// 発言者(4名)
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直ちに日程に入ります。 日程第1・一般質問を行います。 順次発言を許可いたします。 11番・高口ようこ議員 〔11番高口ようこ議員登壇〕

初めに、引退表明をされた前川区長、長年の御公務に心から敬意を表します。人生の大先輩として学ぶことも多々ありました。ありがとうございました。 最後まで区長と対峙するのが議員の務めと思い、練馬区長選挙直前の今こそ、現区政の方針を引き継いでよいのか、質疑いたします。最後までよろしくお願いします。 現区政は、発展という言葉を多用しました。しかし、昭和後期生まれの私でさえ、子どもの頃にはバブルがはじけ、大人になれば就職氷河期、子どもを持てば「保育園死ね」と、発展とは程遠い実感で生きてきました。氷河期世代が既に中高年になった時代、箱物や大型道路、再開発といったインフラありきの成長戦略には、全く希望を持てません。そもそも練馬区が何がどのようになる状態を発展と定義しているかが曖昧です。定義や指標を具体的にお答えください。 まさに発展の名の下に進められてきたのが、各種道路や再開発の計画です。際立つのは、合意のない住民置き去りの進め方。その結果、大泉第二中学校を分断する補助135・232号線や外環の2など、住民の強い反発を引き起こしました。 私が生まれ育った桜台では、反対の根強い桜台東部地区の防災道路で、母校、開進第三小学校の敷地も削られる予定、ただでさえ狭い校庭で、児童にまで影響が及びます。 さらに今、桜台を横切る補助172号線が新たに東京都の第5次優先整備路線に位置づけられようとしています。優先整備路線の選定では、都だけでなく、各市町村も評価指標を設定し、主体的に検証しました。補助172号線の選定理由は、交通・安全の2項目ですが、現道がないのにどの部分でどう交通や安全性を計ったのか示してください。 桜台東部地区の防災道路は、補助172号線を前提とせず進めていますが、それを前提にすれば、消防活動困難区域の48%が解消します。防災道路の必要性が根底から覆りますが、区の見解と、少なくとも住民に説明すべきという点、問います。 補助172号線で、私の地元でまた新たな道路問題が起きることを懸念しますが、道路計画に前のめりな練馬区は住みやすくなったのでしょうか。108億円もの税金が投入される計画の石神井公園駅前再開発のようなタワーマンションがある一方、若い世代の方からは、練馬区で生まれ育ち、このまま住み続けたいが、家賃が高過ぎて厳しいとの声が上がっています。富裕層のマンション転売等による家賃高騰が問題となる中、家賃補助、民間賃貸の借り上げなど、若者が練馬区に住み続けられる制度を創設すべきですが、見解を聞きます。 今の暮らしの厳しさに加え、将来の練馬は気候危機で住めないほど暑くなるのではと本気で危惧しています。今でさえ限度を超える酷暑、外で気持ちよく活動できる期間は3、4か月。超高齢化も相まって、公共施設に求められるのは、クーリングスポットになる屋内環境の整備です。にもかかわらず、練馬区立美術館の現改築案は、屋根の上という不安定な屋外スペースでの活動を前提にしています。その実施設計が終わりましたが、シェードと呼ぶ屋根の面積と容積率に占める割合、階段の段数、約150億円の工事費概算の内訳を端的にお答えください。 練馬の、地球の未来を見通して、施設の在り方を問い直す必要がある中、練馬区はこの間、公共施設の廃止、再編を進めてきました。狙い撃ちされる施設の一つは敬老館ですが、認知症が始まると、新しいことは覚えづらいものの、何度も通ったなじみの施設なら、今までどおり通える方もいます。施設が移転されると、新しい施設に行くこと自体が難しいのです。公共施設の場所が変わらない、そこにあり続けることの重要性を区はどう考えていますか。同行する家族の負担や独居高齢者の増加という点も踏まえ、お答えください。 複合化の話合いが進む施設の一つが、春日町青少年館です。その学習室は、夜9時15分まで毎日開いており、メインの利用は高校生、廊下のベンチでおしゃべりする姿もあり、居場所にもなっている様子と聞きました。家に居場所がない子にとっては、特にこういう場が救いになっているのではないでしょうか。青少年館における中高生、若者の居場所の拡充や改善について、また、改修の間、学習室や居場所の継続をどうするのか伺います。 春日町青少年館を拠点に活動を続けてきたのが練馬児童劇団。スタートは1979年と古い事業ながら今なお親子から評判で発表会も人気が高く、2025年は1,549人の応募で約500人が落選、保護者でさえ当たらないという人気チケットです。ゆとりを持って子どもたちが臨めるよう、公演数を2日間に増やすことを提案します。 区の新規イベントが数々立ち上げられる一方、こちらの申込みは往復はがきか、青少年館に直接受け取りというオールドスタイル、改善を求めます。 また、例えば今年度、ねりまママパパてらすが始まりましたが、既存の類似事業に遊遊スクールがあり、使いにくさを改善してほしいとの要望が上がっています。文化事業全般について、新規事業立ち上げの際は、職員の負担も考慮し、まずは今ある事業、継続してきた事業の改善に努めるべきです。以上お答えください。 文化、伝統をいかに引き継ぐかが問われる今、地域の核である学校に突然廃校を告げる学校統廃合は、現区政が引き起こした最大の争点です。来年度、豊渓中学校も小竹小学校も2クラスから1クラスに減る見込み。豊渓中は、今年度1年生は46人ですが、現時点での入学希望者は15人。言うまでもなく、練馬区が強引に進めた学校適正配置が原因です。 練馬区自身が過小規模が問題としながら、今いる子どもたちをさらなる過小規模に追い込むことへの責任を練馬区はどう考えるのか、今いる子どもたちをどう支援するのかお答えください。 豊渓中学校では、区中学校初のコミュニティスクール化やPTAが広報に力を入れるなど、生徒数を増やす努力をしてきました。それなのに、区の計画によって生徒数を激減される。地域が、保護者が、そして子どもたちが一体どんな思いか。 想像力に欠けた練馬区とは対照的に、保護者の声を受け、統廃合を中止したのが長野市教育委員会です。長野市中条地区は、練馬区とは全く状況が異なり、人口約1,600人、小学校児童数22人という超少子化地域ですが、それでも小学校を残したのです。小学校には保育機能を併設し、子育て支援を強化しました。 その研究論文「中山間地域における学校の存廃をめぐる合意形成の問題」によれば、結論をあらかじめ定めてそこに誘導するやり方ではなく、情報を提供しつつ、保護者に自由に議論してもらうやり方を採用、そのほうがむしろ早く決着すると認識、行政組織側が結論ありきという姿勢を取らないことが重要、開かれた形で進めるとは、どのような結論を住民が出しても、それを行政として尊重するということ。数値基準についても絶対視することはなかった。こうした姿勢だったからこそ、住民と行政組織との意思疎通ができ、比較的短期間に合意形成に至った。ここに練馬区が学ぶべき真の合意形成があります。 この長野市教育委員会の手法について、特に行政組織側が結論ありきという姿勢を取らないことが重要。どのような結論を住民が出しても行政として尊重するという点を含め、区の見解を問います。 もう一つ、現区政が子どもと保護者を追い詰め苦しめているのが、谷原保育園問題です。来年度はついに最後の1年ですが、残る5名の在園児保護者は転園を希望され、谷原保育園の園児はゼロになる見込みです。 決して谷原保育園の否定ではありません。現在は上の学年が20名いますが、その卒園後は5歳児5名のみに。谷原保育園に残りたい。けれど、子どものことを考えれば転園させるしかない。残っても、転園してもつらい。どこに決まっても手放しで喜べない。