杉並区議会ので、デジタル化推進、学校問題への支援体制、部活動の地域移行、若者支援、介護サービス、障害児の放課後支援、都市計画道路、性教育など複数の施策について、議員からの質問に対して理事者が現状報告と今後の方針を説明した。
- ・杉並区のデジタル化推進計画:行政手続のオンライン対応状況と今後の加速化
- ・学校問題対応:保護者からの過剰要求への対策と学校法律相談事業の活用
- ・部活動改革:少子化に対応した地域連携・地域移行推進計画の策定
- ・若者支援:貧困問題やヤングケアラー支援など若者施策の充実
- ・介護基盤:ケアする人をケアする視点でケア24の人員増と運営改善
- ・放課後等デイサービス:区独自補助による事業所増加と利用促進
※ このまとめはAIが発言記録から自動生成した要約です。正確な内容は下部の発言や公式会議録の原文をご確認ください。
// 発言者(20名)
// 発言(66件)

議長の職務を代行いたします。 これより本日の会議を開きます。 会議録署名議員を御指名いたします。 3番ほらぐちともこ議員、47番吉田あい議員、以上2名の方にお願いいたします。 これより日程に入ります。 日程第1、区政一般に関する質問に入ります。 42番渡辺富士雄議員。 〔42番(渡辺富士雄議員)登壇〕

おはようございます。杉並区議会公明党の一員として、通告に従い、1、杉並区デジタル化推進計画について、2、部活動とスポーツ振興について、3、学校問題解決のための支援体制について質問してまいります。 デジタル技術の進展で利便性が向上し、私たちの生活やビジネス、社会環境が大きく変わりました。一方で、サイバーセキュリティーの強化やデジタルディバイドの解消が課題となっています。行政におけるデジタル化は、住民の利便性向上や自治体業務の効率化を目的として進められていますが、杉並区のデジタル化の現状と将来ビジョンについて確認してまいります。 第2次杉並区デジタル化推進計画が策定されましたが、示された2つの方針の主な計画項目に従って伺っていきます。 初めに、方針1、デジタル技術を活用した区民サービスの向上。簡単・便利な行政手続の実現における行政手続のオンライン化の対応について。まず、行政手続オンライン対応の推進について計画化がされていますけれども、現在の進捗状況や課題について確認します。 他自治体の取組状況についても確認しますが、港区においては全ての手続をオンライン化対応させています。区は認識しているかを伺います。 あわせて、オンライン未対応手続については対応化を毎年度計画的に進めるということですけれども、行政事務の簡素化、効率化を進め、区民サービスの向上を図るためにもオンライン化の対応を加速させるべきと考えますが、見解を伺います。 次に、窓口サービスの改善に向けたデジタル技術の活用について。自治体業務の中で窓口業務の改善については、各自治体が重要な行革と位置づけ、AIを活用したDX化を進めています。区では、システム標準化後に窓口サービス改善に取り組んでいく方向で準備していると認識していますけれども、現在の検討状況はどのようになっているのか、伺います。 窓口サービスといっても、区民課だけではなく、他の部署でも書類の記入などの手間の削減や、待ち時間の短縮に向けて取り組んでいく必要があると考えますけれども、見解を伺います。 次に、手数料、使用料へのキャッシュレス決済の導入推進について伺っていきます。国内の2023年のキャッシュレス決済比率は39.3%、126.7兆円と堅調に上昇していますけれども、今後もスマホの活用状況からさらに利用が進んでいくことが予想されます。まず、現在の区のキャッシュレス決済導入状況について確認します。 最近では、現金を持ち歩かない人も増えており、自転車駐輪場をはじめ、区への支払いをキャッシュレスで行いたいニーズも高まっていると思いますけれども、いつまでに、何をキャッシュレス決済対応とするといった方針はあるのか確認するとともに、併せて他自治体の参考となる取組があるのか、伺います。 ここで、キャッシュレス決済のプラットフォームの構築について提案をさせていただきます。当区の取引先であるみずほ銀行が手がける行政サービスに特化した決済システムについて説明を受けました。駐輪場、子育て応援券、長寿応援ポイント、施設使用料、窓口などのアナログ的な決済を廃止し、一元化したキャッシュレス決済への移行や、これまで膨大な事務作業に翻弄されてきた給付事務の軽減、商店街連合会でも懸案となっている商品券事業、さらにはプレミアム付商品券事業の円滑な運営など、行革効果と区民サービスの向上が見込めるシステムと考えます。自治体独自のシステム開発、維持管理等には高額なコストがかかります。これからは経済情勢や社会変化に柔軟に対応できるような持続可能なシステム、体制の構築が必要ではと考えますけれども、こうしたことから民間の決済システムを活用した取組を検討すべきと思いますが、所見を伺います。 次に、伝わる・使えるが体感できる情報発信について伺います。 地域BWA活用の促進については、区独自の無線インフラとも言える地域BWAを導入し4年経過しましたが、改めて当初の目的が果たされているのか、事業の進捗状況を含め確認をいたします。 また、先日、障害者団体連合会からも指摘がありましたけれども、公共施設へのWi-Fi設置も平成23年に区民の利便性向上や災害対策を目的として導入して以来、近年の行政サービスに対応できる状況には至っていないと思われます。ネットワークにつながる環境は必要な社会インフラであり、情報弱者を生まないデジタルディバイド対策にもなるという認識に立ち、計画的にそうした環境を整備すべきと考えますが、見解を伺います。 また、ユーザビリティー、アクセシビリティーに課題があった区ホームページのリニューアルが来年1月に行われるとのことですが、区ホームページは性質上、区の幅広い情報を掲載するものなので、必要な手続に関する情報が探しにくいなどの課題が残ります。オンライン申請などデジタル技術を活用し、サービスの向上が図られる中、こうした課題を解決するため、デジタル専用のポータルサイトを構築することが有効であると思いますけれども、区の見解を伺います。 方針2、行政内部のデジタル化による効率化の推進。デジタル技術を活用した業務の効率化・最適化について伺っていきます。ここ数年、デジタル化の進展を受け、当区でも新たなソリューション導入によって行政事務の効率化が図られています。そこで、今後デジタル戦略を進めていく上で検討していくべきテーマについて確認します。 以前、当会派からPLATEAUの活用検討について提案をさせていただきましたが、まず、国土交通省が主導するPLATEAUとはどのようなものなのか説明願います。そして、これからのまちづくりへの活用にどのような効果が期待できるのか、伺います。具体的な検討が行われているのかも併せて伺います。 PLATEAUの活用具体化への期待は大きく、当区においては更新が望まれる地震被害シミュレーションと組み合わせるなどの災害対策への活用の検討を要望しておきます。 次に、都市OSについて伺います。都市OSは、人々がより快適に暮らせる社会であるSociety5.0、スマートシティーを実現する都市の基盤です。複数のサービスを連携させることにより、行政の効率化とともに、住民サービスの向上、生活環境の改善につながっていきます。今後、さまざまな行政サービスのDX化が進む上で不可欠なソリューションと言えます。現在、会津若松市など他自治体でも先進的な取組が始まっていますが、区としてどのように認識しているのか、伺います。 外部人材の活用については、「情報収集や分析能力に優れた民間事業者等を活用し、区のデジタル化を戦略的に推進します」とありますが、現状、区のデジタル化の取組について区民が参加する仕組みがあるのか、伺います。例えば、スポーツ推進委員のようなデジタル推進委員やデジタル区政モニターなどの登用で、デジタル技術に知見のある区民を発掘し、つながることで、区のDXを一緒に進めていくなどを考えてもよいと思いますけれども、見解を伺います。 安定した行政サービス提供のための情報セキュリティー対策については、「サイバー攻撃等にも十分配慮した情報セキュリティ対策を講じて、サービスの継続性を確保し、安全な行政サービスの提供に努めていきます」とありますが、行政におけるシステムの強靱化は喫緊の課題であります。大きく3点、サイバーセキュリティー対策、情報漏えい対策、災害時の対応における情報セキュリティー対策の課題と今後の取組について伺います。 次に、杉並区デジタル化推進計画に教育DXについての記載がないことについて確認します。杉並区のデジタル化の推進は、行財政改革と区民福祉の向上のため、効率的で利便性の高い行政サービスを提供するとともに、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を進め、区民一人一人にとって最良のサービスを提供することがうたわれています。であるならば、全庁横断的に取り組むべき杉並区デジタル化推進計画に教育についての記載がないのはなぜでしょうか。様々な課題を抱えている教育DXを切り離した計画のあり方に疑問を呈するものですが、見解を伺います。 今回、杉並区デジタル化推進計画の項目に従って質問してきましたが、少子高齢化による労働力の減少、縦割りの組織体制、専門人材の不足など、様々な課題を克服しながら計画を実現させていかなければなりません。ただ、厳しい条件の中だからこそ、区民の皆さんが楽しく夢のある未来を描ける区政運営を目指していただきたいと願います。 最後に、杉並区のDX化の将来像について区長の考えを伺って、この項の質問を終わります。 次に、運動部活動とスポーツ振興について伺っていきます。 昨年、スポーツ庁、文化庁より、学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインで、新たな地域クラブ活動を整備するための必要な対応についての考え方が示されました。当区でも本年5月、学校部活動の地域連携・地域移行に関する推進計画が策定され、学校部活動の在り方に関する方針(ガイドライン)が改定されました。既に文教委員会でも報告がありましたが、改めて計画策定及び方針改定の目的を伺います。また、杉並区における運動部活動の現状と課題についても、こちらも改めて確認します。 区教委としては、計画のテーマである部活動の地域移行と地域連携の在り方をどのように考え、どのように進めていくのか確認します。また、長年にわたり部活動改革に取り組んできましたけれども、これまでの事業の総括を伺います。 運動部活動の地域連携、地域移行の新たな動きについて、先日、区内の中学校の野球部の顧問から、部活動を土日につなげられるよう地域クラブ設立の相談がありました。非常に情熱的な先生で、自ら先頭に立ち、部員の十分な練習環境をつくろうと保護者と連携し取組を進めています。これまで区教委、学校長とも相談しながら実現の可能性を探ってきました。課題としては、持続可能な組織づくり、顧問教員の処遇や学校内での立ち位置、練習の場所の確保、部員の移動手段などが挙げられますが、こうした動きは区教委が進めようとしている部活動の今後の在り方としてどのように考えるのか、見解を伺います。 他自治体の例として、福岡県大野城市の取組を紹介します。市立大野中学校では、女子バスケ、サッカー、バトミントンの3部活が8月から地域クラブ活動に移行しました。平日は通常部活、土日を地域クラブとして活動する形で、市では令和8年度に全中学校に事業を拡大するとのことです。注目は、市のスポーツ協会に指導員の確保、派遣を目的に指導員バンクを設置したことであります。これは人材不足の学校現場にとって有効な取組と考えます。こうした大野城市の取組について、区教委の見解を伺います。 中体連主催の各種競技スポーツ大会運営の実態と今後について伺っていきます。 まず、現在行われている各大会運営については、各校の顧問が手分けをしながら運営に当たっていますが、審判資格のない顧問や人員不足で大変厳しい大会運営となっています。区教委はこうした課題をどのように認識しているのか、見解を伺います。 そうした中、危機感を抱いている中体連と杉並区スポーツ協会で連携し、大会運営を行う動きがあります。実は、私の所属する杉並区陸上競技協会と中体連の陸上競技部で杉並区スポーツ大会(旧区民大会)と、杉並区中学校陸上競技大会を合同で行う方向で調整に入りました。陸上競技は種目数も多く、審判員不足の中体連の大会は運営の限界に来ていました。また、バレーボール部も杉並区バレーボール連盟との合同大会開催に向けて動いていると聞いています。杉並区スポーツ協会の各競技団体の多くが、スポーツを通して青少年の健全な育成を行うという趣旨が目的にあると伺っています。こうした取組は、新たな部活動の地域連携の形であると考えますが、区教委の見解を伺います。 関連して、杉並区のスポーツ振興における杉並区スポーツ振興財団の在り方について伺っていきます。 私も長い間財団を見てきましたが、指定管理業務がなくなるなど、職員は懸命に頑張っているにもかかわらず、結果が伴っていないように思います。区は、財団の現状と課題をどのように考えているのか、見解を伺います。また、杉並区スポーツ協会の事務局として、具体的にどのようなことになっているのか、伺います。 これは強い要望ですが、中体連はスポーツ協会の下部組織であり、財団には今後運動部活動の地域移行、地域連携のコーディネーター的な役割を果たしていただきたいと思います。また、現在行われている中学校駅伝大会についても、実行委員会形式と言いながらスポーツ振興課が運営の主体となっておりますけれども、今後の継続的な事業としていくならば、財団が運営事業を担っていくべきと考えます。スポーツ振興財団は、本来なら区内のスポーツ振興推進の中核的役割を果たすべき組織だと考えます。そのためにも、財団の体質強化としっかりとしたビジョンを描き、実現できる組織改革、職員の待遇改善など、財団の在り方を検討すべきと考えますが、見解を伺います。 区教委として、10年以上にわたり全国に先駆けた様々な取組を行ってきましたが、ようやく部活動の地域移行、地域連携を本格的に進めていくべき環境が整ってきたと言えます。一方で、部活顧問として子供たちの成長を見守りながら指導していきたいと考える教員がまだまだたくさんいることも事実です。約20年近く中学校部活動に関わっている経験からすると、文科省の進めようとしている学校部活動への取組が今後発展するのか、持続可能であるのか、なかなか見えてきません。学校現場の部活活性化に取り組んでこられた渋谷教育長の新体制の下、その期待は大きいと思います。困難な課題を克服し、子供たちの思いに応えられる部活動の形をつくっていただきたいと思いますが、最後に区教委の考えを伺って、この項の質問を終わります。 最後に、学校問題解決のための支援体制について伺っていきます。 近年、学校現場における教職員へのカスタマーハラスメント――以下カスハラと言いますけれども――が社会問題となっています。カスハラは、保護者や地域住民等の暴言、脅迫、名誉毀損等の行為によって、教職員の心身に深刻な影響を与え、教育現場の健全な運営を阻害する要因となっています。文科省の調査によりますと、公立学校教職員に対する暴力行為件数は、平成28年度には7,425件、令和2年度には1万108件と増加傾向にあり、教職員へのアンケート調査では約4割の教職員がカスハラを受けたことがあると回答しています。現状の学校におけるカスハラ対応は本来学校全体で取り組みますが、教職員が直接対応するケースが多く、問題の解決につながらないケースがあります。まず、杉並区における保護者等によるこうした学校問題の現状についての認識を伺います。 次に、現行の相談対応体制について伺っていきます。報告では、いじめ、不登校、学級の荒れ等、学校現場のさまざまな緊急事案や中長期的な課題対応を支援する専門チーム、教育SATの活動状況は、主に学校現場からの相談件数が、令和3年度125件、令和4年度175件、令和5年度は232件と増加傾向にあります。また、教員の精神疾患による病気休職者数は、令和3年度26名、令和4年度21名、令和5年度24名と一定の数字で推移していますけれども、これは病気休暇者数は把握できていないということであります。 学校現場の最後のとりでと言えるかどうか分かりませんけれども、学校法律相談事業、スクールロイヤーの活用について、事業内容の確認と相談件数の推移、どのような事例があったのか、伺います。 また、区教委はこのような現場をどのように捉えているのかも伺います。 私が伺った学校関係者の声として、保護者等との痛々しく、生々しいやり取りも伺っていますが、様々なトラブルが起きた時、学校法律相談を利用することが多くなったものの、弁護士の見解や助言を実際に学校が実行できているのかという実態との乖離であります。もちろん現実に即した助言をいただくこともありますけれども、後ろ盾のない管理職だけの判断では、弁護士の見解どおりに学校は動くことができません。自助努力だけではない支援が求められています。こうした深刻な学校現場の声をしっかり受け止める必要があると思いますが、見解を伺います。 さて、先月、都教委から保護者向けマナーポスターが配付されました。こちらになります。よろしいですか。

