// 発言者(17名)
// 発言(36件)

ただいまから決算特別委員会を開会いたします。 《委員会記録署名委員の指名》

初めに、本日の委員会記録署名委員を御指名いたします。松本みつひろ委員にお願いいたします。 《決算審査》 認定第1号 令和4年度杉並区一般会計歳入歳出決算 認定第2号 令和4年度杉並区国民健康保険事業会計歳入歳出決算 認定第3号 令和4年度杉並区介護保険事業会計歳入歳出決算 認定第4号 令和4年度杉並区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算 各会派の意見開陳

これより、認定第1号令和4年度杉並区一般会計歳入歳出決算外3件に対する各会派の意見を聴取いたします。 なお、昨日にもお願いいたしましたが、1会派当たり20分以内に収めていただきますよう御協力をお願いいたします。 なお、傍聴人より委員会の撮影、録音、パソコン等電子機器使用の申請が提出されましたので、これを許可します。 それでは、多数会派順に意見の開陳をお願いいたします。 自民党・無所属杉並区議団代表、藤本なおや委員。

自民党・無所属杉並区議団を代表して、令和4年度杉並区各会計歳入歳出決算について、会派としての意見を申し上げます。 私たち会派は、このたびの決算審査の締めくくりに当たり、当該年度の決算収支や各財政指標から適正かつ健全な財政運営が行われたかどうか、また、施策指標の目標達成状況や各事務事業内容について問題がなく、適切に予算が執行されたか、この大きく2つの客観的な視点をもって当該決算を判断いたしました。 初めに、令和4年度の杉並区を振り返ると、基本構想の初年度かつ区制施行90周年の節目の年でありましたが、6月の区長選挙の結果、3期12年続いた田中区政から岸本区政へと交代となるなど、変化の年ともなりました。一方、新型コロナウイルス感染症は、前年度から終息が見通せない状況が続いており、岸本区長が就任した7月11日頃から、区内感染者数は急増し、8月にかけて過去最大の感染ピークを迎えることとなりました。このようなコロナ感染の第7波のさなか、岸本区長は選挙後のマスコミ対応や、安倍元総理の国葬反対デモに参加するなど、熱心に対外発信活動に取り組んでおられたようですが、多くの区民などの御協力によって、医療が機能不全に陥ることなく、第7波、そしてその後の第8波もピークアウトすることができました。改めて、最前線で区民の貴い命と健康を守っていただいた医療、保健関係者や介護関係者の皆様方に、心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。 このように、令和4年度の杉並区は、引き続きコロナ対策に翻弄された年度でしたが、同時に円安の影響などから、今までにない物価高騰にも見舞われ、10次にわたる補正予算が編成をされました。その結果、一般会計歳入決算額は2,360億7,100万円余、歳出決算額では2,232億1,500万円余となり、決算収支では、形式収支額、実質収支額ともに黒字となりました。しかし、前年度と比べると、歳入歳出いずれも2年連続で減少し、特に自治体収入の基本とされる実質収支額では前年度比30億円余の減となりましたが、これはセシオン杉並の工期延長に伴う繰越額の影響との答弁を得ております。 次に、単年度収支額についてでありますが、30億円余の赤字となりました。この赤字要因についても確認をしたところ、令和3年度の実質収支額が過去最高額となった影響との答弁があり、特別な事情によるものであることから問題ないと判断をいたしました。しかし、単年度収支額は連続して赤字が続いた場合、この原因について深い分析が必要となってくるので、今後の推移には注視をしてまいります。さらに、この年度の正味の財政運営の姿を決算収支から捉える実質単年度収支額では58億4,300万円余の黒字決済となったことは評価をいたします。 次に、基金と区債について見てまいります。 初めに、基金について申し上げます。当該決算年度の積立基金現在高は894億1,000万円余となり、前年度と比べて151億6,100万円余の増となりました。このうち主要基金である財政調整基金は574億501万円、3年度と比較して88億4,600万円余の増、施設整備基金は205億1,400万円余、3年度比59億4,900万円余の増となり、令和4年度は将来への備えとして、着実に各基金を積み上げた年度と評価をするものであります。しかし、23区の基金積立状況を比較すると、当区は、標準財政規模に占める基金総額の割合では21位、区民1人当たりの基金額は22位となり、基金総額は他区と比べると不安な状況にあります。一方、財政調整基金額は、令和4年度、とうとう23区で1位となり、財調基金への積み立て方と考え方について整理する時期に来ていると指摘をするものであります。今後行われる総合計画等の改定の中で、将来の行政需要を見据えた基金全体の在り方も再検討されるよう求めておきます。 次に、区債についてでありますが、令和4年度発行額は21億9,300万円余となる一方で、元金償還額は25億3,700万円余であったことから、区債残高は352億6,000万円余と前年度と比べて3億4,500万円余の減となり、3年連続で減少したことは評価をいたします。ただ、当区の負債残高は23区中3位と芳しくない位置にあり、今後の本庁舎建て替えや次々と更新期を迎える区立施設や学校の改築需要をはじめ、昨今の資材価格の高騰や金利上昇への懸念など、区債発行を取り巻く環境はますます厳しさが増してくることが想定されます。起債に当たっては、その必要性に引き続き十分留意するよう求め、私たち会派としても、区債残高の推移については引き続き注視をしてまいります。 次に、財政指標から決算年度の財政状況を判断してまいります。 初めに、経常収支比率についてでありますが、当該決算年度は79.8%となり、前年度比3ポイントの減少となりました。2年連続で経常収支比率は減少し、適正とされる80%以下に収まったことは評価をいたしますが、この要因は、分母の経常一般財源等総額が分子の経常的経費充当一般財源等の増を上回ったことによるものであり、23区平均と同じ下方傾向を示していることからも、トレンドによる経常収支比率の改善と判断、分析をいたしました。今後は、区政経営改革の推進による経常経費の削減によって、恒常的に財政の弾力性が堅持をされるよう、その取組に期待をいたします。 また、実質収支比率や公債費負担比率についても特段問題ないことを質疑で確認しております。