そんな選択をさせたのは練馬区自身です。保護者や子どもの育ちを尊重していたら、こんなことできるはずがありません。練馬区は子どもを一人の人間として扱っていないという声さえ上がっています。 区の責任で慣れ親しんだ環境を離れざるを得ない子どもたち、これまで転園した全ての方の思いを重く受け止めるべきです。今の谷原保育園の状況と保護者や園児の気持ちについて、区の受け止めを確認します。 現在、地域交流谷原っ子ルームぽかぽかは、登録が104名を超え、毎日来る方もいるそうです。また、近隣の待機児童の状況を見れば、この地域には保育園がまだまだ必要です。学童も足りていません。建て替えて、再び谷原保育園を開くこと、子どものための場所として残すことを求めます。 また、区長の後継者指名の報道もありましたが、美術館や学校統廃合、保育園廃止や大二中の道路問題等についても、引き継ぐ方針なのか伺います。 以上、ほかにも多くの問題がありますが、現区政を継いで立候補する方は、区民や子どもたちを大きく傷つけた問題をも引き継ぐこととなります。私は、子どもを傷つけず、保護者を泣かせない方、一部の声だけでない、幅広い区民の声を公平に尊重する方に新しい区長になっていただきたいと切に願います。 引き続き、子どもに関する問題を伺っていきます。 校則について、評論家の荻上チキ氏は、1,705校を分析の上、ほとんどの校則では、見直し手続が明文化されておらず、生徒からの改正要求の位置づけが不透明、見直し要件の提示、当事者参加の確保が必要と述べています。 そこで、私も練馬区の中学校の校則を調べたところ、改正要件を明記しているのは、2校のみでした。生徒に分かるよう、校則の改正要件を明記すべきです。学校への周知方法を含め、区の見解を聞きます。 また、全校の校則の頻出単語をAIで分析しました。助詞、接続詞、地名、学校名は除外し、1語以上の単語という条件で分析したところ、上位10位で、1位、指導、2位、生活、3位、学校、4位、身だしなみ、5位、頭髪、6位、服装、7位、規則、8位、集団、9位、登下校、10位、禁止。 傾向については、管理、外見、統制のワードが支配的。主体性、対話、権利に関する語は、頻出語上位に表れない。校則が教育の言葉ではなく、管理の言葉で構成されている。以上がAIの分析結果です。 子どもの主体性や対話的学びを進めるためにも、管理的な校則から脱却し、人権ベースで見直す必要があります。これらの頻出単語や分析、人権ベースの見直しについて、区の見解を伺います。 ほぼ全校で外見への規定があり、かつ内容が矛盾しているのも特徴的。例えば、身だしなみを整えるよう求めながら、ほぼ全ての学校で整髪料が禁止。逆にオーケーとする学校もあり、同じ区の生徒なのに不公平です。こういった矛盾する規定や学校間の不公平について是正を求めますが、区の対応を問います。 誰が見ても違和感のない髪型、誰からも認められる頭髪にといった規定もあります。髪質は十人十色なのに、持って生まれた髪をなぜ誰かに認められなくてはいけないのでしょうか。そもそもルッキズムの問題から、外見に関する規定は最小限にとどめるべきです。見解を聞きます。 ちなみに、大正から昭和初期の女学生は、銘仙というカラフルな柄物の着物で通学しました。白、黒、グレーや無地が学生らしさとは思い込みであり、伝統的にもそぐわないのです。 区内のある学校では、先生の許可がなければ水筒の水を飲めない、体育で水を飲める時間が決められているとの制限があります。休み時間か、担当の先生の許可をもらう、登下校中は禁止と校則に明記された中学校も複数あります。命に関わる水分補給において、許可が必要という規則自体が人権侵害です。許可制だと、我慢する子が必ず出てきます。真面目で気を遣う子ほど言い出せません。熱中症の危険性も鑑み、水飲みの許可は不要、いつでも自由に飲めることの全校での周知徹底を求めます。 大切なことは、子どもが自分の体調を自分で管理できるようになることであり、このようなルールは、子ども自主性を奪い、言われないと何もできない、自分で自分を守れないことにつながり、リプロダクティブ・ヘルスライツの概念にも背きます。子どもが自分でできるようになることを前提とした規則の見直しを求めます。お答えください。 子どもの権利が守られない学校は、子どもにとって安心・安全な場所でなくなります。近年不登校が急増する小学校でも数多くの細かなルールが決められています。子どもに緊張感を強いて、居心地を悪くし、登校渋りや不登校につながるものと考えます。校則には、まず何より生徒の権利を守ること、学校が安心・安全で、自分らしくいられる居場所になるよう、あらゆるサポートをすることを明記すべきです。 不登校特例校の先駆け、岐阜県草潤中学校では、服装も頭髪も自由、担任は生徒が指名、行事は全て生徒が企画、授業は教室、自宅、オンライン、どこで受けてもオーケー。今必要とされているのは、まさにこういう学校ではありませんか。学びの多様化学校の設置を求めます。お答えください。 不登校当事者からの人と関わる機会がない、人と接する不安が強いが、改善方法が見つからない、改善する場がないとのリアルな声を受け、一般社団法人プレイキッズシアターでは、演劇教育の手法を使い、不登校児の心の回復、自己肯定感向上を目指すコミュニケーション力向上プログラムを始めました。練馬区内の不登校の居場所でも行われています。 主催者は、否定、評価、批判されない場、ここにいていいと思える安心・安全の場で、子どもたちは心を開く、自分の気持ちを感じ、整理して伝えること、遊びの中で協力し合い、受け入れてもらえることで、つながる楽しさを感じ、関係性をつくっていけると効果を語っています。 小金井市、中野区では、行政として取り組んでいます。練馬区も区として事業化すべきですが、不登校時のコミュニケーション教育の重要性と併せ、見解を聞きます。 中村中学校では、PTAが学校と区教委にかけ合った結果、配信用タブレットが各学年で配備され、不登校生徒が授業にオンライン参加できるようになりました。朝のホームルームの「おはよう」など、コミュニケーションが継続することで、再登校につながった生徒もいます。短期間の不登校が減ったとの評価があり、長期化を防いだり、学校との分断を防止する効果もあります。不登校生徒へのオンラインの授業参加について、この取組を周知するとともに、全校でできる体制づくりを求めます。 決算質疑で、子どものSOSについて取り上げました。SOS教育が重要である一方、「助けて」を言えない子どもが多いことも事実。特に困難な状況にある子どもほど、これまで「助けて」を言っても聞かれなかった経験があり、言えないまま成長し、さらなる困難を抱えることもあります。なぜ子どもの「助けて」が見過ごされてしまうのか。それは分かりやすい言葉や表現だけではないからです。ゲーム依存、非行や過激なダイエットなど、問題行動とされる状態や行動の中に「助けて」が隠されています。 子どもの問題行動を子どもからのSOSだと捉える必要性、大人がSOSの聞き方を学ぶ重要性、学校だけに任せない支援の体制について、区の見解を伺います。 小中高生の自殺が過去最多の532人に達し、子どもの問題を見過ごさないことは命にも直結します。 重大問題の一つ、いじめについて、大阪府寝屋川市では、弁護士経験者らによる監察課を市長直轄で新設。1か月以内でのいじめ停止を掲げ、法的アプローチも用意、被害者側の弁護士費用も負担します。教育と切り離した人権問題として扱う寝屋川モデルとして注目されています。いじめを教育現場で解決する限界があります。寝屋川市のような学校から切り離した対応の構築を求めます。お答えください。 イギリス政府は、昨年7月、学校で子どもたちにミソジニー(女性蔑視、女性憎悪)防止教育を行うと発表しました。政府は、若者の間でミソジニーが流行中だと警告。