、被害者という表現がされます。ハラスメント防止研修やパルスサーベイの実施などが必要ではないでしょうか。当区にハラスメントの定義はあるのか、あるとすれば、その定義は共有されているのか、お伺いいたします。 そして何よりも、区役所の最高責任者で強力な人事権を持つ区長御自身によるハラスメントということも可能性としてあり得るわけですが、そこはどのような対応となっているのか、重ねてお答えください。 3つ目の柱に、議会との自由闊達で生産的な議論を挙げています。そういう議論は我が会派は歓迎するところです。区長はこの半年間、2回の定例会を通じ、議論を深めることができたとしておりますが、この点については、まだ認識に大きな隔たりがあるようです。あくまでも客観的に謙虚に現実を見詰める姿勢は持ち続けていただきたいと思いますが、議会における自由闊達で生産的な議論についての所見を伺います。 次に、今後の区政運営における課題について、5点質問いたします。 計画説明型から対話協調型の行政へとの考えの下、岸本区政がスタートしております。対話は大変重要です。しかし、施設再編や道路計画は賛否があるのは当たり前です。どうやっても両者平行線の部分は残ってしまうのが現実かと思います。また、さきにサイレントマジョリティーの意見集約についてお尋ねしましたが、明確なお答えをいただくには至っておりません。区には様々な課題が山積しています。いたずらに答えを引き延ばしている余裕はありません。改めて、区長には重大な責任と決断が求められます。区長の御見解はいかがでしょうか。 気候変動対策について多く言及されています。当区がゼロカーボンと気候正義の実現に貢献する自治体としてリーダーシップを取る環境都市を目指すべきとしています。様々な企業や自治体が競うようにネットゼロ目標を宣言しておりますが、その内容は玉石混交で、グリーンウォッシングも少なくありません。当区の面積は国土の1万分の1以下、森林もなければ、大きな工業団地もない、僅かな農地と住宅地がほとんど、このような状況の中で、なかなか野心的な対策が取りづらいというのが、当区が置かれている現状ではないかと考えます。施策を打つのであれば、アドバルーンに終わるのではなく、目を見張るような結果を目指していかなければなりません。御所見を伺います。 また、仮称気候区民会議で活路を開きたいとしています。以前は名称を気候市民会議としておりましたが、気候区民会議に変わりました。意味が微妙に違うと思いますが、市民が区民に変わった理由は何でしょうか。 地域経済の活性化と雇用の創出につながる新たな地域の脱炭素社会実現を図ることができると考えているとのことですが、果たして現実はどうか。区長は、例として都市農業を育てることに言及しています。区内農業の総出荷額は約3億円、区内農家の数は百二、三十件、平均すれば1件当たり300万円に満たない。この現状を通して、自立、自給とは何を意味するのか、改めて御説明をお願いいたします。 5点目に、職員の働く環境を変革し、新たな区政課題にも活路を開くとしています。職員の負担の可視化とともに、中長期的な政策を考え、クリエーティブな思考を行う余裕を生み出したいと考えているとのことです。本当にそうあってほしいと思います。しかし、そのために人を増やし、余裕を生み出すのか、AIの活用などDXを促進するのか、具体策が明確でありません。いかがお考えなのでしょうか、御所見を伺います。 次に、令和5年度予算編成方針の基本的な考えについて、4点質問いたします。 第1に、区民の暮らしと命を守るために必要な予算を計上したとのことです。まず、区長は災害対策について言及されました。その中で、長期的な視点が欠かせないハード面の取組について着実に進めるとしています。しかし、長期的な視点の具体的な内容については言及されていないので、幾つかお考えを披露していただきたいと思います。 また、物価高騰についての言及がありました。先ほども述べましたが、従来の施策のみのように感じます。新たな施策はお考えではありませんか。物価高騰はしばらく続くと思われますが、その出口戦略などはお考えなのでしょうか、御所見を伺います。 第2に、総合計画、実行計画の掲げる必要な予算を計上している点についてお尋ねいたします。総合計画等の一部修正や改定の論点については、先ほどお聞きいたしました。ここでは、財政調整基金の一部を脱炭素の取組や今後注力すべき施策に財源として活用する点について確認をさせていただきます。まず、来年度予算案を見ると、財政調整基金の取崩しはゼロとなっています。財政調整基金を取り崩すということは、数十億円の規模になると思われます。再来年度以降、思い描いている脱炭素や注力すべき施策とは何か、お考えをお示しいただきたいと思います。 第3に、健全な財政運営の維持に努めるとしています。さきにも述べましたが、我が会派は以前より基金の在り方を含め、検討を求めてまいりましたが、まだその結果をお聞きできていません。ここでは、財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方を踏まえた予算編成を行ったとしているだけで、これではこれまでと変わりありません。改めて、検討を踏まえた今後の在り方について御見解を求めます。 区長の公約に掲げた項目については、その実現に向けたプロセスに乗せるための予算を計上したとのことです。公約実現に向け、優先順位の仕分けや精査の議論を経て、その実現に向けた初めの一歩を本予算案で踏み出すものになると考えているとしています。ざっと予算案に目を通してみたところ、その意味にかなうのは、仮称気候区民会議の開催に向けての検討費、太陽光発電舗装システムの試験導入費、区庁舎等における再生可能エネルギーの推進、ZEB化に向けた取組経費などおよそ1億2,000万ぐらいで、一般会計予算2,107億円の0.1%にも満たない額ですが、初めの一歩は踏み出せたとお考えでしょうか、御見解をお願いいたします。 続いて、主要な施策の概要について質問いたします。 防災・減災の取組として、緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化、建築物の不燃化建て替え支援、狭隘道路の拡幅整備、電柱の移設及び生活道路の無電柱化、さらに学校防災井戸の修繕、災害備蓄倉庫の整備などの言及があります。また、通電火災の防止効果が高い感震ブレーカーについても、我が会派の北議員が強く訴えてきた取組を加速化するとのこと、着実に実施、推進していただきますよう期待しております。 まちづくりについてお尋ねいたします。 都市計画道路補助132号線及び補助221号線は事業を進めていくとしています。区政の継続性の観点から着実に進めていくべきものと考えますが、一方で、区長の公約に反することになるのではないかと思います。区長のお考えがどう変化したのでしょうか、お示しください。 杉並区地域公共交通計画に掲げた各取組を進めるとし、グリーンスローモビリティーの導入準備を掲げました。新たな公共交通として、我が会派も、グリスロやMaaSなど提案をしてまいりました。