さらに、財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方で示されている指標についても、全て達成していることから、財政の健全性は一定確保されているものと評価をいたします。あわせて、財政健全化判断比率における法定の4指標についても問題ないことを確認いたしました。 次に、大きな2つ目の視点である施策指標の目標値の達成度や、当該決算年度に執行した事務事業について申し述べます。 初めに、施策指標の目標達成度についてでありますが、令和4年度は、新基本構想のスタート年であったことから、総合計画の各施策指標の目標値への達成状況の確認は重要な決算判断の材料と私たちは位置づけておりました。そこで、会派の独自調査により、90個の施策指標のうち、実績比較が可能な86個について達成状況を確認したところ、目標達成した指標は僅かに33個となり、全体の4割弱という結果でありました。また、29ある施策のうち、6施策は全ての指標が未達という結果でもありました。これら未達の理由については、コロナ禍における影響が一定あったことは理解するものの、初年度から半分以上の指標が未達となり、出遅れたことは、岸本区政も、前田中区政同様、目標数値に対する意識の低さを指摘せざるを得ません。田中区政時代にも申し上げましたが、数字は人格であるという言葉のとおり、いいかげんな計画の進捗管理は、そのまま自身の区政経営につながっているということを深く胸に刻み、目標値の達成状況について常に意識した区政運営に努めるよう、強く求めるものであります。 ここで、今定例会後に示される総合計画等のローリングについて一言申し上げておきます。具体的な指摘や会派としての要望は、10月30日に開かれる全員協議会の場に回しますが、総合計画等の改定で見直すことを明言している財政運営における基本的な考え方については、現行の5つの指標より後退をさせないように求めておきます。 次に、当該決算年度に執行した各事務事業のうち、私たち会派が問題であったと捉えている事業について、岸本区長が区長就任時の所信表明で、我々議員に向けて要望されたとおり、クリティカルに述べてまいります。 初めに、選挙管理委員会が進めようとした官製ボートマッチ事業について申し上げます。本事業は、2月14日に総務省から公職選挙法に抵触する可能性があるとの指摘を受け、区議会選挙の立候補予定説明会の直前になって中止となり、その後、選管委員長や事務局長が引責辞任となる前代未聞の事態に発展をいたしました。今回の決算審査では、中止となったボートマッチ事業に、選挙啓発費から33万円が流用されていることを確認し、不適切な事業への支出と判断をいたしました。また、選挙管理委員会が相も変わらずボートマッチに執着をし、今年6月に行われた出前授業で取り上げていると他会派の委員から指摘があり、驚きを通り越してあきれて物も言えません。今回の騒動であれだけ公平、中立性が求められた選挙管理委員会が、ボートマッチの積極的な普及啓発に取り組んでいることは、本件の事の重大さを理解しておらず、全く反省の意が見られず、大変遺憾であります。選挙管理委員会がボートマッチを扱うことは慎重であるべきと改めて求めておきます。 次に、令和4年度杉並区一般会計補正予算(第7号)に対し令和4年12月6日、附帯決議が付されました。その内容の一つに、指定管理者制度の検証に当たり、公平、公正、中立、かつ客観的な視点による検証に留意をし、有識者の人選に当たっては、公平、公正、中立な予算執行を行うことを議会として求めておりました。その後、本年9月に指定管理者制度の検証報告書が公表されましたが、この報告書をまとめるに当たり、区は2人の有識者から助言を求めていましたが、このうちの1人は、岸本区長の就任直後である令和4年7月28日に、1時間20分にわたって区長と面会をしていた人物であることが判明をいたしました。これは附帯決議にある有識者の人選に当たり、公平、公正、中立に選んだのか疑念を持たれるものであり、議会としての機関決定である附帯決議を軽視した人選であったと指摘をするものであります。 また、岸本区政における当該年度での議会軽視の姿勢はこれだけにとどまらず、令和5年3月24日に、地方自治法第179条第1項の規定に基づき専決処分をした令和4年度杉並区一般会計補正予算(第10号)にも言及をしておきます。本件は、幼児教育の無償化に係る国庫及び都支出金の返納金につき、必要な額を補正9号で予算計上せず、判明時点で予備費が枯渇をし、対応できなかったことから、議会を招集するいとまがなかったことを理由に、3月24日に専決処分をしたという内容であります。しかし、本件の発覚は3月17日であり、国に対する納期限である3月30日までに議会の招集ができなかったという区の説明は、到底納得できるものではありません。さらに、この返納金に充てた財源は、予備費がなかったことから、財政調整基金を取り崩して捻出することになったわけですが、世代を超えた共有の財産である財政調整基金を議会の議決を経ることなく専決で取り崩し、処理したことは、議会軽視も甚だしく、本件の専決処分に対して前例を残さないという意味も込めて、私たち会派は不承認といたしたところであります。今後、二度とこのようなことがないよう、区長は肝に銘じ、安易な専決処分が乱発をされないよう強く要望するものであります。 以上、令和4年度杉並区一般会計歳入歳出決算について、大きく2つの視点から見てまいりましたが、当該決算年度の決算収支及び各財政指標につきましては、良好であったと判断をいたしました。しかし、一方で、基本構想の初年度であるにもかかわらず、この道筋となる総合計画の施策指標の目標達成状況は物足りないこと、また、事務事業内容の精査では、中止になったとはいえ、ボートマッチ事業に税金が投入されるなど、一部の不適切な事業に支出が見られたこと、附帯決議への不誠実な対応や、議会軽視とも言える専決処分の処理が行われたことを重く捉え、事業執行の面では大きな問題のあった年度と判断し、私たち会派は令和4年度一般会計歳入歳出決算を不認定といたします。 また、各特別会計については、一般会計からの繰入金が174億5,000万円余となり、前年度から10億9,400万円余の増となりました。特に質疑でも指摘をしましたが、法定外繰入れについては、当該決算年度31億5,000万円余あったことは課題であります。しかし、制度の安定上、また、区民生活の安定を守る上で致し方ない面もあり、各特別会計の全てについては認定といたします。 