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本会議2026/02/25

令和8年第一回定例会会議録(第2日 2月25日)

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// 発言者(9名)

原田賢一自民党・政策の会
発言16
山本泰人
発言6
竹内幸美自民党・政策の会
発言3
海老原崇智自民党・政策の会
発言2
青木かのかがやき中央
発言2
堀田弥生公明党
発言2
渡部恵子区民クラブ
発言2
奥村暁子日本共産党
発言2
梶谷優香みらいテーブル
発言2

// 発言(37件)

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

ただいまより本日の会議を開きます。

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

これより本日の日程に入ります。 日程第一、「議席の変更」を行います。 これより、議席に一部変更がありますので、申し上げます。 八番議員は十二番に、十二番議員は十三番に、十三番議員は十四番に、十四番議員は十五番に、十五番議員は二十三番に、それぞれ議席を変更することに御異議ありませんか。

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

次に、日程第二、「代表質問」を行います。順次、質問を許します。 初めに、中央区議会自由民主党議員団・政策の会を代表して、二十四番海老原崇智議員。

海老原崇智
海老原崇智自民党・政策の会

中央区議会自由民主党議員団・政策の会の海老原崇智です。令和八年第一回区議会定例会に当たり、会派を代表して代表質問を行います。 昨年に始まりました我が議会の代表質問は、一般質問とはその本質を異にするという意味でも、目指すところいまだ途上であり、その在り方を模索し続けることで、区民、そして区のために今後大きく開けていくと確信をしています。区長、理事者の皆様もこうした思いを酌み取っていただき、御答弁に臨まれますよう切に願うものであります。 また、昨日、追悼の辞を述べさせていただきましたが、改めて会派の先輩であり、代表質問創設にも多大な御助力を賜りました押田まり子先生の御冥福をお祈りいたしまして質問に入ります。なお、再登壇、再発言の機会をあらかじめ留保させていただきます。 さて、例年どおり、本年も日本橋地域は数多くの新年会でにぎわい、つい先日まで華やかに、まちの皆さんあるいは各種団体の方々が賀詞を交歓しておりました。区長と席を御一緒することも多かったわけですが、区長は御挨拶の中で、温故知新という言葉を、その以前は不易流行でしたか、印象的に使われておりました。その意図は、区制施行八十周年を目前に控え、本区の今までの歩みをたずねて未来に思いをはせるというお心であったろうと推察いたします。 本区の今までの八十年の歩みは、人口の回復であったり、都市基盤の整備であったり、福祉施策の展開であったり、時に逆境であっても、着実に時々の時代の要請に成果を出してきたと評価をしております。一方で、現在、我が国は人口が減少し、超高齢社会が進展し、国力は衰退期を迎えております。戦後八十年、日本、そして中央区が経験したことのないこの斜陽は、近年顕著になってきている人手不足や働き方改革による労働時間短縮、そして資材費や燃料費等々の物価高騰など、打ち寄せる波となって、本区に関わる開発事業や区内の企業活動にも、その影響が顕在化しつつあります。確かに、年末の区議会臨時会や委員会を通じて我が会派からも要請しておりましたが、これから審議される二月補正予算案にて、重点支援地方創生臨時交付金の活用につき、区の独自財源を上乗せして区内共通買物・食事券として御提案されるなど、その都度、でき得る限り迅速に取り組んでおられると感じております。しかしながら、改めて八十年の歩みを振り返るとき、あしたからも同じ今日が続いていくのかという問いかけが湧き上がるのであります。 そもそも、中央区の八十年は何に導かれたのか。区長所信表明によれば、東京の発展を支える重要な役割を担って、常に都心区としての使命を果たし、いち早く挑戦し続けてきた道のりであったという趣旨でありました。その自負を支えているのは、中央区とは何かという共通の認識、共同幻想のようなものに支えられた、強く大きな方向性であったと思います。それは、江戸の粋、下町といった概念や、それを想起させる日本橋、築地、銀座、月島といった地名を自分に近しい存在として口にするときに、かすかに伝わる高揚感のようなものに似ているのかもしれません。こうした先人が磨き上げてきた核心的な価値、言わば不易を大切にしつつ、流行をいかに取り入れるのか。けだし、所信表明にてうたわれた日本全体の課題を自らの課題と受け止める本区にとっては、この先の社会のありようをいかに捉えるのかが問われているということになろうかと思います。 例えば、政府は、今の日本の現状を打破すべく、日本成長戦略会議において十七の分野を定めて戦略的に投資するという方針を打ち立てたわけですが、要約するならば、日本の成長には強い経済と安全保障とが欠かせない。そして、その二つを支えているのは、昨日までの社会から生まれ変わる、言わば暗転から明転するような新しい価値の創造である。こうした文脈で、中央区においては、都心区の使命として、この先の社会のありようをいかに捉えるのか。創薬・先端医療などの戦略分野は、人・金・情報が既に集まっている東京、その中でも都心区たる本区において何らかの関わり方ができるのではないかと思っておりますが、国の成長戦略と軸足がそろうのか、あるいは水と緑に囲まれた中央区セントラルパーク構想なのか、あるいはそもそも基本構想にある人が集まる粋なまちなのか。我が会派の重点政策要望でもあるHARUMI FLAGにお住まいの方の安全で安心な生活の確保やコミュニティの行く末など、本区の新たなまちづくりの試金石となるのか。そして、今も建てられている集合住宅の勢いは、様々な人を受け入れる職住近接の利便性をさらに加速度的にするのか。築地の開発に、国際的な、あるいは平和の冠がつき、多くの来街者が訪れるとき、区民生活との関係はどのように折り合いをつけられるのか。日本橋の首都高速の地下化は、工事完遂まで、その情熱と鮮度とを保てるのか。はたまた、何か特定の到達点を目指すのではなく、そこに集まる人や財産や情報が有機的に回り続けること、内に外に動き続けることにこそ求められるのかもしれません。 以上を踏まえまして、不易流行、温故知新の真ん中に立脚する今日的意味での都心区の使命をいかに捉えているのか、お考えをお聞かせいただければと思います。 次に、今後の施策展開の在り方について質疑を交わしたいと思います。 所信表明の中で、令和八年度新年度予算案は、例年どおり、基本構想にある施策のみちすじ順に説明がなされているわけですが、概観するに、一方で、対象者の拡充やよりきめ細やかなサービスの質や項目を提供する、言わば多様性になるべく応えようとする空間的な横に広がる施策、また切れ目のない手当てや即時性が必要とされる時間の中で縦に伸びる施策、こうした分類ができるかと思います。それらが相互に絡み合い、時に相反する利益となっている、こうした様相自体ははるか以前から存在していると思いますし、施策の裾野が広がり、伸び代があるのは、区民にとっては歓迎すべきことであるのは間違いありませんし、むしろ税金を払っている身としては、当然の享受だと認識しているのかもしれません。 かように、本区に集う多様な属性を持つ人々、自在に意見表明が行える現代におきまして、各人の目に映る中央区の像も多種多様でしょう。その像は、近視の人がかなたを見るごとく、かすんだり、十重二重になったり、捉え難い。先ほど触れた不易、つまり本区の核心の共通認識を我々はもはや持てなくなっているのではないかと、往々にして感じることがあります。それは、高層のバベルの塔の物語さながらに、話している内容がお互いに伝わらない、話の前提からかみ合わないという悲惨です。そこでは、行政の継続性や公平性といった整合性の論理と、現に困っているという実態とがぶつかります。議会も、意見の集約と調整、本会議や委員会での質疑を通じて、その機能を果たすわけでありますが、今までどおりの速度では、求められている期待に応えられないのではないかとも危惧をいたしております。 今後、多様であればあるほど、ある属性特有の、そして本区ならではの課題を共有する集団が、課題を抱えている分だけ存在することが想定されます。基本構想の掲げる「一人一人の生き方が大切にされた安心できるまち」は、まさにその字義どおりに我々に迫ってきていると感じています。より広く、より深く、どこまでも伸びる施策を続けていけるのか。また、今まで以上に区民生活の実態を、我々含めて熟知する必要があると痛感するところでありますが、昨今の技術革新の汎用は、区民と行政との乖離を進めている側面もあるやに感じます。一人一人の生き方を大切にするためには、今までどおりの考え方、方針からの転換や、対になっていた価値を解き放つ場面が時として生じてくるものと考えます。 区民の構成も変化して、その属性も多様化する中で、ますます一つの論点、一つの課題ごとでの判断を迫られることが増えていくのは必定でしょう。その中で、今後の施策展開の在り方をいかようにお考えなのかお伺いをいたします。 最後に、次の時代の活力について質問をいたします。 それは、所信表明の中で、人であり、人のつながりであると指摘をされているわけでありますが、次の時代がいかであれ、そこに希望を見いだすとすれば、それは子供たちの成長ということになろうかと思います。その点、所信表明においては、まちにあふれる子供たちの笑顔、新年度予算案の表題では、子供の健やかな成長、そして子育て家庭を社会全体で支える仕組みや環境整備の一層の充実が必要である旨、宣言されております。それだけ子育て家庭を取り巻く環境は切迫しているとも言えるのではないでしょうか。 確かに、子供たちを学校や公園で見かければ、相当数の彼ら、彼女らは笑顔であります。ですが、そこに思い浮かべる顔、顔は小学校三年生くらいの低・中学年まででしょうか。そのほかの子供たちはどこへ行ってしまったのか。中学受験の塾に通い、習い事に通い、総じて小学校の児童は忙しく過ごしており、塾通いで帰宅は夜の九時半を超えるという日もあります。プレディ、プレディプラス、そして今回は朝の子どもの居場所づくり事業と矢継ぎ早に対策を講じていただいておりますが、それは裏返せば、子供の居場所が家庭からよそに変化しているという本区の状況があるわけです。子供の健やかな成長を願うとき、子供の笑顔がまちにあふれると表現されるとき、そこに一抹の違和感が生じるのです。子供や子育て家庭を社会全体で支えるというとき、そこに祖父母も隣人もおりません。用意され、提供された居場所が合わない子供たちの中には、自宅にて一人テレビゲームをして過ごしているということもあるそうです。そうした子供たちの目に、あるいは心象風景として、中央区はいかに映るのでしょうか。 公共施設再編の議論のとき、皆が集えるはるみらいの全区的展開という御提案をいたしましたが、子供たちが様々な場面で、より多くの誰かとつながることは、つながった誰かの喜びにもなるということは想像に難くありません。彼ら、彼女らの笑顔や健やかな成長が本区への愛着や誇りとなって、もって本区のすばらしい未来を予感させるものであってほしいと願うわけであります。恐らくそうした積み重ねが中央区を中央区たらしめ、いつの日か本区の核心的価値のようなものを再び構築してくれるのだろうと思います。 そこで、改めて、次の時代への活力とは何か、お考えをお聞かせいただければと思います。 これで私の第一回目の代表質問をおしまいにします。