グリーンスローモビリティーについては、ゾーン30の地域での導入になると思いますが、警察ともよく協議をして、安全性に配慮していただきたいが、いかがでしょうか。 また、交通不便地域については、道路事業等を理由にすぎ丸が走れない以上、需要が見込まれるオンデマンド交通の検討促進を求めたいと思います。御所見はいかがでしょう。 健康・医療分野についてお尋ねいたします。 我が会派は、令和4年第1回定例会において、渡辺副議長が帯状疱疹ワクチン接種の重要性について一般質問し、また、令和4年決算特別委員会において、山本ひろ子議員が、区民の声を届け、帯状疱疹ワクチン接種の公費助成について言及しております。その際の質疑では、国の審議会、検討部会は開催されておらず、また区単位の助成は多額の費用を要することを確認、岸本区長に提出した令和5年度予算に対する要望書には、帯状疱疹ワクチン接種助成導入に向けた調査研究として求めました。その後も区民や皮膚科の医師、看護師等から公費助成を求める声を受け、杉並区議会公明党としての政策目標の1番目に帯状疱疹ワクチン接種費用助成を掲げています。このたび、急展開で公費助成が予算化されたことを高く評価したいと思います。 先立って、東京都が帯状疱疹ワクチンの接種費を助成する区市町村への補助事業を開始する旨の1月21日付読売新聞の報道に、昨年12月の都議会で公明党が助成制度の必要性を訴え、都が導入に向けた検討を続けていたと掲載されました。都議会公明党の訴えが実り、東京都の補助が追い風になったものと考えます。東京都の補助の活用と事業の詳細についてお示しください。 私どもは、この10年以上一貫して、区民の生命をがんから守るために、区のがん対策の強化を主張、推進してまいりました。区はこれまで、健康と医療・介護の緊急推進プランや杉並区がん対策推進計画、その後は保健福祉計画に基づき総合的ながん対策に取り組んでまいりました。これらの取組の結果、がんを原因とした死亡率が、平成24年度当時の男性97.5、女性66.9から、令和元年度には男性79.6、女性52.6へと大幅に減少するなど、区のがん対策において一定の成果を得たものと評価しております。現行の基本構想及び総合計画等においても、がん予防、緩和ケアの普及啓発、がん検診の推進、がん患者と家族への支援を引き続いての大きな柱として、さらなるがん対策の強化が計画されております。がん検診については、国の指針に基づいての実施とのことですが、区が保有する区民のがんに関するデータなどを活用し、より精度の高い効果のある検診事業の充実を期待したいと思いますが、御所見はいかがでしょう。 また、がんの治癒率がさらに向上していくことが期待される今後においては、がんに罹患しても、住み慣れた地域で安心して暮らすことができ、仕事と両立をしながら治療も受けられるなど、QOLの維持向上についても欠かすことのできない重要なテーマであります。東京都の令和5年度医療保健政策区市町村包括補助事業の選択事業メニューの中にがん患者へのアピアランスケア支援事業が、都議会公明党の主張により盛り込まれることになりました。区はこのたび、医療用ウィッグや補整具の購入費用の助成を新たに開始するとしておりますが、がん患者等の経済的な負担の軽減と社会生活の支援という意味から、この取組を率直に評価したいと思います。東京都の包括補助の活用と同事業の具体的な実施内容について概要をお示しください。 次に、福祉・地域共生分野についてお尋ねいたします。 まず、高齢者施策として補聴器購入助成を開始するとしています。我が会派も要望書を提出させていただきました。予算化に感謝申し上げます。補聴器が国内で普及しないのは、耳鼻咽喉科医が指導で行う医療機関がまだまだ少ないことが影響しているのかもしれませんと話す済生会宇都宮病院の新田清一聴覚センター長は、医師と言語聴覚士が深く関与することで高い補聴器装用率を達成する宇都宮方式を構築したことで知られております。大変有名です。補聴器は、医師の指導の下、購入前後に聞こえの状態を調整する必要があります。欧米では、医療従事者の関与なしには売れませんが、日本では販売の届出を店舗のある自治体に提出すれば、誰でも販売できる医療機器です。通信販売やネット販売も可能です。買っても使えないたんす補聴器にしないためには、専門家の伴走が欠かせません。 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は補聴器相談医という資格を2005年に新設、また、補聴器業界は約30年前から認定補聴器技能者という民間資格をつくり、補聴器を使い始める人はまず補聴器相談医を受診し、認定補聴器技能者のいる店舗での購入、調整を推奨していますが、その認知度はまだまだ低いようです。補聴器購入助成の開始に当たり、きめ細かい診察や調整に対応する伴走型の制度設計を求めます。御所見はいかがでしょうか。 杉並区パートナーシップ制度についてお尋ねいたします。我が会派は一日も早いパートナーシップ制度の成立に向けて尽力してまいりました。同制度の運用については、当初盛り込まれるはずであった事実婚が含まれない内容に修正されました。いささか期待外れであります。区長も公約に掲げておりました。この先、制度をさらに育てていく必要があると考えますが、御見解はいかがでしょうか。 次に、子ども分野についてお尋ねしてまいります。 質問の前に、医療費無償化の対象を高校生まで拡大していただき感謝申し上げます。我が党は、都議会と連携して強力に推進してまいりました。区として所得制限を設けない方針を評価したいと思います。 まず、子ども・子育てプラザについて質問いたします。プラザ下高井戸が9月に開設されることにより、区内7地域に1か所ずつ設置されることになります。和泉に設置された当初から大変好評を博してきた施設であります。もともとは7地域に2館ずつ設置する計画でありました。今後の設置計画はどうなのでしょうか、お伺いいたします。 保育施策についてお尋ねいたします。5年連続で保育の待機児童ゼロを達成しており、大変喜ばれております。ただ、認可保育所に入所しやすくなれば、この先、民間の保育園が定員割れになることも考えられます。そうならないよう、区立の保育園には障害児保育や一時預かりの拡大などを実施するなどして、定員の調整弁となるような弾力的な運用が求められるのではないかと考えます。御所見はいかがでしょうか。 区立の保育園や学童クラブ等に出欠席などを確認できるスマートフォンのアプリを導入するとのことです。まず、いいねを送りたいと思います。このようなアプリは、私立学校では既に導入しているところもあり、機能が充実しているものは評判がよいようです。登下校の時刻はもとより、給食で何を食べたかが分かり、夕飯のメニューとダブらなくてよいなどの声も聞こえています。区でも、保護者や施設の負担軽減につながるよう様々なアプリをよく研究していただきたいと思います。いかがでしょうか。 児童館の再編整備に絡んでお尋ねいたします。中高生の居場所づくりについてはいかがお考えなのでしょうか。