以上、令和4年度各会計決算における私たち会派としての意見を申し述べてまいりましたが、ここからは、令和6年度当初予算編成に当たり留意すべき事項について、時間の関係上、森林環境譲与税基金を原資とした区民参加型予算に絞って申し上げます。 本事業は、首長が有する予算編成権の一部を民意に委ねるため、複数提示された事業の中から区民投票により選択をしてもらい、この決定過程を尊重して、次年度予算編成に反映させる事業だと理解をしております。しかし、この大事な決定過程にある区民投票システムについて、区が定めた投票参加資格者以外が区民に成り済まし、かつ、何度も投票することができることが判明をし、本委員会において、私たち会派からシステムの欠陥を指摘いたしました。しかし、区は性善説に基づき、不正は起こらないだろうという答弁に終始をし、区民の不安や懸念が拭い去られるどころか、広がってしまいました。また、10月4日に私たち会派は岸本区長宛てに、欠陥システムである区民投票の早急な停止もしくは仕様の変更を求める申入れ書を提出いたしましたが、現在も投票は止まることなく続けられている状況となっております。多くの不正投票が存在する可能性のある本事業について、改めて10月10日の質疑で区の対応を問いただしたところ、今後、不正投票対策として、住民基本台帳との突合を検討し、投票参加資格者以外の票は除票する旨の答弁がありました。この対策により一定の不正投票は排除できることとなりますが、成り済まし投票の根本的な解決には至っておりません。 あわせて、既に投票されている方には、事前告知もなく、住基台帳の目的外利用で名寄せされる可能性もあり、大丈夫なのか、新たな疑問も浮上してまいりました。また、これから投票を考えている区民のうち、住基台帳で名寄せされることでためらう人も出てくるのではないでしょうか。さらに、名寄せの結果、仮に投票総数の半数以上が無効票だった場合どうするのか。区の後出し対応によって混乱に拍車がかかっております。 私たち会派は、デジタル技術を活用した住民参加の取組自体を否定するものではありませんが、その前提として、マイナンバーカードを活用したシステムにするなど、強固な不正防止策があるべきだと考えております。岸本区長の選挙公約の早期実現が目的となってしまっている本事業については、取り返しがつかなくなる前に一旦立ち止まり、仕切り直しすべきであります。区は、再三にわたって本事業については、モデル実施だからと答弁をしておりましたが、トライアルだからこそシステムに瑕疵があると認めているのであれば、なおさら停止すべきであります。このような欠陥投票システムによって決められた事業が来年度予算編成でどのように反映され、予算計上されるのか、私たちは最大の関心を持ってこの問題を引き続き追ってまいります。 なお、本委員会での質疑で私たち会派から申し上げたもの、また、それ以外で次年度予算編成において留意すべき事項は、9月20日付で別途、財政当局宛てに書面により提出をいたしておりますので、併せてしっかり検討されるよう望みます。 結びに当たり、本委員会の審査及び資料作成に誠意をもって御協力いただきました理事者、職員の皆様、円滑な委員会運営に努められました正副委員長に感謝を申し上げます。そして、対話を重視し、議会での議論を望んでおられる岸本区長におかれましては、この委員会で答弁を求めても御自身で答えない場面が多々目立ちました。今後、予算や決算の審査の場における区長への質問は事前通告なく行うことがあるかと思います。たとえクリティカルな内容であったとしても逃げずに、積極的に議論に参加していただき、答弁に立たれますようお願いを申し上げます。 以上、自民党・無所属杉並区議団を代表しての意見開陳とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。

日本共産党杉並区議団代表、くすやま美紀委員。

日本共産党杉並区議団を代表し、令和4年度杉並区一般会計外各特別会計の歳入歳出決算に対する意見を開陳いたします。 当該年度は、6月に行われた区長選挙で岸本聡子区長が当選し、7月11日から新区政がスタートいたしました。前区政は、住民の声を真摯に受け止めず、トップダウンによる強引な区政運営や区政の私物化を進めてきましたが、岸本区長は、住民との対話を重視し、情報公開を進め、住民合意の下で命と暮らしを支える区政運営を進めることを表明しました。我が党区議団は、岸本新区政が前区政のゆがみを正し、住民参加の区政運営へ転換を図ってきたのか、また、新型コロナ感染拡大に加え、かつてない物価高騰の下で、自治体の責務である福祉の増進に向け、総力を挙げて取り組んだのかという観点で決算審議に臨みました。結論は、一般会計外、介護保険事業会計、後期高齢者医療事業会計については認定し、国民健康保険事業会計については不認定といたします。 以下、主な理由を述べます。 第1に、住民との対話を重視し、施設再編整備計画や都市計画道路事業などの見直しが始まったことです。前区政は、施設再編整備計画で児童館やゆうゆう館の廃止を強行してきました。区民や利用者がどんなに計画の中止や見直しを求めても、区の方針を押しつけるだけで、区民の声は完全に無視されてきました。岸本区長は、就任後の所信表明で、施設再編について、計画ありきではなく、利用者、区民、現場の職員の話を丁寧に聞き、これまでの取組をしっかり検証した上で今後の進め方を検討すると表明、児童館、ゆうゆう館など、施設再編に関する住民説明会を11回開催し、見直しを開始したことは重要です。当該年度10年ぶりに改定が行われた杉並区まちづくり基本方針(杉並区都市計画マスタープラン)については、骨子案の段階から区民意見を募集するという、これまでにない取組が行われました。549件もの意見が寄せられ、全ての意見が区ホームページに公開されました。それを基に修正版がつくられ、区内7地域で説明会を開催、区長が出席する回もあり、一方的な説明ではなく、参加者がテーマに沿って意見を出し合う方法にするなど、工夫が見られました。 都市計画道路事業も、前区政は住民合意がないまま進めてきましたが、岸本区長は、住民と課題を共有し、対話を通じて議論を深める中で区の考え方をまとめていくと表明し、西荻の補助132号線、高円寺の補助221号線について、区長と区民の対話集会「さとことブレスト」を8回にわたって開催したことは大事な取組です。阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりについても、前区政の下で、杉一小の改築、建て替えという当初の目的がまちづくりという大きな課題の中に組み込まれ、学校関係者や地元住民を置き去りにしたまま進められてきました。我が党区議団は、土地区画整理事業となったことで、議会や財産価格審議会を経ずに計画が進められてきたことや、貴重な区の財産である杉一小の場所が、水害や土壌汚染の懸念もある病院敷地と仮換地となった問題点などをこれまで継続して指摘してきました。昨年度の都市計画マスタープランに関する阿佐谷地域での説明会でも、参加者から計画に対する疑問や不安の声が多く出されました。 今年8月31日、振り返る会が開催され、参加者は109名とこの問題に関心のある多くの区民が参加しました。参加者からの要望に応じて継続の会の開催を早期に決定したことは、住民との対話を粘り強く進めていく上で重要であり、歓迎するものです。まちづくり協定の目的は、杉一小の教育環境の向上が大前提であることを踏まえ、今後は教育的な観点からの議論を進めること、杉並区自治基本条例に基づき、住民が主体となってまちづくりを進めるために、情報の共有と周知に最大限努力することを求めます。施設再編、都市計画道路、まちづくりについて、住民不在の区政運営から住民参加の区政運営へと大きくかじが切り替わってきたことを評価いたします。 第2に、情報公開を推進し、前区政のゆがみを是正する取組が始まったことです。前区政の情報公開への対応は、例えば河北病院移転予定地の樹木ごとの調査結果を個人情報だとして全て黒塗りにする。また、14日以内の開示が原則でありながら、ビーチコートの活用実績に関する情報は70日も開示を延長するなど、明らかにしたくないと思われる情報については黒塗り、延長の連続でした。岸本区長は、区政の情報は区民のものとして、原則14日以内の開始の徹底を図ることや、非開示の場合も、客観的、具体的に合理的理由を説明するとした通知を出しました。その後、改めて開示請求した結果、それまで非開示だった情報が全面公開となりました。また、区の説明会などの議事録も積極的に公開されるようになったことも大いに評価いたします。 前区長の区政私物化、税金の使い方で問題になっていたのが、公用車の乱脈運行と利害関係者とのゴルフ問題でした。我が党の調査で、田中前区長が区長専用車で年間80日も深夜まで乗り回すなど、隣接区の区長と比べても乱脈な使い方をしていた実態が明らかになり、是正が求められていました。岸本区長は、区長専用車を廃止し、登庁には原則として自己所有の自転車を使用、公用車を使う場合は、職員共有の庁有者を使用することにしたことも大事な変化です。前区長による緊急事態宣言下での公用車での他県移動、ゴルフ場での飲酒、宿泊問題に加え、指定管理者の選定中にその候補者と区幹部職員がゴルフを行った問題は、杉並区の職員倫理に関する規定の不備として課題となっていました。区は新たなルールをつくるとしていましたが、質疑の中で、他区の事例を参考にしながら、利害関係者との接触に関する指針として策定し、服務規程に盛り込んでいく旨の答弁がありました。職員倫理に関し、前区政から前進したと評価いたします。実効性のある内容とするよう求めるものであります。 第3に、物価高騰対策、福祉、教育の施策が拡充されたことです。当該年度は食料品をはじめ、電気、ガス代などの光熱費の高騰が区民と事業者を直撃しました。岸田政権の物価高騰対策が極めて部分的、限定的な下で、杉並区には、区民の暮らしと営業を守るために総力を挙げて取り組むことが求められました。昨年4月、前区政は食材費の高騰を理由に、小中学校の給食費を値上げし、保護者に負担を押しつけましたが、岸本区長は、就任直後に補正予算を組み、4月まで遡って給食費の保護者負担分を引き下げました。さらに、介護、障害者、保育施設等への食料費や光熱費の支援、公衆浴場への燃料費補助、国が非課税世帯のみとしていた給付金についても区独自の均等割世帯へ拡大するなど、区民や事業者の願いに応えた施策を実施したことも重要です。 高齢者施策では、前区政では全く進まなかった高齢者の補聴器購入費助成の実施を表明し、今年6月から助成を開始しました。多くの高齢者に活用され、今定例会では追加の予算も計上されたところです。 生活保護制度について、前区政時代は、他自治体と比べ、保護申請時の扶養照会の実施率が高いことが問題視され、申請者の意思を尊重した運用への改善が求められていました。今年度から申請者の同意により実施するとしたことは大きな前進です。また、前区政が一貫して拒否してきた生活保護の申請は国民の権利ですという文言を区ホームページ等に明記したことも重要であり、評価いたします。 このほか、50歳からの帯状疱疹ワクチンの助成、全小中学校トイレへの生理用品の配置、重度障害者の就労支援、子供の貧困やヤングケアラーの実態調査の表明など、多くの成果がありました。住宅施策では、23区の多くで実施し、我が党が求め続けてきた家賃助成について、区長が令和6年度実施を表明しました。現在、対象者や助成額などについて検討が行われていますが、物価高騰が深刻する下、一刻も早い実施を求めるものです。 教育施策では、前区政時代、就学援助の認定基準額を引き下げたため、援助を受けられる世帯が減少し、令和3年度の認定率は23区中19位となりました。区教委も、杉並区の認定率が低いことを認め、保護者負担の軽減の在り方については至急検討を進めると表明、今年度から認定基準を生活保護基準の1.2倍から1.3倍に引き上げ、対象者を拡大したことを評価いたします。 第4に、ジェンダー平等を進め、人権を尊重する取組を進めたことです。当該年度、性を理由とする差別の禁止や、パートナーシップ制度等を含む性の多様性条例が制定されました。全ての区民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する地域社会の実現に資することを目的とした意義ある条例です。質疑の中で、パートナーシップ制度については、今年10月3日現在で17組のカップルが登録したと答弁がありました。今後、事実婚カップルも対象とするよう改めて求めるものです。 本条例をめぐってトランスジェンダーが女性トイレや公衆浴場で女性の安全を脅かす存在になるという言説が議会内外で振りまかれています。しかし、女性の安全が脅かされているのは、性暴力の防止や被害者支援の法整備と、取組の不十分さから来るものであり、トランスジェンダーに問題があるかのような議論は意図的に分断と対立をあおるものです。