山本泰人

海老原崇智議員の御質問に順次お答えをいたします。 初めに、都心区の使命についてであります。 江戸開府以来、本区は、日本全国から人・物・情報が集まる日本の中心として、常に時代の先端に立ち、東京の発展を支える中核を担ってまいりました。本区の歴史をひもとけば、そこには幾多の困難を乗り越えてきた先人たちの英知と努力の積み重ねが刻まれております。かつて著しい人口減少に直面した際、都心再生を旗印に都市の在り方そのものを問い直し、持続可能なまちづくりへとかじを取ってまいりました。その結果として、若い世代を中心とした人口の回復を実現してきたものと認識しております。国に先んじて人口減少局面を経験し、平成九年には定住人口が過去最低を記録いたしましたが、都心にふさわしい住環境の整備や安全・快適な都市基盤の再構築に取り組むなど、試行錯誤と工夫を重ね、従来の枠組みにとらわれない施策を積み重ねてまいりました。困難を契機として新たな価値を創出してきたこの歩みこそが、今や二十万都市を目前に控えた活気あるまち並みを形づくっているものと考えております。しかしながら、現代社会は核家族化や共働き世帯の増加、地域コミュニティの変容、さらには多様な背景を持つ方々の増加など、大きな転換期にあります。本区はこうした変化が先鋭的に現れる都市であり、その課題の本質は日本社会全体と軌を一にしております。都心区の使命とは、単に人口や経済の集積を維持することにとどまらず、社会の先端で顕在化する課題に正面から向き合い、その解決の方向性を具体の施策として示していくことにあります。その際には、都市としての発展と、そこに暮らす区民一人一人の安心とが調和する姿を追求していくことが何より重要であります。持続可能で包摂的な都市の姿を実装し、その成果を広く共有していくことこそが、本区に課せられた役割であると考えております。今後とも、江戸以来の伝統と革新の積み重ねを礎に、本区の実践が東京、さらには日本全体の未来に資するよう、責任ある区政運営に取り組んでまいります。 次に、今後の施策展開の在り方についてであります。 社会構造の変化に伴い、本区に住み・集う方々の背景や価値観、生活様式は一層多様化しております。家族の形や働き方などの変化により、行政に求められる支援の内容も広がりを見せております。一方で、こうした変化の途上にあっても、本区が大切にしてきた顔の見える人と人とのつながりや地域の安全・安心という価値観は、時代が変わっても守るべき基盤であります。変わらぬ価値を土台としつつ、施策については精度を高め、区民一人一人の状況や地域特性に応じた展開へと具体化させてまいります。今後、人口増加に伴い、区民の多様化がさらに進む中で、従来の延長線上だけでは十分に応え切れない課題も顕在化してまいります。そのため、新たな区民ニーズを的確に把握するとともに、必要に応じて施策の重点や手法を柔軟に見直し、量の拡充にとどまらず、質と個別性を重視してまいります。また、施策の成果を検証し、不断の改善を図るとともに、デジタル技術の活用により業務の効率化を進め、限られた人的・財政的資源を人と人とをつなぐ施策へと重点的に振り向けてまいります。さらに、新年度予算に計上している中央区公式アプリの導入を通じ、地域活動やボランティア参加などへのインセンティブを設けることで、多様な区民の参加と交流を促し、コミュニティの再生・強化にもつなげてまいります。区といたしましては、基本構想の理念である「一人一人の生き方が大切にされた安心できるまち」を揺るがすことなく、社会の変化に応じて進化し続ける区政運営を進めてまいります。 次に、次の時代への活力についてであります。 本区の活力の源は人であります。とりわけ、将来を担う子供たちの健やかな成長こそが、次の時代を支える力となるものと考えております。それは単に子供の数だけではなく、子供一人一人が安心して育ち、多様な経験を通じて自らの力を発揮できる、成長の質にあると認識しております。本区は、江戸開府以来、多くの人を受け入れ、人を育てながら都市の力へと転じてまいりました。都心である本区においては、子供たちの多くが成長の節目や住環境の変化などを機に、全国へ羽ばたいていくこともあります。しかし、このまちで過ごした時間や地域の中で得た体験は、それぞれの人生の礎となり、日本、そして世界各地で活躍する人材へと実を結んでまいります。人を育て、社会へ送り出すこともまた、都心区が果たすべき役割の一つであります。同時に、このまちで生まれた縁や記憶が、将来にわたり人と地域を結び続け、やがて新たな形でこのまちを支える力として返ってくる、その循環を生み出していくことも重要であると考えております。一方で、働く保護者の増加や生活様式の変化により、子供を取り巻く環境は決して一様ではなく、孤立や不安を抱える子供が存在することにも目を向けなければなりません。そのため、本区は、子供の体験機会を充実するとともに、安心して過ごせる環境を整え、必要な支援が適切に届く体制の整備を進めるなど、保育・教育環境の量的確保とともに、さらなる質の向上に取り組んでまいります。本区で育った子供たちがそれぞれの場で社会を支える存在となることは、日本全体の未来を形づくる力となるものであります。子供たちが地域の中で確かに支えられていると感じながら成長できることこそが、次の時代をつくる持続的な活力につながるものであり、連綿と続いてきた本区の核心的価値を次の世代へ確かに受け継いでいく営みであると確信しております。 答弁は以上であります。

海老原崇智
海老原崇智自民党・政策の会

先ほどは原稿が飛んでしまい、お見苦しいところをお見せしまして、誠に申し訳ございません。 御答弁ありがとうございます。 基本的な考え方、方向性は、我が会派とそれほど軸を異にしているというふうには捉えませんでしたが、やはり総論で同じ道を歩んでも、具体的に、では、どういうふうにそれを実現していくのかというのは大変に難しい問題だなというふうに感じました。 都心区の使命につきましては、いわゆる都市の発展と区民の暮らしの調和が求められているということでございましたが、具体にそれが何を指していくのかというのは議論を深めていかなければいけないなと思いました。 また、二つ目の個別の施策の在り方についてでありますけれども、質と個別性を重視するという御答弁をいただきましたので、一つ一つ、また、その個別性についても妥当であるかどうかを十分に議論していかなければいけないと思います。多様な区民の参加を促すために、アプリなどでの行動変容を捉えて、デジタルの効率性も使っていくということでございましたが、コミュニティの再生・強化をそこで図っていくというところですが、どうやって、事コミュニティというものをつなげていくのかというところも今後議論をされるべきであろうというふうに思います。 そしてまた、子供、今後の人材についてですけれども、やはり問われるのは成長、そして成長の質であるというところでございますので、これも今後の予特等で議論を積み重ねていきたいというふうに思います。 おしまいに、少し引用させていただきたいんですが、一九六七年以降、中国の文革の波がヨーロッパの若者を揺り動かした革新運動の時代を描いた須賀敦子さんのエッセイ、「コルシア書店の仲間たち」でございます。その最後の一節に、既成価値の一つ一つが無残に叩き潰され、政治が友情に先行する悪夢の日々が始まった。書店が交流の場より闘争の場になることを選び、施策より行動を、妥協より厳正を選んだと、その時代を捉えています。その結果は、皆さんも御承知のとおりでございます。 我々の中央区がどこに向かって進んでいくのか。この議論の続きは今後の様々な場所に譲りたいと思いますが、この一年の歩みを内実あるものにしていきたいと思っております。 これで我が会派の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

次に、かがやき中央を代表して、十一番青木かの議員。

青木かの
青木かのかがやき中央

中央区議会かがやき中央、青木かのです。会派を代表し質問させていただきます。 区制施行八十周年を迎えるに当たり、中央区としても、人口二十万人という新しいフェーズに向けた山本区長の志あふれる所信表明を伺いました。 つい先日、デジタル情報誌「@DIMEアットダイム」のシビックプライドランキングで、全国の基礎自治体の中で中央区が一位にランクされていました。シビックプライドとは、住民が自分が住んでいる自治体にどれくらい愛着と誇りを持っているか数字化したものです。住んでみたいまち、憧れのまちではなく、現在、中央区に住んでいる区民の皆さんの評価であり、これは行政の、そして全職員の皆さんの努力の成果です。具体的には、区長が所信表明で述べられたように、職住近接という都心居住の利便性に加え、子育て・教育環境の充実、落ち着いて過ごせる住環境の整備など、多様な都市機能の集積と生活都市としての魅力を両立させていることにある、これに共感いたします。 区長の所信表明には、幾つかのキーワードがあります。その中には、定住人口の急増、旧来のコミュニティと新たなコミュニティの交流、子育て家庭を社会全体で支える仕組みづくり、地域共生社会の充実、災害・防災における共助、都心にふさわしい魅力ある都市基盤整備、地域活動の主役である町会・自治会、本区ならではの伝統と文化を守るとともに、新たな価値の創造、そして人口二十万都市などです。 ここで、質問するに当たり、考えれば考えるほど、ひょっとして中央区は今が一番いいときなのかもしれない、この住みやすい環境をいつまで保ち続けることができるのかといった不安も常に持ち合わせておく必要があると感じています。それは、これまで中央区の人口増加策を牽引してきた市街地再開発事業について、区が十分な検証を行っているようには思えないからです。確認しておきますが、私は市街地再開発事業そのものに反対するものではありません。まちは時代に合わせて変化します。ただ、この開発が区にもたらしたプラスの面とマイナスの面は、文字どおり表裏一体であることも事実です。 今期、この三年間は、再開発地域周辺にお住まいの皆さんやマンション自治会からの工事や工事関係者に対する苦情と御相談に追われた三年間だったと言っても過言ではありません。そして、この問題は、工事が竣工したら終わりでもありません。特に、元から住んでいる方と新しい住民の方、そして、このまちに戻ってくる権利者の方など、人と人が関わってくるソフト面での問題は、建物の竣工後に始まります。再開発組合が立ち上がると同時に、組合は法人格を持つ事業主体となり、これにより、工事中のトラブルなど、事業に関するあらゆる問題の一時的な責任は組合が持つことになります。そして、これ以降、区は一歩引いて、事業全体の指導監督を行うと言えば聞こえはいいのですが、これまでの経験上、何も手が出せない。何かあれば警察に相談してくださいというスタンスだったように思います。実際、警察は、その都度、丁寧に対応してくださいました。感謝しています。一方、組合はディベロッパーなどの利害関係者で構成されているため、中立的立場とは言えず、周辺住民との関係構築に今も苦労をしています。 そこで、最初の質問です。 再開発組合と行政の役割分担について確認したいと思います。市街地再開発事業において、行政はどこまで介入できるのでしょうか。周辺の地元区民やマンション自治会からの苦情や要望にどこまで寄り添うことができるのでしょうか、お尋ねいたします。 次に、再開発の抑制についてです。 中央区の人口が一番少なかったのは、平成九年、七万人を切るかと思われました。そこで、まちの活性化のために、中央区の居住人口を増やすことが目的だった市街地再開発事業ですが、その人口がここ数年中に二十万人に達する見込みです。当初の人口増加策としては、既に十分目標に達しています。では、民間主導の再開発を行政が法的に止めることはできるのでしょうか。お聞きするまでもなく、答えはノーであることは承知しています。中央区の大半が商業地域に指定されていますので、住宅や事務所の建設は法的に認められており、区が土地の所有権を持たない以上、私有地における再開発行為を制限することは現実的には不可能です。そこで、区は、まちづくりガイドラインを策定し、まちの将来像を定めつつ、容積率緩和などのインセンティブと引換えに、地域貢献策やインフラ整備を開発計画に盛り込ませ、区が考える方向に誘導する。そして、今後も、区が都市計画を決定し、市街地再開発事業が進むことになれば、人口はまだまだ増加するでしょう。 そこで、お尋ねします。 これまで委員会等で何度もお尋ねしてきた質問です。中央区の適正人口は二十万人という答えがずっと続いてまいりました。そこで、現在の状況や今後十年間の最新の人口推計を踏まえ、改めて中央区の適正人口と、その理由をお聞きいたします。 さらに、地域貢献策についてです。 地域貢献策は、再開発のエリアと、時代といっても、今の時代、毎年毎月状況が変わっていくという、変化のスピードが迅速化している中で、短期的ではなく、逆に、長い視点での未来を見据えた地域貢献策が必要になってきます。そこで、事業者に対する地域貢献策を、今後は行政、事業者、そして住民参加型の協議体によって考えていく。特に、電線の地中化、水道管や排水管の強靱化、工事で傷んだ歩道の再舗装など、大規模再開発と一緒にだからこそ、効率的にできるインフラ整備に適しています。もちろん、国や東京都との調整が必要になりますが、再開発工事中、長期にわたり迷惑を被るのは、入居予定者ではなく、その地域住民の皆さんです。ですから、この考え方は理にかなっていると思います。そして、この地域貢献策を地域の要望に応えた割合などで数値化し、いわゆるKPI化し、この数値を公開してはいかがでしょうか、お尋ねいたします。 次に、コミュニティについてです。 再開発による住民構成の急激な変化は、私自身、この三年間で実感してきたことです。昨日まであった建物が今日は解体されている。なじみの飲食店、クリーニング店、美容院など、行ってみたら閉店していた。男性は行きつけの理髪店を変えない傾向があるそうなので、月島地域では冗談交じりに理髪難民という言葉まで生まれました。一方、住民が一斉に入居し、世代的にも三十代から四十代の子育て世代が多いHARUMI FLAGについては、はるみらいが中心となったまちづくりを行い、毎日、明るい夢のような生活の模様がSNSに投稿されています。しかし、そのすぐそばで、コミュニティが高齢化とともに衰退し、町会の会員数は減少し、回覧板を三軒で回しているという実態があります。市街地再開発事業のために、数年とはいえ、地権者の方もこの土地を離れてしまうからです。固定電話にかかってくる電話は不動産屋ばかり、アポなしで突然やってくるのは不動産屋ばかりということもよく出てきます。今後も、個別の建て替えや大量に出てくる中古マンション市場などを通じて、人口の流動性が高い状況は続くでしょう。こうした下町の風情が残るまちのコミュニティの衰退について、区はどのくらい危機感をお持ちでしょうか。そして、どのような対策を取っているのでしょうか。 また、令和七年度市街地再開発事業等地区によりますと、令和七年五月一日時点で検討中となっている市街地再開発事業がまだ十三件あります。さらに、その前の段階である準備組合設立に向けた動きもあり、私も、現在、その地域住民の皆様から相談を受けています。 そこで、中古マンションの売買や建て替え等も踏まえ、今後の市街地再開発事業に対する区の方針をお聞かせください。 以上が一回目の質問です。よろしくお願いします。