ゆう杉並だけでなく、できれば、区内の東西南北に1つずつ、少なくとも中央線の北側に1館整備していただきたいが、御見解はいかがでしょうか。 不登校対策についてお聞きいたします。コロナ禍で急増する不登校への対応も急がなければなりません。これまで会派からも学びの場の選択肢として、屋根のない学校づくりを提言してきました。具体的にはオンライン授業を進化させるとともに、次世代のEdTechであるメタバース(仮想空間)を活用した新たな学びの場の創設を視野に入れた取組についてでありますが、その後検討がなされたのか、改めてお伺いいたします。 また、これまで議論されてきた不登校特例校の創設についても改めてお考えを伺います。 関連して、学校現場からは、特別支援への対応が支援員不足で大変な状況があるとの声が聞かれます。また、多様化、複雑化する児童生徒や保護者、教師の相談や支援を行うスクールカウンセラーの体制強化の強い要望も届いています。こうした学校現場の課題について、区教委の考えをお伺いいたします。 学校給食の給食費についてもお伺いいたします。物価高騰の折、来年度も今年度に引き続き給食費の増額分を区が負担するとしています。本来、義務教育の観点から考えれば、国もしくは広域自治体が無償化をすべきではないかと思います。ある区は無償化を、またある区は1年に限り、また中学校に限る区など、23区内でも対応はまちまちです。また、公平性の面から見れば、私立小中学校に通う児童生徒をどうするのか、疑念も生じます。さらに、23区富裕論なども出てきそうです。当区で給食費の無償化を実施すると、年間17億円程度かかるとお聞きしました。既に就学援助も行っており、来年度はその対象を拡大するとのことです。また、その予算で教育内容の充実を図ってほしいとの声もあります。区長は給食費の無償化を公約に掲げておりますが、今後どうされるおつもりなのか、お聞きしておきます。 最後に、特別会計についてお尋ねいたします。 国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の各事業会計については、会計規模の記載しかありません。ますます少子高齢化が進み、会計規模は膨らむ一方です。生活習慣病、糖尿病、人工透析、フレイル予防、認知症、がん対策については総合的に予防医療として取り組まなければ、2040年問題の壁が立ち塞がります。将来を見据えた対策が必要と考えますが、区の見解をお伺いいたします。 私は、5期20年にわたり区議会議員を務めさせていただきました。今期で引退をさせていただく予定です。この間、御支援いただきました党員、支持者の皆様、同僚の議員各位、職員の皆様には大変お世話になりました。心より感謝、御礼を申し上げます。 私たちは、子や孫など次世代の区民から今、この杉並区や地域社会をお預かりしているのだ、そしてよりよい杉並区、地域社会を構築してお返ししなければならない、そういう責務があることを自覚しなければなりません。議員各位、区長をはじめ、職員の皆様、歴史に照らされたときに評価に堪えられるよう、おのおのの職務に御精励ください。私自身、最後となる区議会定例会に臨むに当たり、区議会議員としてのこの遺言を付して、杉並区議会公明党の代表質問を終わります。

理事者の答弁は休憩後とし、ここで午後3時25分まで休憩いたします。 午後3時04分休憩 午後3時25分開議

休憩前に引き続き会議を開きます。 島田敏光議員の代表質問に対する理事者の答弁を求めます。 区長。 〔区長(岸本聡子)登壇〕
杉並区議会公明党を代表しての島田敏光議員の御質問にお答えします。 初めに、杉並区に住んだ感想についてですが、これまで各地8か所に移り住んできましたが、こんなに早くずっと住み続けたいと思った場所は初めてです。杉並区は、緑豊かな住宅環境とともに、個性的で魅力あふれるスポットが満載であり、日々新たな発見をしているところです。基本構想にも示されるとおり、このまちに暮らす区民一人一人がこのまちを形づくり、守ってきたのだと認識しており、緑豊かなこのまちを次世代につないでいくためにも、引き続き区政を前進させてまいりたいと考えています。 次に、各国の税や社会保障、政治に対する考え等に関するお尋ねにお答えします。 世界各国によって、税や社会保障に関する負担や給付については異なっており、一概に述べることはできませんが、昨今のコロナ禍や物価高騰の折には、住民生活を守るための手だてを尽くすことは共通の課題であると認識しています。それでもどうしても際立って違いが著しいのは、教育の公費負担です。子育て支援や義務教育はもちろんのこと、高等教育終了までを社会共同の責任であり、未来への投資としなければ、多くの人は子供を産み育てる選択をできません。社会保障制度は、国民の安心や生活の安定を支えるセーフティーネットであり、基礎自治体としても積極的にその役割を担っていく必要があると考えています。昨年夏の時点と今とでこうした考えに変化はありませんが、危機感をさらに深めております。 次に、区長就任後の学びの度合いや議会との議論に関するお尋ねにお答えします。 私は、就任後の各部からの重要課題に関する説明や現地視察、さらに区民や職員との対話、議会での議論を通じて、区政に関する課題認識を深めてまいりました。57万区民の命と暮らしを守る区長として、今後も不断に学び続けるとともに、その成果を着実に区民に還元していきたいと考えています。 議会との関係においては、引き続き課題認識の共有と対話に努め、課題解決に向けた議論をさらに深めていきたいと考えています。また、議員の皆様からもぜひ条例の提案も含め、様々な政策提言をしていただければと存じます。皆様の活発な調査や政策議論からも私も学び、共に区政を高めてまいりたいと考えております。 次に、ラジオ番組などへの出演に関する質問についてお答えします。 区長就任以来、報道機関など様々な情報媒体から多くの取材、出演の依頼をいただきましたが、区政のかじを取る私自身の考えやバックグラウンドなどを広くお知らせできる貴重な機会と考え、可能な限り応じてまいりました。その際には、イベントや面会など、ほかの公務に支障が出ないよう十分に留意してスケジュールを調整しております。 今後の経済、景気の見通しについての御質問にお答えします。 今後の景気の見通しについて、政府は実質GDP成長率は1.5%程度、名目GDP成長率は2.1%程度と民間需要が牽引する成長を見込んでいるところです。足元では急速な物価高騰が区民生活を直撃していますが、コロナによる行動制限がなくなり、社会が正常化する中で、欧米に比べ回復が遅れていた日本の国内の景気についても回復していくことが見込まれているのではないかと考えています。 一方で、世界銀行の経済見通しに関する報告書によれば、世界各国で続く物価上昇に対する急激な金融引締め等の影響により、今年の世界経済の成長率は過去30年で3番目に低い1.7%に急減速する見通しを出しております。御指摘のアメリカ、中国をはじめとした世界経済の減速については、国内の景気動向に大きな影響を与えるため、ウクライナ情勢など地政学的リスクと併せて、十分注意する必要があると認識しています。 