インフルエンサーによる性差別的コンテンツ拡散の影響も指摘。11から18歳対象に、ポルノとミソジニーの関連性について認識を深める授業などをするそうです。練馬区でもミソジニー防止教育について研究し、性教育に反映させるべきと考えますが、見解を聞きます。 助産師に委託した生命の安全教育については、内容はとてもいいものですが、膨大な情報量のため時間が足らず、脱落してしまう生徒も見かけました。時間数を増やすことと併せ、障害児は約3倍性被害に遭いやすいというデータもあり、特別支援の生徒向け授業の充実を求めます。お答えください。 昨年末、練馬区内で、電柱に差別的な貼り紙が張られており、公共物への無断掲示であり、ヘイトスピーチ解消法の趣旨に反する内容だと、区民の方から通報を受けました。 差別的な貼り紙等を見つけた場合の対応について、区民に分かりやすい周知が必要です。差別禁止の取組強化、再発防止策と併せ、工夫や改善を求めます。お答えください。 続いて、日本社会の根底にある能力主義の問題を問います。 組織開発者でコンサルタントの勅使川原真衣さんによれば、能力は個人の内側に安定的に存在するものではない。人間関係、健康状態、家庭環境など、無数の要因で揺れ動く。人は能力ではなく、環境に支えられている。能力が個人に内在するという能力主義は、格差を見えにくくし、弱い立場の人に努力不足だという自己責任を負わせることになる。車に例えるなら、エンジンだけ優秀でも車は動かない。様々なパーツが組み合わさるから快適な走りが実現できます。それぞれの個性を活かし合う環境こそ大切であり、競争ではなく、共につくる「共創」をという勅使川原さんの言葉に深く共感します。 私は、この観点から、社会の様々な制度を見直すべきと考えます。 例えば、通知表。義務教育というのなら、基本的に全て生徒が習得すべきことを教えているはず。であれば、極論のようですが、全員100点、オール5が前提のはずです。1や2という評価は、むしろ教え方の問題になってしまいます。 児童の学習意欲や自己肯定感を尊重するねらいから、通知表をなくす動きが各地で出ています。教員の負担軽減にもなることから、練馬区でも、通知表をなくしたり、評価の在り方を見直すべきです。お答えください。 私の父は教師でしたが、頭のよさとは、テストでいい点を取ることではないと教わって育ちました。おかげで、本当の学びとは何かを考え続けることができ、学ぶことが好きになり、とても感謝しています。 しかし、自分が親になると、子どもの受験という現実が待っていました。高校受験は、点数、内申で人生が左右されます。全ての子どもに数字では表せない長所がたくさんあるのに、数字でジャッジされます。受験はまさしく能力主義が前提の制度です。 この受験制度があるからこそ、1から5の評価の差が生じます。「そんな態度なら内申を下げるぞ」、「君には5はあげられないよ」など、教師から脅された話も実際に聞きます。受験制度が教師の権力濫用を招くのです。受験制度が中学校の教育に影響を及ぼしている点、改善すべき点については、区はどう考えるか伺います。 練馬区においては、女性管理職が少ない問題を質疑するたび、能力で選んでいるという答弁が返ってきます。その能力の設定自体が男性に有利な設定になっていませんか。能力主義自体を見直す必要はありませんか。 女性の能力が低いから管理職が少ないのではありません。まさに環境の問題です。女性が管理職になりやすい環境を整備することが必要ですが、これまでどう整備し、これから改善していくか伺います。 続いて、環境施策について。 エネルギーの地産地消が求められる中で、自然の少ない練馬区でもできる取組の一つが小水力発電です。川以外にも、用水路、水道の減圧バルブ、ため池、プールなど、少しの落差があれば利用でき、設備利用率は、太陽光12%、風力20%に比べ、70%と高く、発電量の変動も小さいことが特徴。 練馬区は2013年、「大変重要な取組であり、今後、環境基本計画の後期計画を策定する中で検討」と答弁していますが、その後の検討や設置状況、今後の設置方針をお答えください。 最後に、防災について伺います。 避難拠点になる学校ですが、備蓄は生徒用ではありません。そこで、中村中学校PTAでは、PTA予算で、生徒用の防災備蓄、生徒全員3日分の携帯トイレを購入、マニュアルの見直しや電子化も進めているそうです。 避難拠点要員が来られない可能性も踏まえ、特に初動対応を中心に、誰もが見れば分かるマニュアルをつくり、地域の多くの方たちで共有することが重要です。できる人ができることをできるようにという体制づくりに向け、区の見解を聞きます。 練馬区名誉区民、ちばてつや先生が高断熱の災害用簡易住宅インスタントハウスのクラウドファンディングに取り組まれました。ちば先生は、幼少期の旧満州の引揚げを経験。生き残っても、安心して過ごせる家がなくて死んでいく人を随分見てきたとの自身の体験から、今回企画なさいました。 練馬区として、寒い時期の災害時の住まいについて、どう対策を取り、また今後充実させる予定ですか。インスタントハウスの配備について、前向きな検討を求めます。お答えください。 社会が右肩上がりに発展した時期はとうに終わり、成熟した地域社会を共につくり上げることが大切な時代。人を能力でジャッジし、属性で攻撃するよりも、地域で顔の見える関係性をつくり、対話し、互いを尊重し、支え合える地域社会に、練馬区になるように私も力を尽くすことを誓い、一般質問を終わります。 御清聴くださった方、ありがとうございました。(拍手) 〔前川燿男区長登壇〕

〔8番浜田ゆきひろ議員登壇〕

区長並びに関係理事者皆様の前向きかつ誠意ある御答弁をお願いいたします。 初めに、先月、前川区長より今期限りでの御勇退が表明されたことにつきまして、練馬区は、豊かな自然の中にも利便性や住みやすさがあり、私にとっても物心がついた頃から自慢のふるさとでありましたが、前川区長御就任以降は、子育て環境や福祉・医療サービスもさらに充実化し、その練馬区モデルは全国自治体を先導するものとなりました。 昨年実施の区民意識意向調査でも、住み心地に関する肯定的評価は9割を超えており、どこの道路もきれいで、緑も多く、福祉や医療、文教施設などもたくさん目にすることができる現状や、当たり前のように享受してきたこの暮らしやすさも、ふと区外、さらには国外に出て見れば、決して当たり前の環境ではなく、本区に帰ってくるたびに改めてすばらしいまちだと実感いたします。3期12年にわたり、今ある区民生活の豊かさをつくり、発展に御尽力いただきましたこと、この場をお借りして感謝申し上げます。 国内外の政治経済情勢は大きく変動し、先行きが不透明、不確実な状況下だからこそ、今と未来、目先だけでなく、10年後、20年後、さらにその先まで見据えたビジョンと政策でもってまちづくりを行うこと、そして未来に明るい希望や夢を持てる今をつくることが大事だと考えます。 そうした思いを胸に、練馬区の明るい未来を見据えて質問を行いたいと思います。 まず、これからのメディア芸術振興と美術のまちづくりについて伺います。 練馬区は、言わずと知れた日本アニメ発祥のまちであり、アニメ制作会社は約100社ほどと、関連企業の集積度は日本トップクラスを誇りますが、アニメだけでなく、多くの漫画家が集まっている漫画家のまちでもあり、数多くの作品の舞台にもなっています。 漫画家の拠点というと、豊島区のトキワ荘が有名ですが、本区にも竹宮惠子さんや萩尾望都さんをはじめ、24年組と呼ばれる女性漫画家たちが集まったアパート、大泉サロンがあり、既に解体されているものの、そこから少女漫画の新しい時代が切り開かれ、その精神は今の漫画文化にも受け継がれています。 