山本泰人

青木かの議員の御質問に順次お答えをいたします。 初めに、再開発組合と行政の役割についてであります。 再開発事業の実施に関わる様々な対応につきましては、事業主である再開発組合が責任を負う立場であり、区は指導監督する立場でありますが、工事期間中のトラブルに際しましては、区職員が現場で原因や状況を確認した上で再開発組合に対し解消を求めるなど、区として直接関与しながら対応を進めてきているところであります。とりわけ、複数の再開発事業が同時期に進む中では、周辺環境への大きな影響が想定されることから、区としてあらかじめ対策の検討を求めるとともに、実際の工事において問題が生じた場合には、警察などの関係機関とも連携しながら、再開発組合に対する働きかけを継続的に行っております。区からのこうした働きかけにより、計画段階から実施段階に至るまで、工事車両の通行ルートや大きな騒音・振動等が伴う作業の調整など、再開発組合による様々な対応が行われてきたものと認識しております。区といたしましては、今後とも地域の声を丁寧に聞きながら、地元への影響の軽減や、さらなる安全性の確保が図られるよう対応してまいります。 次に、適正人口についてであります。 これまで本区が申し上げてきた二十万人規模という考え方は、人口を抑制する上限を示したものではなく、公共施設整備や災害対応、財政運営などが持続的に機能し得る一つの目安としてお示ししたものと認識しております。人口推計では二十万人を超える見込みも示しておりますが、重要なのは、人数それ自体よりも、その規模においても安心と活力が両立する都市基盤を維持できるかという観点であると考えております。区といたしましては、適正人口を、固定された数値ではなく、都市基盤や財政状況を踏まえ、質を担保できる範囲を不断に検証していく判断基準であると認識しており、今後も人口動向を注視しながら、責任ある行政運営に取り組んでまいります。 次に、再開発事業の地域貢献度合いの数値化についてであります。 再開発事業の地域貢献に関しましては、地域特性や課題、社会情勢の変化などを総合的に勘案した整理が必要となることから、区といたしましては、地域の将来像などについて、地元と行政、さらには事業者と共有し、協議を重ねる中で、事業者の創意工夫を促し、そして定めていくものと捉えております。こうした考えの下、実際に事業者が地域貢献を計画していく過程におきましては、地域のガイドラインを踏まえた上で、徹底した調査・検討を実施するよう求めるとともに、まちづくり基本条例に基づく地元との協議を重ね、将来にわたって地域に必要となる機能や施設の整備誘導を図ってきたところであります。区といたしましては、地域ごとにニーズが異なるからこそ、単に地域貢献を数値化するのではなく、地元との意見交換の中で確認・点検を行い、地元の声が反映された再開発事業の地域貢献策が適切に整備されるよう、引き続き取り組んでまいります。 次に、地域コミュニティについてであります。 地域コミュニティの活動を支えるのは人であり、再開発事業の進捗に伴い、住民の転居や事業所の移転などの人の減少により、その活動に影響を及ぼす期間が一時的に発生することは認識しております。そのため、区としては、そうした期間にあっても、人と人がつながり、様々な形で活動が継続していくことが重要であると考えているため、団体の状況を丁寧に伺い、解決策を協議する中で、これまでの活動が途絶えないよう取り組んでまいりました。その一例として、町会活動について、会員の転居や町会事務所の移転問題に端を発し、恒例行事の中止や役員の引継ぎといった相談が区に寄せられた際には、SNSなどのデジタルを活用した情報共有や定期的な会合の継続など、対策について協議を重ねました。HARUMI FLAGの御例示もありましたが、他の地区においても、再開発後に、町会の実施する夏祭りやバスハイクなどのイベントに、新たに住まわれた方が多く参加するようになり、従前にも増して地域コミュニティが活性化した実例もございます。そのため、区といたしましては、今後とも地域に寄り添い、共に解決策を模索することにより、人と人がつながり、これまで培われた地域コミュニティの活動を継続していけるよう取り組んでまいります。 次に、今後の市街地再開発事業に対する区の方針についてであります。 本区におきましては、安全で快適なまちに必要な公共公益施設や広場の整備など、個別建て替えでは対応が困難な地域課題に対応する手法の一つとして、市街地再開発事業などの機会を捉えて推進してきており、今後も有用な手段であると考えております。特に、都市基盤整備のあるエリアで検討中の地区におきましては、まちづくりとして一体的に整備を進めることで、まち全体の課題解消や魅力発信が図れることから、区といたしましても、機を逃さず取り組んでいけるよう、地元をはじめとした関係者との調整を進めていく必要があると考えております。一方、昨今の工事費高騰や区内状況等の大きな変化がある中、地権者や事業者側での計画内容や資金面の精査もさることながら、区として、計画が地域に与える影響や貢献の内容について一層慎重に協議する必要があるものと認識しているところです。区といたしましては、引き続き面的整備と個別建て替えをまちづくりの基軸としながら、既存建物の耐震改修や密集街区環境改善まちづくり事業など、様々な手法の活用を通じて、まちの機能更新や環境整備が図られることが重要と考えております。今後とも、こうした取組を推進し、本区の誰もが誇りと愛着を持てるまちづくりの実現に向けて取り組んでまいる所存であります。 答弁は以上であります。

青木かの
青木かのかがやき中央

御答弁ありがとうございました。 それから、適正人口です。 最初の予想よりも、ちょっと中央区の人口の加減がなだらかになったこともあって、はっきりと二十万人がいつかということは、今は出せない状況だそうです。ただし、そこで、私の質問の中では数年以内にという言葉にいたしましたが、いずれにしても二十万人は超える。しかし、今、答弁にありましたように、そこが天井で二十万人を目指してきたわけではなく、常に区民の皆さんが過ごしやすい中央区のために、それが当時はその人数であり、今はもうすぐ二十万人になる。なので、私の区議としての不安は、二十万人を超えても、皆さんが安心して過ごせる、つまり、公共施設も十分である。学校はもちろんです。十分である。もう一つ心配なのが、やはり公共交通網の整備です。臨海地下鉄構想、これは心強いですが、十五年後、二十年後と言ったら叱られるかもしれませんが、状況によってはそうなることも考えられる。そして、それまでは東京BRTを活用する。ただし、先日、東京都の都市整備局へ直接行ってまいりましたが、こちらもちょっと不安に思いました。ということは、中央区として、しっかり整備をしていく。最後に、区長がおっしゃった持続性、持続的に安心できるという言葉をおっしゃいました。まさに、サステーナブルの中央区を続けていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

竹内幸美
竹内幸美自民党・政策の会

議事進行について動議を提出いたします。 ただいま代表質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。 午後二時五十七分 休憩 午後三時二十分 開議

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

休憩前に引き続き、会議を開きます。 代表質問を続けます。 次に、中央区議会公明党を代表して、二十八番堀田弥生議員。

堀田弥生
堀田弥生公明党

中央区議会公明党幹事長の堀田弥生でございます。私は、令和八年第一回中央区議会定例会に当たり、公明党を代表して、区長所信表明及び一般事務につきまして、通告書に従い、質問させていただきます。山本区長並びに関係理事者の皆様におかれましては、どうか区民の立場に立たれ、分かりやすく建設的な御答弁をお願い申し上げます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。 令和八年度、区制施行八十周年を迎える本区は、新年度予算に「八十年の歩みを力に 未来を創る」と題し、誰もが住み続けたい、働きたい、訪れたいと心から思える魅力あるまちづくりに向け、るる取り組んでいくことになります。十月の東京湾大華火祭や来年三月の記念式典など、盛大な行事をはじめとして、様々な取組、事業を大変楽しみにしておりますが、十年前の七十周年のときには何か特別な事業があったという記憶がございません。八十という数字にどのような意味があるのか、そのように思い、これまでの来し方を振り返りました。 区制四十周年であった昭和六十二年は、矢田前区長が初めて就任された年で、四十周年の記念誌が作成されました。この頃は都心から人口が流出する動きが継続・加速していた時期であり、翌昭和六十三年には定住人口回復対策本部を設置し、区立住宅の建設や地区計画の導入等の都市計画、また、子育て世帯をターゲットとした福祉施策の充実等々、総合的な人口回復施策に全庁を挙げて取り組まれました。しかし、区制五十周年である平成九年は、四月に人口がとうとう七万一千八百六人となり、本区の最低人口を記録するという、将来の絵が見えない中で迎えたのです。その後、一転して、都心区の利便性や職住近接、都心回帰の流れが注目されるようになり、本区が他自治体に先んじて取り組んでこられた住みやすい住宅や充実した福祉施策の取組等が実を結び、人口が急激に回復・増加して今日に至ります。区制八十周年を迎えるこのタイミングで人口二十万都市が現実的な段階に入ろうとは、三十年前の区制五十周年の折には想像もつかなかったことだと思います。 そこで、お尋ねいたします。 区制施行八十周年をどのような思いで迎えようと思っておられるのか、また、未来に向けてどのような意義を感じておられるのでしょうか、区長の思いをお聞かせください。 人口減少からの回復を目指す過程で、本区は独自の施策を行ってこられました。子育て世帯の流入による人口回復は、本区の目標ではあったものの、他の自治体よりも早く保育所の待機児童問題に直面するという課題を突きつけました。面積が狭く、保育所の増設が難しいという厳しい状況下にあって、認可保育所だけではなく、認証保育所も選択肢に入るよう、認証保育所利用料の補助金額を手厚くする制度や、再開発のマンションの中に保育所を入れることを計画に盛り込むという画期的な施策を生み出しました。本区のこれまでの歩みは、他の自治体よりも早い時点で直面した課題に対し、独自策の開発により突破してきた歴史なのではないかと私は捉えております。 今、本区では、異なる背景を持つ人々との共生や子育て・教育環境の整備、多世代が顔の見える関係をつくるための環境づくりや、都心部ならではの防災対策及び環境対策など、直面する多くの課題がございますが、これからも進取の気性で果敢に取り組んでいただくことを期待いたします。 そこで、お尋ねいたします。 これまでの来し方を踏まえ、二十万都市という新たなフェーズに入る本区の目指す姿をお聞かせください。 本区の目指す姿、区民生活やまちの姿などの将来像を描くとともに、その実現に至る道筋を示すために策定したのが中央区基本構想です。平成二十九年、二○一七年六月の策定を受け、翌年には、この将来像の実現に向けた取組を総合的かつ計画的に展開していくため、中央区基本計画二○一八を策定しました。令和五年度を計画の初年度とする中央区基本計画二○二三は、策定に当たり、新型コロナウイルス感染症による社会の変化やオリパラの開催、晴海のまちびらき、人口推計の変動などの社会状況を踏まえて検討されたと認識しております。 区長は、今回の所信表明の中で、新たな基本計画策定に向けた検討に着手すると述べられ、そのための基礎調査を行うとのことですが、新たな基本計画を策定するに当たり、どのような方向性、方針をお考えなのでしょうか。 また、中央区基本計画二○二三は、策定方針が出された後、半年余りの検討期間を経て策定に至りましたが、新たな計画を策定するまでのスケジュール感もお知らせください。 次に、物価高対策についてお伺いいたします。 総務省が本年一月二十三日に発表した二○二五年十二月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が、二○二○年を一○○として一一二・二、上昇率は前年同月比で二・四%でした。上昇率は三か月ぶりに三%を下回りましたが、日銀が物価安定の目標とする前年比上昇率二%を上回る物価高の状態は、二二年四月以降、四十五か月連続となりました。ただ、今後の見通しとして、日銀は、我が国経済・物価に影響を及ぼす海外の経済・物価動向や、企業や金融・為替市場の動向など、リスクもあるものの、消費者物価指数の上昇率が本年前半には二%を下回り、徐々に落ち着くとの見方を示しており、明るい材料だと言えましょう。先日の日本経済新聞には、消費者物価指数の伸びが鈍化傾向にあり、実質賃金がプラスとなることが視野に入ったとの記事もございましたし、加えて、令和七年度の所得税法等の一部を改正する法律の改正に基づき、消費者物価指数に連動して、基礎控除及び給与所得控除の最低保障額がそれぞれ四万円引き上げられるという恒久措置がなされたこともあり、給与所得者の税の負担軽減策が着実に進んでいることで、相対して物価高への負担感も軽減していくことが期待されます。 一方、収入が固定されている年金生活者や非課税・均等割のみ課税世帯の方など、いわゆる低所得の方たちへの支援策は手薄なのではないでしょうか。この方々こそが物価高の影響を最も受けやすいのであり、私たち公明党は、これまで一般質問や委員会及び予算・決算特別委員会での質疑を通し、また次年度予算要望などにおいて、重ねて物価高対策をお訴えしてまいりました。 二月の補正予算において、区民への直接的な生活支援として、区民の生活応援買物券の配布、また、新年度予算においてプレミアム付き区内共通買物・食事券の発行や融資制度の充実などの物価高対策を盛り込んでいただいたことを評価しております。その上で、年金暮らしの方や低所得世帯など、経済的に困窮している方に対象を絞った対策を今後も継続していただきたいと考えますが、区長の御見解をお伺いいたします。 最後に、防災対策についてお伺いいたします。 昨年十二月、政府の中央防災会議は、前回から十二年ぶりとなる首都直下地震に関する被害想定の見直し、新たな防災対策の検討を発表しました。首都直下地震対策検討ワーキンググループの報告書によりますと、耐震化や不燃化対策の進展により、死者数・建物被害ともに約二、三割の減少となりましたが、政府目標であった半減までには至らず、依然として甚大な被害が予想されています。中央区における被害想定は公表されないものと承知しておりますが、報告書の中で巨大過密都市を襲う被害として挙げているのが、道路交通の麻痺や膨大な数の被災者の発生、被災者の多様化、通信停止等による情報の制約、キャッシュレス決済の停止、情報発信の遅れ等による混乱、SNS等によるデマ・流言の拡散です。また、新たな対策として、防災意識の醸成(「自分ごと」化)や予防対策の徹底、災害対応力の強化などを示唆しています。 一昨年一月の能登半島地震は大変大きな被害をもたらしましたが、それ以降も、昨年はトカラ列島近海や熊本県阿蘇地方、青森県東方沖、北海道で震度五強以上の地震が続発、本年に入ってからも、一月六日に島根県と鳥取県で震度五強と大きな地震は続いており、防災・減災対策に終わりはありません。 そこで、お尋ねいたします。 今回の首都直下地震の被害想定の見直し、新たな防災対策をどのように受け止めておられるのか、また、今後どのように本区の防災対策を進めていかれるのか、御見解をお伺いいたします。 以上で私の一回目の質問を終わります。