許可いたします。

「来校者のみなさまへ 子供たちの健やかな成長のためにはお互いを思いやる気持ちが大切です 教職員への行き過ぎた行為は、ご遠慮ください」との注意書きの下にピクトグラムを配して、暴言・大声、長時間の拘束、過度な要求、威嚇の4項目が説明とともに示されています。添付の通知書には、近年、保護者とコミュニケーションにおいて困難性の高いケースが増加しており、良好な関係性の構築に向けた啓発ができていないとの御意見を各所からいただいておりました、つきましては、2学期の始業に合わせ、別紙のとおり保護者向けマナーポスターを作成しましたので御活用くださいと記載されています。 都教委は、なぜこのようなポスターを配付することにしたのか、見解を伺います。 校長会等で説明し、配付したと思いますけれども、反応はどうだったのか、伺います。これが文科省からの支援体制強化策を受けた都教委の取組かと首をひねってしまいますが、現場からも、掲示場所に悩む、効果は期待できないのではないかとの声を聞いています。このことについて、区教委の見解を伺います。 現在、文科省は行政における学校問題解決のための支援体制を構築するモデル事業を進めています。教員の働き方改革の大きな壁ともなっている保護者対応について、経験豊かな学校管理職OBや専門家が、福祉関係などの首長部局と連携し横断的に問題を解決する学校問題解決支援コーディネーター(仮称)を中心とした組織による支援体制の構築を目指しています。 この動きにいち早く反応した奈良県天理市の取組に注目したいと思います。天理市では、今年4月から保護者対応窓口、ほっとステーションを開設しました。天理市でも教員の退職、休職が増え、校長、教頭などの管理職も確保できない状況にありました。教育現場の危機的な状況を看過できないと、並河天理市長自ら直接乗り出しました。まず、学校、園の現場でのアンケートを実施したところ、7割以上の学校等の教職員が「日常業務で保護者対応を負担に感じている」と回答するなど、深刻な状況が浮き彫りとなりました。こうした現状を改善するため、市は保護者対応の専用窓口としてほっとステーションの設置に至りました。経過の詳細は時間がありませんので割愛しますけれども、学校への加配ではなく、市の福祉部局と連携した専門部隊を設け、保護者の要望や苦情は、まず市のほっとステーションで対応するようにしたそうです。この効果は大きく、学校への苦情の電話がほとんどなくなったので、心理的負担が軽減した、カウンセリングも視野に入れて代わりに対応してもらえるのは大変ありがたい等、現場からの感謝の声が上がるとともに、昨年度と比較し、中学校全校と7割近い小学校の残業時間が減ったとのことです。ほっとステーションがうまく機能した理由として、伊勢教育長は、保護者を孤立させず、しっかり話を聞いてまちとして支えていく、市長の旗振りの下、教育と福祉が足並みをそろえながら同じ目線で対応できたことが大きいと考えていますと述べています。 この制度の特筆すべき点は、問題のある保護者に対してカスハラとしてのみ対応するのではなく、あえて受け入れて問題解決につなげていくという点にあります。さらには、これを実現するため、教育委員会だけに任せるのではなく、関連する市長部局が一体となって取り組んでいるところであります。この天理市の取組について、区教委の所見を伺います。 あわせて、区長部局の見解も伺いたいと思います。 当区でも教員不足が問題となっていますけれども、現在の状況を放置していては、さらに拍車をかけていくことになることが懸念されます。前述で確認した現在の体制、対応策では、教育環境のみならず、社会環境の変化への対応が難しく、十分に解決できる状況ではないと言わざるを得ませんが、区教委の見解を伺います。 公立小中学校のみならず、保育園、幼稚園でも多く聞く話であります。ぜひ天理市の取組を参考にし、現状の体制、制度を抜本的に見直す全庁横断的な取組を要望します。 私は、おやじの会、学校支援本部、部活動などを通して、20年以上学校現場を見てきました。その間、理不尽な要求を繰り返す保護者から追い込まれ、倒れた教員に関わったことがあります。真面目な教員ほど逃げ場をなくし、自分を追い詰めてメンタルをやられているところを目の当たりにしました。現場の教員から、働き方改革は時間などの労働環境の改善も必要ですけれども、それよりも、楽しく喜びのある職場になることを望んでいますと聞きました。夢を持って教職に就きながら、不本意な形で職場を去らなければならない状況を一刻も早く改善しなければなりません。文科省が進める学校問題解決支援コーディネーター(仮称)を配置した体制づくりなど、保護者等への配慮を置き去りにすることなく、教員が杉並なら安心して働ける、しっかりと守ってくれる、ぜひ杉並で働きたいと言われる環境をつくっていくべきと考えますが、最後に区教委の所見を伺い、質問を終わります。

理事者の答弁を求めます。 区長。 〔区長(岸本聡子)登壇〕
私からは、渡辺富士雄議員の御質問のうち、区のDX化の将来像についての御質問にお答えします。 議員御指摘のとおり、本格的な少子高齢化社会を迎えている中、公共サービスを担う職員の確保などの課題は今後ますます顕著になっていくことが予想されることからも、区のDX化は待ったなしであると認識しております。そのため、組織横断的にDXの取組を加速化させ、真に人間が行うべき業務に注力できる体制を構築し、これにより安定的に区民サービスの提供を行ってまいります。 しかしながら、デジタル技術の活用は、区民の利便性向上や行政内部の効率化の推進にとどまるものではありません。この間一貫して取り組んでいる対話による区政とDXは緊密な関係にあります。デジタル技術を用いて行政情報をよりオープンに分かりやすく発信し、幅広い区民からの意見を取り入れることで、自治体としての透明性を高めるだけでなく、主体的な区民の区政参画と、地域団体や民間事業者等との公民連携がさらに促進されるといった好循環が生まれることが期待できます。 このような考えの下、誰もがデジタル技術活用のメリットを実感でき、区民が区政をこれまで以上に自分事に捉えて参画できるといった住民自治の実現を目指し、杉並区デジタル化推進基本方針等に基づき、区のDX化をより一層強く推進してまいります。 私からは以上です。残りの御質問につきましては、教育長及び関係部長より御答弁を申し上げます。

区政イノベーション担当部長。 〔区政イノベーション担当部長(武井浩司)登壇〕
私からは、杉並区デジタル化推進計画に関する一連の御質問にお答えします。 初めに、行政手続のオンライン対応状況についてですが、令和5年度末時点において総手続数の2,700件から、法令上の制約等により直ちにオンライン対応が困難な手続を除くと約700手続ありますが、そのうち302手続がオンライン対応済みとなっております。また、オンライン対応済みとなった手続でも依然として窓口での手続を行う方も多い状況であることが課題と受け止めております。今年度実施した区民意向調査において、オンラインで手続ができることを知らなかった、オンライン手続のやり方が分からなかったなどの回答があることから、周知の強化や手続の改善など対策を検討してまいります。 なお、議員から御紹介のありました港区の事例につきましては、令和6年3月末に、法令上の制約等があるものを除いて、区が受け付ける行政手続を100%オンライン化したものと認識しております。昨年度改定したデジタル化推進計画では、毎年度20手続ずつオンライン対応手続を増やしていくこととしておりますが、今年度に計画の一部修正を行い、行政手続のオンライン対応を加速化させていくことを考えております。 次に、窓口サービスの改善に向けたデジタル技術の活用についてですが、取組に当たっては住民情報系システムとの連携は不可欠であり、システム改修の二重投資などを避けるため、区では、国が定める標準化システムへの移行後、令和8年度からの改善に向けて準備を進めております。現在の取組状況につきましては、繁忙期に特に混雑している区民課の待ち時間の短縮に向け、対象とする業務や導入ツール等について検討を行っているところです。手続時の書類記載の負担軽減やワンストップでの区民サービスを行っていくためには、区民課以外の部署とも連携していく必要があり、段階的にデジタル技術を活用する窓口サービスの範囲を拡充していくことを念頭に今後取り組んでまいります。 次に、キャッシュレス決済に関する取組についてお答えします。 初めに、区のキャッシュレス決済導入状況についてですが、現在、税や保険料、本庁区民課窓口での住民票等の証明書発行手数料、有償分の子育て応援券において、キャッシュレスでの支払いが可能となっています。なお、他自治体の取組状況ですが、世田谷区においてキャッシュレス決済導入に当たっての基本的な考え方を整理し、キャッシュレス化プロジェクトとして取り組んでいるということを把握しております。 区では、この間各課と調整し、導入が可能なところからキャッシュレス決済対応を進めており、いつまでに何をキャッシュレス決済対応するといった方針は定めておりませんでした。しかし、公共施設の使用料をはじめ、区への支払いをキャッシュレスで行いたいという区民ニーズは強まっていると受け止めておりますので、今後は全庁で推進していくためのキャッシュレス決済の導入方針を定め、取組を加速化させてまいります。 なお、議員から御提案のあったシステムの活用については、効率的にキャッシュレス決済を導入していくための手段として今後の参考とさせていただきます。 次に、地域BWAの活用に関する一連の御質問にお答えします。 地域BWAは、令和2年10月の導入以来、災害対策や区民の利便性向上等の観点から、サービス提供事業者による通信網の整備を着実に進めてきました。区内のほぼ全域をカバーする無線基地局の整備、各震災救援所や図書館、公園など115か所へのWi-Fiスポットの設置、水害時の避難行動の判断に資する杉並区河川ライブカメラの設置など、地域BWAを災害時の通信手段の確保や区の施設などで活用するという目的は、現時点でおおむね達成できているものと認識しております。 一方、Wi-Fiスポットの設置は一部の公共施設に限られており、全ての公共施設で自由にネットワークにつながる環境が確立されているわけではありません。議員御指摘のデジタルディバイド対策の視点も踏まえて、Wi-Fiの設置場所の選定基準や利便性や安全性の高い新技術を活用したWi-Fiの接続方法、環境構築に係るコストなど様々な観点から、今後、区におけるWi-Fi環境の在り方について検討を進めてまいります。 次に、デジタル専用のポータルサイトの構築についてお答えします。 議員御指摘のとおり、デジタルサービス情報を集約したポータルサイトを運用することは、行政のデジタル化のメリットをより分かりやすく区民に伝えるとともに、デジタルサービスの利用を促進するために効果的であると考えております。また、他自治体では、ポータルサイト内にAI技術を活用し、情報案内機能を設けるなどの取組もあることから、今後、こうした事例を参考にしながらデジタル専用のポータルサイトの構築について検討してまいります。 次に、都市OSについてのお尋ねがございました。 都市OSは、個々の都市が保有するさまざまなデータと情報を一元的に管理し、それを最大限に活用することで都市の効率化や問題解決を可能とするデータ連携プラットフォームであると認識しておりますが、先行して取り組まれている会津若松市では、複数分野のデータ連携を促進し、食や農業、観光などの分野で活用していることを確認しております。デジタル技術が進展する中、データ連携による既存サービスの有効活用や新たなサービスの創出として都市OSの導入は有効である一方、自治体間の連携等も重要であることから、今後も国や都の動向などを注視しながら調査、研究してまいります。 次に、区のデジタル化の取組に区民が参加する仕組みについてですが、現状はそのような仕組みはございません。しかしながら、より区民目線に立ってデジタル化を進めていくことが大変重要であると考えておりますので、今後、幅広い層の区民の意見を取り入れて行く仕組みである公民連携プラットフォームのすぎなみボイスを活用することなどにより、区民と協同してデジタル化を進めていく方法を検討してまいります。 次に、情報セキュリティー対策等に関する御質問にお答えします。 区においても、令和5年5月に委託事業者がランサムウェアに感染する事案が発生しており、巧妙化するサイバー攻撃と、これに伴う情報漏えい対策をさらに充実、強化する必要性を強く認識したところです。 この事案を受けて、全庁に対しても速やかに注意喚起を行うとともに、個人情報を取り扱う委託契約を締結する際に添付する仕様書や事業所向けのガイドラインに、情報システムの安全性を継続的に確保するための安全管理措置等に関する記載を追加し、セキュリティー研修において周知を図りました。さらに、現在行っている庁内の情報インフラ環境の再構築に合わせて、ウイルスなどによるサイバー攻撃を検知するツールであるEDRを令和7年度中に導入する予定であり、こうした取組を通じてセキュリティー対策の強化を図っていきます。 次に、災害発生時の情報システムの保全及び早期復旧については、システムに関する業務継続計画であるICT-BCPに定めておりますが、これまでは情報管理課が管理する全庁的なICTインフラ資源のみを対象としていたところ、災害時の重要な通信手段である地域BWAのICTインフラ資源についても新たに対象に含めるべく、令和6年度中の完了を目途に改定作業を進めております。一方で、各所管課が管理する情報システムは対象外となっているため、今後は、これらのシステムの災害時対応についても情報管理部門から対応例を示すなど、手順書の作成を促してまいります。 私からの最後になりますが、杉並区デジタル化推進計画に教育に関する記載がないという御指摘がございました。これは、令和5年度の総合計画等の改定に当たり、重複する取組を各計画で整理したことにより、実行計画にまとめたことによるものでございます。したがって、デジタル化推進計画に記載はありませんが、教育DXについては今後より一層推進していく必要がある分野であると認識しており、今年度新たに設置した区長、副区長、教育長、各部長等から構成される区政イノベーション本部などを通して、教育委員会も含め全庁が連携し、引き続き組織横断的にDXを推進してまいります。 私からは以上です。

土木担当部長。 〔土木担当部長(土肥野幸利)登壇〕
私からは、PLATEAUに関する御質問にお答えをいたします。 PLATEAUは、国土交通省が推進するプロジェクトで、都市の詳細な情報を3Dデータとしてコンピューター上に再現し、それを使って未来の災害や開発の影響を予測するなど、よりよい都市づくりをするための取組です。まちづくりへの活用では、3Dモデリングの技術を用いて都市の現状や未来の景観をビジュアル化することが可能なため、都市計画等を検討する際に具体的なビジョンを共有するツールとして利用できます。また、地域住民や関係者に対して計画内容を分かりやすく説明するためのツールとしての活用も期待できます。 PLATEAUは、まちづくり分野だけでなく、災害対策や気候問題など多くの分野で活用できる可能性があり、現在区では都市計画道路の整備効果や浸水被害の可視化など、活用、検討を進めているところです。 私からは以上です。

文化・スポーツ担当部長。 〔文化・スポーツ担当部長(寺井茂樹)登壇〕
私からは、杉並区スポーツ振興財団に関する御質問にお答えいたします。 初めに、財団の現状でございますが、体育施設の指定管理事業に民間事業者の参入が進み、財団が指定管理を担う必要性が低くなってきたと判断したことから、財団は令和3年度末で指定管理事業から撤退し、現在、障害者スポーツの振興や地域スポーツ団体の育成、支援など、民間事業者では担いがたい公益性の高い事業の推進に取り組んでいるところでございます。 課題としましては、指定管理事業からの撤退に伴い、職員が従事する業務が施設管理以外の業務が中心になるなど大きな変化があったことや、給与等の待遇面の課題から、近年、年度途中での職員の退職が続き、人材育成や組織体制の強化が進められていないことが挙げられます。 次に、スポーツ協会の事務局としての業務でございますが、加盟団体や区との連絡調整、都や区に提出する書類の作成、会計事務、評議員会、理事会の開催などを行っております。 次に、スポーツ振興財団の在り方に関する御質問にお答えいたします。 現在、区と財団との間で財団の在り方について意見交換を進めており、今後、スポーツ行政における区と財団、スポーツ関係団体等の果たすべき役割を改めて整理し、障害者スポーツの振興や部活動の地域移行など、区のスポーツ行政における課題を踏まえ、今後の財団のあるべき姿について幅広く検討してまいりたいと考えております。 私からは以上です。

総務部長。 〔総務部長(山田隆史)登壇〕
私からは、学校問題解決のための支援体制についての御質問のうち、天理市の取組に関する区長部局の所見についてお答えいたします。 議員から御紹介のあった取組につきましては、全国的に課題となっている教員の負担軽減に、教育委員会だけでなく福祉部門が連携することで効果を上げている取組ということで注目をしているところです。自治体で働く公務人材確保の困難さが増す中、教育部門に限らず、区の貴重な財産である職員が、長く、安心して働ける環境をつくっていく上で、部局を超えた連携の必要性は増していくものと認識しておりますので、本事例のような取組は、今後の組織を構築していく際の先進事例として参考にすべきものと考えております。 私からは以上です。

教育長。 〔教育長(渋谷正宏)登壇〕
私からは、今後の部活動の考え方についてお答えいたします。 従来、部活動は多くの中学生にとって自主的に参加する有意義な課外活動になっていました。しかしながら、少子化が進み、学校が小規模になり、部活動の維持がますます困難になることが今後予想されます。また、部活動は教員のボランタリティーを前提とした制度設計で、主に勤務時間外に行われ、教員の働き方改革を進める上でも抜本的な見直しが必要です。 部活動の見直しについては、担い手をどうするかという観点のみならず、杉並区の中学生の放課後、休日の過ごし方、居場所がどうあるべきかという視点が重要であると考えます。その際のポイントは、第1に、中学生の自主的、主体的な意思を尊重した取組とすること、第2に、教員が関わらなくてよい仕組みとすること、第3に、保護者の費用負担をできるだけ少なくすることです。さらに、学校教育の範疇にとどまらず、学校と地域が連携し、学校施設を有効活用した社会教育の一環としての充実を図る契機とするべきだと考えます。 生徒、保護者、教員、地域の皆様との対話を積み重ね、区長部局とも十分に連携を図りながら部活動改革を進め、杉並区ならではの新たな中学生の放課後、休日の過ごし方、居場所について検討してまいります。