次に、物価動向を踏まえた区の施策についての御質問にお答えします。 消費者物価指数が2か月連続で前年度比4%超えとなったことは実に41年ぶりのことであり、記録的な物価高であると認識しています。日銀によれば、今後の物価見通しについて、ウクライナ情勢の展開や新型コロナウイルス感染症の再拡大、さらには為替相場や輸入物価の変動といったリスク要因に十分注視する必要があるとの見解を示しており、今後、物価上昇に見合うだけの十分な賃金上昇が見られない場合には、区民生活への影響がさらに大きくなることも危惧されます。 区では、当初予算案にも物価高騰対策を引き続き盛り込んでおりますが、こうした状況はコロナ禍だけに起因する事態ではないと考えており、中でも、区内の中小企業にとって光熱費の上昇による影響は極めて大きなものになると想像しています。さきにほかの会派にもお答えしましたが、物価高騰、特に今後の光熱費の動向を引き続き注視しつつ、追加対策が必要と判断した際には、補正予算の編成も含め、迅速に対応してまいる所存です。 次に、公契約条例に関する御質問にお答えします。 区では特定公契約に係る業務に従事している労働者に支払われる賃金の下限額について、杉並区公契約審議会からの答申を踏まえ、毎年定めているところです。令和5年度の下限額が審議された昨年の審議会では、物価が大幅に上昇していることなどを踏まえ、審議の参考にしている区職員の給料表が前年の民間給与の調査結果を踏まえたものであることや、同じく参考にしている東京都の最低賃金が10月には引上げが見込まれることを勘案し、審議が行われました。その結果、業務委託及び指定管理協定に係る下限額については、23区の昨年12月の生鮮食品を除いた消費者物価指数の対前年度比の上昇率を上回る金額が答申されました。これを受け、区では3月に令和5年度の労働報酬下限額を決定し、告示する予定です。 次に、特別区人事委員会に関する御質問にお答えします。 御指摘のとおり、私も優秀な人材確保には一定の給与水準を整え、特別区職員の志望者を増やしていく必要があると痛感しております。令和3年度の特別区のラスパイレス指数は98.9で、東京都のみならず、全地方自治体の平均よりも下回っています。こうした中で、今年度の特別区採用試験の申込者は、前年度比で約17%の減と大幅に減少しました。今後、人材確保に向けた対策に真剣に取り組まなければ、少子化が追い打ちをかけ、さらに状況が厳しくなることは確実です。 少子高齢化への対応や、首都直下地震への備えなど、首都東京の基礎自治体である特別区の果たす役割は重要性を増しており、人事委員会には、職員の昇任や昇給の基準も含め、人材確保という観点をより意識した人事制度としていくよう、区長会などの場を通して求めていきたいと考えています。 次に、金利の動向についての御質問にお答えします。 御指摘のとおり、金利の動向は、区債発行や基金運用に大きな影響を及ぼすものでございます。区では、金利など経済・金融情勢について基金管理監から助言を受け、基金の運用を行っておりますが、経済・金融情勢は今後も不透明な状況が続き、金利については、しばらくの間はインフレ状況の中、上昇圧力が続く可能性が高いと考えています。 財政調整基金、施設整備基金の在り方についての御質問にお答えします。 財政調整基金につきましては、「財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方」に基づき、大規模災害や経済事情の著しい変動等による減収への備えとして、年度末残高350億円の維持に努めているところです。この金額につきましては、過去の震災における被災自治体の災害復旧経費やリーマンショック時の当区の減収等を参考に設定したものですが、設定当初と社会経済環境が大きく変わる中で、財政のダムとしての必要額も見直す必要があると認識しております。さきの定例会でも御答弁しましたが、財政調整基金の在り方については、来年度、総合計画の改定の際に検討してまいる考えです。 施設整備基金につきましては、今後40年間の区立施設の改築、改修等の経費の試算から毎年度40億円以上を積み立てることとしているところですが、今後、物価高騰や施設のZEB化など、改築、改修等における環境が大きく変化することで、建設コストが大幅に増加することも想定しなければなりません。そうした考えの下、施設整備基金におきましても、社会経済環境の変化や区の財政状況も踏まえ、計画改定の際に、積立目標額の考え方等について検討してまいる考えです。 次に、いわゆる2040年問題に関する御質問にお答えします。 2040年は、私も含めた団塊ジュニア世代が高齢者世代に仲間入りすることで、日本全体の高齢者人口がピークを迎える節目の年とされています。御指摘のとおり、将来を見据えて中長期的な展望を持って区政運営を展開していくことは重要な視点であると認識しております。 現在の基本構想の策定検討においては、そのような認識の下、区内の高齢者のみ世帯の割合が6割近くなることなどを見据えた社会保障制度の在り方や、人口減少など様々な資源制約が生じることを想定した行政の在り方について、今後の人口推計に基づき、中長期的な視点に基づいた議論が行われたものと承知しております。 この点については、来年度の総合計画や実行計画、施設再編整備計画などの改定に当たり、改めて人口推計を行った上で、幅広く検討してまいりたいと考えております。また、施設整備に向けた考え方などについても改めて整理する必要があるものと捉えております。 次に、コロナ禍後の区政についての御質問にお答えします。 コロナ禍における区事業の執行状況については、実行計画に基づく事業について、取組の遅れや足踏みが少なからず見られたところであり、その遅れをどのように回復していくのかという視点は大きな課題であると考えています。具体的には、活動の自粛や社会参加の機会の喪失などの状況が継続したことによる防災訓練への参加やボランティア活動への参加の減少、また、巣籠もり需要の増加による家庭ごみの排出量の増加など、その要因が比較的はっきりしている取組も多いと受け止めています。 こうしたコロナ禍による影響で目標未達成となった取組に関しては、来年度予定している総合計画、実行計画等の改定検討において、その内容を改めて精査した上で、必要な取組について計画化をしてまいりたいと考えております。 新型コロナウイルス感染症対策に関する御質問にお答えします。 感染症法上の分類が5類になった場合、医療機関から患者の氏名、住所などの情報を保健所へ届け出る義務がなくなり、これまで区が実施していた患者に対する入院勧告、就業制限、移送、患者・濃厚接触者の行動制限、在宅療養者への健康観察などが実施されなくなる見込みです。 また、5月8日以降において、入院や外来の取扱いについては原則としてインフルエンザなどのほかの疾病と同様となることから、区内医療機関においても幅広く受診できる体制の確保が必要となります。 