山本泰人

堀田弥生議員の御質問に順次お答えをいたします。 初めに、区制施行八十周年に寄せる思いと未来に向けた意義についてであります。 本区は、昭和二十二年三月に日本橋区と京橋区の統合により誕生して以来、令和九年三月に八十年を数えます。この間、戦後復興、高度経済成長、バブル経済とその崩壊など、多くの困難に直面いたしましたが、区と区民、地域等が一丸となって立ち向かい克服してきたことにより、今日の繁栄があるものと考えております。昭和の経済成長期においては、都心機能の集積拡大に伴い、本区人口は減少を続けました。この危機に対して、昭和六十三年に定住人口回復対策本部を設置し、全庁を挙げた総合的な施策推進に取り組んだ結果、平成十年に増加に転じ、以降、人口は着実に拡大し、令和九年度中には二十万人に達する見込みであります。また、区内では多くの都市基盤整備が進められております。令和六年には晴海のまちびらきが行われ、子供の笑顔あふれる新しいまちが生まれました。そして、十年後には築地市場跡地開発が進行し、大規模集客施設等や場外市場に国内外から多くの来街者が訪れ、にぎわいや新たな交流が生まれます。さらに十年後には、日本橋川に青空が返ってまいります。日本橋川沿いで進行している再開発事業とともに、歴史と品格を受け継ぎ、そして新たなにぎわいや創造を生み出す日本橋川交流拠点が形成されます。八十周年は、こうした変化を見据えながら、情報通信技術の加速度的な進化など、本区を取り巻く環境が激変していく中、九十周年、百周年に向けて歩みを進めていく出発点であり、江戸開府以来の本区の発展を築き、支えてきた先人たちの歩みを振り返る年であると考えております。今後も本区らしく発展し続けていくため、先人たちの歩みを羅針盤に、区民の皆さんと共に未来の中央区を築いていく所存であります。 次に、二十万都市としての本区の目指す姿についてであります。 本区では、人口減少という大きな危機に対し、人口回復の要となる住宅施策のほか、保育環境の整備や学校教育の充実、高齢者福祉の推進など多世代にわたる取組の展開、公園整備や水辺の活用、地域コミュニティの活性化など、全庁を挙げた総合的な取組を推進いたしました。コミュニティファンドの創設や、全国に先駆けて中央区教育環境に関する基本条例を制定するなど、全国に例のないことにも果敢に取り組んだ結果、二十万人を目前とするに至っております。人口増加に伴い、新旧住民の融合や多文化共生、幼少期から高齢者まで各世代ごとの施策の展開や世代間交流の促進、良好な生活環境の確保や都市基盤整備、行政需要の拡大など、様々な対応が求められております。また、社会のデジタル化や物価上昇など、社会情勢は大きく変化し続けており、基本構想の実現に向けては多くの課題が待ち受けております。本区は、これまでも歴史を継承しながら新たな環境に立ち向かい、適応することで幾多の試練を乗り越えてまいりました。こうした先人たちの歩みに恥じぬよう、二十万の人と人のつながりを力に、本区に住み・働き・集う全ての人々が幸せを実感し、誇りを持てる都心中央区を目指してまいります。 次に、基本計画策定の方向性と今後のスケジュールについてであります。 基本計画は、基本構想の実現に向けた取組を総合的かつ計画的に展開するため、今後十年間を見据えた具体的な施策や取組の内容を示すものであります。現行の基本計画二○二三は、令和五年二月、いわゆるコロナ禍に策定いたしました。同年五月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の二類から五類に移行し、日常生活が戻るとともに来街者も回復する一方で、社会のデジタル化に伴うコミュニケーションの在り方やライフスタイルの変化、物価上昇など、本区を取り巻く環境は大きく変化いたしました。また、人口増加に伴い生ずる諸課題への対応も求められております。こうした変化を踏まえつつ、二十万都市として引き続き基本構想に掲げる将来像を実現していくため、本区の現状等を把握する各種データの収集・分析や、国・東京都における計画等の整理、区民ニーズの把握など、新たな基本計画策定に向けた基礎調査を実施いたします。今後のスケジュールでありますが、前回計画策定以降、今日に至るまでの社会情勢の変化は極めて大きいものと認識しております。そのため、令和八年度は基礎調査の実施に注力し、令和九年度に基本計画策定方針の決定、同年度内の計画策定を目指して取り組んでまいります。 次に、物価高騰対策についてであります。 今般の物価高騰は、エネルギーや食料品をはじめとする生活必需品等の価格上昇が長期化しており、区民生活に甚大な影響を及ぼしております。とりわけ、年金生活者や低所得世帯など、経済的に厳しい状況に置かれている方々にとりましては、家計への負担が一層重くなっているものと認識しております。こうした状況を踏まえ、区ではこれまで、低所得者や子育て世帯を中心とした給付金等の支給、利用者への負担転嫁抑止のための障害・介護サービス事業所や保育所等への支援などを実施するとともに、区内中小企業の振興と区民生活の安定に寄与するハッピー買物券のプレミアム率・発行総額を拡大し、区民の負担軽減に努めてまいりました。さらに、令和八年度においても、過去最大規模でハッピー買物券を発行するとともに、一人五千円分の区民の生活応援買物券を全ての区民に配布するなど、一人一人の生活を支える取組を行ってまいります。また、東京都においては、東京アプリ生活応援事業が開始され、国においても、実質賃金上昇への取組とともに、消費税減税や給付付き税額控除などの各種経済対策の議論がなされているところであります。区といたしましても、国や東京都の動向を注視しつつ、区民の暮らしを守るために追加的な措置が必要と判断した際には、速やかに対応してまいります。 次に、中央防災会議による首都直下地震の被害想定の見直しについてであります。 先般公表された被害想定は、都をはじめ、埼玉、千葉、神奈川、茨城県の一部といった東京圏への影響を評価するとともに、防災・減災対策の検討に生かすことを主眼とし、発災後の時間経過を踏まえた、より現実的な想定を行ったものとしています。あわせて、首都中枢機能の確保と、膨大な人的・物的被害への対応強化の二つの観点が重要であると示されました。他方、都では、本被害想定について、電力に関する必要な対策は国が主体的に検証・推進していくべきなど、一定の見解を公表しており、今後、都の地域防災計画修正の要否も含め、専門家の意見を聴取しながら検証作業を進めていると伺っております。こうした都の動向を注視しつつ、政治、行政、経済など、その一翼を担う本区にあっては、区民の生命、身体及び財産を守ることはもとより、東京が有する都市機能が災害時にも途絶えることなく継続していくことが、都心区としての重要な使命であり、区民、事業者等と協働しながら、地域ぐるみで区の防災力の強化に向けた歩みを着実に進めていく考えであります。今回、中央防災会議が掲げた事業継続の実効性担保、ライフラインの冗長性及び情報発信の強化、さらには、自分ごととして捉える防災意識の醸成や、地域全体での防災体制の構築など、いずれも本区が取り組んできた各種防災施策と合致するものであり、関係機関と緊密な連携を図りながら、災害に強い中央区の実現に向けた取組を今後とも積極的に推進してまいります。 答弁は以上であります。

堀田弥生
堀田弥生公明党

御答弁、大変にありがとうございました。 昨年来、本区は、区制八十周年に向け、地域の魅力を発掘するシティプロモーションの推進に取り組んでこられました。新年度は多くの記念事業が行われ、私も大いに期待しております。ただ、ほとんど何もなかった十年前の区制七十周年のときとはどう違うのかという素朴な疑問から、この八十周年を祝賀することの意義、位置づけについて、改めて区のお考えをお伺いした次第です。 昨年は戦後八十年の年でした。また、昭和百年だったこともあり、全国各地で終戦の記念事業などが例年よりも大々的に行われ、その流れの中で、同じ八十という数字である区制八十周年を祝うということを私はごく自然に受け止めていたのですが、今回、改めて本区の来し方を振り返ることで、ここに住み続けてきた方たちの思いに強く感じるものがございました。戦後の復興、そして高度経済成長期に中央区を支えたのは、古くから住んでいた方はもちろんのこと、狭い長屋に大家族でひしめき合いながら住んでいた方たち、また、地方から出てきて区内のお店や会社に住み込みで働き、退職して年金暮らしとなった後も、故郷には帰らず、住み慣れた中央区に残り、古い住宅や公営住宅でつつましやかにお暮らしの方たちもおられます。皆さん、今はもう九十歳以上にもなろうかという高齢で、十年前はまだお元気だった方も、残念ながら、この十年の間に第一線を退かれるなど、大変寂しく思うとともに、時の移ろいを感じずにはおれません。区内人口が減少し続ける中で、区に住み続け、区を支え続けてきてくださった方々には改めて敬意を表するものです。 一方、人口回復施策により流入してきた子育て世帯は、以前は、部屋が狭いなどの理由から、子供が成長すると郊外へ転出してしまうことも多かったと伺います。住居の面積が広くなり、子供が大きくなってからも同じ住宅に住み続けられるようになったのは、地域にもよりますが、この十年、十五年くらいのことでしょうか。また、立地のよさから、仕事で多忙な単身者、特に治安のよさを重視するシングル女性がこの地を選んで多く住んでおりますし、定年退職後、郊外の住宅を売却して転入し、都心生活を満喫しているシニア世代も増え続けています。 これらの方々を全て合わせて、二十万の到達が目前となりました。三十年前には二十万都市になるなど想像もできなかったことを思うと、この先どのような未来が待ち受けているか期待もしておりますが、例えば、遠からぬ未来に発生するであろう大規模災害や、福祉現場での人手不足への対応、またタワーマンションに代表される高層マンションの居住実態はどうなっているのかなど、不安な点もございますが、今日このとき、八十周年のときに居合わせた区民の方々、また行政の皆様と力を合わせ、よりよいまちづくりに取り組んでまいります。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