学校整備・支援担当部長。 〔学校整備・支援担当部長(高山 靖)登壇〕
私からは、まず、学校部活動の地域連携、地域移行に関する御質問にお答えします。 令和6年5月に策定した学校部活動の地域連携・地域移行に関する推進計画については、国及び都が策定したガイドライン等を受け、区として部活動の地域クラブ活動への移行等に向けた取組を計画的に進めるために策定したものでございます。また、学校部活動の在り方に関する方針(ガイドライン)は、この計画策定に合わせて、その内容を反映する形で改定したものでございます。 次に、運動部活動の現状と課題についてでございます。 令和5年度現在、区立中学校23校で166部活が活動しているところですが、例えば、サッカー部や野球部の部員数が年を追うごとに減少し、競技実施可能人数に満たない学校や、そもそも部活動がない学校が半数以上となっている現状があります。少子化の進展から来るこうした部員数の減少による活動の衰退化及び活動を担う教員の負担が大きいことが課題であると認識しております。 次に、地域移行と地域連携の在り方と今後の進め方についての御質問にお答えします。 現在、区においては教員が顧問となって学校教育の一環として行われている部活動から、学校以外の人や団体など、地域により行われる地域クラブ活動への移行に向けて、拠点校方式による合同部活動の取組を進めているところでございます。今後は、教員が顧問を担わず、地域の特性に合わせた様々な活動が地域を基本として展開されていく地域クラブ活動を目指して取組を進めてまいります。 また、この間、部活動改革については、区では平成19年度から部活動プロフェッショナル指導や合同部活動事業を実施し、その後、平成28年度からは部活動活性化事業を実施し現在に至っております。令和6年度現在、部活動活性化事業は区内の運動部活動全体の約3分の1に当たる55部活で活用されており、生徒の運動部活動の充実と、教員の負担軽減の両面から、部活動改革に寄与しているものと考えております。 次に、地域クラブに関する御質問にお答えします。 教員が地域クラブ活動を進めていくことについては、区教委としては肯定的に受け止めておりますが、議員御指摘のとおり、地域クラブ活動として運営するためには、持続可能な組織づくりが必要不可欠と考えております。また、教員の働き方や生徒の安全面、健康面への配慮も課題と認識しております。 今後に向けては、こうした課題を一つ一つ解決しながら、地域クラブ活動への移行を着実に推進してまいりたいと考えております。 次に、他の自治体の取組についての御質問にお答えします。 御紹介いただいた大野城市のスポーツ協会と連携した取組については、生涯スポーツ活動の振興と部活動改革を重ねた人材確保の取組として、今後区が地域移行を進めていく上で大変参考となる事例と受け止めており、こうした他自治体の事例も参考にしつつ、多様な地域クラブ活動につなげていきたいと考えています。 次に、中学校体育連盟が主催する大会運営についての御質問にお答えします。 現在、中体連では13の競技で新人大会や夏季大会の運営を行い、教員は大会の組み合わせ事務等の準備、引率、審判などを担っています。日常の部活動の指導と併せ、こうした大会運営を担うことを負担に感じる教員が増え、働き方改革の面からも大会の在り方を含めて見直していかなければならないと認識しております。 次に、現在一部の競技において中体連とスポーツ協会が大会運営に関して連携して取り組まれていることは、今後に向けた大きな一歩と受け止めております。 区としましては、教員の働き方改革を進めるとともに、生徒にとって魅力ある大会の持続的な開催に向けて、中体連及びスポーツ協会と適宜意見交換を行いながら、取組を支援したいと考えております。 私からは以上となります。

教育政策担当部長。 〔教育政策担当部長(松尾 了)登壇〕
私からは、学校で発生するトラブルの現状に関する御質問にお答えいたします。 本区においても、保護者等からの過剰な要望や苦情が続いたり、要望等の質が以前と比べて変わってきたりと、業務に支障が生じている学校があります。この傾向は全国的なものであり、文部科学省でも大きな課題との認識を示しており、対応を図っていくべきと捉えています。 次に、学校法律相談事業に関する御質問にお答えします。 この事業は、区立学校における法的問題等について、校長または副校長が弁護士に直接相談し、必要な助言を受けることができ、平成29年度から実施しています。弁護士については杉並法曹会に委託し、現在、5人の弁護士が小中学校を地区ごとに分けて相談を受けています。主な相談内容は、児童生徒の事故、いじめ、体罰、暴力や保護者間のトラブル、教師の指導内容及び学校対応などです。相談件数は、令和3年度26件、4年度36件、5年度60件で、最近は増加の傾向にあり、種別では、いじめ、指導内容、学校対応が特に増えている状況です。保護者からの学校対応に関する相談事例としては、授業でのタブレット利用に関する要望や、児童間の暴力行為について学校からの警察通報を執拗に求めるもの等がございました。 次に、学校からの相談や休職者の現状について、御質問にお答えします。 学校から教育委員会への相談等は増加傾向を示していますが、学校で発生する子供たちの問題自体への対応は教員が指導し、その後ケアを行っていくことに変わりはありません。より深刻になってきているのが、発生後の保護者への説明や対応の難しさであり、教員の負担の一端となっています。以上のことから、現状に応じた学校の支援体制を構築していくことは喫緊の課題であると認識しております。 次に、学校現場から寄せられる声に関する御質問にお答えします。 教育委員会には、教育SATや教育相談担当以外にも、学校から様々な部署に相談があり、このような声は教育委員会にも届いています。学校からの相談一つ一つを受け止め、丁寧に対応することは重要なことであると考えます。加えて、ここ数年、教育SATが学校の代わりにそうした保護者等からの要望等に対応してきたケースがありますが、質の変化や深刻なものが増えており、学校単独で対応することの困難さを教育委員会も実感しています。学校と教育委員会がより一層連携した対応の在り方について検討してまいります。 次に、東京都教育委員会が配付した保護者向けマナーポスターに関する御質問についてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、区立学校に関わる保護者からの相談件数が増加しています。また、先ほどもお答えいたしましたように、過剰な要望や苦情が続くなど、業務に支障が出ている学校があります。都内全域でも同様な状況にあることから、ポスターが配付されたものと認識しています。配付されたポスターを早速掲示いただくなど、校長会での反応は様々でした。なお、本ポスターは各学校の実情に応じて活用すべきものと考えております。 次に、学校問題のための支援体制に関する御質問にお答えします。 天理市のように心理士等が常駐し、教育分野以外の専門家の見地を生かしながら対応していくことは、問題の解決のみならず、保護者等の支援という観点からも重要であると考えます。また、学校への要求も複雑になっていることから、問題の解決に尽力する学校を支援する体制にも、多様な専門家の力が必要だと認識しております。 私からの最後に、学校を支援する体制に関する御質問にお答えします。 教育委員会としましては、学校が対応に苦慮している現状を受け、学校を支援する体制の見直しを図っているところです。教育SATに複数の専門家を加えて強化し、スピード感を持って学校支援ができるよう、今後は区長部局とも連携をしながら必要な対応を図っていきたいと考えております。

以上で渡辺富士雄議員の一般質問を終わります。 19番小池めぐみ議員。 〔19番(小池めぐみ議員)登壇〕

日本共産党杉並区議団の小池めぐみです。 杉並区の若者支援について質問します。 2021年10月に、今後10年程度の杉並区の将来を展望する羅針盤である杉並区の基本構想が策定されました。3つの基本理念のうち、「次世代を育み 引き継ぐ」には「杉並の次代を担う子どもを地域社会全体で育んでいきます」とありますが、若者の言葉はありません。若者の言葉が出てくるのは、就労支援についての1か所と、生涯を通じた健康づくりの1か所で、たったの2か所でした。私もかつて若者でしたし、議員になってからは若者から生活相談を受けることも多く、区にどのような若者支援があるのかと気になっていました。 杉並区には、いわゆる思春期から青年期と言われる15歳から29歳までの若者は、2023年1月1日現在で9万9,164人住んでいます。総人口57万786人に対し17.37%を占めています。ちなみに、30代も含めると18万5,566人となり、割合は人口の約3分の1の32.51%となります。65歳以上の人口の合計は12万191人で約21%となっていることから、決して少なくない数字ですが、総合計画、実行計画を見てみても、子供や高齢者という世代を対象とした施策と比べ、若者に対する施策は不十分であると感じましたので、今回その必要性を述べ、若者支援について質問します。 私は、杉並区に住んで間もなく20年になろうとしています。大学を中退し、杉並に引っ越してきたばかりの頃はアルバイトや派遣を掛け持ちしていましたが、心身の不調で1年以上働けなくなったこともありました。2003年以降、非正規雇用者が増え、若者の失業や不安定雇用などの就労問題が顕在化しました。国も法改正を繰り返し、地方自治体とともに、主に就労支援に取り組んできましたが、リーマンショック、コロナ禍を経て、低賃金や物価高騰の状況はなかなか改善せず、若者が安定した社会基盤を築くことはますます困難になっています。社会に根を張って自立することと就労は強く結びついていますが、就労のみを支援すればいいわけではありません。低賃金や過重労働による生活苦や心身の不調、病気や家族の介護等による離職、虐待や貧困、ひきこもり等、社会との接続がうまくできない状況の際、一度就職をしても安定して働き続けられない場合も多く、そのことが孤立や将来への不安、自己肯定感の低下につながります。子供・青年期を経て、社会の中で大人として自立していく過程のスタートラインでのつまずきが、継続的な貧困や孤立に大きく影響します。コロナウイルスが感染拡大した2020年から2024年にかけて、区の20代の生活保護受給者が143人から220人へ、30代では367人から390人へと増加したことも、経済問題だけにとどまらない若者の就労困難な状況を表しているように思います。 先日、20代の若者と話す機会がありました。1人は、長時間労働と休みがない過酷な仕事を辞め、半年ほど貯金を切り崩して生活をしている方でした。現在はバイトをしながら将来について考えているということです。別の方は、正規雇用ではあるが低賃金なので家賃をぎりぎりに抑えている、これ以上高くなってしまったら困ると話していました。一番驚いたのは、症状があっても病院の受診を控えているという女性の話です。不正出血や腹痛があったときに、お金がかかるから婦人科を受診しない、受診すれば受診料と薬代の出費がかかるから、代わりにドラッグストアで痛み止めを買うということでした。仕事が忙しくて病院が開いている時間に電話ができず、予約ができないことも病院の受診を後回しにする原因だそうです。歯医者なども優先順位が下がるとのことでした。その話を聞いて、自分自身も若い頃、少しくらい具合が悪くても、お金がないので病院に行かなかったことを思い出しました。お金がない、時間がないので病院に行けないというのは、明らかに見えない貧困ではないでしょうか。 こうした若者の抱えている困難や実態を、区はどのように捉えていますか。 若者が置かれている深刻な状況は、貧困だけでなく自殺率の増加にも表れています。コロナ禍の2020年に10年間減少を続けていた自殺率が増加に転じました。2020年の死因順位では、15歳から29歳の死因の半数以上が自殺によるものでした。昨年度は、その前の年に比べ20歳代以下の女性の自殺者が大きく増加したことが特徴です。2023年4月に日本財団が第5回自殺意識全国調査を発表しました。18歳から29歳の若年層が対象で、死にたいと願い自殺を考える希死念慮を経験した人は、回答者1万4,555人のうち44.8%でした。杉並区でも、過去6年間で区の10歳代から30歳代までの死因は自殺が1位となっています。これらのデータを見ても、経済的や心理的、環境的に困難な状況に置かれている若者が増えていることは明らかだと思います。さきに述べた20代女性は、病院の受診控えについて、聞かれるまで意識していなかった、後回しにするのが当たり前になっていたと話していました。若者が自分自身で気づいていないだけで、もしかしたら誰かに話すことで解決できること、本来なら支援が必要なケースもあるのではないでしょうか。 若者支援の重要性は明らかです。社会に基盤をつくり、生き生きと働けるチャンスがあるべき若者が、どこかでつまずき、社会とのつながりが弱くなり、孤立が深刻になれば、家庭や行政、民間による青年期から壮年期、もしくは高齢期になるまでの息の長い支援が必要になる可能性もあります。若者が自分自身と他者を尊重し、社会とつながり、自立した大人になれるよう、行政が早期から包括的に支援を行うことは、出生率が下がり、今後人口減少と高齢化が進む杉並区においても重要だと考えます。 若者が将来に希望を持てる社会、その力を十分に発揮することができる社会は、高齢者や障害者、一時的や継続的に働けなくなった人も安心して支えられる側に回れる社会だと思います。区の基本構想では、理念として、誰一人として差別されず、取り残されない社会をつくっていくとしています。世代で見れば、高齢者に対しては高齢者施策課、高齢者在宅支援課等、保健福祉部の中に複数の課があり、子供や子育て世代に対しては子ども家庭部でそれぞれ包括的な支援や相談などを行っています。しかし、若者に対しては包括的な所管や窓口がなく、区の子ども家庭計画にも若者への施策は含まれていません。 区は、若者施策の必要性についてどのように考えていますか。 まずは、区として若者がどのような困難を抱えているか、どのような深刻な状況があるのか、若者を対象に生活や実態の調査を行うことが重要だと考えますが、区の認識を伺います。 次に、若者の相談窓口について伺います。私が話を聞いた20代の女性も、家賃や税金が高いこと、給料が上がらないことに困ってはいるものの、みんなそうだし、相談しようと思ったことがないと言っていました。若い人と話していて感じていたのは、困っていても自分で何とかしなくてはならない、助けを求めるという発想があまりない、どこに相談すればいいのか分からないという考えを持っているということです。杉並区にも、若者が利用できる相談窓口は、就労に関しては若者就労支援コーナーや、生活自立支援窓口のくらしのサポートステーション、また保健センターでの心の健康相談、子育て中の保護者、小中高校生が利用できるゆうラインなど、様々な窓口があります。福祉事務所では生活相談全般を受けていますし、男女平等推進センターでは親子、家族の問題、結婚や離婚、恋愛や人間関係、セクシャルハラスメント、ストーカー、性暴力、性的マイノリティーに関する悩みなど、電話と対面での相談ができます。ほかにも専門窓口としてDV相談窓口や、昨年度からは性的マイノリティーの相談窓口も開設されました。区では、このように様々な相談支援窓口、部署を設けてはいますが、健康は健康のこと、就労は就労のこと、生活は生活のこととそれぞればらばらなため、若者が直面している困難を一体的に受け止める場所、包括的に把握して支援につなげる部署がないと感じます。 他自治体には、若者の悩みについて包括的に相談ができる場所があります。例えば、足立区のあだち若者サポートテラスでは、精神科医、精神保健福祉士、公認心理師などのチームが、15歳から25歳の若者を対象に、メンタルヘルスに関する悩みや困り事に無料で相談対応を行っています。面接や個別のサポートを経て、教育、行政、医療、福祉、地域の様々な支援に橋渡しをしています。中野区では、2021年にみらいステップなかのがオープンし、18歳未満の子供、保護者からの総合相談とは別に、30代まで対象の若者相談も行っています。これらの自治体の相談窓口では、対象年齢はあるものの、相談の種類は限定していません。悩みの原因が仕事であるのか、家族や友達なのか、自分自身のことなのか、自分でも分からないからどこに相談したらいいか分からないということはあると思います。若者という名前のついた相談場所があることで、相談してみようかなと思える当事者もいるのではないでしょうか。杉並区でも包括的な若者相談窓口の設置を早期に検討する必要があると考えますが、いかがですか。 包括的な若者支援の部署や窓口の設置を早期に求めるものですが、まずは現在区で行っている相談窓口を拡充し、困難を抱える若者が少しでも支援につながれるような方法も検討するべきだと思います。2024年6月にヤングケアラーを国や自治体による支援の対象として対応を強化することが明記された子ども・若者育成支援推進法の改正法が可決、成立しました。年齢を明記しないことで18歳以上にも切れ目のない支援が継続できるようにすることとしています。杉並区でも、ヤングケアラー実態調査が小中学生、高校生向けに行われ、10月からはいよいよLINEでの相談支援の実証実験も始まります。しかし、この事業は子ども家庭支援センターが行うため、児童福祉法の範囲により18歳までが対象となっています。ヤングケアラーとは、家庭で過度に介護や家事を行っている子供、若者を指しますが、状況は様々であり、家族の病気やそれによる貧困、虐待、性暴力等の問題まで複雑に交差している場合もあります。また、ヤングケアラーの子供、若者は、高校や大学の進学時や就職時に、家庭の状況のためにさらなる課題に直面するとも言われています。子供の困難が18歳で終わるわけではありません。ヤングケアラーの相談支援について、対象年齢を18歳までと区切らず20代までとするなど工夫が求められると思いますが、いかがでしょうか。 困難を抱えた子供、若者が、自分を尊重し、しっかりと社会に根を張れるようになるまで、区が18歳で手を離さずに継続した支援を行うことが必要だと考えますが、いかがですか。 さらに、若年層の女性や性的マイノリティーの健康についてもサポートが必要だと感じています。先ほどお話しした婦人科受診を控える方のように、お金がないために病院に行くのを後回しにする方や、健康診断を受けられない方に加え、そもそも婦人科という場所に行き慣れていない、行きづらいという若者も多いと思います。また、性的マイノリティーの方で偏見があるため病院に行きづらいという方もいます。表に出てこない性被害の多さも深刻です。さきに述べた日本財団の調査では、性別ごとの性被害経験の有無を調査していますが、回答者1万4,685人のうち、「性被害経験あり」が全体で15.3%だったのに対し、トランスジェンダー、ノンバイナリー、その他の区分を選んだ方の「性被害経験あり」は36.3%と倍以上になっています。さらに深刻なのは、「性被害経験なし」と答えた1万2,407人では、希死念慮経験が39.3%なのに対し、「性被害経験あり」と答えた2,148人では、希死念慮経験が76.4%と37ポイント以上の開きとなっていることです。若い女性や性的マイノリティーにとって、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、性と生殖に関する健康と権利は命に関わる問題です。相談や受診を控えて体や心の健康を損なうということは、あってはならないと思います。そのためにも、若年期から包括的性教育は重要だと考えます。 また、行政にも保健所などの相談機関があることを十分に周知すべきと考えます。杉並区では、杉並保健所健康推進課が生理不順や不妊治療の相談などが無料で3回受けられる妊活LINEサポート事業を2021年度から始めています。委託事業で臨床心理士、助産師、看護師、カウンセラーなどが相談に当たるとのことです。このLINE相談では、月経トラブルやメンタルについての相談も受け付けていますが、妊活LINEという名前だと、どうしても妊娠を望む人に対象が限られてしまうと思います。性の知識がないことでのトラブル、性感染症や婦人科系の病気、メンタルヘルスの問題、また妊娠を望まないけれどもどこに相談したらいいか分からないという問題は、特に若者ほど重要ではないでしょうか。 妊活LINEという名前を変えて、学生や若者が気軽に利用できるようなサポート事業にすべきと考えますが、いかがですか。また、利用しやすいよう周知も工夫し、今後は無料回数の拡大等も検討していただきたいと思います。 次に、若者の居場所について質問します。 杉並には、中高校生対象の児童青少年センターゆう杉並があります。高齢者にはゆうゆう館、18歳までの子供たちには児童館があり、どちらの居場所も減らすのではなく拡充すべきと考えます。しかし、残念ながら、若者の居場所に特化した公共施設はありません。世代ごとに安全に、身近に、気軽に利用できる場所があることは、ウエルビーイングの向上にもつながります。話を聞いた20代半ばの女性は、地域の集まり等で、特に自分より年上の異性からマイクロアグレッションやハラスメントを受けた経験が多数あり、傷つけられて悲しんだり怒ったりするのは精神的によくないので、参加したいけれども知らない年上の異性が多いような場になかなか入っていけないということを話してくれました。マイクロアグレッションとは思い込みや偏見による攻撃のことで、言ったほうは悪気はなくとも、言われたほうは積み重なることでダメージが大きくなります。例えば、結婚は、子供はと聞くことや、異性愛かどうか分からないのに、彼氏は、彼女はと聞くこと、女性なのに稼いでいてすごいねと言うことや、日本で生まれ育った外国ルーツの人に、日本語上手ですねと言うことなどもそうです。イベントなどに参加するときにも、少なくとも自分と同世代もしくは同じ価値観を持った人もいると分かっていれば、安心して参加できるということでした。 世田谷区は、2020年度からの子ども計画の後期計画で子ども・若者育成支援推進法を基にした若者計画を策定し、若者の交流と活動の場の充実、若者が地域で力を発揮できる環境づくり、生きづらさを抱えた若者の支援、若者の主体的な活動、参加・参画の機会を広げるための支援などを計画に掲げ、居場所の拡充も図ってきました。30代までの若者が無料で利用できる青少年交流センターが区内に3か所あり、音楽室や学習室、多目的ルーム、キッチンやカフェ、テニスコートやバスケットコートがあるセンターなど、施設ごとの特色もあります。利用者が主体的にイベントを企画したり、児童館や青少年交流センターで支援を行う大学生ボランティアを育成する事業も行っています。 杉並区でも、若者の居場所や活動場所の拡充を図るべきと考えますが、いかがですか。長時間労働や低賃金など、自分の生活が大変な状態のままでは、地域コミュニティーや社会に参加する意識や力もつきません。まずは、同世代の若者が集まり、悩みを共有し合ったり楽しんだりしながら少しずつ自信がついてくることで、お祭りなどの活動や防災、地域イベントの企画など、自分の住んでいる場所に目が向くようになるのではないでしょうか。 地域社会を支える側としての若者が十分な力を発揮できるようになるためには、まずは現在若者が置かれている不安定かつ困難な状況に目を向け、社会とのつながりが薄く自立が難しい状況の若者を行政や地域が支えなくてはならないと考えます。来年開館予定のコミュニティふらっと高円寺南には、コミふら永福と同じくティーンズタイムを設ける予定になっています。小学校と児童館がなくなった地域であり、当時の子供たちは中高校生になっていますので、地域の小中高校生が活用できる場所になることを期待しています。せっかくですので、ぜひ、中高校生のその先の大学生、若者も利用しやすく、地域とのつながりがつくれるような場所にしていただきたいと考えます。若い人たちも集まりやすい高円寺という土地柄を生かし、若者向けの就業支援、起業のイベント、地域活性化支援事業や若者の困難を解決するような講座、集会、または若者企画のイベントなどを意識的に開催することで、同世代の若者が集まれる居場所として特性を持たせることができるのではないかと考えます。 コミュニティふらっと高円寺南に若者の相談窓口を設置したり、若者が活動拠点として利用しやすい場所にしてはいかがでしょうか。 次に、若者への経済的支援について伺います。 若者が直面している困難な状況に経済的な問題が大きく関わっています。2022年9月に労働者福祉中央協議会が実施した奨学金や教育費負担に関する調査では、コロナ前と比べて返済が苦しくなった奨学金の返済負担者が4人に1人となりました。また、教育費に対して負担感があると感じるのは7割強と非常に高くなっています。2022年の杉並区の10代の転入者数を見ると、18歳から一気に増え、21歳までで3,062人となっており、進学で区に転入してくる若者も多いと考えます。物価高に加え、国立大学までもが学費の引上げを検討しており、経済的な格差によらず、教育の機会を保障してきた国立大で授業料引上げが続けば、地方から上京して一人暮らしをしなくてはならない学生と東京在住の学生との格差はさらに広がり、公平な教育の機会が奪われてしまうことになります。そもそも日本はOECD加盟国の中でも教育費の支出が最低レベルであり、貸付型の奨学金に比べ給付型の奨学金が少ない実情があります。2022年度の日本学生支援機構の学生生活調査によると、奨学金を受給している学生の割合は、大学、昼間の部で55.0%、短期大学、昼間の部で61.5%と半数を超えています。足立区では返済不要の給付型奨学金の実施を2022年度から始めました。大学の入学料、授業料の全額給付を約40人に行うものです。また、貸与型にも支援をしています。世田谷区では、今年から生活保護世帯の若者が大学に進学する際の支援及び中退防止を図るとして、区として給付型奨学金制度を始めました。学費として上限50万円、教材費や通学交通費は実費と、中途退学した場合も返金は不要としています。杉並区では、中高校生の塾代補助をする受験生チャレンジ支援貸付事業があり、今年からはふるさと納税のメニューに児童養護施設や里親家庭等から自立する18歳以上の方に、自立支度金として1人最大20万円の支給が始まり、とても重要な取組です。しかし、大学生の教育費への経済的支援も必要だと考えます。 区には、高校、高専進学者向けの無利子の奨学金の貸付はありますが、大学進学者向けにはありません。大学生への援助として、給付型奨学金も実施すべきだと考えますが、いかがですか。 最後に、杉並区の若者計画について伺います。 2022年4月にこども基本法が施行され、2023年12月にはこれまでの少子化対策基本法、子ども・若者育成支援推進法、子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づく3つの子供に関する大綱を1つに束ねたこども大綱が定められました。目指すこどもまんなか社会とは、「全てのこども・若者が、日本国憲法、こども基本法及びこどもの権利条約の精神にのっとり、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、ひとしくその権利の擁護が図られ、身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸せな状態(ウェルビーイング)で生活を送ることができる社会である」としています。こども基本法第5条では、地方公共団体に施策の策定を義務づけています。区の子ども家庭計画は来年度改定になりますが、若者を含む計画策定の検討状況はどのようになっていますか。中野区では、2023年からの子ども総合計画の中に子ども・若者計画をつくり、あらゆる若者の社会参画の支援、若者の課題解決に向けた支援、地域全体で支える環境づくりの推進などを位置づけています。2022年度には若者会議がスタートし、昨年度は他自治体の先進事例を調査し、交流しながら、中野区独自の若者会議の在り方を区長に提言しました。今年度は情報発信、環境、多文化共生、居場所などのテーマでフィールドワーク等を行い、最後に区長に提言するそうです。また、2014年から若者施策を計画に位置づけてきた世田谷区は、次期子ども・若者総合計画に向け、昨年度区内15歳から29歳までの区民6,000人にアンケート調査を行い、若者を取り巻く実態や若者の意見の把握に努めています。子供から若者への切れ目のない育成支援を行うために、杉並区も包括的な若者支援計画を策定すべきと考えますが、いかがですか。 そして、若者計画策定に当たっては、やはり当事者である若者の参画が必須だと考えます。若者の声を聴く取組のために、LINEやSNSの活用、また、今年度から始まった公民連携プラットフォーム、すぎなみボイスの活用もぜひ検討していただきたいと思います。 若者計画の早期策定を目指し、それに向け若者が計画策定に主体的に関わるプロジェクトを立ち上げるべきだと考えますが、いかがですか。そのためには、検討や計画策定に当たる課の設置も必要だと考えます。認識を伺います。 杉並区が若者問題に真剣に向き合い、迅速かつより一層の包括的な支援を行うことを求め、質問を終わります。