性的マイノリティーを排除するのではなく、性の多様性を認め合い、個人の尊厳が尊重される社会をつくることが世界の流れであり、求められていることです。性的マイノリティーが直面している問題にこそ焦点を当てた議論を進めていくことを呼びかけるものです。 昨年11月、岸本区長によって、杉並区ハラスメントゼロ宣言が出されました。きっかけは職員に行ったハラスメントに関するアンケート調査で、ハラスメントを受けたことがある、あるいはハラスメントの定義を知らないという職員が多数に上ったことでした。前区政の下でハラスメント対策が不徹底だったことを示すものですが、前区長自身が委員会の審議中に女性議員の質問に対し、机をたたいて威嚇するというパワハラ行為を行ったことも許されないことです。岸本区長のハラスメントゼロ宣言以降の取組により、今年3月に行われた2回目のアンケート調査では、自身の意識に変化があったと答えた職員が60%に上ったことが示されました。区長のハラスメントゼロ宣言が職員の意識を変えつつあることは大きな成果です。引き続き、ハラスメント根絶に向けた取組を強化するよう求めます。 ここまで認定の主な理由を述べてまいりましたが、財政運営について触れたいと思います。当該年度の財政状況は、翌年度へと繰り越される決算剰余金が102億円に上る一方、年度内の財政調整基金の積み増しは88億円以上と、近年最大規模となりました。年度末残高は350億円の維持という区の財政ルールを200億円以上上回り、ここ10年で最高額となる574億円に上りました。標準財政規模に対する黒字率である実質収支比率も7.7%と、一般的に適正と言われる3から5%を2.7ポイント上回り、健全財政を維持しています。大規模に積み上がった財政調整基金については、緊急的な物価高騰対策や区民福祉、教育、負担軽減に活用するよう求めるものです。また、前区政下では、財政調整基金に偏重した積立てが進められましたが、今後は目的と計画性を持った基金積立てとするよう求めます。 次に、国民健康保険事業会計決算の認定に反対する意見を述べます。 当該年度、国保料は5,512円値上げされ、1人当たりの年間保険料額は17万1,380円となりました。13年連続の値上げです。値上げの主な要因は、新型コロナウイルスの感染拡大による医療給付費の増大によるものですが、感染拡大は、被保険者の責任ではなく、保険料に跳ね返らないよう、第一義的には国や都が対応すべきものです。しかし、国も都も特別区長会から要望を受けていながら、何ら財政支援を行わなかったことは許せません。そこで、特別区長会は国保事業費納付金の6%相当分を賦課総額に算入せず、区も介護分の保険料率については据え置くという措置を行いました。区長会及び区が一定の留保をしたことは評価するものです。しかしながら、結果的に1人当たり5,512円もの値上げとなり、年収400万円、40歳夫婦と子供2人世帯では、収入の13.7%を占める52万5,612円もの保険料負担となった事態を容認することはできません。国保料が毎年値上がり、被保険者の暮らしを脅かす事態が続く最大の原因は、国と都が国保への財政投入を大幅に削減してきたためです。その上、国は自治体に対し、保険料の上昇を抑えるための一般会計からの繰入れを廃止するよう迫っていることも許せません。繰入れをなくせば、保険料はさらに上がります。繰入れ廃止に法的拘束力がないことは区も認めています。国の圧力に屈することなく繰入れを継続し、保険料の上昇を抑えるよう、さらなる努力を求めます。 以上で各会計決算に対する意見の開陳を終わります。多くの資料を調製していただいた職員の皆さんに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

立憲民主党杉並区議団代表、ひわき岳委員。

立憲民主党杉並区議団を代表して、令和4年度杉並区一般会計歳入歳出決算並びに特別会計歳入歳出決算について意見を述べます。 決算当該年度は、新型コロナウイルス感染症の第7波で1日の感染者数や自宅療養者数が過去最多を記録するなど、感染の大きな波が繰り返された1年でした。ロシアによるウクライナ侵略を背景とした原材料価格の上昇に加え、国の大規模な金融緩和政策が円安に拍車をかけ、食料品やエネルギー価格が高騰、区民生活や地域経済に大きな影響が及びました。総務省統計局の公表する生鮮食品を除いた消費者物価指数は、令和4年、前年度同月比で2.1%まで一気に上昇し、令和5年1月には4.2%まで上がりました。物価の上昇率が4.0%を超えるのは約40年ぶりのことです。厚労省の毎月勤労統計調査によれば、名目賃金は当該年度を通して前年度同月比でプラスを維持したものの、実質賃金は12か月連続のマイナス、物価に賃上げが全く追いつかない状況です。 一方で、上場企業の令和4年度決算では、1億円以上の報酬を得た役員は316社、717人となり、前年度から大幅に増え、過去最多となりました。コロナ危機からの業績回復で大企業は大幅に利益を増やし、報酬が上位の役員は、従業員の年間平均給与の100万以上を受け取っています。コロナ以前からの格差がより拡大している状況であり、国はいまだに根本的な手だてを打てていません。住民に一番近い基礎自治体である杉並区には、区民の命と暮らしを守る役割がますます求められる決算年度でした。 こうした状況下で、住民自治を掲げる岸本区政はスタートしました。前区政下で編成された当初予算ではありますが、健全性を維持した財政運営の中で、岸本区政が的確なコロナ対策、経済対策、福祉施策を打つことができていたか、そして何より住民自治の取組を進めることができたのか、私たちの会派はこのような観点から予算の執行を審査いたしました。 決算年度は、「みどり豊かな 住まいのみやこ」を掲げる基本構想の最初の年として予算が編成されました。ワクチン接種経費の増額等を含め、一般会計歳出予算規模は2,025億9,900万円と、当初予算としては初の2,000億円を超えるものでしたが、コロナ対策、物価や光熱費高騰への対策を中心に、10度にわたり319億円余の補正予算も組まれました。現在はコロナ感染症も第5類となり、人の動きは戻りつつありますが、物価高騰の影響は続く可能性があり、今後も財政運営においても留意していく必要があります。緊急時に取り崩される財政調整基金は、前年度からさらに18.2%積み増され、574億501万円となっておりますが、区立施設の老朽化に伴う改築等がこれからさらに行われる見込みもあります。