区医師会や区内医療機関とは新型コロナウイルス感染症対策連絡会などの場を通じて、日頃より情報共有と意見交換を密に行っており、今回の5類への変更に当たって必要な医療体制にスムーズな移行ができるよう、しっかり取り組んでまいります。 次に、総合計画等の修正、改定についての御質問にお答えします。 まず、今年度実施した計画の一部修正の主な論点ですが、私の区長就任に伴って早急に対応を要する内容や、策定後の状況変化等を機動的に反映させることを目的に、実行計画等のそれぞれ一部を修正したものです。具体的には、都市計画道路の整備や、気候変動対策の推進、子供の権利擁護の推進、居住支援の充実など、計画事業の内容の一部修正や、これまで区が行ってきた指定管理者制度、民営化・民間委託化の取組、施設再編整備計画の取組の検証に関する内容を計画に反映させたことなどが挙げられます。 また、来年度に1年前倒しで実施する総合計画等の改定については、現在進めている各種検証の結果を踏まえつつ、それ以外の状況変化、また、公約の実現等も念頭に置いて計画全体を見直すものです。改定の具体的な方針、スケジュールについては現在検討中ですが、決まり次第、区民や議会にお示ししてまいります。 予算編成過程の公表についての御質問にお答えします。 予算編成過程における情報の公表につきましては、これまで各課の予算見積状況を予算案の確定前に、一般会計の款別の歳入歳出の規模や新規、臨時、投資の全事業、既定事業のうち要求額が1億円以上のものについて一覧表を作成し、ホームページ上に公表しておりました。今年度につきましては、それらに加え、新規事業、主な投資事業等について、その概要を説明する資料を併せて公表し、内容の充実を図ったところです。今後とも、区財政への区民の理解が深まるよう、より分かりやすい情報発信に努めてまいります。 区民参加型予算についての御質問にお答えします。 区民参加型予算については、私の選挙公約において、「取り入れることを検討します」としていたところですが、新年度におきましては、令和6年度の予算案に反映すべく、森林環境譲与税基金の使途をテーマとして、モデル実施の予定です。参加型予算として検討する予算規模が小さいとの御指摘だと存じますが、まずはモデル実施により、課題や問題点を整理した上で、事業スキームや予算規模等について検討し、本格実施につなげてまいりたいと考えております。 次に、ハラスメントに関する御質問がございましたが、まず私は、ハラスメントは人権侵害に当たる行為であり、職員の心身の健康を損ない、その後の職員の人生を変えてしまう原因にもなり得るものと認識しております。区長のハラスメントにどう対応するかの御質問がございましたが、私の言動などが職員に対して大きな影響を与えることは十分理解しておりますので、私自身もゼロ宣言を行うに当たって、部長会に出席してハラスメント行為をしないことを約束いたしました。今後とも自らの言動を厳に戒めつつ、ハラスメントゼロに向けて全力で取り組んでまいります。 次に、ハラスメントになる行為の定義につきましては、今年度当初に作成した職員向けパンフレットにハラスメントに該当する事例を記載し、周知しております。特にパワハラについては、指導とハラスメントの違いや、指導上、相手の性格や能力を十分に見極めて適切に行う必要性を明記しております。 次に、対話による区政の進め方、サイレントマジョリティーの意見集約などについての御質問にお答えします。 特に意見の隔たりが大きい課題については、相互理解を深めるための議論を丁寧に尽くすことが必要との考え方から、都市計画道路や児童館再編といった課題ごとに具体的な対話の場づくりを進めてまいりました。対話の中で、賛成、反対の基本的な立場は平行線であっても、お互いの立場について一定程度理解し合い、前向きな修正案が生まれる場面も出てまいりました。 ただ、ほかの会派にもお答えしましたが、対話を通じた議論はいつまでも際限なく続けられるものではありません。相互理解が一定程度深まり、当初案の修正点が確認できた時点などを捉えて、リーダーが決断をしなければならないタイミングが来るものと考えており、解決の時期を遅らせることを目的として、対話や議論を行うという考えではありません。 また、サイレントマジョリティーの御意見については、無作為抽出した区民からの意見聴取などにより、区民が区政に対して声を上げることに対する垣根をできるだけ低くして、これまで行政に届いていなかった声を聴く機会を数多く設けたいと考えています。そうした取組を積み重ねることにより、区民の区政への関心を高め、今はサイレントマジョリティーである区民をボーカルマジョリティーにしていく、つまりサイレントマジョリティーの数そのものを少なくしていくことができるのではないかと思っています。 具体的には、施設再編整備計画や指定管理者制度の取組検証などにおいて、無作為抽出のアンケートを行っていきますが、そのほかの手法がないかについても検討してまいります。 気候変動対策に関する御質問にお答えします。 化石燃料の使用と依存を低減し、脱炭素化社会を目指して持続的な未来をつくることは国家的な目標であり、国際的な合意に基づく挑戦でもあります。自治体も当然その責務を担っていますが、その中で私は、杉並区が他自治体にも通用するモデルケースを提唱し、全国に波及していく独自の取組を行うことで、リーダーシップを取ることもできると考えています。その足がかりとなるため、さきに申し上げた気候正義を杉並区でどう実現するかを気候区民会議などを通じて広く議論することで、脱炭素社会の在り方という課題を広く区民に自分事としていきたいと考え、提案するものです。 取組として例を挙げるなら、公共施設だけでなく、集合住宅、賃貸住宅を含め、住宅の耐震化、不燃化、そして断熱化を推進することは、一義的に防災に寄与するだけでなく、省エネ化による光熱費の負担の軽減につながります。そして、地域にグリーンジョブ(環境関連の仕事)をつくる経済政策としても有効な一石四鳥の現代的な政策だと考えます。さらにいえば、この取組に協力する区内の事業者が脱炭素社会の先駆的な担い手になれるよう支援することで高い競争力をつけることができます。 全国的な課題でもある空き家の利活用では、脱炭素化社会の情報、産業、人づくりを公民連携で行い、若い世代を包摂した活力ある地域社会の拠点にできます。 また、グリーンインフラを最大限に生かした公共施設づくりは他自治体でも始まっており、その取組を杉並区として推進することも重要です。 ここまで幾つかの事例で申し上げたところですが、脱炭素社会への移行を総合的、長期的な視点に立った産業、経済、社会政策として行っていくことは、欧州で既に始まっているグリーンニューディール、またはグリーンリカバリーの取組です。いずれも、大きな成果を生み出すには時間のかかる取組になりますが、私はこの取組を積極的に進めていかなければならないと考えています。 区がゼロカーボンシティ宣言を行うに当たり、それを求める陳情を区議会全会一致で採択したものでもあり、取組の推進は、区、区議会、区民に共通したものであろうと存じます。