理事者の答弁を求めます。 区長。 〔区長(岸本聡子)登壇〕
私からは、小池めぐみ議員の御質問のうち、若者施策の必要性などについての御質問にお答えします。 まず、若者の抱えている困難や実態についての区の認識に対するお尋ねがありました。 日本に住む子供の6から7人に1人が相対的貧困と言われており、昨今、特にその子供の親世代を含め、若者の貧困が問題になっております。今の若者の貧困は、バブル崩壊後、長引いた日本経済の低迷や雇用形態の変化など、様々な背景や要因によるものと考えておりますが、親世代の経済状況で子供の進路の幅が決まる、いわゆる貧困の連鎖も若者の貧困要因の一つと認識しています。 次に、若者施策の必要性、若者を含む計画策定の検討状況、包括的な若者支援計画の策定とその策定に向けた検討体制についての御質問がありました。区では、これまで地域に暮らす人たちが誰一人として取り残されないよう、若者を含めた区民に対して各種の施策を推進してきたところでございます。しかしながら、近年、生活等に課題を抱える子供に対して必要な支援を行っている中で、子供期で解消されない課題がその後に引き続く問題や、成人期への移行期ならではの若者特有の問題も発生しており、こうした問題は成人一般の問題と異なるものと捉えて対応する必要があると考えております。 こうした認識の下、区におきましては、現在改定作業を進めている次期子ども家庭計画の計画期間内に、若者に係る施策等について検討し、総合的な子供・若者施策を明らかにする子供と若者に関する計画として改定してまいる考えです。 なお、子供と若者に関する計画の策定にはこれから着手してまいりますが、子供や若者の現状やニーズをより的確に踏まえた実効性のある計画にするために、計画の対象となる子供や若者等の意見を幅広く聴取し、反映させていくことが必要だと考えております。子供や若者にとって、自らの意見が十分に聴かれ、自らによって社会に何かしらの影響を与え、変化をもたらす機会となり、自己肯定感や社会の一員としての主体性を高めることにつなげていけるよう取り組んでまいりたいと考えております。 計画の策定に当たっては、若者の参画とエンパワーメントの視点を持ちつつ、子ども家庭部のほか、子供や若者に関連する部署と組織横断的に連携を図り、組織の在り方も含めて検討してまいります。 次に、実態調査の実施のほか、相談窓口の設置、居場所の充実、給付型奨学金の実施についての御質問がございました。これらの調査や各種取組につきましては、まず、近隣自治体の先行事例等を調査するとともに、今後、子供と若者に関する計画の策定に向けた検討を進める中で、具体的な取組内容を考えてまいります。 私からは以上です。残りの御質問につきましては関係部長より御答弁を申し上げます。

子ども家庭部長。 〔子ども家庭部長(松沢 智)登壇〕
私からは、ヤングケアラーの相談対象年齢についてのお尋ねにお答えします。 今年度実施するLINEを活用した相談の実証実験につきましては、事業を実施する子ども家庭支援センターが児童福祉法に基づき業務を行っていることから、児童福祉法上の児童の年齢に合わせ、18歳未満としたところです。今後の相談支援の対象につきましては、本年6月の子ども・若者育成支援推進法の改正によりヤングケアラーが定義され、対象範囲等が明記されたことや、7月から8月にかけて区が実施した中高校生世代を対象にした実態調査の結果を踏まえ、考えてまいります。 次に、18歳に到達した後の支援についてのお尋ねですが、区といたしましても継続した支援が必要と考えており、子ども家庭支援センターで支援をしてきた要保護・要支援児童が18歳到達により対応が終了となる際は、今後の相談先等を紹介するなど、次の支援策につながるようにしています。 私からは以上です。

杉並保健所長。 〔杉並保健所長(播磨あかね)登壇〕
私からは、妊活LINEサポート事業に関する御質問にお答えいたします。 妊活LINEサポート事業では、妊娠を望む女性や不妊に悩む夫婦が気軽に相談できるよう、24時間、匿名で相談できる体制を整備しており、これらの相談に関連して、月経不順やメンタルヘルス等の相談にも対応しております。なお、国と都は健康増進計画として、今年度を始期とする健康日本21(第三次)、東京都健康推進プラン21(第三次)を策定し、新たな視点として女性の健康が明記されました。このことを踏まえ、保健所では、この7月に女性の就業割合が高い福祉職場で働く方を対象に、女性の健康等に関するアンケート調査を実施いたしました。アンケートでは60%以上の女性から、専門家による女性の健康に関する相談窓口があると安心であると回答があったことなどを踏まえ、学生など若い女性の健康に関する相談にも幅広く対応できるよう、無料相談枠の拡大を含めた利用しやすい仕組みづくりや、より多くの若い女性に利用していただけるよう周知方法を工夫するなど、区としても前向きに検討してまいります。 私からは以上です。

区民生活部長。 〔区民生活部長(寺井茂樹)登壇〕
私からは、コミュニティふらっと高円寺南に関する御質問にお答えいたします。 コミュニティふらっとは、身近な地域におけるコミュニティーの形成を目的として、乳幼児親子を含む子供から高齢者まで、若者を含む全ての世代の方々の交流の場並びに活動の場を目指しております。新たに開設するコミュニティふらっと高円寺南につきましては、コミュニティふらっと永福と同様に、ラウンジの一部や多目的室などを中高校生が優先的に無料で利用できる時間帯を設けるなど、中高校生の居場所事業を実施する予定でございます。 御指摘の若者の相談窓口設置や活動拠点につきましては、今後、区全体の子供と若者に関する計画の策定に向けた検討を進める中で、具体的な取組として考えるべき課題と承知しております。 私からは以上でございます。

19番小池めぐみ議員。 〔19番(小池めぐみ議員)登壇〕

御答弁ありがとうございました。若者支援の重要性について、区としても前向きに検討していただける、認識しているということで、本当に、まずは始めることが大事だと思いましたので、とてもよかったと思います。 私からは1問再質問させていただくのですが、まず、ヤングケアラーのところでは、やはり18歳までという児童福祉法の範囲での決まりというのは限界が来ているのじゃないかなというふうに思います。これは質問ではないんですけれども、なので、区長の答弁にもありましたが、その部署も含めて総合的に判断をしていくような課というのも必要ではないかなと改めて感じました。 質問は、コミュニティふらっと高円寺南についてなんですが、多世代の交流施設という形で、もちろん若者も含まれてはいるということですけれども、先月、コミュニティふらっと高円寺南については選定事業者、指定管理事業者が決まったところだと思います。報告は第4回定例会になるかと思いますが、事業者の業務要求水準書には利用者の要望等の反映という項目も入っていますし、地域住民や施設利用者等と区として、管理者が運営状況に関して意見交換をする場を設けるということになっているかと思います。ぜひ若者の居場所に関しても、新しくできる施設であることも含めて、地域特性も考えて、柔軟にチャレンジしていってほしいと考えますが、いかがですかという質問です。これは、高円寺南のゆうゆう館が閉まるかもしれないというときに、その会に参加したときに、そのゆうゆう館を使っていらっしゃる方たちが言っていたんですけれども、私たちは60代と80代で多世代交流していると言っていたんですね。ゆうゆう館は本当にありがたいことに2年間の存置ということが決まりましたけれども、やはりその施設を使っていらっしゃる方々が何をもって多世代交流とするのか、そして施設に何を求めているのかというのは、やっぱり利用者の声を聴いていってみないと、その地域地域にある特性だったり、利用する人たちの分布だったりによっても変わってくることだと思いますので、これからのことになるかとは思いますが、ぜひ高円寺南にできるコミュニティふらっと高円寺南に関しても、地域の方々の御意見、利用者、子供たち、若者たちの意見も含めて、ぜひ新たな施設としてのチャレンジを検討していただきたいと思います。よろしくお願いします。 以上です。

理事者の答弁を求めます。 区民生活部長。 〔区民生活部長(寺井茂樹)登壇〕
私からは、コミュニティふらっと高円寺南に関する再度の御質問にお答えをいたします。 御指摘のとおり、指定管理者のプロポーザルの募集、公募の際の業務要求水準書では、利用者の満足度調査の結果を踏まえてサービスの水準の向上を図ることですとか、それから地域住民や施設利用者との意見交換ができる場の設定、聴取した意見をサービスの提供につなげるということを求めてございます。新たな指定管理者と区が今後運営を話し合って取り組んでいく予定でございます。 若者につきましては、先ほど御答弁したとおり区全体の計画等の策定に向けた検討を進める中、検討を踏まえまして、それも見つつ、高円寺南につきましては利用者の御意見も伺ってまいりたいと考えてございます。 私からは以上でございます。