次に、中央区民クラブを代表して、十七番渡部恵子議員。

渡部恵子
渡部恵子区民クラブ

中央区民クラブの渡部恵子でございます。令和八年第一回区議会定例会、区長所信表明に当たり、会派を代表して質問を行わせていただきます。再質問はあらかじめ留保いたします。 初めに、平和都市宣言について質問いたします。 本区は、平和は人類繁栄の礎であるとし、区民生活に平和の理念を生かし、世界の恒久平和に貢献するため、昭和六十三年三月十四日に議決第十五号、区の誕生日に当たる同十五日、告示第二十六号にて中央区平和都市宣言を行い、現在に至っております。同年十一月三日には、平和を希求する区民のシンボルとして、平和像ニコラを区役所前に設置なさいました。以来、区長所信表明には、平和の尊さと世界平和について毎年述べられているほか、平和祈念コンサート、中央区平和展、区立小・中学校を巡回する平和展、平和基金を設置するほか、中央区平和祈念バーチャルミュージアムでは、平成二十年三月より、日頃から平和について考えるきっかけの場を提供する取組を行っています。 私たちは戦争がない時代に生まれ、時に不発の焼夷弾が地中で発見され、自衛隊が安全に処理を行ったというニュースを聞くときがありますが、そのような機会がない限り、第二次世界大戦の戦禍を感じることは少なくなりました。戦争がない世の中が当たり前となった私たちではありますが、世界を見ると、平和を望んでも得られない国々の人たちが今も現存しています。今般の区長所信表明では、多様な人々が生きるまちの姿を通し、平和を国内外に発信し続けることで国際社会との信頼を育むとあります。 令和八年度は、戦後の復興から中央区として歴史を刻んで八十一年がたち、現在も国際紛争下にある方々が現存されている国際情勢において、改めて平和の尊さを区民にどのようにお伝えし、その理念がいかに貴重であるのかを再認識していただくのでしょうか、区長のお考えをお聞かせください。 次に、区制施行八十周年及びその先のアーカイブ構築について伺います。 一九四七年に特別区として発足してから八十年、本区は、商工業、金融、経済、文化の発祥と、中心地として国内外から来訪する人たちを魅了し、日本経済を牽引する一端も担っており、今般の区長所信表明においても、昭和二十二年の区制施行以来、本区は、時代の変化に向き合いながら働く人々の生活を支えてきた自治体であることが明記されております。続いて、人口二十万都市という新たな段階を目前とし、区制施行八十周年という契機に、まちへの愛着を深める取組を全庁を挙げて行うこと、そのために、歴史と文化を次世代に確実につなぐため、デジタルアーカイブの構築や映像制作を行うことのほかにも、地域の区民参加型アーカイブプロジェクトとして、地域の方による地域の魅力を発信する取組を一層推進していく事業の推進と、多角的な調査分析を踏まえた効果的な情報発信の充実を通し、継続性のあるシティプロモーションを推進すると示されております。区政の歩みと地域の変遷を後世に継承するため、体系的なアーカイブ構築は、本区にとり、重要なお取組であると私たち会派も同様に考えております。そのための手段として、デジタルアーカイブのシステムの構築においては、専用プラットフォームを区のウェブサイト内に設け、検索機能の高度化と、カテゴリー分類や資料種別での絞り込み検索が可能な、子供たちや地域の方々など、資料を必要とする人たちに使いやすいプラットフォーム構築が求められると考えます。また、本区は、観光商業が活発である土地柄から、国際都市として多言語対応や、視覚障害者向けの音声読み上げ機能、高齢者の方も見やすいよう文字サイズの調整といった、誰もがアクセスしやすいシステムも求められていくことでしょう。課題として、保存していくカテゴリーをどう整理していくのか、単なる記録保存にとどまることなく、区民や来街者に親和性が高い生きたアーカイブとして機能させながら、次世代に継承していくことは重要と考えます。 戦後の復興期、高度経済成長期を経て、現在も推進中の百年先を見据えた都市基盤整備は、地域開発と都市計画において、百年後の区制施行百八十周年に向けて保存していく価値の高い大事業だと感じております。こうして考えると、区民生活の実録や築地市場の歴史、江戸時代から継承されてきた伝統工芸、老舗企業、商店街の発展、観光業の発展等のほかに、本区にとって悲願であった日本橋の空を取り戻すために始まった大事業に、地域の方々と共に関わり、携わっている行政の方々の声もまた実録として残していくべき内容であると考えております。 アーカイブの構築は多岐にわたり、かつ現在進行中の事業も未来へと継承していくための整理も必要となり、相当程度の時間を要する大事業であると再認識しているところです。本区のアーカイブ構築においては、これだけの歴史と人々の営みの上に構築された重厚感があるため、軽々には至らないと感じております。これらをどのように捉え、整理し、構築していくのか、区長のお考えをお示しください。 次に、百年先の未来を見据えた都市基盤整備について伺います。 区長所信表明の中に、日本橋における首都高速道路地下化をはじめとした百年先の未来を見据えた都市基盤整備を、歴史と文化を生かしながら着実に推し進めるとあります。また、東京駅前地区では、複数の市街地再開発事業や開発地内でのバスターミナルの整備、さくら通りの快適な歩行空間を創出し、中央通りの歩行者ネットワーク強化の支援及び国際都市東京の玄関口にふさわしい安全で快適な歩行環境と回遊動線の形成、地下鉄新線の早期開通にも言及されています。 私の手元に、「東京大改造二○三○都心の景色を変える百の巨大プロジェクト」という本があります。ページを開くと、新宿、池袋、渋谷の再開発や、千代田区は九段会館テラスの建築、そして湾岸エリアの品川区、港区、中央区、江東区の開発の数々が示され、一目で東京の新しいランドマークが続々と誕生している様子が分かります。冒頭、「はじめに」として、編集者、日経クロステックの川又英紀氏の言葉があります。抜粋すると、東京は、日本一の高さを競うTOKYO TORCHタワーの建設、首都の玄関口である東京駅周辺の再開発、また、品川・新宿・渋谷といった都心のターミナル駅前の再開発ラッシュの状況にあり、同時にそれぞれの都市が手がけている再開発は、東京の景色を劇的に変化させており、百年に一度という言葉は決して大げさではなく、二○三○年に向けて拡大しながら大変貌を遂げそうだと記していらっしゃいます。開発の写真を見ると、確かに、高層ビルが並び、どこも同じような建築物となっています。この本には築地市場跡地の開発は入っておりませんが、日本橋の開発において、メインタワーにはMICEやオフィス、ライフサイエンス事業の拠点形成を推進中であることも掲載されています。 他方、築地市場跡地の開発においても、開発事業者が提案していることは、高度人材用の賃貸住宅、国立がん研究センターを目の前とする立地から、研究機能としてのラボの建設、国際交流拠点としてのMICEやホテルなどの建築と、イノベーションを起こす新しい築地を提案されているところです。このコンセプトは、日本橋地区の開発のコンセプトと重なって見えてまいります。区内だけ見ても、均質的な高層建築物、そして国際交流の拠点としてのコンセプトも重なる中で、中央区の歴史、文化を残しながら、百年先を見据えた都市基盤整備において、それぞれのまちの個性をどのように生かしていくのでしょうか。 それぞれのまちの個性が生きる本区らしさは、見方によっては抽象的と受け止められてしまうものかもしれませんが、そこには、地域に誇りを持って住み、商いをしてきた方々の誇りが脈々と生きていると考えています。百年後へ確実に継承していくことを前提に置くならば、中央区の歴史、伝統、文化を確実に区内の再開発事業においても継承していくべきものと考えます。区長のお考えをお示しください。 以上で第一回の質問を終わります。

山本泰人

渡部恵子議員の御質問に順次お答えをいたします。 初めに、平和についてであります。 本区では、平和都市宣言の趣旨の下、これまでも平和の都市の楽しい集いをはじめ、小・中学校巡回平和展などの施策を継続的に実施し、平和の尊さ、大切さについて改めて考えていただく機会を創出するとともに、十思公園にある平和を奏でる時の鐘を改修するなど、平和への思いを次世代につないでいく取組を積極的に行ってまいりました。戦後八十年以上が経過し、さきの戦争を知らない世代が大半を占めるようになった現在、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化やイスラエル・パレスチナ問題など、国際情勢の不安定化が進む中で、平和の尊さや大切さを幅広い世代の方々に伝えていく重要性は、かつてないほど高まっております。何気ない日常を平穏に送ることができる尊さを、区民一人一人がかけがえのないものとして再認識することが何よりも重要であると考えております。区といたしましては、平和首長会議の一員として、国内のみならず、世界各地の八千五百以上の都市と連帯し、核兵器のない平和な世界の実現に向けたメッセージを国内外に発信するとともに、平和の尊さを次世代へ継承していく新たな取組や工夫について、不断の検討を重ね、あらゆる施策の根幹に平和の理念を据えた区政の展開を図ってまいります。 次に、区制施行八十周年及びその先のアーカイブ構築についてであります。 本区では、現在、区及び区内企業・団体等が保有する歴史的史資料をデジタル化し、管理・保存するデジタルアーカイブシステムを構築するとともに、区制施行八十周年を記念した映像を制作し、これらを公開するサイトの構築に取り組んでおります。本区は、江戸開府以来、日本の文化・商業・情報の中心地として発展してまいりましたが、その発展を支えてきたのは、この地域に住まい、集うあまたの人々であります。そのため、本区には多様かつ膨大な歴史的史資料が区内企業・団体等に蓄積されているだけでなく、地域の皆様の体験に基づく証言も資料的価値を持ち得るものと認識しております。こうした多種多様な史資料等の収集に当たっては、各分野の専門的な知見が必要であることから、庁内各部と連携を図りながら取組を進めているところであります。また、本事業は、区制施行八十周年を出発点として、九十周年、百周年、そしてその先も継続的に取り組んでいくものと考えております。時の経過とともに、今現在もまた未来の歴史になるとの認識の下、本区らしい景観を映像として記録し、次世代に継承するアーカイブ映像の制作を進めております。一方で、収集した史資料等も区民の皆様に興味・関心を持って御覧いただけなければ、真に次世代に継承することにはなりません。そのため、公開サイトの制作に当たっては、その史資料の持つストーリーの紹介やコンテンツに工夫を凝らすとともに、検索しやすいサイトを構築することにより、区民等の地域への誇りや愛着心の醸成に資するよう取組を進めてまいります。 次に、本区のまちづくりについてであります。 区では、江戸の町割りを基本とした区画整理や埋立て事業により都市の骨格がつくられ、各地域に人々の営みが生まれることで、商業や文化など様々な個性が発揮されてまいりました。こうしてまちが形成されてきた中、今般、東京駅前や日本橋川沿い、築地・東銀座エリアなどで都市基盤の整備等のまちづくりが必要となってきており、まちづくりガイドライン等の策定を通じて、まちの将来像や都市基盤の在り方などを地元と共有してまいりました。首都東京を牽引する本区では、各地域において、MICEをはじめとした国際都市としての力を強める都市機能も求められているものの、これらがまちの歴史や文化と相まってこそ、真に魅力ある国際都市の実現がなし得るものと考えております。こうしたことから、地域の営みを担ってきた皆様と議論を重ねていくことが重要であり、その内容を実現していくため、開発により整備される空間の活用方策について、再開発の計画段階から事業者に対し、きめ細やかに協議を行ってきたところです。東京駅前ではバスターミナル、日本橋川沿いでは高速道路の地下化や水辺のプロムナード、築地・東銀座では築地市場跡地開発における歩行者デッキなど、各地域の象徴となる空間整備とともに、各エリアはもとより、エリア間をつなぐ広域的かつ重層的な歩行者ネットワークの形成など、本区全体としての交流や回遊性を高める取組を推し進めているところであります。こうした都市基盤の整備に重ねて、公共的な空間として整備される広場等を舞台に、従来から活発に取り組まれてきたお祭りや地域活動に息づく伝統や文化を継承するとともに、新たな交流の広がりも創出できるよう、関係者間の緊密な連携を促してまいります。区といたしましては、今後とも、歴史や伝統、文化といった中央区らしい営みの継承を重んじながら、本区の未来がさらに輝かしいものとなるよう、引き続きまちづくりに取り組んでまいります。 答弁は以上であります。