東京都は、昨年、アニメ、漫画におけるクリエーターなどを対象に、作品制作に専念できる空間を都内のインキュベーションセンターに整備するとともに、先端技術などの知識、ノウハウの提供やコンテンツ事業者などとのマッチング機会の提供によって、アニメや漫画業界における事業展開などをサポートする取組を始めました。 いわゆる現代版トキワ荘をつくるプロジェクトでありますが、漫画の神様、手塚治虫さんが多くの漫画家に衝撃を与えた「新宝島」を発表したのは19歳のときであり、特に若い方の創作エネルギーは、偉大な作品をいつ生み出してもおかしくありません。 本区においても、メディア芸術の未来のために、若者をはじめ、このような漫画家やアニメーターを目指す方を育成する機会や場所の提供など支援を行い、自然発生を待つのではなく、意図的にトキワ荘や大泉サロンのような拠点をつくる取組をしてはいかがでしょうか。区の御所見を伺います。 中村橋における美術のまちづくりにつきまして、区は現在、区立美術館・貫井図書館の再整備とセットで考えていますが、施設自体は着工見送りとなった今もまちにあるものです。再整備に合わせて準備をしていた仮囲いへのアートなどの企画も見送りとなりましたが、美術のまちづくりの企画や取組については、着工の時を待つのではなく、先行しても進めていくべきと考えます。 他自治体では、地域や国内外のアーティストを招き、地域の空き店舗を活用した作品展示や制作発表の場としたり、参加者がまちを巡りながら音楽を楽しめる移動型の音楽ライブツアーの開催、高架下などの公共空間などを地域の子どもたちが壁画で彩るプロジェクトなど、様々なアートを通じたまちづくりに取り組んでいます。ぜひ積極的な攻めのまちづくりで美術のまちを実現していただきたいと思いますが、区の御所見を伺います。 次に、災害対策について伺います。 未来を見据えて、災害から命と生活を守ることは最重要事項でありますが、阪神・淡路大震災から31年、この間も震度7を記録した地震は、東日本大震災や一昨年の能登半島地震を含め5回生じており、震度1以上を数えれば、毎年2,000回前後の地震を観測しています。 そして、今後30年以内には7割の確率でマグニチュード7クラスの首都直下地震が発生すると予測される中、昨年、国は被害想定を12年ぶりに見直しました。新たな被害想定によれば、1都3県を中心に、最悪の場合で死者は1万8,000人、全壊や焼失する建物は40万棟、経済被害はおよそ83兆円に及ぶとされ、800万人余りが帰宅困難、2,400万人が停電などの影響を受けるとも想定されています。 本区の最大震度想定は、6弱から6強とされていますが、国の新たな被害想定、対策検討も踏まえて、どのように防災の計画や備えを進めていくのか。練馬区地域防災計画は、令和5年度修正が最新ですが、国の被害想定が見直された場合には、それを計画修正の参考指標とすることとなっており、ここで改めてこの考えを伺います。 また、都市直下型の阪神・淡路大震災では6,434人が犠牲となりましたが、直接死以外の災害関連死によって921人もの方が命を落としました。それから31年が経過した現在も、避難所における生活や環境の抜本的改善には至っておらず、能登半島地震でも多くの方が避難所で亡くなりました。 避難所開設時のパーティションやテント、段ボールベッドなどの簡易ベッドの設置を国も呼びかけていますが、毛布や寝袋、布団などを床に直接敷き、老若男女混じって雑魚寝をするという環境はなくなっておらず、衛生面だけでなく、疲労やストレスなどによる負担は避難者の心身をむしばみ、体調不良者が続出するなど、依然として課題があります。 過去の教訓を踏まえて、避難所環境の改善が全国で図られていますが、その一つにイタリア式の避難所、ユニット型避難所システムがあります。 必需品のトイレ、キッチン、ベッドのTKBをひとまとめにして準備しておき、災害発生直後48時間以内に被災地に丸ごと運び込んで展開するというものであり、いわゆるTKB48というコンセプトですが、ドームハウスによりプライバシーは守られ、トレーラーで運ばれるコンテナには水洗トイレやシャワーユニットが備えられるため、衛生的にも有用であり、導入や実証を進めている自治体があります。 これら一式でなくても、簡単に設置できる段ボール製の家、インスタントハウスの利用も広まっており、断熱材を敷いた上に段ボールをプラスチック製品で組み立て、大人2人であれば約15分でできるインスタントハウスは、能登半島地震でも活用されました。これら先進事例も参考に、災害関連死をゼロにする備えを進めるべきと考えますが、区の御所見を伺います。 また、これまでの大規模災害時には、要配慮者が避難所などで長期間の避難生活を余儀なくされ、必要な支援が行き届かなかった結果、生活機能の低下や要介護度の重度化など、二次被害が発生しており、災害関連死のリスク減少とともに、要配慮者の避難生活中における福祉ニーズへの対応も喫緊の課題となっています。 平成30年には国のガイドラインが策定され、各都道府県において、要配慮者に対する福祉的支援を行う災害派遣福祉チーム、DWATを避難所へ派遣すること、必要な支援体制を確保するための官民協働による災害福祉支援ネットワークの構築に向けた取組が推進されています。 大震災時の災害関連死のうち、高齢者や障害者などの要配慮者の割合が約9割を占めている中で、DWATをはじめとする福祉的支援は必要不可欠であり、福祉的な目線でサポートできる人をより増やすために、地域の方、また消防団や青年会議所なども視野に様々な方にサポートリーダーになってもらう福祉避難サポートリーダーの養成に取り組んでいる自治体もあります。 昨年6月には、さきのガイドラインが改正され、都道府県は72時間以内にDWATの初動チームを派遣調整するよう規定し、活動場所は一般避難所のほかに在宅や車中泊などにも広がりました。また、新たにDWATの登録者に、自治体や福祉施設を退職した職員を検討することや、費用についても、事前に旅費や宿泊費だけでなく、人件費などの負担も検討することが求められています。これら改正や先行事例も踏まえ、本区においても災害時の福祉的サポート体制のさらなる強化を進めるべきと考えますが、御所見を伺います。 大規模災害時に安全確保が必要なのは人間だけではありません。環境省によれば、東日本大震災では、犬だけで少なくとも3,000頭以上が犠牲になり、避難時に飼い主と離れ離れになったり、放浪状態になったペットも多いとされます。 また、能登半島地震では、犬や猫などを連れて逃げる同行避難を拒否する避難所があったり、ケージでの飼育が慣れていないことを理由に、ペットと避難所で過ごせずに車中泊を続けたりした事例もあり、課題が残りました。 そうしたことからも、国は災害時のペットとの避難行動を定めた運用指針を8年ぶりに見直す方針を固め、今年度末には新たな指針が公表される見通しです。同行避難にはペットを収容するケージが必要となりますが、ペットと共に安全に避難できる新製品の開発も進んでおり、ペットを預かったり、治療用施設としても活用できるコンテナ型避難施設や、短時間で組み立てられて、汚れにも強く、丈夫で複数個積み重ねられる強化段ボールによる避難用ケージの開発や販売も進んでいます。 本区では、飼い主がケージを用意することを原則に、持ち出せない状況も想定して、避難拠点にケージを2台備蓄していますが、こうした新たなタイプの避難用ケージの導入や補助、また大型ペット対応も含めて備えの拡充を行い、ペット同行避難が一層円滑化するよう取り組むべきと考えますが、区の御所見を伺います。 次に、これからの地域公共交通について伺います。 今、練馬区の人口は75万人を超え、そのうち高齢者の割合は約22%を占めていますが、都市部における運転免許証の自主返納が高い割合で進んでいる一方、高齢者の外出率は全国的に増加しており、子どもからお年寄りまで、車などの交通手段がない方はもとより、地域公共交通は誰にとっても有用で必要となる移動手段です。 