以上で小池めぐみ議員の一般質問を終わります。 20番酒井まさえ議員。 〔20番(酒井まさえ議員)登壇〕

酒井まさえです。日本共産党杉並区議団を代表して、1、介護について、2、放課後等デイサービスについて、3、都市計画道路補助133号線について質問します。 最初に、介護について質問します。 介護保険制度は始まって24年が経過しました。介護保険は、高齢者の介護を社会全体で支え合う介護の社会化として創設されましたが、介護報酬の連続削減、1割負担の利用料の2割、3割への引上げ、介護施設の食費、居住費の負担増、要支援1、2の訪問・通所介護の保険給付外し、要介護1、2の特養入所からの締め出しなどの改悪が行われ、必要な人が必要なサービスを受けられない事態も発生しています。さらに今深刻なのが、介護現場の人手不足です。ホームヘルパーの年齢構成は60歳代以上が4割を占め、80歳代のヘルパーが現場の重要な戦力となる一方、20歳代のヘルパーは全体の4%にすぎません。ケアマネジャーの資格試験の受験者は激減し、合格者は最高時の10分の1以下に減っています。こうした事態を引き起こした最大の要因は、介護従事者の過酷な労働環境と低い処遇です。介護職の平均給与は全産業平均より月8万円低いとされる状況が続いています。介護の根幹である人材不足を早急に解決しなければ、保険あって介護なしという深刻な事態に直面するのではないでしょうか。 区は、介護の人材不足が公的介護制度の存廃を脅かす大問題となっていることに対して、どのような問題意識を持っているのでしょうか、伺います。 介護分野での人材不足を解消するためには、介護従事者の処遇を改善することが急務だと思います。そうした意味で、岸本区長が本年2月の予算編成方針の説明や、議会質疑の答弁等で、ケアする人をケアする取組を表明していることは重要です。本年3月22日に更新された岸本区長のブログでも、保育士や介護職員の社会的な評価や認知が追いついていない一つの表れが賃金の低さと、エッセンシャルワーカーの処遇の低さを指摘しながら、施設等の介護職員の73%が女性であり、訪問看護職員の88.6%は女性ですと介護分野でのエッセンシャルワーカーの大半が女性職員であるという構造的問題にも言及し、共生社会を支えるのが介護などのケアワーカーであることから、ケアする人をケアするという視点を大切にしながら、介護サービス基盤の充実に取り組みますと表明しています。私も訪問看護師、ケアマネジャーとして在宅介護・看護の仕事に長年携わってきました。実際に見てきた中で、家族が介護で仕事を辞めざるを得ない家庭などもありました。現場を知る一人として、岸本区長が進めるケアする人をケアする取組の重要性を痛感しています。 改めて、岸本区長が進めるケアする人をケアする取組の意義と今後の展望について伺います。 高齢化が進む中、誰もが住み慣れた地域で安心して自分らしい暮らしができるようにするためには、地域包括支援センターケア24の役割は重要です。ケア24は、地域包括ケアシステムの中核となるもので、専門人材の確保、定着など体制強化が重要ですが、財政的に困難な状況もあります。そうした中、区は今年度ケア24に対し委託費の増額を行いました。あるケア24からは、ケア24への支援は非常に助かっています、毎年赤字が当たり前でしたが、その分がなくなって、利益は出ないが赤字にもならないことは大きいです、ケア労働に関わる医療介護領域である診療での人員換算があまりにも低い中で、杉並区からの今回の支援は職員にとって大きな励み、モチベーションアップになっています、職員は現場の業務の大変さとともに、患者、利用者としての地域住民の生活の大変さを杉並区が気にかけて手だてを取っていただいたことの、社会や政治に対して諦めないで関わり、現場の実情を伝える大切さを再確認できるきっかけにもなっています、本当にありがたいと思っていますと感謝の声が寄せられました。 ケア24の委託費の増額について、どのような効果が上がっていると考えますか。また、各ケア24からはどのような声が寄せられているのか、伺います。今後も、区としてケア24の職員の声を丁寧に聞き取り、状況に応じてさらなる支援を進めることを求めますが、認識を伺います。 杉並区内でも、介護人材不足が深刻になっている声を多く聞いています。特に、在宅の介護事業所は深刻な状況になっていることが寄せられています。介護現場で介護人材を確保するためには、低賃金という根本課題の解決が必須だと思います。杉並区では、研修費用の助成を行っており、一定の負担軽減は行っているものの、さらなる取組が求められると考えます。少なくない自治体で介護職員に対する様々な負担軽減策を実施し、実質的に職員の手取りを保障する取組が進められています。東京都でも、介護職員等の処遇改善のため、国が必要な見直しを講じるまでの間、介護職員や介護支援専門員に対して居住支援特別手当を支給する「介護保険サービス事業所を支援する介護職員・介護支援専門員居住支援特別手当事業」を実施しており、原則月額1万円、勤続5年目までの介護職員にはさらに1万円が加算されます。この取組を東京都の担当所管に確認したところ、この補助事業と自治体独自で行っている事業者や従事者への補助制度は、併用が可能とのことでした。杉並区としても、都の補助制度の活用を各事業者へ働きかけるとともに、他自治体が行う独自の支援制度を大いに参考にすべきです。 品川区では、慢性的に介護・福祉職員が不足している要因の一つに、給与等処遇の課題が挙げられる、居住支援手当を支給することで職員の定着を支援し、要介護高齢者、障害者へのサービス提供体制基盤の安定化につなげることを目的とするとして、品川区介護職員居住支援手当および品川区障害福祉職員居住支援手当に係る補助事業を創設し、今年8月から交付申請の受付を行っています。手当は従業員1人当たり月額1万円で、事業者が区に申請し、補助金を受け取り、従業員に手当を支払います。その際、事業者には手当分だけでなく、社会保険料雇用主負担額に相当する額として、手当支給額の15%も事業者への補助金として支出されており、従業員にとっても事業者にとってもメリットのある制度となっています。文京区でも実施しています。 区としても、介護人材の確保、定着を目的として、介護従事者に対する家賃助成事業や居住支援手当支給補助事業を実施することが必要と考えますが、区の見解はいかがですか。 家賃負担の軽減以外にも、介護従事者の負担軽減を実施している自治体があります。千代田区では、介護従事者の経済的負担を軽減することで離職を防ぎ、人材の確保を図ることを目的に、介護人材奨学金返済支援事業を実施し、区内介護施設及び事業所に勤務する介護従事者が奨学金を返済している場合に助成を行っています。文京区でも実施予定です。 区としても、介護従事者の奨学金返済に助成を行うことは重要と考えますが、見解を伺います。 江戸川区では、人材の定着を促進することを目的に、介護・福祉人材緊急確保・定着奨励金事業として、区内の同一介護・障害福祉サービス事業所で3年間就労を継続した常勤職員に対して、年額10万円の奨励金を交付しています。他自治体では、継続して勤務した職員に対する表彰や記念品の贈呈にとどまっているだけに、江戸川区の取組は一定の効果があるのではないでしょうか。 区としても、介護人材の定着に向け、こうした事業も念頭に様々な取組を検討すべきと考えますが、認識はいかがですか。 介護従事者の負担を軽減し、区内の事業所で長く従事してもらう意味では、事業者が行っている借り上げ宿舎に対する支援も効果的であると思います。23区調査では、半数近くの11区で実施しています。他自治体の多くが行うこうした支援事業について、杉並区でも実施することが求められると考えますが、認識はいかがですか。 大田区では、ハローワーク大森、大田区介護保険サービス団体連絡会と連携して、平成28年4月からハローワーク大森の会議室で定例的に介護保険事業者による就職相談・面接会を実施しています。年に9回行い、1回の参加事業者は6事業者としています。事業者にとって、区が行う就職相談・面接会は無料であり、人材確保にとっては絶好のチャンスです。区内の事業者からは、年に1回で参加できる事業者が少なく参加できない、会場が狭い、大きな事業者は人事の担当がいるので参加しやすいが、小さな事業者はそこに行くだけで大変という声が寄せられています。就職相談・面接会は希望する事業者が参加できるように、できるだけ広い会場で、回数も複数回にすることが必要なのではないでしょうか、区の見解を伺います。 介護の現場は人手不足で重労働、賃金も安いので若い人からも敬遠されがちですが、介護労働はその人の生活を支え、人が生きていく上でなくてはならない重要な仕事です。多くの方に担ってもらうためには、介護の魅力を伝えることが必要で、他自治体ではそのための支援を行っています。文京区では介護の魅力発見映画上映会を行い、令和2年は156人の参加で、令和4年はコロナ禍でも43人の参加でした。台東区はカイゴ職等就職フェア、大田区はおおた福祉フェス、世田谷区は福祉・介護のおしごとフェアなど、各区で行っています。介護の魅力を発信するイベントはとても大事なことだと思います。杉並区も検討を求めますが、いかがでしょうか。 豊島区は、中高生向けに理解を深める「マンガでわかる!介護のお仕事」パンフレットを作成し、配布しています。パンフレットには、介護サービス事業所で働く職員のインタビューも掲載しています。北区も中学生にリーフレットを配布、江戸川区は中学生向けの介護の魅力を伝える冊子作成と、実際に学校訪問も行っています。こうした取組は将来に向けて大切なことです。 杉並区も、小中高校生に対して介護の魅力を伝える取組の検討を求めますが、いかがでしょうか。 今月6日、東京商工リサーチは、今年1月から8月の全国の介護事業者の倒産が114事業者で過去最多を記録したと公表しました。事業種類別では、今年4月から介護報酬が2から3%引き下げられた訪問介護が55件と最多で、物価高によるコスト増の負担が重いデイサービスなど、通所・短期入所が35件、有料老人ホームが11件となっています。介護報酬の引下げが深刻な影響を及ぼしていることは明らかではないでしょうか。杉並区には、現在150の訪問介護事業所があります。事業者からは、介護基本報酬が下がってますます経営は厳しくなる、募集しても人は入ってこない、また訪問介護はとても不安定、利用者は高齢なので体調を崩して入院したり入所し収入減となる、報酬引下げでますます自転車操業になる、ヘルパーさんは高齢者が多くなり募集しても入ってこないなどの声が届いています。 区として事業者の実態を把握することは、事業者の支援のためにも重要と考えます。改めて事業者の実態調査を求めますが、区の見解を伺います。 次に、放課後等デイサービスについて質問します。 放課後等デイサービスは、小中学校、高校就学中の障害児に対して放課後や夏休み等の長期休業中に生活能力の向上のための訓練等を継続的に提供し、障害児の成長を支援するとともに、放課後等の居場所づくりを行う事業です。また、障害のある子供たちの放課後の居場所をつくることで、仕事をしている保護者への支援にもなっています。現在、区内の事業所は29か所となりました。児童や保護者のニーズを踏まえ、様々な内容の支援が行われております。この間、放課後等デイサービスは令和4年4月から9事業所増えました。私も増設を求めてきた一人として大変うれしく感じています。保護者から私の下にも喜びの声が寄せられていますが、区にはどのような声が寄せられているのでしょうか、伺います。 放課後等デイサービス事業所は順調に増加していますが、杉並区の人口規模から見た場合、23区と比較しても依然として事業所が少ない状況です。現在も多くの人が利用を希望していても、すぐには利用できない状況もあります。この実態に対する区の問題認識を伺います。 さらに、中学生以降の通所がまだ足りていません。区は、障害児の中学生以降の放課後の居場所について、組織横断的な検討を進め、対応策を検討するとしていますが、現在の進捗状況をお聞きします。 この間、放課後等デイサービス事業所の開設促進と運営支援に向けた補助が拡充されています。重症心身障害児を対象とした事業所への支援や、人員基準以上に職員を配置し、手厚い支援を行っている事業者への運営費補助が実施されています。開設促進と安定した事業継続に向けて重要な支援と認識しています。この間の補助による効果について、区の受け止めを確認するとともに、事業所からはどのような声が届いているのか、伺います。 ある放課後等デイサービス事業所の職員は、非常に助かっている、杉並区は特に事業所の賃借料が高いので助かっていますとのことでした。引き続き、杉並区の放課後等デイサービス事業所の開設促進、質の高いサービスの安定した提供に向けた運営支援を求めます。 次に、都市計画道路補助133号線について質問します。 岸本区長が就任してから、都市計画道路の優先整備路線がある西荻、高円寺、阿佐谷南地域で住民と区長の対話の場、「さとことブレスト」が開かれました。今年度、さらに住民が主体となり、道路やまちのことを継続して考え、区と協働する場として(仮称)デザイン会議が始まっています。西荻、高円寺は都から事業認可が下りていますが、成田東の補助133号線は事業認可されておらず、また、都施行の路線です。70年も前の計画道路が突如2016年に都の第4次優先整備路線となりました。既存の道路がない場所に中杉通りを延伸し、閑静な住宅街を突っ切って100軒以上もの住宅を立ち退かせて造る道路計画に、多くの住民が不安を抱いています。2018年にできた地域住民の会は、これまでも区に対し何度も道路計画に関する反対の要望を提出してきました。岸本区長就任後、区長を交えての地域での現地歩きや懇談などが実現し、住民との対話の場がつくられてきたことに喜びと感謝の声が届いています。 しかし、2026年度の都の第5次優先整備路線の選定に向けて、どのような経過を経て選定されるか、事業化されるのではないかと不安の声も高まっています。近く補助133号線地域でも(仮称)デザイン会議を行うこととなっています。特に事業認可されていないこの路線ではどのような目的を持って住民主体の協議体をつくっていこうと考えているのか、区の見解を伺います。 133号線の地域住民からは、(仮称)デザイン会議で取り上げるテーマ、学識経験者などを招く場合は、区が一方的に決めるのではなく、住民が主体となって運営を行いたいという要望が出ています。運営の工夫を要望します。 東京都は、都議会にかけることなく、3月29日付で建設局土地収用制度適用基準の運用を大きく変更しました。従来の円満解決を原則とするという文言を削除し、事業の早期完成のため、緊急を要する場合や事業効果の早期発現に支障がある場合には、建設局土地収用制度適用基準に基づき、土地収用法に定める手続を進めるとしています。この変更に対して住民からは心配の声が寄せられています。都からは、どのような報告がありましたか。この件に関する区の認識を伺います。 第5次優先整備路線の選定に伴う区民の意見について、今の暮らしと環境を守りたいと、これまでも住民は要望を出したり、積極的に対話の場に参加してきました。今後の(仮称)デザイン会議で住民から出る意見はしっかり都に届けていただきたいと思います。 区の認識を伺い、質問を終わります。ありがとうございました。

理事者の答弁は休憩後とし、ここで午後1時5分まで休憩いたします。 午後0時05分休憩 午後1時05分開議

休憩前に引き続き会議を開きます。 酒井まさえ議員の一般質問に対する理事者の答弁を求めます。 区長。 〔区長(岸本聡子)登壇〕
私からは、酒井まさえ議員の一般質問のうち、ケアする人をケアする取組の意義等について御答弁いたします。 私は、令和6年度予算の編成方針とその概要において、ケアする人をケアする視点を大切にしながら介護サービス基盤の充実に取り組む考えをお示ししました。それは、端的に申し上げて、健康や経済状態、負担感や孤立感などの不安、悩みを抱えがちなケアする人を適切に支援することで、よりよいケアが行われることにつながると考えるからです。令和6年度予算では、こうした認識に立ってケア24の運営委託費の拡充及び主任ケアマネジャー等の法定研修受講料助成を開始するための経費を計上しましたが、ケアの担い手は高齢者や障害者、子供家庭などの各分野に関係しておりますので、今後も適時適切に、これらのケアする人をケアするための取組を充実させてまいりたいと存じます。 関連して、酒井議員からは、介護人材不足に対する区の問題認識についての御質問がありましたが、これまでも御答弁しているとおり、区としましても、必要な介護人材の確保、定着化を図ることは大変重要と考えておりますので、引き続き、国や東京都との役割分担を考慮しつつ、基礎自治体として区内介護施設・事業所の実情に応じた支援に努めてまいります。 私からは以上です。残りの御質問は、関係部長より御答弁いたします。

高齢者担当部長。 〔高齢者担当部長(徳嵩淳一)登壇〕
私から、介護に関する残りの御質問にお答えします。 初めに、令和6年度予算でケア24の運営委託費を増額した効果等についてのお尋ねですが、20所のケア24のうち、10所で合計16人の人員増が図られたほか、9所では訪問用自転車などの人員増に伴う備品購入に充てられていることを確認しております。今後も、ケア24センター長会や各運営法人との意見交換を定期的に行い、人員体制や運営の必要な改善、見直しにつなげてまいりたいと存じます。 次に、介護従事者に対する家賃補助事業や居住支援手当支給事業、奨学金返済補助、事業者による借り上げ宿舎支援についてのお尋ねがございました。御指摘の品川区や千代田区などの実施状況は今後研究をしてまいりますが、これらに類する事業は現在東京都が実施しておりますので、現時点で直ちに区として実施することは考えてございません。 次に、江戸川区のように介護福祉人材緊急確保・定着奨励金事業の実施を検討すべきとのお尋ねですが、国や東京都との役割分担の下、区として介護人材不足にどう対応していくかは重要なテーマと考えておりますので、令和7年度当初予算編成において、様々な角度から必要な取組を検討してまいりたいと存じます。 次に、区内事業者の声を踏まえて介護の就職面接会を実施すべきとの御質問がありましたが、御指摘の大田区の事例なども参考に、改めて区内事業者の意見を聞きながら、令和7年度に向けて必要な改善、見直しを図ってまいりたいと、このように考えております。 次に、介護の魅力を発信するイベントにつきまして、当区では、毎年11月のいい介護の日に合わせて、区役所ロビーでのパネル展示などを行っております。議員からお話のあった他区の取組も参考に、今後、より充実したものにするよう努めてまいります。 また、小中高校生向けに介護の魅力を伝える取組につきましても、今後、教育委員会等と意見交換してまいりたいと存じます。 次に、介護事業者の実態調査につきまして、区では次期介護保険事業計画策定の基礎資料とするため、令和7年度に実施する予定としておりますので、この中でしっかり対応してまいりたいと存じます。 以上です。

保健福祉部長。 〔保健福祉部長(井上純良)登壇〕
私からは、放課後等デイサービスをはじめとした障害児の放課後の居場所に関する一連の御質問にお答えいたします。 放課後等デイサービス事業所につきましては、令和6年度から実施している区独自の補助により、今年度は7所の開設を予定するなど、区内事業所の増加は今後も期待できるものと考えてございます。こうした状況につきまして、利用者からは、使いたい日にサービスが使えるようになった、スポットでの利用ができることが増えたなど、利便性の向上について評価する声をいただいております。また、事業者からは、より安定した運営が可能となるなど、区独自の補助を評価する声をいただいております。 一方で、学童クラブ並みの預かり時間への対応や、中学生以降でも利用できる施設の増加などについて、利用者から引き続きの御要望があることも認識しており、今後はこうした課題の解決に努めていく必要があるものと考えております。 障害児の中学生以降の放課後の居場所につきましては、現在、令和8年度の事業実施に向け、子ども家庭部、教育委員会とともに、済美養護学校のPTA役員からのヒアリングなども行いながら検討を進めており、放課後等デイサービスとの車の両輪となるよう制度設計に取り組んでまいります。 私からは以上でございます。