こうした認識の下、私は宣言した杉並区だからこそ、具体像を広く議論し、実行するリーダーシップを取る自治体を目指したいと思っています。 次に、仮称気候区民会議に関する御質問にお答えします。 気候変動問題をテーマに無作為抽出で選ばれた市民による学習、議論の結果を行政の施策等に反映させる仕組みが一般的に気候市民会議と呼ばれているため、当初は名称に市民を使用しておりました。しかし、区の取組であることから、仮称ではございますが、気候区民会議としたものでございます。 なお、今後、会議のスキームなどの詳細を詰める中で、正式な会議名称を設定してまいりたいと考えています。 次に、「気候変動対策に組織横断的に取り組むことを通じて、地域経済の活性化と雇用の創出につながる新たな脱炭素の地域社会の実現を図ることができる」と申し上げたことに対し、果たして現実はどうかとの御指摘がありました。 私は、区が組織横断的に様々な分野における取組を複合的に進めることにより、そうした地域社会の実現が可能になると考えております。都市農業を育てることなどを通じた食やエネルギーの自立、自給はあくまでも取組の一例として示したものですが、区内の農業関係者の理解と協力の下、生産者グループ等が実施する即売会や区立小学校での地元野菜デーの拡充を図ることなどにより、さらなる地産地消を推進していくことが大きなテーマになると思っております。 次に、職員の働く環境の変革についての御質問ですが、私は、区民福祉の向上を不断に追求していくためには、現場の職員に事業の見直しなどを検討するための業務上の余裕と、モチベーションや組織の生産性を向上させるための働きやすい職場づくりが不可欠であると考えています。そのため、新規事業などにより業務量が増大した職場には、今後も適切な人員配置を行うとともに、AIやDXにつきましても、区民サービスの向上と業務の効率化のために積極的に活用してまいりたいと考えています。 次に、災害対策のハード面の取組に関する御質問ですが、首都直下地震への備えは急務であり、防災会など地域の方々が主体的に行っている取組をしっかりと支えなければなりません。 一方で、多くの時間を要するハード面の具体策としては、震災時の救援活動などに必要となる道路の拡幅整備、オープンスペースとしての公園整備と併せて、木造住宅密集地域の解消や耐震化、不燃化などの取組を長期的な視点を持って、区民の理解を得ながら実行計画等に位置づけて進めてまいります。 次に、令和6年度以降に注力すべき施策に関する御質問にお答えします。 御指摘のあった脱炭素化に向けた取組については、新年度当初予算においても、仮称気候区民会議の早期導入に向けた検討、太陽光発電舗装システムの試験導入など、新たな内容を盛り込んだところですが、今後策定される地球温暖化対策実行計画の内容も踏まえ、来年度行う総合計画、実行計画等の改定において計画化してまいります。 そのほか今後注力すべき施策としては、首都直下地震に対応するための防災・減災の対策の推進や、子供が健やかに成長するための子育て・教育環境の充実、住宅確保要配慮者向けの居住支援の充実、さらには超高齢社会の進展を見据えたモビリティーサービスの拡充といったことが挙げられると思っています。 これらについては、来年度の計画改定の中で長期的かつ戦略的な視点から議論、検討を行った上で、必要に応じて財政調整基金の活用も視野に入れながら、しっかりと計画化していきたいと考えております。 予算編成方針の基本的考え方に示した健全な財政運営についての御質問にお答えします。 少子高齢化、格差の拡大、気候変動、物価高騰、公共施設の更新など、山積する行政課題に対応しながら、将来にわたって区民生活を守るためには、健全な財政運営を維持していくことは欠かせません。財政規律の下で健全な財政運営を維持していくことは、自治体の長としての区民に対する当然の責任だと考えております。今後とも、区民生活の喫緊の課題については、ためらうことなく財源を投入しつつ、歳出削減、歳入確保、事務の効率化等に努め、「財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方」を踏まえた財政運営を行ってまいります。 次に、公約の実現に向けた取組に関する御質問にお答えします。 公約に関連した取組のうち、来年度当初予算の内容に具体的に反映した項目としては、御指摘のあった内容のほか、参加型予算の導入に向けたモデル事業の実施、高齢者補聴器購入費助成制度の創設などがございます。 就任後、私は、区民との対話や情報公開の徹底に力を注いできましたが、これらは私の区政を実現するための基盤、いわば土壌づくりのプロセスだと思って取り組んでいます。豊かな土づくりはまだその途上でありますが、区民の皆さんに耕してもらった最初の土壌に大きな実がなる小さな種をまく、そんな気持ちで当初予算の編成に臨んでまいりました。当初予算に盛り込んだ仮称気候区民会議の取組や参加型予算の取組を含め、金額としては少額ではありますが、区民の区政への参画を推し進めていくという私の区政を前進させるためのきっかけとなる大きな意味のある第一歩ではないかと思っております。 次に、都市計画道路についての御質問にお答えします。 都市計画道路については、事業認可区間であっても拙速に進めることなく、「対話から始まる みんなの杉並」の実現を目指し、公約に沿って、まちづくりから道路整備を考える対話集会を行っております。賛成、反対様々意見がある中で、用地買収を望む方や、これまでに事業に御協力いただいている方への影響がないよう、既に事業着手している区間については、できる限り合意を得て進めることとしています。対話を重ねることで相互理解が深まり、対立ではなく協調による合意形成につながると私は信じております。 次に、グリーンスローモビリティーの新たな地域交通の整備についてお答えします。 グリーンスローモビリティーにつきましては、昨年の実証運行実施に当たり、ゾーン30以外の地域も含めて、何度も警察と協議を重ねており、本格導入に向けて安全な運行体制の構築に努めてまいります。 また、利用者の需要に応じて運行するオンデマンド交通につきましても、近年様々な技術革新が進んでおりますので、杉並区地域公共交通活性化協議会での協議を踏まえ、検討を進めてまいります。 次に、帯状疱疹ワクチンについての御質問にお答えします。 東京都の補助の活用についてですが、来年度より区市町村が行う帯状疱疹ワクチン予防接種事業について、接種費用や事務費の2分の1が補助されることになりました。区においてもこの制度を最大限に活用し、本年4月より費用助成を開始いたします。事業の詳細についてですが、50歳以上の区民を対象に、乾燥弱毒生水痘ワクチンについては、上限5,000円の助成を1回まで、乾燥組換え帯状疱疹ワクチンについては上限1万円の助成を2回まで実施することとしております。区民の利便性を図るために、保健所に申し込むことなく、医療機関に備えられた予診票を利用して接種できるよう準備してまいります。 次に、がん検診に関する御質問にお答えします。 