令和6年度の区政経営改革の中で施設整備基金への積立ての比重を増やすなどの検討もしてほしいと思います。 次に、一般会計における財政の健全性について確認していきますが、私たちの会派は、総務省の地方財政5大指標である財政力指数、経常収支比率、実質公債費比率、将来負担比率、ラスパイレス指数に照らし、判断をしつつ、今回は実質収支比率、執行率の状況についても確認しました。 まず、財政力指数は、杉並区は0.61であり、前年度に比べ0.01低下、3年ぶりの低下となりましたが、23区平均の0.55を上回っており、ここ5年を見ても安定しています。経常収支比率ですが、令和4年度は79.8%で3ポイント減となりました。23区平均76.7に比べればやや高いですが、一般的に弾力性が保たれているとされる基準値内に収められており、健全であると考えます。借入金の返済額の大きさを財政規模に対する割合で表す実質公債費比率は、杉並区はマイナス5.0%、前年度より0.2ポイント増加しました。ただ、早期健全化基準である25%、財政再生基準である35%を大きく下回っているので、問題ないものと判断します。4番目の将来負担比率は生じておらず、こちらも問題ないものと受け止めます。5番目のラスパイレス指数については、国家公務員の給料を100とした場合の地方公務員、一般行政職の給与水準ですが、杉並区は99で妥当なものと認識しています。 実質収支比率は7.7%で3年ぶりに低下しました。令和2年、3年に比べ改善し、23区平均に近づきつつあることから、財政運営において健全な状況に近づいているものと考えます。執行率は一般会計全体として、去年度よりも0.2ポイント低下し、92.9%となりました。住民税非課税世帯等臨時特別給付金の給付状況、プレミアム付商品券事業、中小企業・商店街支援などの執行率が低くなっており、必要な支援を区民に届ける予算の執行方法については、次年度に向けた課題と言えます。とはいえ、以上の観点から、杉並区の財政は健全であるものと判断いたします。 次に、歳出について、基本構想に掲げる8つの分野ごとに確認し、意見、要望を述べます。 まず、「みんなでつくる、災害に強く、犯罪を生まないまち」についてです。 首都直下地震の発生に備え、耐震改修助成や不燃化助成を行った点は重要です。不燃化特区の方南1丁目地区では、不燃化建て替えが進み、総合危険度はランク5から4に改善しました。また、ここ10年の区の取組によって、焼失棟数、火災による死者数の被害想定は50%以上減少しました。感震ブレーカー設置支援の効果も大きいと感じています。 去年も指摘したものですが、震災救援所のプライバシー保護やペット同行避難については、発災時を想定した体制整備がなかなか進んでいません。完成に至る長期間の中で、地域住民のつながりを壊していく都市計画道路に防災の役割を求めるよりも、初動態勢を担う地域住民の練度の向上とコミュニティーの醸成に力を入れていただきたいと思います。 防犯面では、特殊詐欺被害が広がっています。高齢者の自宅へ訪問しての押し買い被害も増えていると聞いており、より一層の対策の強化を求めます。 次に、「多様な魅力と交流が生まれ、にぎわいのある快適なまち」について。 まちづくり基本方針の骨子案に対して住民意見を募集したことは、住民自治の観点から評価いたします。都市計画道路や駅前再開発については、反対意見がこの中では特に多く寄せられました。参考となる優れたアイデアも多数寄せられ、ゼロカーボンシティーの実現を中心に位置づけたまちづくり基本方針が策定されたことは重要なことです。住民対話による取組や、車中心から人中心のまち、個性豊かな商店街の活性化など、杉並らしいまちづくりについてのたくさんの意見は、今後の区政運営においても参考にしていただきたいと思います。 また、対話の取組として8回の「さとことブレスト」が開催されました。まちは、そこに住み、営む住民のものであり、その声に向き合うことは、住民自治の基本であると同時に、そのまちの魅力をさらに高めるための重要な取組です。阿佐ヶ谷駅北東地区については、区民との情報共有や合意形成が不十分であったことが審議の中でも確認されたところです。今後は、区民、区、地権者、そして河北病院等でより透明性の高い開かれた議論の場を構築し、子供たちにふさわしい学びの場と、地域に愛されるまちづくりを進めるよう求めます。 浜田山駅南口整備については、実現に向けた検討を継続していただくよう要望しておきます。 地域活性化の重要な取組としては、創業スタートアップ助成の創設や、商店街支援事業が行われました。今年度は、光熱費高騰対策として中小企業への支援が行われていますが、コロナによる業績悪化から回復できない事業者が、ゼロゼロ融資の返済で倒産するケースも全国的に増えています。物価の動向を踏まえた支援を今後も適切に検討していただくよう求めておきます。 また、杉並区の特徴的な産業であるアニメーション産業では、劣悪な労働状況に苦しむ従事者が多数います。働く人への支援につながるアニメ産業の活性化を検討していただくことも併せて要望いたします。 商店街の防犯カメラについては、設置、維持、管理等の負担軽減を検討していただくことを求めておきます。 第3に、「気候危機に立ち向かい、みどりあふれる良好な環境を将来につなぐまち」についてです。 ごみ減量対策の取組成果が出ているので、継続していただくとともに、こちらは区立施設や区内イベントにおけるリユース素材の利用促進も求めておきます。また、清掃事業に携わる方の熱中症対策の充実を図るとともに、災害時の職務遂行に支障を来さぬよう、清掃事務所の早急な建て替えを要望いたします。 区立施設のZEB化、民有地の緑の保全や住宅のZEH化に向けた今後の取組にも期待しています。 これから気候区民会議が開催されることで、専門的な知見が区民の間でも共有されることになります。世界的な課題である気候変動に対し、杉並区では自らの足元から向き合っていくことを私たち会派も歓迎し、力を合わせて気候危機に立ち向かっていきたいと思っています。 みどりの実態調査でも明らかなように、緑被率は向上したものの、樹木の数は減少しています。豊かな農地や屋敷林によって守られてきた杉並区内の緑の保全、そして河川や公園と町なかを緩やかにつなぐ緑の創出について、来年度からはさらに積極的な取組と予算措置を要望いたします。 住宅街や商店街の中に木陰とベンチがあり、人々が憩い、交流が生まれる文化的なまちを育てていくことを求めておきます。 