まちづくり担当部長。 〔まちづくり担当部長(吉見 紗)登壇〕
私からは、(仮称)デザイン会議をどのような場にしていくかに関する御質問にお答えいたします。 東京都施行の都市計画道路補助133号線に対しては、利便性向上を期待する声がある一方で、不安の声もいただいております。当該地域における(仮称)デザイン会議については、まずはこうした声を受け止め、参加者の御意見を伺いながら、必要な情報の提供や有識者を招いた勉強会の開催などを行うことにより、道路の整備やまちづくりについて、区民とともに学び、考える場としてまいりたいと考えております。 私からは以上です。

土木担当部長。 〔土木担当部長(土肥野幸利)登壇〕
私からは、都市計画道路補助133号線に関する御質問にお答えをいたします。 まず、東京都の土地収用制度についてのお尋ねですが、適用基準の改定に関して都から区への報告は特にありません。都市計画道路事業では、都市計画法の認可を受けると土地収用法に規定する事業の認可を受けたものとみなされ収用権が付与されます。しかし、すぐに収用権を発動するわけではなく、まずは関係する権利者の皆様の生活再建に十分な配慮をしつつ、任意での契約合意に向けた取組に努めていくのは、都も他の自治体も同様です。御指摘の土地収用制度適用基準の運用の改正について、都議会の議事録を見る限りでは、都の組織改正に伴う規定整備等のほか、関係権利者の生活再建に十分な配慮をしつつ、契約合意に向けた取組を尽くすことなどを具体的に示したものと区では認識をしております。 次に、次期事業化計画に関するお尋ねですが、補助133号線は施行者である東京都が検討し、最終的にパブリックコメントによる住民意見も踏まえつつ、重要性、緊急性を配慮して選定されていくものと考えておりますが、(仮称)デザイン会議において出された住民意見のうち、都事業に関わることについては、しっかりと都へ伝え共有をしてまいります。 私からは以上です。

以上で酒井まさえ議員の一般質問を終わります。 14番山名かなこ議員。 〔14番(山名かなこ議員)登壇〕

れいわを耕すの山名かなこです。質問通告に従い、杉並区における包括的性教育と生命(いのち)の安全教育について質問します。 まず、包括的性教育に関する質問は、これまで折に触れて行ってきました。2023年第2回定例会では、発達段階に応じた子供から大人に向けたジェンダー教育、人権教育、包括的性教育を実施することに対する区の認識や、学校教育及び大人に向けた啓発の機会において、区としてどのように、どういった教育の機会を提供していきたいかという質問に対し、以下のように答弁をいただきました。引用します。「性に関する指導についても、正しい知識を身につけ、適切な意思決定や行動選択ができるようにするためには大切なことであると、教育委員会として認識しております。今後も学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階に応じてしっかりと取り組んでまいります」との答弁でした。性に関して正しい知識を身につけ、適切な意思決定や行動選択ができるようになることは大切なことであるという区の認識が明示されたことは大変よかったと思っています。 一方で、現行の学習指導要領では不十分ではないかという認識の下、2024年第1回定例会では中絶に関する話の中で、現在の学習指導要領では、このような望まない妊娠を減らすための避妊の具体的な方法や種類、メリット、デメリットなどの性教育は不十分であることをお伝えし、学習指導要領に不足があるのであれば、それを補うために区としての施策をどのようにつくっていくべきと思うかという前提の上で、区としてどういった教育をしていくのか質問をしました。それに対する区の返答は、学習指導要領に基づいた性に関する指導に加えて、児童生徒を取り巻く環境の変化等を踏まえた指導の必要性は感じているとのことでした。一方で、多様な価値観が混在する中での指導については、児童生徒や保護者への事前の説明も含め、課題が様々あると認識しているとした上で、今後の性に関する指導の在り方については、様々な情報を集めながら研究していくとの答弁をいただきました。 現状の性教育に関する課題を認識した上で研究をしていくということでしたので、文科省による生命(いのち)の安全教育が性暴力、性犯罪対策という目的で始まっている中、包括的性教育に関する取組についての杉並区としての現在地、そして、どういう方針を柱にして今後進めていくとお考えなのかをお聞きしていきたいと思います。 まず、日本における性教育の位置づけ、そして現状の義務教育における性教育の問題点、生命(いのち)の安全教育における改善点や足りていない点についてお話ししたいと思います。 まず、戦後の性教育は、GHQや日本政府によって正しい異性愛の模索としての純潔教育がなされてきました。戦後の混乱の中、売春婦の増加や性感染症患者が急激に増えたことから風紀対策の一環として始まりました。その後、1990年代のエイズパニックによってHIVについての無理解による差別や偏見が深刻化したことにより、1999年に文科省によって作成された「学校における性教育の考え方、進め方」においては、思春期の若者のリプロダクティブ・ヘルス、つまり性の自己決定権のことの問題などへの取組が必要というふうに明記されました。さらに、2000年の第1次男女共同参画基本計画にも、リプロダクティブ・ヘルス/ライツが盛り込まれています。しかし、2000年代以降のジェンダーフリーバッシングやバックラッシュ、つまり改善策を施行した際の反動のことですが、これにより、厚生労働省の副教材としての中学生向け性教育冊子、「思春期のためのラブ&ボディBOOK」が回収に追い込まれています。ここから始まった性教育に関するバックラッシュがいまだに根強く残っており、2021年の文部科学省が公開した性犯罪・性暴力対策のためのモデル教材及び教員向け指導の手引にも性教育という言葉は使われず、生命(いのち)の安全教育という名称になっています。その内容を見てみると、リプロダクティブ・ヘルスの観点を含む自分の体や相手の体の大切さを教育しながら、子供たちを性暴力・性犯罪の当事者にしないための教育が盛り込まれています。つまり、実質的な内容は性教育であることは間違いないにもかかわらず、性教育という言葉を避けていることからも、バックラッシュの名残を感じます。 とはいえ、こちらの生命(いのち)の安全教育は、DVが身体的なものだけではなく、精神的・経済的・性暴力も含まれるということや、全く知らない人から性暴力を受けるということが被害全体の12%であり、実は面識のある人から被害を受けることがほとんどであるというような情報も盛り込まれており、従来の学習指導要領に基づく性教育よりは、子供たちが発達段階に応じて自分自身の体を守るために必要な内容が盛り込まれています。特に、性犯罪・性暴力対策に踏み込んでおり、被害者を責めるこれまでのレイプ神話、つまり性暴力における間違った理解のことですが、これを解体している点は非常に重要だと思います。指導の手引の目的においてもこのように明記されています。「性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないようにするために、命の尊さを学び、性暴力の根底にある誤った認識や行動、また、性暴力が及ぼす影響などを正しく理解した上で、生命を大切にする考えや、自分や相手、一人一人を尊重する態度等を、発達段階に応じて身に付ける」と書かれています。 このように、幼少期から高校生に至るまで、発達段階に応じて自分と相手の体の大切さをビデオ教材なども使用しながら考える構成になっています。この生命(いのち)の安全教育に関して、杉並区における実施状況や課題、また、不足している事項に関してどのように補填していくのかについてお聞きしていきたいと思います。 まず、こちらの生命(いのち)の安全教育ですが、杉並区における幼児期、小学生、中学生への実施状況はいかがでしょうか。令和5年度から区立学校では生命(いのち)の安全教育を実施しているとのことですが、子供たちの反応や担当している教員が感じている課題などがあればお聞きしたいと思います。 指導の手引を読んでいても非常に難しそうだなというふうに感じるのは、実際に性犯罪や性暴力に遭ったことのある、もしくは遭ったかもしれないと感じている児童生徒への対応です。被害開示を児童生徒がした場合ということは手引にも明記されており、児童生徒が安心して話せる場所で、最初の段階では誰に何をされたかを聞き取り、最後に話してくれてありがとうと伝えるや、被害開示を受けた教職員が怒りや動揺を見せないようにするや、詳細については無理に聞き過ぎず必要に応じて専門機関と連携して対応する、また、家族や学校の他教員、専門機関にどこまで情報共有してよいかについて本人に同意を取るなど、二次被害を起こさずに被害者を守るための方法なども明記されています。しかし、こういった被害開示の第1段階に立ち会うのは非常に経験や知識を求められることでもあり、手引を読んだからといって、適切な対応を全ての教員がすぐに取ることは難易度が高いのではないかと感じます。 こういった被害開示が起こった場合を想定して、学校としてはどのような対策を取っているのか。被害開示をされた際に、もし問題が起こってしまった際の責任の所在、また、実際に被害開示で問題があった際に、児童生徒が担当教員以外に頼れるような個別の相談場所があるのかどうかについてお聞きします。 これまで日本社会においてレイプ神話と呼ばれる被害者が責められる言説が日常的に存在していました。どうしてそんな時間に1人で歩いていたんだや、そんな格好をしていたからじゃないのといった責任を被害者に帰結される言説を問い直すことを公教育で伝えること、そして、教員がそういった被害に寄り添ってサポートをしていくことはとても大切なことだと思います。手引だけではなく、スクールカウンセラーや専門家などと連携しながら、教員だけが負担を感じるのではないサポート体制の構築が必要だと思いますが、現状をお伺いします。 この生命(いのち)の安全教育は、これまでの義務教育における性教育よりは一歩進んだものであることは間違いないと思う一方で、まだまだ包括的性教育においては見過ごされている部分もあるように思います。例えば、教材の多くに使用されているイラストのほとんどが、服装や髪型によって男性、女性を描き分けていることが分かります。さらに、ほとんどの場合、男女ペアで暴力場面を描くことによって、非異性愛者やトランスジェンダー当事者の存在を想定しない描写にしているため、当事者である子供たちが疎外感を覚えたり、共感しにくかったりするという問題点があります。中学校、高校の教材においては、性別にかかわらず被害に遭いますとの記述があり、男性の性犯罪被害が軽視されがちな問題に寄り添っていることも分かりますので、このように、想定される被害を女性だけではないと明記していくのであれば、性的マイノリティーへの被害も想定し、ジェンダーレスなイラストを使用することも可能であったのではないかと思いますが、性的マイノリティーの被害に寄り添うような記載はなされていません。こういった点では、異性愛者だけではなく、非異性愛者やトランスジェンダーの児童生徒に対して、性暴力、性被害に遭う可能性があることや、そのことについて決して被害者が責められるべきではないこと、性被害におけるインターセクショナルな視点、つまり、シスジェンダー女性の視点だけではなく、男性や性的マイノリティー、障害者、日本語が分からない人々が被害に遭った場合なども含めた性犯罪に取り組むための視点を追記して指導していくことが大切なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 特に、前回の第2回定例会でも取り上げたとおり、性的マイノリティー当事者がDVや性暴力の問題を専門機関などに相談する場合、心理的安全性が確保されにくく、相談をためらうことがあります。学校教育と連携しながら、区政においてもより異性愛が当たり前としてつくられている社会から見過ごされている人々の支援を充実させていく必要があると思います。 学校教育において生命(いのち)の安全教育が新たにスタートしているこのタイミングは、チャンスなのではないかと思います。例えば、大人向けにも性暴力や性犯罪を防止し、性的マイノリティーを含むあらゆる被害を目撃したときや相談されたとき、実際に自分が被害に遭ったときにどのように行動できるかなど、包括的な講座を実施していくことなどは大切な取組ではないかと思います。性暴力や性犯罪に関するインターセクショナルな視点を大人向けの講座にも拡大していくことで、より幅広い啓発が可能になると思いますが、いかがでしょうか。 次に、痴漢被害に関する教育についてお聞きします。 若年層にとって最も身近な性被害としてあるのが痴漢被害であるにもかかわらず、生命(いのち)の安全教育において指導の手引を見る限りでは、痴漢の問題に大きく触れられていないという課題があります。2023年の東京都による痴漢被害実態把握調査結果によると、約30%の人が痴漢被害に遭ったことがあり、最初に被害に遭った時期は小学校から大学までの時期という回答が約76%でした。つまり、若年層が多く被害に遭っているというのが痴漢という性犯罪です。にもかかわらず、生命(いのち)の安全教育においては、指導の手引において、電車通学の生徒が多いなど各学校の実態に応じて痴漢被害について言及してもよいとしか記載されておらず、指導用のパワーポイントなどにも痴漢に関する記載はほとんどありません。 杉並区の学校教育においては、痴漢被害に関することは、性教育及び生命(いのち)の安全教育に含まれていますでしょうか。特に、小中学校などにおいては、まだ公共交通機関を利用する児童生徒の数は少ないのかもしれませんが、痴漢は公共交通機関だけで発生するわけでもありません。夜道や日常において急に体に触られるなどの性被害は、残念ながら起こり得ます。そういった被害に遭ったときに、自分を責めずに相談できたり必要な支援につながれるような教育や、被害者だけではなく、そういった場面を目撃したときに第三者としてどのように行動ができるかといったことを周知しておくことは、全ての児童生徒にとって大切なことだと思います。 どのくらいの区立学校において、痴漢を想定した被害者、加害者、第三者に対する教育を盛り込んでいるのかお聞きします。 さらに、中学生以上になってくると、性暴力、性被害の問題だけではなく、より幅広い性に関する知識が必要になってきます。妊娠、出産、中絶、性感染症予防など実践的な性との関わりが広がる可能性のある年齢の中高生に対して、生命(いのち)の安全教育だけではカバーし切れない部分があるのではないかと思います。例えば、2024年の第1回定例会でも取り上げましたが、中絶の話においても、いかに望まない妊娠をしないようにできるか、どういった避妊の選択肢があるのか、どのように自分の体を守れるのか、中絶をする必要があった場合に情報や選択肢にアクセスできるのか、金銭的な問題はどうすればいいのか、中絶がタブー視される社会において、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスの考え方がいかに重要なのかといったことは、義務教育における性教育でも生命(いのち)の安全教育でも、これまでのところ教育されてきませんでした。そもそも生殖の仕組みを正規の教育課程で取り上げないまま防止教育を行うということに関しては非常に矛盾を感じるところではありますが、こういった幅広いリプロダクティブ・ヘルスの考え方に関しては、まだまだ公教育で足りていないところです。 前回の中絶の話の際に、学校における包括的性教育に関して、課題はあるが研究していきたいとのお答えをいただいていたところですので、現状、どのような課題があり、どういった研究を進めているのかを伺います。 今回、性教育に関する質問に特化してお聞きしましたが、日本社会において性差別をなくしていくための大きな課題は、性の自己決定権ではないかと私は考えています。自分の性や体のことは自分で決める、これは他人や家族や国家や社会が決めることではないという、ごくシンプルで当たり前に守られるべき人権です。しかしながら、これまで近代国家や家父長的な社会では、性の自己決定権をコントロール下に置くことが続けられてきましたし、今現在でもなされています。日本の少子化政策は、国家による女性の体への介入ですし、ピルや中絶といった医療や医薬品へのアクセスがしにくいこと、経口中絶薬やモーニングアフターピルの解禁の遅さもその一部です。そういった社会の中で、全ての人々が自分の性や体に対する自己決定権を持っていく上で、杉並区としてできることを実施していくことは非常に大切なことだと考えます。 最後に、区としてセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点をどのように今後区政に取り入れながら、全ての人の性の自己決定権をサポートしていくのかお聞きして、質問を終えたいと思います。

理事者の答弁を求めます。 区民生活部長。 〔区民生活部長(寺井茂樹)登壇〕
所管事項についてお答えいたします。 初めに、性暴力や性犯罪に関する大人向けの講座に関する御質問にお答えいたします。 区では、犯罪の被害に遭われた方や、その御家族等に対し、相談や情報提供などの総合的な支援を行うとともに、犯罪被害に遭わないための、女性を対象とした啓発講座などを行っています。御指摘のように、性暴力、性犯罪は、年齢、性別にかかわらず誰にでも起こり得るものであり、自分や身近な方が被害者や目撃者になる可能性がありますので、今後、犯罪被害防止講座を行うに当たっては、女性に限らず様々な方が参加できる企画を考えてまいります。 私からの最後です。いわゆる性の自己決定権に関する御質問にお答えいたします。 区では、区内中学校・高校で、生徒たちが交際相手からの暴力の加害者にも被害者にもならないためのデートDV防止出前講座を例年4回程度開催しています。講座では、議員御指摘のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点にも含まれる、性に関することは自分自身で決める権利を持っていることなどを分かりやすく伝えています。今後も引き続きこうした若年層への講座や、大人も含めたDV防止の啓発活動を行ってまいりますが、リプロダクティブ・ヘルス/ライツにつきましては、保健所や教育委員会事務局など、関係部署と連携しながら、全庁的な議論を進めていく必要があると認識しております。 私からは以上でございます。