本区では、新たに地域公共交通計画を次年度をめどに策定するとしていますが、2024年以降はドライバーの残業規制が厳しくなったこともあって、全国的に運転手不足は進んでおり、その運転手不足に加え、狭隘な住宅街の走行に適している小型バス車両の生産終了によって、老朽化した車両を変えることができないなどの理由も重なり、昨年には大泉学園駅から長久保間を結ぶ泉38系統など4系統が廃止となりました。また、みどりバスにおいても、再編、減便が行われています。 運行会社においても、本数を増やしたくても人手が足りないからできない状況にあり、担い手を増やすにも、路線バスの経費の六、七割は人件費であって、早朝から夜遅くまである運行業務の中で、短時間労働にしたり、給料を上げるためには、運賃を倍近く上げないと難しいと聞いており、今後の利用者負担の考えの見直しも課題となります。 今から約50年前に出版された世界的な経済学者の宇沢弘文教授による「自動車の社会的費用」は、自動車の社会的な負の側面を指摘して警鐘を鳴らし、当時の社会に大きなインパクトを与えましたが、その論考では、自動車の利用における本来あるべき経済的負担を示した上で、交通事故、犯罪、公害、環境破壊などの形で表れる自動車による人々に対する損失を指摘し、それを生じさせない都市交通の姿を示唆しています。 車がないと生活に支障を来すような車依存社会となった今、これからの自由で安全な移動をどのようにして確保するのかを改めて考えさせられますが、自動車通行に頼らなくても安心して生活できる都市構造にするためには、効率的かつ安全な公共交通の充実によって地域を形成していくことが必要となります。 大阪万博での空飛ぶ車は記憶に新しいですが、今後も技術革新とともに、様々なモビリティが開発され、交通の在り方も変わっていく中で、本区の未来の地域の公共交通の在り方、モビリティについてどう充実を図るのか、また自転車規制強化の法改正も始まりましたが、自転車通行空間の十分な確保についても併せて区の考えを伺います。 また、令和6、7年度に南大泉・東大泉地域において行われたデマンドタクシーの実証実験を次年度も引き続き行うと聞いていますが、こうした新たな交通手段の導入に向けた取組は非常に重要であり、さきの路線バスの廃止地域や交通空白地域をはじめ、移動手段が少ない地域において、複数の交通手段が早期にできるよう検討していただきたいと思います。 デマンドタクシーやライドシェアリング、グリーンスローモビリティの活用は、他自治体でも進められており、運転手不足や各地域ニーズ、環境などにも資するものでありますが、乗客人数に限りがあったり、車椅子仕様などのバリアフリー対応もまだ完全には難しいといった課題もあります。 それぞれの特徴を踏まえ、複数の交通手段、選択肢を用意することが必要と思いますが、自動運転の実証実験も行っていくべきと提案をいたします。 自動運転バスの導入は、様々な自治体で検討されていますが、本年1月には、東京大学や名古屋大学などが参画する産学連携コンソーシアムが首都圏の公道で初めて、特定の条件下で運転手を必要とせずに自動運転するレベル4の営業運行を開始しました。当該車両は、搭載したカメラや高性能センサーで障害物や歩行者の検知などを行い、路線バスと同程度の最高時速40キロメートルで運行されます。 また、東京都も本年1月に、都営バスで初めてとなる自動運転の実証実験を3月に臨海部で行うと発表し、運転手が必要に応じて手動運転を行うレベル2の自動運転で走行して、既存バス路線の一部を運行ルートにするとしています。 このように自動運転は運転手不足の解決策として期待され、自動運転技術の早期実装につなげる取組が広がっている中で、本区でも実証運行をしたことがあり、自動運転可能な車両も増えてきているグリーンスローモビリティも含め、自動運転の早期実証に取り組んではいかがでしょうか。区の御所見を伺います。 この項の最後に、駅前広場やバスターミナルの整備につきまして、地元の富士見台駅、中村橋駅周辺においては、現在もバスの乗降ができるターミナルなどがない状況です。 先述のとおり、高齢者が多い現況下で、電車以外の移動手段は生活に必需のものであり、多様なモビリティの導入とともに、ターミナルの整備推進が重要です。現在、富士見台駅では駅前広場の整備が進められていますが、その進捗と活用について、また今後のターミナルの拡充について区の考えを伺います。 あわせて、バス停整備の際には、路線バスの接近情報や時刻表の拡大表示のほか、緊急のお知らせ情報など、様々な情報を表示させることができるスマートバス停やデジタルサイネージの設置、活用を要望いたします。 次に、地域のつながりの醸成について伺います。 昨今の超少子高齢化の中で、単身世帯や単身高齢世帯の増加、働き方の多様化、インターネットの普及などの社会構造の変化によって、家族や地域、さらには会社などにおける人とのつながりが薄くなり、誰もが孤独、孤立状態に陥りやすい状況となりました。 コミュニケーションツールの進化、多様化により、オンライン上でのやり取りは効率化しましたが、その利便性と引換えに、直接、対面でのコミュニケーションは減少しており、特にコロナ禍による社会環境の変化もあって、孤独や孤立の問題は顕在化、深刻化しています。 令和6年の孤独・孤立の実態把握に関する全国調査では、前年調査に引き続き、約4割の人が「孤独感がある」と回答しており、国は、孤独・孤立対策推進法及び重点計画に基づいて、総合的な対策を推進しています。しかしながら、昨年末に発表された国の世論調査では、そうした国の対策推進を「知らない」とした回答が8割を超えており、まだ道半ばといった状況です。 対策推進のために、国は、全国の自治体に官、民、NPOなどの連携を強化して、分野を越えて顔の見える関係、ネットワークを構築し、連携、協働を推進する官民連携プラットフォームの構築と対策地域協議会の設置の努力を求めていますが、本区の検討状況をお聞きします。 近年は、対話型AIの開発もあり、疑似的なつながりの機会はありますが、本物の人とのつながりをつくるのは、やはり人にほかなりません。自治体によっては、地域の方にかけ橋になってもらうべく、孤独、孤立の問題について知識を身につけていただき、自分のできる範囲で困っている人をサポートするつながりサポーターを養成する取組や、行政やNPO、地域住民が地域の課題について話し合う地域つながるミーティングを開催しているところもあります。 また、孤立化しがちな高齢者や若者をはじめ、障害者やメンタルヘルスに問題を抱えた人などを対象とした農業体験プログラム、調理機能と交流機能を備えた車両で各地域に出向く見守り型サロンの取組もあります。本区でも、こうした能動的なつながり創出の取組を提案いたしますが、御所見を伺います。 また、社会とつながる居場所、生きがいややりがいを見いだして働く場所として、農業は大きな可能性を持っており、都市農業が盛んな本区では、令和元年から障害福祉事業所と農業者との農福連携のためのマッチング支援を行っていますが、近年は農業者の営農状況も厳しく、マッチングをしても必要な生産量に追われて、なかなか連携実施には至らなかったり、農地を借りて実施するにも、相続問題で長期賃貸契約が難しいケースも少なくありません。 全国的には、農業者が自ら福祉事業所を設立して、作業委託しているところもありますが、多くは別々の運営であるため、ニーズや知識、意向にそごが生じ得ます。 そこで、行政と地域のJAが両者の作業依頼や意向確認、契約などを仲介して円滑化を図っている自治体もあり、本区においても、ミスマッチのない農福連携と作業実施への取組支援を要望いたしますが、御所見を伺います。 