第4に、「『人生100年時代』を自分らしく健やかに生きることができるまち」についてです。 ゆうゆう館のように、地域に点在しコミュニティーの拠点となる施設を大切にしながら、健康寿命を延ばす取組を今後も続けていただきたいと思います。 区民健康診断の対象を20代にも広げることで、若い世代が自分の体の状態を知り、健康を意識していくことも必要です。 医療分野については、受診相談センターの電話回線増強を含む保健所体制の強化や区内医療機関への転院受入れ補助の継続など、区が取り組んできたコロナ対策を評価いたします。現在はインフルエンザとの同時流行など、より困難な感染状況が見られることもあり、今後も地域医療体制を担保するために、細やかな情報収集を行い、迅速で適切な対処をお願いいたします。 第5に、「すべての人が認め合い、支え・支えられながら共生するまち」についてです。 生活保護の申請時の対応が改善されてきて本当によかったと思います。 移動支援事業については、見直しを経て決算年度は前年度よりも57名多い868名の利用となり、区への感謝の言葉も多く耳にします。ガイドヘルパー育成の強化や、通勤や長期通所への利用を希望する声もありますので、今後の見直しについて、当事者の方たちと一緒に取り組んでいただきたいと思います。 また、重度心身障害児と家族からの要望も踏まえ、福祉タクシー券の利用については、所得制限の撤廃の実現を求めていきます。 地域包括ケアによる支え合いの仕組みづくりが進んでいることも重要です。今後の一層の取組に期待するところです。 また、幸せな人を増やしたいという区のメッセージとともに、性の多様性条例の制定とパートナーシップ制度が創設されたことを高く評価いたします。事実婚やファミリーシップなど、他自治体の取組を参考に、さらなる取組を求めます。 また、区の人口の約3%を占める外国籍住民についても適切な情報が届くよう、多言語による情報共有のシステムの拡充を求めます。互いの違いを認め合い、全ての人の人権が尊重される社会を目指し、あらゆる差別をなくすための取組を進めていただくよう要望しておきます。 第6、「すべての子どもが、自分らしく生きていくことができるまち」についてです。 今年度から子どもの権利条例制定を目指した審議会が立ち上がりました。令和8年度の児童相談所の設置に向けて、決算年度にはアドボカシー活動への理解促進の取組等が始まっています。児童館の廃止を伴う施設再編については、子供を含む多様な住民から意見を聞き、検証作業が行われてきました。子供の育ちには、子供の意思決定が尊重される自由な遊びの場が必要です。また、学校とは違うサードプレイスでの人間関係は子供たちの生活に文化的な豊かさをもたらします。これらを踏まえ、児童館の存続、拡充を改めて求めるものです。 需要が高まる産後ケアについては、事業者が安定的に運営できるよう委託費の増額、AEDや体動センサーの設置など、安全安心な環境整備を求めます。 区立保育園の民営化が見直され、質を向上させる取組が進んでいますが、公立、私立を問わず、子供の最善の利益が守られるよう、人員配置を含めた環境整備について、区が主体となって取り組んでいただくよう要望しておきます。 第7、「共に認め合い、みんなでつくる学びのまち」についてです。 学校においてタブレット端末が1人1台配備されてから約2年がたちました。破損、修理台数の増加に対応するため、今年度は予備機を増やし、また全校で接続整備も完了しましたが、子供たちの学びの可能性が広がるその一方、デジタル機器が苦手な教員にとっては心理的、あるいは実務的負担も大きいものです。研修の機会やICT支援員の充実を要望しておきます。 学校や図書館でのバリアフリー化が進んでいます。ただ、誰でもトイレに大型の車椅子が入れないなど、実際に利用する段階になって不具合が判明した事例もあります。筆談や音声案内においてはデジタル機器も活用するなど、全ての人の学びの機会を保障する環境整備のさらなる推進を求めます。 教員の働き方改革としては、メンタルヘルスケアに留意し、デジタル化による業務負担の軽減を積極的に行うとともに、国や都に定数増を働きかけることを要望いたします。 最後、第8、「文化を育み継承し、スポーツに親しむことのできるまち」について。 文化分野では、舞踊、音楽、演劇、伝統芸能などの舞台や作品展といった文化芸術活動に対する助成事業が行われています。物価高騰の中でのインボイス制度の導入により、区内のクリエイターにとっては、活動だけでなく、生活そのものが脅かされる可能性があるため、今後のさらなる支援を求めておきます。 スポーツ分野では、障害者スポーツの推進を図るため、ユニバーサルタイムが始まりました。とても重要なことです。予約不要、入退場自由、見学のみも可能とし、気軽に参加できる工夫をしたことで、多くの障害者が身近な体育施設に来てスポーツに親しむきっかけとなっています。引き続き改善を図りながら、参加者やサポーターと区が一体となって育てていく事業になることを期待しています。 さて、これまで歳出について申し述べてきましたが、その他の取組について住民自治という観点から決算年度を振り返ります。 まず、民主的な対話の前提には、徹底した情報公開が必須ですが、情報公開の非公開基準の厳格化方針が示され、議事録等の作成期間の短縮、ホームページ上での区政情報の公開等、大きな変化が見られるところです。 住民参加の取組としては、子供の居場所や防災、給食無償化等をテーマに「聴っくオフ・ミーティング」が5回開催されました。重要な区政課題について、区民と区長が直接対話する貴重な機会となっています。 また、決算年度にスタートした区立施設再編への検証を経て、区民と共に施設の在り方を考える方針が示されたことは重要です。岸本区政ではこれまでの新自由主義的な行革によって疲弊した公共をどう再生していくかという課題に果敢にチャレンジしていただきたいと思います。 区長から、区の職員は、コストではなく財産という考え方が示されたことも重要です。6,000人の職員への調査を基に出されたハラスメントゼロ宣言の下で働きやすい環境整備に取り組んでいただきたいと思います。 また、会計年度任用職員の処遇改善に取り組んでいただいているところでありますが、雇用年限の撤廃についても、職員団体との話合いを継続していただくことを審議の中で確認できました。 杉並区自治基本条例の理念を実現すべく、これら一歩ずつ取組が進んでいくことについて、会派として改めて評価したいと思います。