渡部恵子
渡部恵子区民クラブ

御答弁をいただき、ありがとうございました。 まず、平和都市宣言についてです。 矢田前区長の所信表明には、平和の尊さは教育から始まると常に語られておりました。区内在住外国人も増加し、戦争を知らない世代が増えていく中、改めて、区制施行八十周年を機に、どのように本区が平和を国内外に発信し続けるのかお伺いさせていただきました。 中央区のシンボルマークは、東西南北へ中央区のCを描きながら調和の取れた未来都市へと発展する姿を表わし、コバルトブルーのシンボルマークは果てしなく広がる宇宙を示すものとあります。平和の礎には、日本人が大切にしている平和もまた、他者への理解とともに必要であることから、本区のシンボルマークが示す調和についても、いま一度区民に周知し、友好都市の方々にも御理解いただく取組をお考えいただけますようお願い申し上げます。 次に、区制施行八十周年とその先のアーカイブ構築についてであります。 江戸から継承してきた資料の数々のほか、保存すべき行政資料の振り分け、地域の開発事業や都市計画の記録保存、文化・教育・区民生活の記録、経済・産業の変遷記録など、どのように整理し、最新のデジタルアーカイブを活用していくのか。八十周年の重厚さを知るほど、この事業は専門性も求められ、一つの課が必要ではないかと思うほど膨大であると感じております。デジタル技術の進歩に対応しながら継続的にシステム更新を行い、次世代へと生きたアーカイブを継承していただきますようお願い申し上げます。 最後に、百年先の未来を見据えた都市基盤整備についてであります。 他の自治体が取り組む事業とコンセプトが重なる都市間競争が予想される中、今後、区内においても、それぞれのまちの強みをどう生かしていくのかという段階に入るのではないかと想像しています。中央区の歴史と文化と一言で言うのは簡単ですが、その思いをどのように次世代へと継承するのか。百年先の未来を見据えた都市基盤整備、そして、これに伴う開発事業において、その土地とそこに住む人々の思いが歴史と伝統文化とともに一層反映されるように、また、これから着手される築地市場跡地の開発においても、築地で暮らし、商いを営む地域の方々に相乗効果となるよう、お取組をお願い申し上げます。 以上で中央区民クラブを代表し、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

竹内幸美
竹内幸美自民党・政策の会

議事進行について動議を提出いたします。 ただいま代表質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。 午後四時十二分 休憩 午後四時三十五分 開議

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

休憩前に引き続き、会議を開きます。 代表質問を続けます。 次に、日本共産党中央区議会議員団を代表して、二十番奥村暁子議員。

奥村暁子
奥村暁子日本共産党

日本共産党の奥村暁子です。日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。再質問は留保させていただきます。 区長は、所信表明の冒頭で、二○二六年度が区制施行八十周年に当たることに触れつつ、今、世界を見渡せば、国際情勢はかつてない不安定な状況にあり、長年築き上げてきた国際協調の理念そのものが大きく揺らいでいると述べています。さらに、こうした中、私たちは、異なる背景を持つ人々が共に暮らし、互いを尊重し合う姿をこのまちの日常の中で積み重ねていくことが大切だと述べ、平和を国内外に発信し続けることは、国際社会との信頼を育む上で重要な意義を持つものと強調しています。大変重要なことだと思います。 そこで、私は平和の問題について区長の認識を問うとともに、中央区として平和を構築していくための取組について質問します。 年明け早々、米トランプ政権が国連憲章・国際法違反のベネズエラ侵攻を行い、大統領を拉致したことに衝撃が広がりました。その後も、グリーンランド領有に向けて経済的・軍事的圧力をかけるなど、私には国際法は必要ないとまで言ってのけ、力の支配を公言するトランプ米大統領の言動が世界の安定を脅かしています。 自民党・高市政権は、こうした無法に対して抗議も批判もせず、二○二二年に策定された安全保障関連三文書、いわゆる安保三文書を今年中に改定し、五年間で総額四十三兆円を注ぎ込む防衛費、いわゆる軍事費の二倍化や、他国領土にミサイルを持ち込める敵基地攻撃能力の保有など、トランプ米政権が求める軍拡を一層強化する方針を打ち出しています。昨年来、トランプ政権が日本に求めているGDP比三・五%、二十一兆円へのさらなる軍事費の増額に対しても、否定する姿勢は示していません。高市首相は、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずという日本政府が堅持してきた非核三原則の見直しや、現在は禁止されている戦闘機や戦車など殺傷兵器の輸出解禁も狙っています。さらに、日本国憲法が掲げる平和主義の根幹である憲法九条改憲についても、国民投票を少しでも早く行える環境をつくるとまで言い出しています。まさに、戦争をできるようにする準備です。日本が攻撃を受けていない台湾有事で、中国軍と交戦する米軍を支援するために、自衛隊が安保法制に基づいて参戦する可能性を認める国会答弁が飛び出すなどし、日中関係が悪化していることも問題です。今、平和が脅かされる岐路にあることを強く危惧します。米国第一といって、自分の利益のためには手段を選ばないトランプ政権に、日米同盟絶対の立場から従い続けることが果たして日本に平和をもたらすのか、考える必要があるのではないでしょうか。 そこで、お聞きします。 第一に、日本は、三年前の五兆円から十一兆円へ軍事費を拡大しましたが、来月の日米首脳会談で、さらにGDP比五%以上、年間三十一兆円という軍拡へのトランプ大統領から突きつけられている要求を受け入れるとなれば、その財源として、増税や社会保障費の削減など、区民生活に甚大な影響が及ぶと思いますが、いかがですか。 既に、来年度の政府の税制改正大綱には、防衛特別所得税の名称で、全ての所得納税者を対象に所得税額の一%を課税する軍拡増税が盛り込まれています。十分な議論がないまま、軍拡のためなど一円たりとも払いたくないという人からも強制的に徴収するのは問題だと思いますが、いかがですか。 軍拡によって、区の施策に組み込まれている国庫負担金が減額されるなど、区の施策にも大きな影響があると思いますが、いかがですか。 第二に、歴代政権が国是としてきた非核三原則の見直しも、世界の先頭に立って核廃絶を訴えるべき唯一の戦争被爆国として、絶対に許されないと思いますが、いかがですか。 第三に、防衛費、いわゆる軍事費の拡大や非核三原則の見直し、憲法九条の改正は、戦争をできるようにする準備そのものだと考えますが、いかがですか。それぞれお答えください。 平和を構築するためには、過去の戦争から学び、過ちを繰り返さないことや、他民族や多文化へのお互いの理解と協調が欠かせません。全国知事会は、昨年七月に外国人の受入れと多文化共生社会実現に向けた提言をまとめたのに続き、昨年十一月には多文化共生社会の実現を目指す全国知事会の共同宣言を発表しました。その中では、事実やデータに基づかない情報による排他主義・排外主義を強く否定することや、感覚的に論じることなく、現実的な根拠と具体的な対策に基づく冷静な議論を進めること、外国人の持つ文化的多様性を地域の活力や成長につなげることなどが述べられ、国や区市町村と力を合わせ、日本人と外国人が共に地域社会を築くための多文化共生施策を推進すると宣言しています。 そこで、お聞きします。 杉並区は、昨年一月に多文化共生基本方針を策定しており、その具体化として、今年九月に多文化共生を進める拠点を開設し、日本語学習の支援や生活相談、地域との交流事業なども進めるとのことです。行政と地域、外国人をつなぐ役割を担う多文化共生キーパーソンも育成していく方針です。こうした施策を中央区でも実施するよう求めますが、いかがですか。 また、杉並区は、来年度の予算編成に当たって、戦争を知らない世代が増える中、その記憶をどう次の世代に伝えていくかが課題になっているとして、幅広い意見を聴取して今後の平和施策に生かしていく、杉並区平和施策に関する区民懇談会を新たに設置するとのことです。学識経験者や区民公募、若者世代を含めた多様なメンバーで構成します。こうした取組を中央区でも実施するよう求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。 次に、中央区のまちづくりについて質問します。 人口二十万都市となることを目前に控え、区長は所信表明の中で、築地市場跡地の再開発をはじめ、都心・臨海地下鉄新線、日本橋における首都高速道路の地下化など、都市基盤整備の取組は、国際都市東京の競争力と魅力を高め、首都の未来を形づくるもので、着実な推進に努めるとしています。来年度予算案は、一般会計の財政規模が前年度比約二二%増の過去最大の一千九百八十六億円となっています。増額された主な理由は、財政積立金が前年度比で二百二十二億円増えていることにあります。これは、諸収入が都市基盤整備事業協力金収入などにより約二三四%増え、財産収入も土地売払収入などにより約二五九%増えており、その一部を財政積立金として積み立てたことによるものです。その原資は、日本橋首都高速道路の地下化に伴う日本橋一丁目中地区の市街地再開発事業で開発業者から拠出される見込みの協力金百六十億円や、区民の財産である日本橋一丁目東地区の区道を開発業者に三十三億円で売り払うことを見込んでいる収入などです。 そこで、お聞きします。 第一に、これまでに中央区が行ってきた区道廃止を伴う再開発事業において、売払いが行われた路線数と、その際に得た財産収入は幾らですか。都市基盤整備事業協力金収入の件数と収入金額の合計は幾らですか。 第二に、中央区は、区道などの土地を売り払って莫大な財産収入を得ることや、そうした土地を売り払うことによって大規模開発が進められた後に、事業者の利益の中から協力金を得るという、不動産業を営んでいる企業のような仕事をしています。自治体の仕事としてふさわしいとお考えですか。 また、投入する義務のない高速道路の建設のために、莫大な資金を基金として準備する仕組みをつくることが中央区の役割なのでしょうか、お答えください。 第三に、区長が述べる国際都市東京の競争力と魅力を高め、稼ぐ東京を願っているのは開発業者です。区民にとっての住みやすいまちということにはならないと思いますが、いかがですか。超高層オフィスビルやタワマンを林立させることが持続可能なまちづくりになるのでしょうか、区長の見解を求めます。 住宅政策について質問します。 来年度予算案では、市街地再開発事業助成として八事業に約三百四十億円が投入されますが、再開発によって超高層タワーマンションを都心に林立させることが、都内の家賃高騰を招く要因となっています。区議団として、これまでも、マンションの投機的な転売に関する規制強化や、小規模な共同建て替えの提案なども行ってきました。手頃な価格の住宅整備は不十分で、東京都が百億円出資するアフォーダブル住宅政策では、都内で年間三百戸しか供給されず、セーフティネット住宅も区内ではほとんど増えていません。 NPO法人住まいの改善センターの調査では、特に今、ひとり暮らしのシングル女性に対する住宅への公的支援がないことが問題となっています。戦後、日本では、所得階層別の住宅政策が取られ、所得の高い層は広い持家に住み、中所得層は公団や公社や民間の賃貸住宅、低所得層は公営住宅か古く狭い賃貸住宅というふるい分けが行われました。家族を前提とする持家主義が一貫して取られてきたため、単身者や民間居住者への住宅政策はほとんどなく、中でもシングル女性が支援から外れています。住居費の負担率には男女比があり、月収に占める賃貸住宅の住居費の負担率は、男性が二五%なのに対し、女性は約二九%で、駅やバス停からの近さや、二階以上、オートロックなど防犯を考えるため、家賃が高めになっています。働く女性の約半数が非正規雇用で、正社員でも生涯賃金は男性よりも少ないという現実に加えて、現在、五十歳の女性が老後に受け取る年金は月額十万円未満が六割に上るという賃金格差の背景にあります。特に、中高年のシングル女性が部屋を借りる場合、低収入や保証人が確保しにくいなどのリスクからか、不動産業者に問い合わせても返事がなかったり、大家が断ったなど、契約しづらい実態があります。日本社会が男性を主な稼ぎ手とする世帯をモデルにしてきたため、そこから外れた女性は不利な立場に置かれがちです。住まいの課題はジェンダー問題でもあり、個人の尊厳につながっています。 そこで、お聞きします。 第一に、中央区のシングル女性の世代別世帯数についてお示しください。シングル女性の住まいの状況と家賃負担の重さをどのように捉えていますか。支援の必要性について、どのようにお考えですか。 第二に、中央区には六十歳以下のシングル女性向けの公営住宅はありませんが、必要性をどのように捉えていますか。就労していて一定の所得があり、区営住宅や都営住宅への申込み資格は満たさないシングル女性に向けた公営住宅も必要だと思いますが、いかがですか。家賃支援や民間賃貸住宅の借り上げなどによる支援を求めますが、いかがですか。 第三に、欧米諸国では、住まいは人権という思想が定着しています。住居は生活の基盤となっているため、国や自治体が整備することが基本となっており、家賃補助などの住宅政策は当たり前です。シングル女性に限らず、高齢者や若年層も重い家賃負担に苦しんでいます。人権を守る立場から、住み続けられる住宅政策を大きな柱として区の施策に位置づけ、家賃補助制度などを充実するよう強く求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。 以上で一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