現在、区が実施しているがん検診につきましては、対象者の抽出から検診結果の把握まで一括管理できるがん検診電算システムを活用して、効率的及び効果的な運営を行っています。このシステムが保有するがん検診のデータは、杉並区がん検診精度管理審議会及び杉並区胃内視鏡検査による胃がん検診精度管理審議会における審議の際に活用されており、がん検診の実施体制や精度管理の向上に生かされているところです。また、システムを用いて個別勧奨となる対象者を抽出し、受診率の向上を図るとともに、精密検査未受診者を特定し、受診勧奨をすることで、がん検診の実行性も高めています。 今後は、これまでの取組に加えて、検診実施医療機関ごとに精密検査受診率等のプロセス指標を算出して事業評価を実施するとともに、その結果を区内平均値や国の基準値と比較できるような形でフィードバックする予定です。これにより、個々の検診実施医療機関の意識改革を促し、より一層の検診精度の向上と事業の充実に結びつけていく所存です。 次に、がん患者に対する医療用ウィッグや補整具の購入助費用の助成に関する御質問にお答えします。 区は、がん治療に伴う外見の変化により、心理的、経済的な負担を抱えるがん患者を支援するため、医療用等のウィッグや胸部補整具の購入またはレンタルに関する費用を助成することといたしました。具体的には、助成対象品の購入またはレンタルに要する費用に対し、1人当たり1回、3万円を上限に助成します。 また、事業実施に当たっては、東京都の医療保健政策区市町村包括補助事業を活用し、助成金額の2分の1を財源に充てる予定です。 高齢者への補聴器購入費助成に関する御質問にお答えします。 高齢者の補聴器購入費の助成制度をつくるに当たって、検討の過程では、耳鼻咽喉科の医師や実際に補聴器を利用している方などからお話を伺い、御指摘のとおり、補聴器は医療機器であり、使い続けるためには、補聴器相談医の診断とそれに基づく補聴器の選定や継続した調整が欠かせないことを確認したところです。そのため、助成制度では、まず補聴器相談医を受診していただき、補聴器の使用が必要であるとの診断を受けた後、認定補聴器技能者がいる販売店で本人に合った補聴器を購入していただくこととしました。そうすることで、補聴器の購入後も補聴器相談医などの関係者による調整や訓練などのサポートを受けられる体制が整えられ、伴走型の制度となるものと考えております。 今後、制度を開始した後には、区と関係者とが連携して補聴器の使用効果を確認するなどして、高齢者が補聴器を適切に使い続けられるようにしてまいります。 次に、パートナーシップ制度についての御質問ですが、先ほどほかの会派の代表質問に御答弁したとおり、区議会でより多くの賛同を得て、本年4月の制度導入を図るべきと判断し、導入時点における制度の対象者は、性的マイノリティーのカップルに限定することとしたものです。その上で、引き続き多様な意見等を把握しつつ、段階的な制度の見直し、改善に向けて検討し、議員の御指摘のとおり、区民と共に制度を育てていく考えでありますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。 次に、子供の居場所に関する御質問にお答えします。 この間の児童館再編整備の取組には、区民に様々な御意見があることから、区では今後、これまでの取組を検証し、よりよい子供の居場所について改めて検討を行うこととしておりますので、御指摘のあった子ども・子育てプラザの整備数や中高校生の居場所の在り方につきましても、この検討の中で整理してまいります。 次に、保育に関する御質問にお答えします。 今後の少子化の進展に伴う保育需要の減少を見据えたとき、保育園における定員割れは、区の対応が求められる課題であると認識しております。区では既に、各私立保育園の状況に応じて柔軟な定員変更を認めることで、園運営の安定化を図っております。また、今後は、保育定員に余裕が生まれつつある状況を生かし、区立保育園では、医療的ケア児や福祉的な支援を必要とする子供の受入れに、より多くの保育定員の枠を充てる取組を進めてまいります。それとともに、定員の枠について弾力的な運用を行うことについても検討してまいりたいと考えております。 次に、区立保育園と学童クラブのアプリ導入の御質問にお答えします。 区立保育園の登降園アプリと学童クラブの入退室管理アプリについては、デジタル化推進計画に基づき、令和5年に導入準備として試験導入し、令和6年に全園・全学童クラブで運用を開始する予定です。 現在、これらの施設を利用する多くの子供やその保護者が、日常の情報のやり取りをスマートフォンやタブレットで行っていることを踏まえれば、今回導入するアプリには、登降園等の機能にとどまらず、連絡帳の機能など、様々な機能を盛り込むことが有効です。このため、今回の導入に当たっては、既に導入している私立保育園や学校、他自治体の例についてよく研究の上、利用者と施設の双方がこの取組の効果を十分に得られるよう、準備を進めてまいります。 次に、給食費の無償化に関する御質問にお答えします。 私としては、義務教育の一環である学校給食は、全ての児童生徒に対し、等しく無償で提供するべきとの考えでおります。これまでの議会でもお答えしておりますが、本来、これは国の負担において行われるべきものと考えており、国や都への働きかけは当然必要であると考えます。しかしながら、国に具体的な動きが見られない現状においては、まず基礎自治体である区が取り組むべき最重要課題の一つであると捉えております。既に給食費の無償化を含め、義務教育の保護者負担軽減の在り方について、教育委員会に検討組織を設置し、検討を開始しておりますが、現下の厳しい物価高騰など子育て世代を取り巻く環境を踏まえれば、早急に検討を進め、結論を出すべき課題であると考えております。 実現に向けては、限られた予算の中で、事業の見直しにより持続可能な財源を確保することに加え、児童生徒の健やかな成長を社会全体で支えていくという区民の合意形成を図っていくことも必要であると考えています。そうした点を踏まえながら、引き続きスピード感を持って検討を進めてまいります。 次に、予防医療に関する御質問にお答えします。 区では、現在、新たな基本構想で掲げている「『人生100年時代』を自分らしく健やかに生きることができるまち」の将来像の実現に向け、様々な施策に取り組んでおります。特に健康づくりにおいては、予防医療を重要視して健康増進を進め、生活習慣の改善や適度な運動により、糖尿病などの疾病にかかりにくい生活習慣や身体を維持していくような区民の健康づくりを支援しています。 今後は、ウオーカブルなまちをストレスなく自然と歩き、無意識に運動ができ、健康維持にも寄与することができるといったゼロ次予防に重点を置いた施策にも取り組みます。また、糖尿病をはじめとした生活習慣病予防、介護予防、フレイル予防など、現役世代や高齢者の健康維持にも役立つ基本的な知識を普及啓発するためのパンフレットの作成配布や、講演会の開催、生活習慣病を早期に発見するための区民健診の実施などの継続した取組も行います。さらには、がん検診受診率の向上を図るため、がん検診電算システムを活用した効果的な個別受診勧奨等に取り組み、早期発見、早期治療につなげるなど、2040年問題で指摘されている高齢者の増加に伴う医療費の増大を抑制できるよう、しっかりと将来を見据えた予防医療の観点に立ち、区民の健康の維持増進に寄与する施策を着実に進めてまいります。 私からは以上です。