続いて、部活動の地域展開につきまして、現在、本区は地域スポーツクラブを対象に推進していますが、他自治体では学校が主体となる拠点校方式によって実施しているところもあります。 拠点校方式とは、拠点とする区立学校などを活動場所として定め、他校の生徒もそこに参加できる形で実施することにより、当該生徒の在籍校に希望する部活がない、あるいは希望する部活はあるけれど、人数が少なかったり、専門的に指導できる顧問がいなかったりする場合に、拠点となる学校が受け入れる方式です。 部活動の全体数は減少していても、長年の経験と実績、熟練の指導者を中心とした指導体制のある伝統校のような部活動が存在する競技もあり、それを一律に生かさないのは惜しいと考えます。 今後、より多様な種目と場所による展開を進めるべき中で、そうした部活を拠点校とした上で、選手や顧問として経験ある指導者を部活動指導員などで配置することも含めて活用し、競技や部活の特徴、現状に合わせて選択肢をつくるほうがよいと考えますが、区の御所見を伺います。 地域コミュニティの核には、地縁という絆で結ばれた住民共同体であり、区政最大のパートナーである町会・自治会の存在がありますが、近年は、マンションの新設などで、転入する若い世代を中心に、町会・自治会離れも起きており、高齢化とともに、人手不足が大きな課題となっています。 次年度には、我が会派から要望していた自治活動推進協力費や地区祭補助金の拡充、イベント実施に対する助成の新設が予算組みされましたことを高く評価いたします。 その上で、町会・自治会の運営やイベントの実施においても、何より人手がなければ始まりません。未来まで持続させていくことを見据えて、さらに人手の確保、入会促進の取組拡充が肝腎となります。 若い世代の住民が増えて、子育てや仕事を抱えながらの地域活動の参加にちゅうちょしてしまい、入会から遠ざかる人も多いかと思いますが、他自治体の町会・自治会では、町会の役員や部会に属さずに活動を手伝ってくれるサポーターズ制度を設けたり、お祭りを手伝ってもらうための有志の会の設置、定例会などには出席しなくても手伝いができる部会の設立など、敷居を低くした参加へのきっかけづくりをして入会促進につなげている事例もあります。 ぜひこうした取組を参考に、積極的に事例共有を図り、入会促進のきっかけづくりを支援いただきたいと思いますが、御所見を伺います。 また、きっかけとして、町会費の無料化や企業と連携したイベントの開催などの事例もあると聞いていますので、今回拡充、新設いただく助成金の入会促進につながる活用方法の共有やアドバイスもお願いしたいと思いますが、併せて伺います。 最後に、町会・自治会は、平成3年に認可地縁団体制度が創設されて以降、法人格の取得と不動産登記も可能となりましたが、認可・移行手続は、会員である構成員全員の名簿作成が必要など煩雑な上、不動産の名義人が亡くなっていたり、所在不明の場合は特例の手続を利用することになります。 町会・自治会事務所の老朽化が進んでいる中、事務所建て替えなどの必要性により、不動産の管理、処分を行いたくても、手続の壁で進んでいないケースもあると聞いていますので、移行手続などのサポートは一層図るべきであり、また事務所移転に際しては、移転場所を探すサポートや利用予定のない区有地の売払いや貸付けも含めて支援をしていくべきと考えますが、区の御所見を伺います。 以上で私の一般質問を終わります。 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 〔前川燿男区長登壇〕

午後2時32分休憩 -----------------------------------

休憩前に引き続き一般質問を行います。 41番・池尻成二議員 〔41番池尻成二議員登壇〕

最初に、区財政の12年を簡単に振り返ってみます。 前川区政誕生の前年、2013年度と直近の2024年度の決算で歳入を比較してみました。 際立って増えているのが金融所得税収で、2倍を超えています。中でも配当割は2.9倍、株式譲渡所得割は3.2倍、資産優遇税制に後押しされた株価や地価の高騰とともに資産所得者の層が急速に厚みと広がりを増し、それが大きな税収増につながったものです。 地方消費税交付金も、ここ5年ほど最高額を更新し続けています。これも消費そのものの拡大というよりも、物価高を色濃く反映したものでしょう。 前川区政の12年はまさに異次元緩和の時期、政府日銀が紙幣の増発を重ね、膨れ上がる国家債務をのみ込んできた時期と重なります。それが、今、円安、インフレを、さらには株・資産バブルを呼び、都・区の財政状況に大きな恵みとなっていることを、私たちは認めざるを得ません。 他方、一般の庶民、勤労者に目を移せば、賃上げがあってもそれを上回るインフレの中、生活は確実に厳しさを増しています。そもそも賃上げや資産所得と縁のない多くの高齢者、障害者の世帯では物価高、家賃の高騰が暮らしを直撃しています。 前川区政は、この間、基金を着実に積み増し、他方、起債に大きく依存することなく財政規模を拡大してきました。財政運営は堅調であったように見えます。しかし、その背景には社会・経済の資産シフト、生活基盤の不安定化と格差の拡大、貧困の広がりが間違いなくあります。 そうした課題を直視し、税と財政の所得再分配機能の強化、そして区民生活の底上げと安定化に集中した施策展開を基本に据えるべきと考えます。まず、この点について、区長の認識を伺います。 ここ数年の潤沢とも言える歳入状況が長続きする保証は全くありません。真に必要な施策を精査すること、発展、成長の幻想に浮かれないで、持続可能な社会、練馬の歴史と人に根差した、落ち着いた地域づくり、ケアを柱とした頼りがいのある区政、自治が息づくまちを志すこと、いつも区民生活に視線を落とし、区民と共に時代の課題と向き合う姿勢を忘れないことが大切です。 そんな問題意識で、以下、前川区政が施策として積み残したものを振り返ってみます。 前川区政は、就任後、みどりの風吹くまちビジョンの策定を皮切りに、各行政計画の見直しに着手します。その最初の焦点が都市計画マスタープランの改定でした。プラン改定は志村前区政の下で開始され、都市計画審議会で既に改定素案が取りまとめられていましたが、前川区長はこの素案に大幅にメスを入れ、出てきた原案は全面書換えと言ってよいものになっていました。 中でも象徴的なのが住民参加の扱いです。 素案は、理念の一つとして、住民参加を基本としたまちづくりを掲げていました。都市計画等に基づく公共事業など、区が主体となって進めるまちづくりでは計画の初期の段階から住民参加を図り、住民等の意向を生かしながら取り組んでいきますともうたっています。 ところが、原案では住民参加は理念から消え、むしろ、区民等は、まちづくりには一定の負担が伴い、自らが当事者として責任を担うことを自覚しなければならないと、住民の責任と負担が強調されることになります。まちづくりにおける住民の位置は180度逆転します。 その後のまちづくりは、実際に住民参加を基本としたものとは到底言い難い形で進められていきます。プラン改定とほぼ同時に動き出した石神井の再開発を皮切りに、前川区政の中で一貫して軽視されてきたのが、まさに地域住民との合意形成の努力、住民と共にまちづくりを進めていくという姿勢でした。 素案にあった住民参加を基本としたまちづくりという基本理念はなぜ削除されたのか、地域の合意の中でつくられるべきルールである地区計画の策定において、156号線沿道や桜台東部地区など、各地で地域住民とのあつれきが表面化したことについてどう考えるか、以上2点お答えください。 マスタープラン改定とほぼ同時に、都市計画道路の第四次事業化計画が策定されます。就任後直ちに現場全てに足を運んだというほど、都市計画道路に対する区長の思い入れは強いものでした。 道路の都市計画は、一部は戦後の復興計画の中で、そのほかは大半が60年前に決定されたものです。