山本泰人

奥村暁子議員の御質問に順次お答えをいたします。 初めに、国における安全保障についてであります。 外交・防衛の在り方、その財源や予算配分については、国の存立に関わる重要事項であり、国民の理解と合意を得るために、国において慎重かつ丁寧な議論を重ねていくべきものと考えております。また、非核三原則や憲法改正は、国の安全保障政策の根幹に関わる事項であり、国民的議論が幅広く展開されることが重要であります。その上で、国権の最高機関である国会において、十分な審議がなされるべきものと認識しております。本区といたしましては、引き続き、あらゆる施策を通じて、核兵器廃絶や恒久平和の大切さを広く発信してまいります。 次に、多文化共生社会に向けた取組についてであります。 区民の誰もが、地域社会において様々な方と心を通わせ、安心して、より豊かに日常生活を送るためには、異文化理解や相互理解を促進し、多文化共生社会を実現することが不可欠であります。本区では、外国人人口が急速に増加する中で、日常生活におけるトラブルが顕在化していることから、日本人と外国人の暮らしの中での新たな課題や交流の実態等を把握するため、今般、在住外国人意識調査を実施したところです。調査の結果、ごみの出し方や騒音など、生活上のトラブルに関する回答が多く、まずはこうした生活ルール・マナーを外国人に理解してもらうことの重要性が明らかになりました。そのため、令和八年度予算において、「外国人区民のための生活マナーリーフレット」の作成費を計上し、普及啓発を図ることといたしました。今後は、調査結果のさらなる分析を進め、的確な課題把握に努めるとともに、所管部署の体制強化を図り、御例示の他自治体などの事業も参考にしながら、本区の課題に対応した取組について検討を進めてまいります。 次に、平和事業についてであります。 区では、次の世代に平和の尊さや大切さを伝えていくため、昭和六十三年に制定した平和都市宣言の趣旨の下、小・中学校巡回平和展や平和の都市の楽しい集い、平和祈念バーチャルミュージアムなどの事業を積極的に実施してまいりました。これらの事業のアンケートを通して、幅広い御意見やニーズを抽出・把握することにより、これまでも事業の改善を図ってきたところであります。そうした中、今年度は戦後八十年の節目という機会を捉え、例年三月に開催している平和展を、終戦記念日である八月十五日前後に開催したところ、例年に比べ、多くの方に御覧いただくとともに、アンケートからは、八十年前、中央区でこのような悲劇があったことを初めて知った、孫と一緒に見ることができたなど、幅広い世代から様々な声が寄せられたところであります。そのため、御例示の会議体を設置する考えはありませんが、引き続き、様々な世代のニーズの把握に努め、今後の事業内容に工夫を凝らすとともに、節目を捉えた企画を取り入れるなど、区民の平和を希求する思いを醸成し、再び戦争の惨禍が起きることのないよう、各種平和事業に取り組んでまいります。 次に、都市基盤整備事業についてであります。 これまでの再開発事業における財産収入を伴う区道廃止等は、十二路線、約四百五億円であり、都市基盤整備事業協力金収入については、一件、一億三千五百万円であります。街区再編を伴う市街地再開発事業において、道路を廃止し宅地となった従前資産を従後に金銭として受給する場合には、道路の付け替えや公共施設の取得の必要性を判断の上、都市再開発法における権利変換手続にのっとり、適切に対応しております。また、協力金につきましては、区が定める要綱に基づき、事業者と協議し、双方合意をした上で歳入しているものであります。本区は、区内の都市基盤整備を着実に推進していくため、令和二年に中央区首都高速道路地下化等都市基盤整備基金を創設いたしました。再開発事業等による協力金の受皿として本基金を活用し、関連事業に適時適切に拠出しながら良好なまちづくりを進めていくことは、地元自治体の役割だと認識しております。 次に、持続可能なまちづくりについてであります。 首都東京の中心に位置し、個性あふれる地域を有する本区では、地域特性を踏まえ、地区計画や市街地再開発事業など、様々な制度の運用を図りながら、区民の住環境の向上に取り組んできたところであります。また、都心区であるからこそ、まちの発展には、働く人や訪れる人の力も必要であります。面的な整備の機会を捉え、高度な都市機能の集積やにぎわい創出のための情報発信・交流施設の整備など、国際競争力を高める創意工夫は、本区が従来から有する機能を強化するものであり、都心居住における多様な魅力をも増進するものと考えております。一方、住宅が集積している月島地域では、防災や環境対策の強化はもとより、生活利便施設をはじめ、水と緑豊かな交流空間や安全な歩行者空間の整備など、区民生活に欠かせない生活基盤を整えていくことで、区民が長期的に安心かつ快適に生活できる都市環境を実現してきたものと認識しております。区といたしましては、住み、働き、訪れる人のつながりが本区の未来を形づくり、区民生活を豊かにする持続可能なまちづくりの実現に結びつくものと考えており、引き続き、都心としての多様な都市機能の強化と都心居住における魅力向上の両立を目指してまいります。 次に、住宅施策についてであります。 シングル女性の世代別世帯数につきましては、令和二年の国勢調査で、本区における単独世帯の女性が約二万五千人とあるものの、別世帯の同居人がいるなどの居住実態もあり、正確な把握は困難であります。シングル女性の居住につきましては、物件選択においてセキュリティを重視するなどの傾向があることは認識しておりますが、収入や年齢による住宅確保の課題については、男女を問わず生じるものと考えております。本区の住宅施策といたしましては、低所得者や高齢者、障害者など、住宅確保要配慮者の居住支援が最優先課題であると捉えており、区営住宅や高齢者住宅、ひとり親世帯住宅の適切な運用に努めているところであります。また、民間賃貸住宅につきましては、事業者に対しセーフティネット住宅などの登録を促すことにより、多様な住宅ニーズへの対応が可能であると考えており、運営費への助成制度を案内するなど、整備促進に向け、働きかけを行っているところです。さらに、令和八年度から供給に取り組む居住サポート住宅では、入居者を福祉サービスにつなげる運営事業者を介し、大家側の不安の軽減が期待できると考えており、家賃低廉化などを含めた助成も行いながら、供給を促進してまいります。区といたしましては、住宅は生活の基盤であるとの認識の下、福祉と連携した住宅確保要配慮者への居住支援を着実に実施するとともに、全ての区民が安全・安心で快適に住み続けられる住環境の構築に向け、引き続き取り組んでまいります。 答弁は以上であります。

奥村暁子
奥村暁子日本共産党

それでは、初めに住宅政策ですが、千代田区が新年度から、マンションなどの空き家を改修して、手頃な家賃で区民に住まわせるアフォーダブル住宅の制度も独自に始めるということです。同じ都心区ですので、中央区でも、ぜひこういった取組を進めていただくよう強く求めます。 次に、平和の問題についてですが、高市首相が憲法九条に自衛隊を明記する、そういう項目を新たに書き加える、そういう改正を行おうとしています。今の憲法九条二項の戦力の不保持、交戦の禁止という適用を自衛隊が受けないような形で自衛隊を加筆するということです。これは、戦争に参加しないための歯止めをなくしていくということになります。日本がこうした憲法を変えていけば、周辺国は、日本がまた戦争できる国になろうとしていると考え、今で言えば、特に中国がさらに軍事費を強化していくということになると思います。日本にとって、安全保障環境がより悪くなっていく道ではないでしょうか。 安全保障のジレンマという言葉があります。ある国の自己の安全保障を確保しようとする軍事力の強化が、ほかの国への脅威を増して、結果的に自己の安全保障環境を悪化させるということで、まさにこのとおりだと思います。果てしない軍拡競争、そして、アメリカに言われるがままに軍事費をGDP比で三・五%、五%と上げていくということになれば、区民生活への影響は甚大です。区としては、国庫負担が減らされたとしても、区民にとって大事な施策は当然きちんと継続しないといけないと思いますけれども、そういった負担も、区にとって大変重いものになると考えます。区民の命と生活を守るためにも、区長として、憲法九条には手をつけない、軍事費の拡大はやめていく、そういう声を上げていただきたいというふうに思います。 歴代の首相の行動などを見ても、田中角栄元首相の時代にはベトナム戦争がありました。フィリピン、タイ、韓国も、アメリカの同盟国として軍隊を派兵して戦車を出していますけれども、それでも角栄氏は、憲法九条をこういうときには使えばいいんだと突き返して、参戦しなかった。海部元首相の時代にも湾岸戦争があり、ブッシュ大統領との会談でも自衛隊派兵を求められたけれども、これも突き返しています。福田元首相の新聞インタビューが年頭にありましたが、平和憲法の力は偉大だと。この間、日本が戦争をしなかったことは憲法の力だというふうに述べています。こういった先人の方たちの知恵、こういった考えも継承していく必要があるということを述べて終わります。(拍手)

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

次に、中央みらいテーブルを代表して、十八番梶谷優香議員。

梶谷優香
梶谷優香みらいテーブル

中央区議会、会派中央みらいテーブルの梶谷優香です。令和八年第一回中央区議会定例会に当たり、会派を代表し、通告書に従い、質問をさせていただきます。なお、再質問はあらかじめ留保させていただきます。 本区は、令和八年度、区制施行八十周年という大きな節目を迎えます。戦後八十年、焦土からの復興、高度経済成長、人口減少期を経て、本区は今、人口二十万都市を目前にするまでに発展してまいりました。定住人口が回復し、都心居住が現実のものとなり、中央区は住むまちとして着実に歩みを重ねております。人口減少が続く自治体も多い中で、本区が人口増加を続けていることは大きな成果であります。しかし、それは同時に、住宅、教育、福祉、交通、防災といった都市の基盤をより高い水準で維持、発展させていく責任を伴うものであります。人口二十万都市とは、単なる数字ではなく、行政サービスの質と持続可能性がより厳しく問われる段階に入ることを意味しているのではないでしょうか。 私たちを取り巻く環境は、物価高の長期化、国際情勢の不安定化、気候変動の深刻化、首都直下地震への備えなど、予測の難しい課題に満ちています。さらに、築地、日本橋、臨海部における大規模な都市基盤整備が同時に進む中で、都市の姿そのものも変わりつつあります。人口が増えることは希望でありますが、その希望を確かなものとするためには、安心と活力を両立させる都市運営が不可欠です。中央区は今、拡大と持続可能性をどのように調和させるかという大きな問いに向き合っているのではないでしょうか。中央区平和都市宣言の理念を次世代へ確実に継承しつつ、人口二十万都市を目前に控える自治体として、暮らしの安心と都心のにぎわいをどのように調和させていくのか、その方向性を区民と共有していくことが大切であると考えます。また、行政DXの推進は、区民サービスの向上だけでなく、行政の意思決定や業務効率の在り方にも影響を与えます。デジタル化を進める中で、利便性を高めながらも、デジタルに不慣れな方への配慮をどう確保していくのか、公平性と効率性をどう両立させていくのかが問われています。 区長は、所信表明において、「八十年の歩みを力に 未来を創る」と掲げ、子供、防災、脱炭素、物価高対策など、喫緊の課題と中長期的課題を一体的に進める考えを示されました。新年度予算の主な施策について、基本構想に掲げる三つの施策のみちすじに沿ってお話がありましたので、今回、私たちの会派における代表質問においても、この三つの施策のみちすじに沿って順次質問をさせていただきます。 まず、一人一人の生き方が大切にされた安心できるまちを目指してについてです。 人口増加が続き、若い世代や子育て世帯が増える一方で、高齢者の単身世帯、障害のある方、ひきこもり、複合的な課題を抱える家庭など、支援ニーズは多様化・複雑化しております。都市の成長の中で、支えを必要とする人が孤立してしまうことがあってはなりません。都市部では、支援制度が整っていても、その存在を知らなければ利用につながらないという課題もあります。安心とは、制度の充実だけでなく、いざというときに頼れると実感できる状態ではないでしょうか。所信表明では、こども誰でも通園制度の開始や三歳児発達検査の実施、五歳児健診に向けた検討、在宅レスパイト事業の拡充、日本橋地域へのふくしの総合相談窓口の展開など、切れ目のない支援体制の強化、そして安心の基盤づくりが示されました。これらが個別の施策として終わるのではなく、互いにつながり合い、支援の網の目を細かくしていくことが重要です。 分野を超えて情報が共有され、相談から支援、そして継続的な見守りへとつながる仕組みをどのように築いていくのか、本区が目指す安心できるまちの姿と、その実現に向けた方向性についてお聞かせください。 また、本区は合計特殊出生率が八年連続で二十三区トップという成果を上げているということは、大変意義深い成果であります。その一方で、子供を取り巻く環境は大きく変化しています。共働き世帯の増加、地域のつながりの希薄化、デジタル環境の進展など、育ちの環境は多様化しています。朝の子どもの居場所づくり事業の開始や、学童クラブ定員の拡大、不登校支援の強化など、子供を取り巻く環境整備にも力を入れる姿勢が示されました。これらの取組を通じて、子供たちがどのように育ち、どのような力を身につけていくのかが重要であると考えます。 自己肯定感や社会性、多様性への理解、地域への愛着など、将来を担う子供たちの育ちの姿をどのように描いていくのか。中央区として描く子供の育ちの姿、そして教育と子育て政策をどのように連動させ、未来を担う力を育んでいくのか、区長の御見解をお聞かせください。 次に、快適で安全な生活を送るための都市環境が整備されたまちを目指してについてです。 首都直下地震が想定される中、防災対策は本区にとって最重要課題の一つとなっています。防災士資格取得支援の拡充や、女性防災リーダーの育成、耐震改修の促進など、事前防災の強化が示されました。こうした取組は着実に積み重ねられてきていると感じております。しかし、防災とは単独の施策ではなく、都市政策そのものと深く結びつくテーマではないでしょうか。住宅の耐震化、道路の無電柱化、公園の防災機能の強化、帰宅困難者対策、情報発信体制の整備など、日常の都市整備の質がそのまま防災力に直結します。人口二十万都市を目前に控える今、災害時に守るべき対象も増えています。高層住宅の増加、来街者の増加、観光客の増加など、都心区ならではの特性を踏まえた備えが求められております。都市が成長するほど、防災の責任もまた大きくなるのではないでしょうか。さらに、築地、日本橋、臨海部などで進む大規模な都市整備は、将来の発展に向けた大きな投資であります。その一方で、工事期間中の生活環境への影響、交通動線の変化、地域コミュニティへの配慮など、丁寧な調整も欠かせません。再開発やインフラ整備を、単なる成長戦略としてではなく、安全、環境、回遊性、地域のつながりを総合的に高める機会と捉える視点が重要ではないでしょうか。 防災を区政の基盤としてどのように位置づけ、都市整備や環境政策とどのように調和させながら総合的なまちづくりを進めていくのか、将来世代に引き継ぐ都市の姿について、本区の方向性をお聞かせください。 次に、輝く個性とにぎわいが躍動を生み出すまちを目指してについてです。 所信表明では、物価高対策や中小企業支援、東京大華火祭の再開など、にぎわいと生活支援の両立に向けた取組が示されました。厳しい経済状況の中で、区民生活を支える姿勢は大変重要であると受け止めております。一方で、都心中央区の経済は、単なる消費喚起だけでなく、商業、観光、文化、国際性といった多様な要素によって成り立っています。中小企業が持続的に成長できる環境づくり、人材確保、デジタル化への対応、地域ブランドの向上など、構造的な視点も求められているのではないでしょうか。にぎわいの創出は都市の魅力を高めますが、そのにぎわいは、住む人の安心と両立してこそ持続可能なものとなります。イベントの開催、観光振興、商業活性化を進める中で、混雑対策、安全確保、生活環境への配慮をどのように組み合わせていくのか、そのバランス感覚が重要であると考えます。 中央区として、良好な区民生活の確保とにぎわいの創出をどのように両立させるのか、区長の御見解をお聞かせください。 そして、最後に、区制八十周年と次の十年の設計についてお伺いしたいと思います。 区制八十周年は、これまでの歩みを振り返る節目であると同時に、これからの中央区の姿を区民と共有する機会でもあります。戦後八十年、幾多の困難を乗り越えながら、本区は都心区としての役割を果たしてきました。人口が減少した時代もありましたが、まちづくりの積み重ねによって定住人口が回復し、今や二十万都市が現実のものとなろうとしています。この転換点において重要なのは、どのような中央区を次世代に手渡していくのかという視点ではないでしょうか。にぎわいのある記念事業の思い出を残すことも大切です。同時に、区民一人一人がこのまちに誇りと愛着を感じられる環境を育んでいくこともまた重要であると考えます。さらに、防災力の向上や環境への取組、地域のつながりを深めることなど、将来にわたって安心して暮らせる都市の基盤を整えていくことも欠かせません。人口二十万都市としての責任を自覚し、安心と活力が自然に両立する都市を築いていく。その方向性を区民と共有し、具体的な目標として示していくことが、この八十周年の本当の意義ではないでしょうか。 区制八十周年を通過点ではなく、未来への出発点とするために、区としてどのような将来像を描き、どのような十年を設計していくのか、方向性をお聞かせください。 以上で第一回目の質問を終わります。