教育長。 〔教育長(白石高士)登壇〕
私からは、不登校児童生徒や特別に配慮の要する児童生徒への支援についての御質問にお答えをいたします。 初めに、メタバースを活用した不登校児童生徒への支援については、先行実施しているNPO法人や企業等との協議を行い、教育分野での具体的な活用について検討してまいりました。来年度からは、東京都がバーチャル・ラーニング・プラットフォームを立ち上げ、バーチャル空間で関わりを持てる事業を開始いたします。本区でも活用を検討してまいりたいと考えております。 不登校特例校の設置に関しては、児童生徒の状態や興味関心に応じた柔軟な教育活動が可能となるカリキュラム等について議論を進めてまいりました。今後は、他自治体での設置事例を参考に、ハードとソフトの両面における調査研究を進めるとともに、バーチャル空間を活用した教育活動の可能性についても併せて検討することで、児童生徒の学びの選択肢を広げてまいります。 次に、特に配慮を要する児童生徒への支援についてでございますが、個別のサポートを行う支援員やスクールカウンセラーが学校によっては十分でない等、教育委員会としても実態を把握しております。今後、各学校での組織的な対応の充実を図るために、スクールカウンセラー等の専門職との効果的な連携はもちろん、地域人材とも協働し、児童生徒にとって必要な関わりを充実させてまいります。 さらに、令和6年度からは、済美教育センターの教育相談機能を独立させることで、ひきこもりの状態を防ぎ、児童生徒の心理的回復を図る必要のある専門性の高い案件への対応や、事例研究等を行い、機能強化を図ってまいります。 私からは以上でございます。

42番島田敏光議員。 〔42番(島田敏光議員)登壇〕
再質問させていただきます。3点ほどです。 まず1点目は、金利動向なんですが、お答えとしては、不透明ではあるけれども、上昇圧力があると思うということです。以前にも申し上げましたけれども、区債発行は大体出納整理期間に発行しているという状況でありますが、上昇圧力があるんだったら、発行できるものは早く発行しないとしようがないじゃないかというふうに思うんですけれども、既にここへ来て金利が大分上がってきています。できるかどうか、ちょっと今年度の発行についてもそうですし、来年度についても、来年も50億ぐらいたしか予定していたと思いますので、0.1%違うだけで年間500万違うということになります。10年で5,000万、20年だと1億になりますので、しっかり検討してください。 それから、例の6つの柱の一番最後、私、聞き逃したのかもしれませんが、3定、4定と2回の定例会を通じ、議論を深めたというふうに区長がおっしゃっていたんですけれども、それは我々の認識と大きく離れているんじゃないのと聞いたんですが、お答えがなかったのかなというふうに思うんですけれども、お答えいただいていたら、申し訳ないんですが、ちょっと聞き逃したかなと思ったのでもう一度お聞きします。 それから、地域経済の活性化と雇用の創出につながる云々かんぬんですが、いわゆる例で挙げた都市農業について、どうしても自立、自給って、本来の意味からすると、区では無理だというふうには思うんですけれども、その意味を問うたんですが、答えは地産地消という答えだったんじゃないかと思います。地産地消と自立、自給は全然違うと思いますので、その辺ちょっと御説明いただければというふうに思います。 以上3点です。よろしくお願いします。

理事者の答弁を求めます。 区長。 〔区長(岸本聡子)登壇〕
金利の動向、区債発行についてお答えします。 議員の御指摘のとおり、区債発行に当たっての金利負担の軽減について、その発行時期も含め検討します。 2つ目の再質問ですけれども、私の認識としては、過去の定例会を通じて、そしてその後の委員会もそうですけれども、議論を深めてきてこれたことができるというふうに認識しておりますし、この延長線上に今回の定例会もあると思っています。最後に申し上げたのは、皆様の活発な調査や政策議論からも学びながら、そしてそこには、議員の皆様からもぜひ条例の提案も含めて、様々な政策提言をいただきたいと、そういったことも双方向の議論というのを、杉並の区議会で深化させていただきたいというふうに答弁申し上げました。 そして3点目の都市農業についてです。 ほかの会派からも、さきの質問でも、都市農業の規模の小ささだとか、そして地産地消と、自立と自給といったものは違うという御指摘だったと思います。さっき答弁で申し上げたとおり、食べ物というのは、気候変動の中で、農から食品ロスに至るまで、非常に大きなサイクルを取りなしているのが食と農業をめぐる問題でございます。そこに大きなサプライチェーンがあります。そして、国の緑の農業戦略というのも前定例会でも議論いたしました。こういった大きな、しかも食と農業というのは、気候変動問題の中で2番目に影響の大きい、2番目にCO2の排出量が大きい産業であるということも申し伝えておきます。 このような認識に立ちまして、杉並区において、食べ物のこと、農業のこと、これは子供の教育にも関係しますけれども、こういったことを総合的な気候、環境政策の中できちんと位置づけいくということを、私の答弁ではそのように申し上げました。 以上です。

以上で杉並区議会公明党の代表質問を終わります。 以上で日程第6を終了いたします。 議事日程第1号は全て終了いたしました。 議事日程第2号につきましては、明日午前10時から代表質問を行います。 本日はこれにて散会いたします。 午後4時22分散会 function get_view_no( huid ){ var i; var cnt; if( self.frames.name == 'hat' ){ parent.v_n_no=null; parent.v_n_shi_no=null; parent.v_b_no=null; parent.v_b_shi_no=null; cnt = parent.huid_list.length; for( i=0; i parseInt( parent.huid_list[i] ) ){ parent.v_b_no= i }else if( parseInt( huid ) parseInt( parent.huid_shi_list[i] ) ){ parent.v_b_shi_no= i }else if( parseInt( huid ) parseInt( parent.huid_tou_list[i] ) ){ parent.v_b_tou_no= i }else if( parseInt( huid ) = 0) && (version = 0) && (version