その後の社会経済情勢の変化を踏まえれば、道路ネットワークに求められる交通処理能力は劇的に変化しています。また、しばしば持ち出される防災、安全、公共交通などの地域課題は、都計道以外にも多様な、時に、より効果的な解決の道があります。 この間、23区周辺部でも宅地化、市街化が大きく進み、成熟した市街地が形成されてきました。特に練馬区の場合、低層住宅地を貫通する位置にある都計道が圧倒的に多く、道路の整備は地権者の生活基盤、地域コミュニティ、日照、景観の問題など、住民との深刻なあつれきを引き起こすものになります。象徴は、大泉第二中学校の道路問題です。 練馬の都計道は遅れているとさんざん言われてきました。それでも、今事業中の路線が完了すれば、整備率は77%、概成を加えれば8割を超え、区西部でも7割に近づきます。どこまで新しい道路を造っていくのか。都市計画道路は整備から見直しへ、新たな整備よりも、概成道路も含めた現道の拡幅整備、生活幹線道路などの地区内の道路網の整備にこそ力を入れるべきです。 五次計画の優先整備路線案に入っていない江古田駅北の172号線、石神井公園駅東の232号線、これらも含め都市計画道路は全て造るという考えに変わりはないのか、明確にお答えください。 放射35号線は、広徳寺への影響を回避すべきではありませんか。立体交差部の整理、幅員の見直し等、都市計画の見直しはしないのでしょうか。整備中の35、36号線から環七へのアクセスが確立される中、新たな骨格幹線道路の必要性は乏しく、むしろ大門通りなどを、地域の回遊性を支える区画道路として整備することが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。 外環の2、富士街道から新青梅街道区間の予定地は、国指定の天然記念物である沼沢植物群落を有する三宝寺池の湧水涵養地に位置します。また、鳥獣保護区の区域内でもあり、石神井公園野鳥の森に接しています。外環の2の整備が、国や練馬区にとって極めて貴重な自然、文化、観光資源を損なうことがあってはなりません。とりわけ、沼沢群落を保全するために湧水の回復が求められていることを踏まえ、都とも連携し、事業化の前に周辺の水環境を調査することを求めます。お答えください。 マスタープランの改定素案では、基本理念として、実はこういう考え方も書かれていました。現在のまちを大切にし、必要に応じて修復を加えながら、誰もが暮らしやすい、健康で潤いのあるまちを目指します。この理念も前川区長の手で葬り去られたわけですが、こういう目線、こういう発想は本当に大切です。 成熟したまち、そしてたくさんの命が根差す地域に異質な巨大構造物を築くことのリスクをしっかりと自覚すること、それぞれの道路計画の意義や必要性を精査し、説明責任を果たし、十分に納得と合意を得ていくこと、そして代替の手段を構想し、必要なら計画の見直しも含め取り組んでいくことが求められています。 都市計画マスタープランに前川区長が押し込んだ重要な変更がさらにもう一つあります。 実は、素案には、環境に配慮した循環型のまちづくりの柱の一つとして低炭素都市づくりが掲げられていました。低炭素建築物の普及促進だけでなく、市街地開発事業等の低炭素化まで含まれている、まさにゼロカーボンシティです。ところが、前川区長の原案では低炭素都市づくりの言葉は消え、自立分散型エネルギー社会の実現に変えられてしまいました。言わば、環境政策からエネルギー政策へのすり替えです。 このことが象徴するように、その後の温暖化対策、脱炭素に向けた前川区政の動きは、おずおずとした、熱意の乏しいものでした。 区は、一応はゼロカーボンシティを宣言したことになっています。しかし、実際には区長が本会議の所信で2050年の二酸化炭素排出実質ゼロを目指すと表明しただけです。区のサイトには表明した事実がひっそりと紹介されていますが、非核都市や環境都市の宣言などはいずれも議会の議決を踏まえ正式に告示をされ、サイトには都市宣言をまとめたページも立てられています。雲泥の差があります。 区長の所信表明の翌年、ゼロカーボンに向けた区の取組をまとめた環境基本計画が策定されました。その中では、2019年のCO2排出量175.7万トンを2030年までに58.8万トン減らすという目標が掲げられました。しかし、3年後、2022年度の排出量は173.2万トン、ほとんど減っていません。削減の取組は停滞しています。特に、排出の半分を占め、練馬区が最も力を入れてきたはずの家庭部門は89.5万トンから92万トンへと逆に増えてしまいました。立て直しが必要です。 議会の議決を求め、正式な告示として改めてゼロカーボンシティを宣言すべきではないでしょうか。お答えください。 家庭系の排出量を減らすためには、区民のライフスタイルの見直しだけでなく、暮らしの基盤である住まいの改善、すなわち再生可能エネルギーを利用した発電・蓄電設備の普及や建物の断熱化に本腰を入れることが強く求められています。とりわけ、既存の賃貸住宅での取組が鍵を握ります。 練馬区の住宅のうち賃貸の共同住宅が占める割合と断熱改修の実施状況をお示しください。 都が昨年度から既存住宅における省エネ改修促進事業を開始しましたが、補助率は3分の1程度にとどまります。都の事業とも連携しながら住宅の断熱化や再エネ化、とりわけ対策が遅れている賃貸の共同住宅の断熱対策に練馬区としても踏み込むことを求めます。お答えください。 稲荷山公園の整備は、少なくとも前川区政になる前は、何よりも清水山、稲荷山の2つの市民緑地、そしてカタクリの保全を目的としたものでした。 2011年に公園の整備主体が都から区に移管されたのも、樹林地の保全を急ぐ区の熱意に発したものでしたし、移管協議の中で区が示した事業スケジュールでも具体的に時期が示されているのは清水山、稲荷山の2つの市民緑地の整備まで、その他はその後のこととして時期も示されていませんでした。 移管時の計画に沿って、2017年、清水山の森が都市計画公園として開園、次は稲荷山区域に着手しようかというまさにそのときに話をひっくり返したのが前川区長です。都市計画区域全体を整備するという計画は、その唐突さ、関係住民への影響の大きさ、拙速な進行管理と併せ、地域との深いあつれきを生み、加えて肝腎の稲荷山憩いの森などの整備を結果的に遅らせることになるなど、前川区政の大きな汚点となろうとしています。 そもそも10ヘクタールもの都市計画区域の全域で公園を整備する必要性が、今どれほどあるのでしょうか。 稲荷山公園は、公園の類型としては総合公園です。総合公園は分布の均衡を図るというのが国の指針、区の条例の考え方です。区内の総合公園は、光が丘、大泉中央、練馬城址と既に3か所あります。全て大江戸線沿線です。稲荷山公園の都市計画が定められた当時は、大泉中央公園や光が丘公園は計画すらありませんでした。この2つが新たにできた以上、同じ鉄道沿線にさらに稲荷山公園を総合公園として整備する必要性はなくなっています。 既存の総合公園の配置状況を考慮すれば、稲荷山公園をそのまま総合公園として整備する必要はなく、むしろ都市計画の変更こそ検討されるべきではないか。今後ロードマップの作成に当たっては、市民緑地の保全に必要なエリアに限ったものとし、他のエリアについては、都市計画としての検証を終え、地域の合意形成が整うまで凍結すべき、以上2点、区の考えをお聞きします。 3年前に取得した全薬工業跡地も活用すれば、白子川沿いの水辺環境や治水機能は大幅に充実します。もともと稲荷山公園の最大の課題は、清水山や稲荷山の森を、そして何よりカタクリを保全することでした。その原点に返り、稲荷山公園整備計画は白紙に戻すことを強く求めます。 大江戸線の延伸についてもお聞きします。 