山本泰人

梶谷優香議員の御質問に順次お答えをいたします。 初めに、本区が目指す安心できるまちの姿とその方向性についてであります。 本区が考える安心できるまちとは、困り事を抱えたときに相談できる場所が明確であることや、相談できる相手が身近にいることに加え、困り事に気づくことができる地域の目があり、必要な支援につながる社会であります。近年、社会構造の変化とともに、一人一人の抱える課題が複雑化、複合化しており、表面化している課題の背景に別の要因があるなど、課題の把握や解決には様々な側面からのアプローチが求められております。そのため、子供や高齢者、障害者などの属性だけでなく、福祉・保健・医療・教育などの分野をも超えた連携により、課題の気づきから相談、支援まで切れ目のない一貫した体制の構築が大変重要であります。区では、これまでも、子供や子育て家庭向けの中央子家ネットや高齢者向けの地域包括ケアシステム、障害児向けの育ちのサポートシステムなど、属性に応じた機能強化に加え、属性に関わらない相談窓口であるふくしの総合相談窓口を中心とした重層的な支援体制整備事業も実施し、専門性の強化と、制度のはざまにいる方を支えるきめ細やかな支援体制の構築を進めているところです。いずれも、相談内容に応じて関係部署や機関と適切に情報共有するとともに、支援会議などにおいて各専門分野の知見も加味し、様々なサービス等を組み合わせながら包括的な支援につながるよう努めております。安心できるまちの実現には、行政等が提供するサービスの充実だけでなく、サービスや支援に確実につなげるための仕組みが欠かせません。区といたしましては、サービスの充実はもとより、民生・児童委員をはじめとする地域の方々や、社会福祉協議会など関係機関との連携を一層強固なものとし、困り事に気づき、一人で抱え込まず、誰一人孤立することなく、安心して暮らせるまち中央区の実現を図ってまいります。 次に、子供たちの育ちについてであります。 子供たちが自分を大切にしながら他者を尊重し、多様な人々や環境との関わりの中で学びを深め、自らの可能性を追求することは、今後の社会において求められる重要な姿勢であります。また、社会の変化が加速し、予測困難な時代にあっては、知識の習得のみならず、主体的に考え判断し、課題に向き合いながら克服していく力を育むことが大切であります。こうした考えの下、保育所や幼稚園等においては、一人一人の成長や特性を丁寧に支え、遊びや生活を通じた多様な経験の積み重ねにより、学びに向かう力や社会性のほか、粘り強くやり抜く力や共感力など、非認知能力の育成に重点を置いております。また、就学時の引継ぎ等を通じて、日々の子供の育ちの視点を教育分野と共有し、保幼小の円滑な接続を進めております。さらに、学齢期では、主体的・対話的で深い学びを基盤に、キャリア教育や国際理解教育に加え、子供の意見表明の機会創出や地域で活躍できる場の充実を通して、果敢に挑戦する力を伸ばしております。子供の育ちは、家庭や地域をはじめ、子育てと教育施策が連続的に支える営みが基盤となります。子供たちが自ら未来を切り開き、世界に羽ばたく力を備え、一人一人の人生が実り豊かなものとなるよう、子供施策の推進に邁進する所存であります。 次に、防災を含めた総合的なまちづくりについてであります。 本区において、個別建物の建て替えのみならず、大規模開発や都市基盤整備など様々な都市整備が進む中、総合的に区のポテンシャルを高めていくことが重要であり、とりわけ防災力の強化は欠かせないものと認識しております。個別建物の建て替えでは、マンションやホテルの開発計画に対し、備蓄倉庫の設置など防災対策を求めてきたとともに、本年三月には耐震改修促進計画を改定し、災害時における緊急輸送道路の通行性の確保や、建築物の耐震化のさらなる促進に取り組んでいくこととしております。また、市街地再開発事業を含む大規模開発では、地域課題を解決する有効な手段であることから、まちづくり基本条例に基づき、防災対策のみならず、環境対策や交通対策、地域特性に応じた施設整備など、計画全般に対して事業者や地元と協議し、取り組んできております。特に、防災につきましては、建物整備にとどまらず、整備された空間が地域防災力の強化や帰宅困難者対策において住民や企業等の活動拠点となるよう、計画段階から事業者など関係者と継続的に協議しているところです。区といたしましては、こうした様々な取組を通じて、本区のさらなる強靱化と、将来にわたって誰もが安全・安心に過ごせる環境を整備していく考えであり、引き続き、総合的にまちづくりを推進してまいります。 次に、にぎわいの創出と良好な区民生活についてであります。 江戸以来の魅力あふれる歴史と文化を背景に、商工業や観光、地域活動などによって生み出されるにぎわいは、本区のさらなる発展に向けて必要不可欠なものであり、まさに生命線であります。そうした中にあって、大江戸まつり盆おどり大会や観光商業まつり、まるごとミュージアムなどのイベントは、人々が集い、交流を生み出すことにより地域コミュニティの活性化が図られ、にぎわいの創出に大いに寄与するものであります。一方で、こうしたイベントの開催は、来場者による会場付近の混雑や騒音、ごみのポイ捨てなど、区民の日常生活に影響を与えるものと認識しております。そのため、区では、これらの影響を抑えるため、町会など地域への事前説明・調整を丁寧に行った上で、広報紙等によりイベントの周知を図るとともに、会場周辺の清掃や違法駐輪対策など、必要な対策を講じております。本年十月に開催予定の東京湾大華火祭につきましても、これまで積み上げた経験を生かし、区民の皆様が安全・安心に楽しんでいただけるよう、しっかりと対応していく所存であります。区といたしましては、引き続き、各種イベントの開催を通じて、本区の魅力の源であるまちのにぎわいの創出に積極的に取り組んでまいります。 次に、区制施行八十周年と次の十年の設計についてであります。 令和九年三月、本区は区制施行八十周年を迎えます。本区にとって、八十周年は、九十周年、百周年に向けての出発点であり、今後も本区らしく発展し続けるため、これまでの歩みを振り返り、未来を見据える年であると認識しております。区では、平成二十九年六月に基本構想を策定し、将来像を定めております。令和九年度中に二十万都市となる見込みでありますが、引き続き、基本構想に掲げる将来像の実現に向けて取組を進めてまいります。基本構想の実現に向けた具体的な施策や取組の内容を示す基本計画でありますが、現行の基本計画二○二三は、令和五年二月に策定し、政策横断的に取り組むべき施策を四つのリーディングプロジェクトに整理し、中央区セントラルパーク構想として、まちもつながる、ひともつながる政策を展開しております。現行計画策定後、社会情勢が大きく変化していることから、基本構想を実現するための設計図とも言える基本計画については、改めて検討する必要があると認識しており、新たな基本計画策定に向けた基礎調査を実施し、令和九年度中の計画策定を目指して取り組んでまいります。 答弁は以上であります。

梶谷優香
梶谷優香みらいテーブル

それぞれ御答弁をいただき、ありがとうございます。 本日は、区制八十周年という大きな節目を見据え、人口二十万都市へと歩みを進める本区のこれからについて、会派としての視点からお伺いをいたしました。御答弁を通じ、安心できるまちづくり、安全・防災対策の強化を含めた総合的なまちづくり、そして、まちのにぎわいについて、区の方向性を改めて、認識するとともに共有することができたと受け止めております。 とりわけ、一人一人の生き方が大切にされるまちの実現に向けては、サービスの充実だけでなく、支援が確実に届き、つながり続ける仕組みづくりが重要であると思います。引き続き、分野を超えた連携の下で、誰一人孤立することなく、実効性ある取組が進むことを期待しております。 また、防災や都市基盤整備については、人口増加と都市機能の高度化が進む本区において、将来世代への責任を伴う重要なテーマであります。日常のまちづくりと一体となった備えが具体的な形として積み上げられていくことを今後も期待しております。 区制八十周年を迎える本区が、この節目を通過点とするのではなく、次の十年への確かな出発点となるよう、私たち会派中央みらいテーブルは、区民の声を丁寧にすくい上げながら、立場を超えて同じテーブルに着き、対話を重ねながら区政の前進に努めてまいります。 以上で中央区議会、会派中央みらいテーブルを代表しての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

以上をもって代表質問を終わります。

竹内幸美
竹内幸美自民党・政策の会

議事進行について動議を提出いたします。 本日の会議はこの程度とし、明二月二十六日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

原田賢一
原田賢一自民党・政策の会

御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二月二十六日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。 本日は、これをもって散会いたします。 午後五時三十四分 散会