教育政策担当部長。 〔教育政策担当部長(松尾 了)登壇〕
私からは、生命(いのち)の安全教育についての御質問にお答えします。 生命(いのち)の安全教育は、全ての子供園、小中学校で実施しております。今年度は、1学期中に全ての子供園と約9割の学校が実施しており、残りの学校についても2学期以降実施する計画となっております。 各園、学校の子供たちの反応としては、真剣に話を聞き、自分の体もほかの人の体も大事だと思った、嫌なことがあったら信頼できる大人に相談しようと思ったなどの感想があり、改めて相手や自分を尊重することの大切さを感じておりました。教員の声としては、特に幼児期や低学年の児童については、備わっている知識が少ないため、指導の難しさを感じているということがございます。 次に、被害の相談に関する一連の御質問にお答えします。 学校は、性被害の場合に限らず、児童生徒から相談を受けた場合は、校長の責任の下、校内委員会を開き、養護教諭やスクールカウンセラーを中心として組織的に対応し、必要に応じ関係機関と連携しております。なお、緊急性が高い場合には、学校の管理職と教育委員会が連携して対応しています。個別の相談については、校内のスクールカウンセラーが窓口となるほか、学校外の相談先については、1人1台タブレットの端末の中で相談できる連絡先を案内しております。サポート体制としては、管理職や教員の過重な負担とならないよう、教育委員会から指導主事や心理士等を派遣して支援する体制を取っております。 次に、児童生徒の人種、性別、性的指向や性自認による差別のない指導についてお答えします。 学校においては、性暴力や性被害も含め、自身の人権を侵害されたときには、自分を責めず周囲に助けを求めるなど、自分を大切にすることを指導しています。今後も、人権尊重の観点から、全ての児童生徒の人格を尊重し、それぞれが持つ個性を伸長するとともに、一人一人がかけがえのない存在であり、お互いに尊重し合って生活することを学校教育全体を通して指導してまいります。 次に、痴漢を想定した安全教育についてお答えします。 性教育及び生命(いのち)の安全教育の中に、痴漢被害に関することについては明確に含まれてはいませんが、学校によっては、安全教育の一つとして全校実施しているセーフティ教室等の中で、警察署の協力を得て、不審者を想定した対応の仕方を扱うことがあります。なお、性犯罪である痴漢被害につきましては、目撃した場合も含め、警察に相談するよう教育委員会から学校を通じ、保護者や子供たちに伝えております。 私からの最後に、学校における包括的性教育に関する御質問にお答えします。 包括的性教育を進めるに当たっては、児童生徒の発達段階や受容能力を十分に把握すること、保護者や地域の理解を十分に得ることが課題となっています。そのため、先行事例等を参考に研究を進めておりますが、日本の小中学校における包括的性教育の実施例が少ないことがあります。今後も、国や東京都の動向を注視しながら、児童生徒の発達段階に応じ、適切に進めていけるよう研究を続けてまいります。 私からは以上です。

14番山名かなこ議員。 〔14番(山名かなこ議員)登壇〕

御答弁ありがとうございました。1点だけ再質問させていただきたいと思います。 包括的性教育における生命(いのち)の安全教育におけるインターセクショナルな視点をどのように指導していくかという質問をさせていただいたところ、全般的に差別のない指導を実施しておりますという御回答をいただいたんですけれども、ちょっとごめんなさい、私の質問の意図と違う、うまく伝えられなかったような気がしますのでもう一度お聞きしたいと思います。 例えば、学校教育、性教育の中で、男女しか存在しないというような教え方をしていると、性的マイノリティーの子供たちはそこに共感したり自分事として捉えるということがなかなかしにくいと思うんですよね。そういったところに対して、こういうこともあるよねという想定の下で教育をしていくことによって、ああ、自分たちの問題なんだというふうに感じることができると、そういう意図でのインターセクショナルな視点という質問でした。ですので、そういったところの考え方をもう少しお伺いしたいと思います。

理事者の答弁を求めます。 教育政策担当部長。 〔教育政策担当部長(松尾 了)登壇〕
先ほどの御質問にお答えします。 具体的に、確かに性の、要するに2つの性というような考え方のところは、補充はできているのではないかとお話をいただきましたが、様々な考え方、そして様々な多様性があるということについては学校教育の中で指導しております。そういったところも踏まえまして、全ての人が自分のいわゆる体を大切にする、人の体も大切にするというような指導を継続して行っております。また、このインターセクショナルの部分については、先ほども御答弁をさせていただきましたとおり、包括的性教育の部分についての研究、こういった事例が少ないこともありまして、今後もさらに研究を進めていきながら、どのように学校教育で行っていくのかというところについて、また研究を進めてまいりたいと考えております。

以上で山名かなこ議員の一般質問を終わります。 4番ブランシャー明日香議員。 〔4番(ブランシャー明日香議員)登壇〕

緑の党グリーンズジャパンのブランシャー明日香です。通告に従い、街路樹から都市の緑を考える、気候区民会議の振り返りとこれからについて質問します。 まず、街路樹について。 街路樹とは、公共用地に植栽された樹木で、私たちの公共財産です。近年、まちは寂しい街路樹だらけです。街路樹は、落ち葉の元凶、標識や看板を隠す障害物、倒木や枝が落ちてくる危険な存在、根上がりして歩道を破損させるなど、維持管理のためのコストがかかる厄介な存在と見られているのではないでしょうか。国交省が定義するとおり、街路樹は道路附属物として扱われ、現場担当者は苦情の矢面に立ち対応することのみが仕事となり、本来の街路樹の機能について考える余裕はありません。街路樹剪定士資格テキストに使われている街路樹剪定ハンドブックでは、街路樹剪定の目的として、コンパクトにまとめるが第1に挙げられています。この1年あまり、千葉大学名誉教授環境植栽学の藤井英二郎先生の街路樹に対する研究を学んできました。今日は、主に藤井先生の著書や講座で学んだこと、ほかの自治体や海外の事例を見て学んだことを通して、杉並区の街路樹から都市の緑を考え直したいという観点から質問します。 1970年代以降、日本では街路樹が小さく切り詰められるようになってきました。近年、樹木が危険木かどうかを判断する街路樹診断が多くの都市で行われていますが、これには強い抑制剪定と不十分な植栽基盤の問題、さらに、街路樹付近で掘削工事が頻繁に行われているという事情が関わっています。杉並区でも数年に1度、街路樹診断業務委託を実施しており、診断結果に基づき、伐採や強剪定――強い剪定を行い、歩行者等の安全確保や樹木の適正管理に努めていると伺っています。 7月に仙台市に行政視察に行ってまいりました。百年の杜の都を誇るだけあって、仙台市の中心地の街路樹は質・量ともに圧巻でした。まさに緑に包まれるようにまちが成り立っており、緑の景観は仙台市民の誇りであることがよく分かりました。仙台市は政令都市であり、杉並は特別区ということで、制度も事情も違います。しかし、大田区田園調布では、地域コミュニティーレベルで良好な街路樹を守り育てていますし、江戸川区では行政がイニシアチブを発揮し、受託者と区の担当者が参加する見本剪定講習会の取組もあるなど、積極的に街路樹保護に取り組んでいる都内の自治体もあります。 フランスのパリでは、2020年以降、6万3,500本以上の木が植樹されました。ヒートアイランド現象、排気ガス、交通渋滞を解消し、気候危機に適応し、ウエルビーイングを高め、健康増進とストレス軽減に資する目的です。オリンピックを一つの到達点にして、2022年11月からの半年間では、パリ市全域で合計で2万5,168本の木が新たに植樹されました。最近では、フランスの地方都市でも、いかにまちの中心部に緑を増やすかを競っているかのように、まちの緑化工事が進められています。かつて車道やロータリー、駐車場だったところが、植栽地や公園や広場に変わっていっているのです。 さて、杉並区にも中杉通りのケヤキ並木をはじめ、美しい街路樹はあります。しかし、例えばイチョウやプラタナスの街路樹を見ると、随分寂しい印象です。道沿いに幹や太枝にこぶがあって、そこから細い枝がひょろひょろ出たり、幹本から枝がほうきのように出ているのを見たことがありませんか。こぶは、同じ箇所で剪定が繰り返されてきた証拠で、たくさんの細枝が出ているのは、上部の枝が強く剪定されて枝葉が足りなくなり、急いで枝葉を補おうとする木の反応です。杉並を含む東京のあちこちでは、不要な剪定による切り詰めが見られ、街路樹は大きなダメージを受け、縮こまった形をしています。青梅街道のイチョウなどは、一番木陰が必要な今の時期にほっそりと切り詰められて、直射日光を遮ってくれる木陰は少ししかありません。強い剪定はしばしば委託業者が採算割れを起こさないよう剪定を短時間で済ませていることや、分業により街路樹と町並みの景観全体を管理する担当者がいないことや、適切な剪定技術が受け継がれていないことによる現象です。 さて、街路樹にはどれぐらいの税金が使われているのか。樹種や大きさによって異なると思いますが、例えば4メートルの樹高を持つイチョウだと1本1万5,000円ぐらいだそうです。工事費や剪定費用もかかるので、1本の街路樹に使われる税金は少なくありません。コスト面から考えても、街路樹は成長する社会資本ですので、それを役立たせ、守り育てることを基本にした計画を立てなければなりません。 質問します。杉並区の街路樹維持管理予算は年間約どれぐらいでしょうか。 杉並区の街路樹の剪定は、国道、都道、区道によって管轄が違い、例えば、都道は東京都建設局第三建設事務所が、都の街路樹管理基準に沿って計画、施工、維持管理、更新をしています。仙台市には、街路樹に対する理念と技術を引き継いでいくための街路樹マニュアルがあります。杉並区には、街路樹マニュアルのような維持管理に関するマニュアルはないと伺いましたが、街路樹に関する計画、施工、維持管理、更新は何を基準にしているのでしょうか。樹種はどのように決めているのでしょうか。 仙台市の街路樹マニュアル概要は市のホームページで一般公開されており、設計や維持管理等の業務委託、植栽工事による仕様書としても使用されています。これまで杉並区のホームページや区の広報などで、街路樹について情報を公開または特集などで紹介したことはありますか。仙台市では、市民の街路樹に対する意識を知り、高めるために、みどりの市民意識調査の中で、街路樹に特化したアンケート調査を行っています。例えば、ケヤキの植え替え時期について、都市部住宅地の街路樹の量や質について、街路樹に期待する効果について、高木の管理についてなどです。杉並区でも一度、こういった意識調査を行ってはどうでしょうか。 区では、グリーンインフラを活用していくとしていますが、今後、街路樹や植栽を対象にした具体的なグリーンインフラの取組の予定はありますか。街路樹との関わり方は、自治体によって大分違うようです。愛知県豊橋市は自然樹形仕立て、山口県宇部市は自然成長仕立てなどあり、植栽基盤――これは樹木の育つ土の質や量ですが――をしっかりと作り、苗木を大きく育てていく方針もあります。仙台市もしかりです。杉並区では、都道、国道の維持管理は区の管轄ではないものの、実際その道路を使っているほとんどは私たち杉並区民です。東京都、国にお任せでいいのでしょうか。区の方針や区民の声を、管理責任者に届ける仕組みはあるのでしょうか。 仙台市の定禅寺通り沿いの住民たちが参加する定禅寺通街づくり協議会という会では、住民が街路樹について話し合い、親しみ、知識を深める機会をつくっています。例えば、昨年11月にはケヤキの根っこ観察会を開いています。杉並の気候区民会議でも、公共の緑の整備をきっかけとしたコミュニティーや活動の場を創出するという意見提案がありました。これからは、これまで以上に様々な意見を持つ地域住民との合意形成を図ることが重要なのではないでしょうか。杉並には、地域コミュニティーが街路樹に親しんだり、樹木について知り、落ち葉掃きなどに参加したりするような機会はあるのでしょうか。あるとしたら、どのような活動内容ですか。 さて、人命と緑、どちらが大切かという質問を受けたことがあります。9月に入っても炎天下の道路脇で、僅かな日陰に避難して信号待ちをする人をたくさん見かけます。環境省によると、猛暑日のアスファルトの地表温度は60度を超えることもあるそうです。観測史上最も暑くなったこの夏、消防庁によると、5月から8月末までの熱中症による救急搬送は東京で7,366人、東京は平年より平均気温が2.3度上昇したと記録されています。9月6日の気象庁の発表によると、今後もさらに1か月程度は最高気温が30度以上の真夏日となる日が多いそうです。 今や多くの方々が、気候変動が命を脅かす時代が到来したことを実感されているのではないでしょうか。言うまでもなく、通行時の厳しい暑さは、特に乳幼児、子供たちや車椅子の方々や高齢者にとって深刻です。医学雑誌「ランセット」では、都市30%を樹木で覆った場合、平均気温が0.4度下がり、死者の数が4割近く減る可能性があることを発表しています。自然災害で起きる倒木は、できるだけ未然に防がなくてはならないのは当然です。だからこそ、強い剪定だけに走らず、強風でも枝折れ、倒木しない健全な樹形をつくることが重要です。同時に、災害級の暑さ対策が喫緊の課題です。対症療法だけでなく、今ある街路樹の樹冠拡大を目指し、緑の日傘を大きく広げ、人々を酷暑から守るべきではないでしょうか。人命を守るためにいかに緑を育てるかという新しい方針と、適切な技術を軸にした維持管理体制と人材育成が必要と考えます。 まずは、樹木がどれぐらい土地をカバーしているか、樹冠被覆率を測ってみてはいかがでしょうか。樹冠被覆率とは、緑被率と違って、土地に対して樹冠が影をつくってくれている緑陰面積のことです。この計測方法をみどりの基本計画や区の街路樹方針にも取り入れてはいかがでしょうか。 環境省が促進するEco-DRR(デザスター・リスク・リダクション)は、土地の生き物や環境を保護して、自然の持つ力によって災害による被害を防止または軽減させる取組、考え方のことです。近年、気候変動によって自然災害のさらなる激甚化、頻発化が懸念される中、自然が本来持つ機能に再注目しようという国の方向性が示されています。Eco-DRRには、暑さ対策だけでなく、雨水流出抑制、防風林、大地震の際は降り注ぐ破損や火災、熱風から身を守る役割などが考えられます。 さて、どうやったら杉並で街路樹を再生できるのか。まずは、現状の街路樹に対する区の姿勢の検証からだと思います。区民や職員の意識改革も必要かと考えます。従来の道路附属物としての街路樹という考え方に、道路利用者であり地域住民である杉並区民のウエルビーイングのための視点が欠けていないか、Eco-DRRとしての、そして社会的資本としての街路樹の役割が欠けていないかを検証することが必要です。区には、街路樹の専門家を招いたり、他自治体の例を視察するなど、積極的な研究を進めていただきたいです。現状の高さ抑制自体を見直し、東京都や国との協議を含めた樹冠最大化のためのシステムづくり、剪定基準のアップデートが必要だと思います。 仙台市では、昭和50年代から毎年2回、宮城県造園建設業協会と共同で公園樹・街路樹剪定技能講習会が開かれています。毎回50名以上の造園会社の担当職員が参加し、仙台市のベテラン職員が学科、実技の講師を務め、技術と維持管理の考え方の共通認識を伝承しています。杉並区でも、剪定技術者の育成、ビジョンの共有のため、官民一体で講習会を始めてはどうでしょうか。 街路樹管理をしているのは土木事務所、緑の専門家はみどり施策担当、ゼロカーボンは温暖化対策担当と分かれています。一方で緑を増やしましょうと言いながら、一方で緑をできるだけコンパクトにとなっています。これは、組織のシステムとして疑問を感じます。みどり施策担当、温暖化対策担当の方々は、区の街路樹に対する取組についてどう思われていますか。 気候危機の時代、環境先進都市杉並区として、街路樹とどのように関わっていくのか、杉並区にも組織として全庁的にビジョンと基本方針を気候危機対策推進本部などを使って組織横断的に話し合う必要性があると思いますが、区の見解を伺います。 維持管理だけでなく、やはり方針を立ててビジョンを持った街路樹施策が区全体の方針として必要と感じます。街路樹マネジメント方針の必要性について、区の見解を伺います。 ソウル市では、2021年時点で68か所に40万株の木を植えて街路樹森の道を造成しました。特に小学校の通学路の4か所には、山林庁や企業体との共同作業で1.7キロメートルを造成、杉並区でも区道の通学路に注目して、子供たちの命と健康を守るために、通学時に緑陰豊かな街路樹をつくる計画を考えてもらいたいと要望しておきます。木が大きく育ち、涼しい緑陰をつくってくれるには何十年もの時間がかかります。今日、木を植えたからといって、私たちがすぐに木陰やEco-DRRの恩恵を受けられるわけではありません。だからといって、現状維持のままでいいんでしょうか。今、方向転換しなければ、東京のヒートアイランド現象は悪化する一方です。かつて「成長の限界」を発表したローマクラブの最新レポート「万人のための地球 Earth for All」には、気候危機に対して小出し手遅れシナリオと、大きな飛躍シナリオの2つが紹介されています。街路樹に対する方針を転換させ充実を図ることは、未来のまちづくりへの投資であると同時に、未来世代への責任です。果たして私たちには公共財産である街路樹対策に対して大きな飛躍シナリオを選ぶことができるのか、今問われています。まずは、今日の帰り道、同じ都会に生きる生き物として、皆さんの通勤途中にある寂しい街路樹を見上げることから始めていただくことを提案して、次の質問に移ります。 気候区民会議の振り返りとこれからについてです。 杉並区気候区民会議は3月20日に始まり、6回の会議を経て、8月3日に終了しました。無作為抽出された区民の中から毎回50から60名の参加者が集まり、全国一の規模の開催でした。来年3月にはシンポジウムが開かれます。議論を通じて参加者はゼロカーボン社会実現に向けて大切だと考える全体方針、2050年までに実現したい杉並区の目指す姿を決め、多様な主体が連携しながら、実施すべきテーマをエネルギー、循環型社会、緑、交通に絞り、長時間の話合いの末、取組をまとめ、杉並区へ意見提案を提出しました。 区は、意見提案に対して、施策の反映を一つ一つ検討します、区民、事業者の皆様と区が一体となって気候変動対策を推進していくきっかけとしていきますと区民に約束しています。この大きなプロジェクトを達成された所管や関係者の皆様にとっては、改めてこのような区民が主体となる大規模会議を継続的に開催されたことに、並々ならぬ御苦労、御尽力があったことをお察しいたします。同時に、回を重ねるごとに、職員も関係者も生き生きと動いている様子、参加者との対話が活発になされていた様子、環境部だけでなくほかの所管からも気候区民会議の話題が出るようになったりと、参加型を目指す岸本区政にとっては、とても前向きな波及効果があったのではないかと思います。 終わってほっと一安心かと思いますが、これまで世界や日本各地で開催されてきた気候市民会議の研究を見ると、実は、ここからが気候区民会議の肝となっていくことが分かっています。つまり、区民の熱意と熟議のたまものである意見提案を受け取った行政機関が、それをどのように扱うのかが重要となります。例えば、国家単位で気候市民会議を実施したフランスでは、149案あった市民からの政策提言のうち、146案を政府が検討することを大統領が約束。その後、政策提言を基に気候・レジリエンス法という法律が策定されました。却下された3案については、その理由を明記しています。スコットランドの場合は、一つ一つの提言を検討し、160ページに及ぶ丁寧な回答がなされました。昨年開催された気候市民会議つくばでは、市長が全提案を実施すると発言しています。参加した人たちにとっては、意見提案を練り上げるプロセスを経て、まさに気候変動は自分事となり、それぞれが自分たちの提案を区に採用してもらいたいという期待は強いと思います。区としては、区民と共同でつくり上げた気候区民会議から生まれた提案を、議会や区民全体との合意形成をつくり上げた上でどう形にできるのか、これからが杉並区の腕の見せどころです。 クライメート・インテグレートの平田仁子氏によると、気候区民会議には3つの溝を埋める効果があると言われています。1、気候変動という大きな社会課題と市民の意識の溝を埋める。2、政策決定者と市民の溝を埋め市民参加型の協働の在り方を開く。3、化石燃料に依存した現在の社会と達成したい未来との溝を埋める方策を練る機会を創出する。今回の杉並区での開催で、特に効果があった部分はどれか、伺います。 今後も、区民参加による気候変動対策を推進していく上で、今回の気候区民会議の開催から見えた改善点や課題はありますか、伺います。 熟議というキーワードがありますが、今回の会議を通して熟議はなされたと思いますか、見解を伺います。 今後の委託業者とのつながりはどうなっていくのでしょうか。会議の振り返りや、今後についても伴走してもらう予定ですか、見解を伺います。 全体を通して、専門家からのレクチャーの時間帯が第1回と第2回に集中しており、その後の4回は話合いというスタイルでしたが、レクチャーの内容の時期や分量は適切だったでしょうか。開催期間中、どのようにして参加者のモチベーションと知識を維持したのか、伺います。 参加者のコメントを読むと、意見提案を出して終わりではもったいない、意見提案にどう優先順位をつけ、どう政策に落とし込んでいくかが大事、どう具体的に実現していくか、できないならちゃんと理由を説明してもらえるのか、1回の開催ではもったいない、ぜひ2回目の開催をなどとありますが、区は、このようなリクエストや質問にどのように対応していくのか、予定を伺います。 杉並区には、今回の意見提案に関連づけられる温暖化対策実行計画、みどりの基本計画、自転車活用推進計画、一般廃棄物処理基本計画など、具体的な施策や数値目標を示した計画があります。意見提案を抽象的なイメージにぼかして既存の計画に溶け込ませることなく、きちんと仕分けして、実現可能性と時間軸を検証する必要があるかと思います。まずは、意見提案と現事業や計画との照合、タイムスパン、計画化、条例化や予算措置の必要性などを整理してみてはいかがでしょうか。整理した提案は公表し、可視化しながら、区民参加できるような取組を増やしていくべきかと考えます。 今後に続く持続可能な仕組みをつくる必要性について問います。気候区民会議を一過性のイベントに終わらせないためにも、シンポジウムで完了することなく、来年度もしっかりと対応していくべきではないでしょうか。その上で、区は今後市民参加型の進捗管理のメカニズムをつくるという方向性を明確に示すべきではないかと思います。意見提案がお蔵入りせず、予算化や温暖化対策実行計画へ反映または個別に施策となっていくという過程を区民がモニタリングできる機能にも予算をつけていただきたいが、いかがでしょうか。 モニタリングのメカニズムが決まったら、今後何が起こるのか道筋が見えてきます。すぐに市民参加型にできなくても、そういう枠組みができるということを、シンポジウムの前に参加者や区民に示すべきだと思いますが、区の見解を伺います。 シンポジウムは1回だけでなく、初回は発表会的なもの、2回目以降は進捗報告、モニタリング報告、実践報告など、継続的に続けるべきではないかと思います。「水鳥の棲む水辺」シンポジウムのように継続的に開催できるような形態を参考にしてはいかがでしょうか。 深刻で喫緊性の高い気候変動問題を、このような形で真剣かつ楽しく向き合い、熟議を深めるという経験は貴重です。意見提案に息吹を吹き込み、現実味を持たせていくために、区民会議を引き継いで実現可能性や優先順位を区民に情報公開しながら分析、評価、実践していき、地に足のついた政策につないでいくことが次のステップだと思います。つまり、気候区民会議はまだ第1ステージが終わり、これからが本番だと考えますが、区の見解を伺います。 以上、杉並区で、自分一人では何も変えられないと思っている人たちが、今後、気候区民会議の成果が実際に区の政策や姿勢に反映されていく姿を見て、一人一人が動けば社会のシステムを変えることができると実感でき、気候変動対策に取り組むことが、これからの杉並の新しい常識となっていくように期待して質問を終わります。