区が200億円の財政負担と鉄道施設整備への協力を行うことで収支採算性が確保できるという報告を都から受けた、昨年の第二回定例会で区長からこんな発言がありました。 しかし、都が10月に明らかにした現在の検討状況についてでは、一定の条件を仮定した試算では収支採算性等の改善を確認したとしつつも、都、区の負担については今後整理すべきとし、200億という数字は全く出てきません。200億円を区が負担するというスキームを都は本当に示したのでしょうか。これは極めて重大な問題です。なぜなら、この200億円という数字を前提に基金の積み増しが一気に動いたからであり、また200億円という額は区財政に極めて大きな影響を及ぼすものだからです。 区長が3月に受けたという報告では、試算の条件として区が200億円の負担をすることが明示されていたのか、また特別委員会で部長は、この200億という数字は確定したものではないとしつつも、今後の協議において一つのベースになると答弁していますが、200億円は区負担協議のベースとして示された数字なのか、以上2点、明確な答弁を求めます。 整備費における自治体負担をどの程度とするか、またそれを都、区でどう分担するかは、今後の事業の枠組みを考える上で核心的な論点です。 都議会に対して都は、既定の補助スキームにとどまらず一般財源を投入する可能性を否定しておらず、そもそも200億円という数字が出されたこと自体を認めようとしません。地下鉄8号線における地元、江東区の負担についても、区への貢献が大きい中間駅整備に係る部分の補助に対して応分の負担を行うものと都は答えています。練馬区が繰り返している受益に相応した負担という極めて漠然とした、また安易な趣旨で都が区に負担を求めているとは考え難いところです。 自治体負担における都、区の負担の在り方についての区の考え方、また都に一般財源の投入も含めた追加の負担を求めるつもりはないか、改めて2点確認をします。お答えください。 大江戸線延伸の採算性を改善させるためとして、区は生産緑地の大々的な宅地化を前提とした旅客需要の推計まで出しています。大江戸線は、財政的にも、またみどりや農との折り合いという点でも、区と区民に大きな覚悟を迫る形で話が進んでいるのではないかと危惧します。そこまで区が踏み込まなければ、そこまで無理な条件を区が受け入れなければ、都は大江戸線をつくらないと言っているのでしょうか。区長の都とのパイプは一体何のために機能してきたのか検証されるべきです。 都市計画道路も稲荷山公園も大江戸線も、それとしての意義を超え、今や練馬区の発展のためのてことして位置づけられています。一方で、みどりの保全の姿勢は確実に後退し、また区財政、ひいては区民の負担に対する慎重な議論はなおざりにされようとしています。緑被率の目標を廃止し、練馬のみどり施策の大転換が行われたのは2019年のことです。それは、前川区政が開発優先のまちづくりを展開し、区の発展のためにみどりや自然環境の保全を後回しにする道を地ならしするものだったのではないかと思わざるを得ません。 美術館・図書館の再整備も、練馬区の発展と深く関連して進められようとしています。 まず、概算工事費の詳細をお聞きします。設計委託費、CM経費、解体工事費、先行入札の昇降機等経費、工事監理費、美術の森緑地整備費を含めた全体の事業費は現時点でどのくらいになるのか、大まかな内訳と併せお示しください。 美術館再整備問題の核心は、なぜ改修から解体へと方針が転換したのかという点です。 区の公式の説明は、展示、収蔵環境やバリアフリーなど多くの課題があり、改修ではこれらの課題に十分な対応ができないというものです。 建て替えれば、確かにあれもこれもすばらしくなる、当然です。しかし、バリアフリーも収蔵環境も、法令の定めを満たすことはもちろん、少しでも改善できるよう知恵を出すことは改修でも十分に可能なはずです。だから、区は当初、大規模改修の方針を示していた。何しろ築40年、壊すには早過ぎる。何しろ建て替えは財政負担が重過ぎる。それでもなお、改築へと突き進む区長を突き動かしたものは何なのか。 先月、新年度予算の記者発表の場で美術館について問われた区長は、その地域に合ったふさわしい美術館を持ちたい。私が一番感銘を受けたのは倉敷でした。歴史的な遺産と美術館があった。できればそういうまちをつくりたいと答えています。倉敷ですか。確かに倉敷のまちは魅力的です。しかし、言うまでもなく、練馬とはまちの成り立ちも歴史も、当面する課題も全く異なります。区政は、区長の個人的な夢をかなえる手段ではありません。 区長の考える練馬にふさわしい美術館とはどういうものなのでしょうか、それが今の美術館の改修ではなぜ実現できないのかお聞かせください。 美術館再整備は、何より巨費を投ずる必然性、必要性が明確にされるべきです。他に優先すべき支出はないのか。一方で建て替え経費の重荷を減らそうと、地域の強い思いを切り捨ててまで学校を廃校にする。古くなった建物、バリアだらけの建物がまだまだ残るのに、予算がないと手がつけられない。勤労福祉会館の、あの階段を一体いつまで高齢者や障害者に上がらせるのでしょうか。美術館再整備は、大義、公共性、正当性を欠いています。白紙に戻すべきです。 前川区政を特徴づけるものの一つが強烈なトップダウンです。それは、長としての責任に対する強い自覚と自負に発するものであるとも思いますし、困難な問題を抱えた女性たちへの支援、重症心身障害児支援など、一歩前に出る施策を生む力になったことは率直に評価をします。 しかし、トップダウンは、しばしば手続的に大きなあつれきや困難を生むだけでなく、その内容が真に合理的で公益にかなったものでなければ独りよがりとなり、混乱の原因になりかねません。 前川区政を振り返るとき、都市計画マスタープランの改定も、稲荷山公園の整備計画も、そして美術館も、積み上げられてきた練馬区の方針を一転させたのは、間違いなく前川区長のトップダウンでした。児童相談所の考え方もそう、三原台の重心事業もそうかもしれません。そして、問題は、このトップダウンが、しばしば区長御自身の経験に基づく個人的な価値観、個人的なつながりに深く左右されていたということです。それは正しいことではなかったと率直に申し上げます。 この12年間、私は私なりに一人の議員としてたくさんの区民の声を聞いてきました。一人一人の暮らし、いや命に関わる相談も幾つもいただいてきました。その中で見てきたのは、貧しい労働環境に苦しむ若者たち、子育てに悲鳴を上げそうになる親たち、絶望的な思いに駆られる介護家族、そして孤立する高齢者や障害者の姿です。練馬区の発展、発展をと繰り返す区長の言葉を聞くたびに、ある種の空疎感、強い違和感を感じます。見るところが違うだろう、向き合うべき課題が違うだろうと。 初めて私が区長にお目にかかったのは12年前、区長選の候補者として討論会に出席した折のことでした。お目にかかったといっても、挨拶を交わし名刺をお渡しすることすらかないませんでしたが、その区長選に敗れて以来、私は前川区政をしっかりと検証し総括することが自分の責任であるとずっと感じてきました。 豊かな行政経験と強いイニシアチブを持った前川区長の12年を振り返り、区長という職の重さ、求められる資質と責任の大きさを改めて教えられた気がします。コロナ禍の大変な時期も含む12年にわたり重い職責を全うされたことに敬意を表すとともに、立場も信条も大きく異なりましたが、区長には、考えるべきたくさんのことを教えていただいた、そのことを心から感謝をいたします。 2か月後には区長選があります。区長が後継として指名した方も出馬されるでしょうか。この選挙で前川区政の継承か転換かをめぐり、真摯で深みのある議論が、しっかりとした政策論争が交わされることを心から願い、私の一般質問を終わります。(拍手) 〔前川燿男区長登壇〕

これをもって散会いたします。 午後3時51分散会