理事者の答弁を求めます。 区長。 〔区長(岸本聡子)登壇〕
私からは、ブランシャー明日香議員の御質問のうち、気候区民会議に関するお尋ねにお答えします。 区民の熟議を経てまとめ上げられた33の提案は、包括的かつ具体的なものであるだけでなく、それらに自分たちが区民として貢献、参画したいという熱意が籠もったものでした。これから、エネルギー、循環型社会、公共交通、みどり分野のそれぞれの提案については、事業化や予算化の検討を行っていきますが、重要なことは、今、区が既に取り組んでいる様々な施策に追加していく発想ではなく、気候区民会議の経験をきっかけに、杉並区と杉並区民が気候変動へ向き合う新たな手法を切り開くことです。今回の気候区民会議を通じて、私たち全員が気候危機に対して個人的かつ集団的な責任を負っており、脱炭素化へ向かって早急に社会の在り方を変えていく必要性があるということについて、多様な区民がともに考える土台をつくることができました。 提案に示された5つの全体方針の中には、個人の我慢ではなく、社会を大きく変える仕組みを考える、将来世代に負担をかけない行動を取る、地域間の不公平を生まないといった基本姿勢がうたわれています。これらは、今後具体的な事業を検討する上で大切な道しるべになっていくでしょう。 気候区民会議の本質を今後も引き継いでいくためには、継続的な区民参画の仕組みをつくっていくことが大切であると考えています。そのためにも、今後は組織横断的に議論を進める気候危機対策推進本部において検討を行い、区民や事業者とともに、気候変動対策を推進してまいります。 私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁を申し上げます。

土木担当部長。 〔土木担当部長(土肥野幸利)登壇〕
私からは、街路樹及び緑施策に関する一連の御質問にお答えをいたします。 最初に、街路樹の維持管理予算のお尋ねですが、令和6年度は1億1,800万円余でございます。 次に、街路樹マニュアルについてのお尋ねですが、区独自の街路樹マニュアルは作成しておりませんが、都の道路工事設計基準や街路樹診断等マニュアル等に基づきまして、街路樹に関する樹種の選定や、計画、施工、維持管理、更新を行っております。 次に、街路樹の情報の公開等についてですが、区では、ホームページなどで設計や維持管理の仕様となる情報の公開はしておりませんが、公開型GIS「すぎナビ」や、すぎなみ景観ある区マップにおいて、位置や樹種などの情報を掲載しております。 次に、街路樹についての意識調査に関する御質問にお答えをいたします。区が維持管理を行う区道の街路樹は、仙台市に比べ規模は小規模であり、現時点において街路樹に特化した意識調査を行う考えはございませんが、今後も区としては、街路樹の植え替え等に際しては、近隣住民などの意見や要望を丁寧に伺ってまいります。 次に、区道における地域住民との連携についてのお尋ねですが、区では、区民との協働事業としてすぎなみ美・道路組を実施しており、現在33団体、341名の方が登録をされ、街路樹の落ち葉清掃などを行っております。 次に、官民一体の剪定に関する講習会についての御質問にお答えをいたします。街路樹などの剪定委託は基本的に造園会社が受託をしており、街路樹等維持標準仕様書に基づく統一的な剪定の方法を示していることや、剪定に当たっては区監督員が個々の場所に応じた剪定方法を指導していることから、受託事業者に対する講習会を実施する予定はありません。 次に、街路樹や植栽を対象にした具体的なグリーンインフラの取組に関する御質問にお答えをいたします。区が管理する道路には、街路樹や植栽がある道路は少ないですが、井草川遊歩道など歩行者専用道において、その一部に雨庭などを設けるなど、可能な範囲での整備を検討するとともに、植栽地が確保できる道路を整備する際にもグリーンインフラの活用について積極的に考えてまいります。 次に、国道や都道を含む区内の街路樹の維持管理等に関する御質問にお答えをいたします。国の甲州街道や都の中杉通りのケヤキといったシンボルとなる街路樹について、剪定などの維持管理を行う際には、区へ事前に協議がありますので、その際には区の意見を伝えるとともに、地域の意見を伺うように要請をしております。区内の街路樹の多くは都道の街路樹であり、都はみどりの新戦略ガイドラインに基づき、区市をまたぐ広域的な見地から樹種の選定や維持管理を行っておりますので、都道等を含めた区内の街路樹のビジョンやマネジメント方針などを区として作成することは難しいと考えております。 次に、樹冠被覆率に関する御質問にお答えをいたします。樹冠被覆率は、高木の枝葉に覆われた土地の面積の割合を示し、枝葉に覆われた部分は地表温度を下げ、気候変動対策に貢献するということから、ニューヨーク等の海外でそのような指標が取り入れられていることは認識をしております。杉並区においても、近年の酷暑の状況を鑑みますと、緑陰による暑さ対策も必要であると考えておりますが、樹冠被覆率につきましては国内外でも取組事例が少ないため、先進事例を検証するなど、今後の有用性を見極めてまいりたいと考えております。 次に、区の街路樹に対する取組に関する御質問にお答えをいたします。区道については幅員の狭い道路が多く、道路の主要な役割である交通機能の確保のためには、状況に応じた街路樹の剪定などの維持管理を行う必要があり、一部の街路樹においては、本来の樹形を形成することが難しいケースもございます。そのため、交通機能を確保しながら、限られたスペースを生かした緑化の推進が重要であると考えております。 私からの最後に、街路樹の組織横断的な取組に関する御質問にお答えをいたします。先ほどお答えしましたように、街路樹のビジョンやマネジメントの方針などを作成することは難しいと考えておりますが、街路樹については、景観の形成、騒音の軽減、防風といった役割があり、街路樹を量、質ともに充実させることは、緑のネットワークの形成のためにも重要であると認識をしております。街路樹を含めた緑の総合的な計画であるみどりの基本計画の取組や、気候区民会議からの街路樹に関する意見提案などへの対応は、現在も都市整備部や環境部をはじめ関係所管と連携をして取り組んでおり、今後も気候危機対策推進本部を活用するなど、組織横断的に取り組んでまいります。 私からは以上です。

環境部長。 〔環境部長(小松由美子)登壇〕
私からは、気候区民会議に係る所管事項に関する御質問にお答えします。 まず、専門家が主張する3つの溝を埋める効果に関してですが、今般の杉並の取組で具体的に評価を行うことは困難ですが、それぞれ一定の効果があったものと考えております。参加者からは、改めて気候変動問題の重大性を理解し、地球規模の課題を自分事と捉えて行動変容につながった、また、実際に提案ができて区民が協力できることが分かったといった趣旨の意見が聞こえてきており、御指摘の3つの溝の中でも気候変動という大きな社会課題と市民の意識の溝を埋める効果と、政策決定者と市民の溝を埋め、市民参加型の協働の在り方を開くが具体的に表れたものと存じます。また、今回の取組では、有識者などからの情報提供を受け、2050年の杉並区の目指す姿を考え熟議してきたことから、化石燃料に依存した現在の世界と、達成した未来との溝を埋める方策を探る機会を創出するという効果ももちろんあったものと考えてございます。今後、会議からの意見提案を区政に生かしていくことで、さらにそれぞれの溝を埋める効果が一層高まっていくものと考えてございます。 次に、気候区民会議から見えた課題などに関するお尋ねですが、会議からの意見提案には、区だけではなく、区民や事業者などの多様な主体が情報共有を行い、継続的に関わりながら、中長期にわたり取り組んでいくといった趣旨のものが多くございました。その提案の実現には、区民や事業者とともに継続的に取り組んでいく必要があり、公民連携プラットフォームなど既存の枠組みを活用していくほか、新たな協働と参画の仕組みについても検討し、構築していくことなどに課題を感じてございます。今後、全庁横断的にそのような仕組みづくりを含めた検討を行ってまいりたいと考えてございます。 次に、会議の熟議とインプットに関するお尋ねにお答えします。 まず、熟議に関しては、各グループで議論した内容を全体で共有して意見を求め、そして、グループ以外の意見を基に、さらにグループ内で見直す時間を設けるなど議論を深めていただくとともに、自身が関わっているテーマ以外についても意見を言えるような会議構成にいたしました。参加者からは、参加者同士が議論する中で一体感が生まれたですとか、どこまで具体化できるか不安だったが、全てのチームの取組がわくわくできる内容にまとまりよかったといった趣旨の意見もあり、これらから、熟議がなされ、モチベーションの維持にもつながったものと考えてございます。 次に、インプットにつきましては、前半を学習期間とすることで、後半の議論までに学習内容を日常生活の中で振り返る時間を設定しましたほか、事前の参考動画などの提供や、質疑応答をオンライン上で随時受け付けました。また、議論の最中、専門家や区職員が待機し、参加者が疑問に感じたことをその場で解決できるよう努めたことなどにより、参加者からは学習、議論のバランスがよかったなどの意見が聞かれるなど、おおむね適切であったと考えてございます。 次に、委託業者に関するお尋ねですが、委託契約の内容は、気候区民会議の企画及び運営支援のほか、シンポジウムの企画、運営支援としてございます。委託業者とは、今回の気候区民会議の運営について振り返りを行いながら、今後の会議の展望や可能性について意見交換し、その内容をシンポジウムのプログラムなどに反映していけるよう検討していきたいと考えてございます。 次に、参加者からの意見などへの対応に関するお尋ねですが、気候区民会議は開催のみならず、意見提案の区政への反映が重要なものです。そのため、意見提案は、気候危機対策推進本部で費用対効果などを踏まえて検討し、事業化するものや、事業化が困難な場合はその理由など、対応方針を公表するとともに、事業実施後の評価、検証に取り組んでまいります。これらを経た上で、区民意見などもいただきながら、次回以降の区民会議開催などの検討を考えてまいりたいと存じます。 次に、意見提案の検討に当たっての区民によるモニタリングの実施及びシンポジウムの継続的な開催に関するお尋ねにお答えします。 まず、気候区民会議からの意見提案については、気候危機対策推進本部を中心に事業化の可能性等の検討を行い、必要に応じて議会での予算審議を受け、来年開催するシンポジウムで対応方針を報告するとともに、審議会への報告や、区ホームページなどでも公表してまいります。 また、次年度以降の事業化等の進捗に関しても適宜公表し、いただいた意見による事業の見直しなども考えております。 さらに、これらの一連の流れにおいて、気候区民会議の参加者が何らかの形で関わっていただけるような検討を行うとともに、時期は定かではございませんが、検討結果などについて、参加者や区民の方に向けてお伝えしてまいりたいと存じます。 次に、シンポジウムの継続的な開催の御質問についてですが、気候変動対策は、区はもとより、区民、事業者などがプレーヤーとなって主体的に取組を推進する必要があり、そのプレーヤーの裾野をどう広げられるのかが重要でございます。その効果的な手法については、シンポジウムの継続的な開催がよいのか、または別の手法がよいのか、この間支援いただいた研究者などの助言をいただきながら、今後検討してまいります。 私からは以上になります。

以上でブランシャー明日香議員の一般質問を終わります。 以上で日程第1を終了いたします。 議事日程第2号は全て終了いたしました。 議事日程第3号につきましては、明日午前10時から一般質問を行います。 本日はこれにて散会いたします。 午後2時26分散会 function get_view_no( huid ){ var i; var cnt; if( self.frames.name == 'hat' ){ parent.v_n_no=null; parent.v_n_shi_no=null; parent.v_b_no=null; parent.v_b_shi_no=null; cnt = parent.huid_list.length; for( i=0; i parseInt( parent.huid_list[i] ) ){ parent.v_b_no= i }else if( parseInt( huid ) parseInt( parent.huid_shi_list[i] ) ){ parent.v_b_shi_no= i }else if( parseInt( huid ) parseInt( parent.huid_tou_list[i] ) ){ parent.v_b_tou_no= i }else if( parseInt( huid ) = 0) && (version = 0) && (version