今後も区民の信託に応え、区民との協働により、地域の資源や個性を生かした豊かできめ細かな区政を行う責務を果たしていただくことを期待し、私たち会派も後押ししていきます。 以上を申し述べ、一般会計歳入歳出決算について認定をいたします。 次に、国民健康保険事業会計についてです。昨年度は、国保料の年間の上限額が引き上げられ、物価高騰の中で区民の負担がさらに増した1年でした。今年度はさらに引上げが行われています。他区と共に引き続き国保制度の抜本的な改善を国に求めることを要望し、国保会計決算を認定いたします。 介護保険会計及び後期高齢者医療保険会計決算についても認定いたします。 このほか、本決算特別委員会でお伝えした私たち会派からの意見、要望、また、先日提出いたしました会派要望の内容につきましても、令和6年度予算の編成において前向きに御検討いただくよう、重ねてお願い申し上げます。 結びに当たりまして、理事者の皆様、資料を作成いただきました職員の皆様、また、2週間という長丁場の委員会の運営に努めていただきました正副委員長に対して感謝を申し上げまして、立憲民主党杉並区議団の意見開陳を終わらせていただきます。ありがとうございました。

杉並区議会公明党代表、山本ひろ子委員。

杉並区議会公明党を代表し、令和4年度杉並区各会計歳入歳出決算に対する意見を述べます。 令和4年度を振り返れば、長引く新型コロナウイルス感染症の拡大の波が繰り返される中、想定外であったロシアによるウクライナ侵略を契機とした原材料やエネルギー等の物価高騰に円安の進行がさらなる拍車をかけ、区民生活や日本経済に多大な影響を及ぼした1年でありました。 本区は、コロナ禍での不透明な経済動向等を見据えながら、令和4年度を新たな基本構想の将来像である「みどり豊かな 住まいのみやこ」のスタートを切る重要な年と位置づけ、「新ビジョンスタート予算~希望に満ちた杉並の100年へ~」と名づけて予算編成を行いました。 初めに、長引く新型コロナウイルス感染症等の克服に向けた取組について確認してまいります。 まずは、最前線で区民の貴い命と健康を守っていただいております医療、保険関係者、介護関係者の皆様に心からの敬意と感謝を申し上げます。区はこれまでの実績を基に、医療体制強化のため、一般会計から約50億円の当初予算措置を行いました。医療従事者等の献身に対して、区からの敬意とエールを示すものと評価したいと思います。その後も新型コロナウイルス感染症対策寄附金や地方創生臨時交付金を活用し、計9回、総額約164億円の補正予算を編成し、様々な角度から区民の命と生活、区内事業者を守る施策に取り組まれました。 ゴールデンウイーク以降、オミクロン株への置き換わりによる第7波、10月以降の第8波など、これまでを大幅に超える規模の感染拡大が続く中でも、第6波のときのような区に連絡がつながらないなどの悲痛な声が届くことはありませんでした。これは、杉並区医療受診相談センターの運営により、土日祝日を含めた毎日の対応が図られ、また、令和3年度に創設した自宅療養者支援ステーションを継続実施し、自宅療養者に対し、食料やパルスオキシメーター、体温計を配送し、療養中の相談や健康観察を支援強化してきた結果と思います。5類に移行した現在、これまで行ってきた医療体制の強化、ワクチン接種体制の整備等の事業を検証し、今後も発生するであろう新たな感染症拡大時に生かせるよう求めておきます。 区内地域経済の底上げとしては、キャッシュレス決済、ポイント還元キャンペーンやプレミアム付商品券の発行により、区内店舗、区民生活を支えました。特にキャッシュレス決済は、政治の恩恵が薄いと言われる若者、これまでキャッシュレス決済を利用されていなかった小売店からも歓迎された事業でした。また、現在も継続中でありますが、新型コロナウイルス感染症対策、特例資金の利子補給や信用保証料の補助を実施し、コロナ禍における売上げ減少、原油価格・物価高騰の影響を受ける中小企業を支援し続けていることを評価します。 文化芸術活動の支援としては、令和3年度に引き続き、コロナ禍においても、音楽や演劇等の講演活動が継続できるよう、助成金により支えました。申請の多い事業でありながら、十分な対応は図られませんでした。今後の課題として検討いただくことを申し添えておきます。 次に、財政状況について申し上げます。 令和4年度は、原材料価格の上昇や供給制約等による物価高騰、さらにはふるさと納税の影響など、歳入面に対する下振れリスクが当初あったものの、結果的には、特別区税や特別区財政交付金など、一般財源が2年連続で増加し、前年度から約61億円、4.6%の増となりました。一方で、歳出においては、10回にわたる補正予算を計上するなど、区民生活を支える対策を進めました。 当該年度決算における経常収支比率、公債費負担比率、実質収支比率など主な財政指標は健全性を維持し、また、財務書類上においても、純資産の堅実な増加や、業務活動による資金フローの黒字化の維持と、投資活動、財務活動による基金の積立てと区債の償還が着実に進んでいることが確認されました。さらには、財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方で定める5つの指標も、基準を大きく超える良好な状態であることが確認できました。 現在、区は、この基本的な考え方の内容の見直しを行っています。本特別委員会において、当会派の委員が多面的に、かつ具体的に財政運営に関する問題提起と提案を行いました。区は、これらの意見をしっかりと受け止め、見直しに際しての参考とされることを要望いたします。あわせて、今後も健全性と持続可能性に基づく財政運営に努めていくことを要望いたします。 その上で、これまで議会でも再三申し上げてきたとおり、私どもは、健全な財政は、区政運営の目的である区民福祉の増進を実現するための手段と捉え、財政規律については、状況の変化に柔軟に対応していくことを是としている旨を改めて申し添えておきます。 次に、特別会計について申し述べます。 特別会計の収入未済額は、前年度と比較して0.9%減と、10年連続の減となり、また、不納欠損額は、前年度と比較し14.6%減と徴収努力が図られた結果と評価します。今後も保険料の収入未済額や、一般会計からの繰越金に留意し、保健事業の適正化に努められることを望みます。 るる申し上げてまいりましたが、以上の理由から、私ども杉並区議会公明党は、令和4年度杉並区各会計歳入歳出決算をいずれも認定といたします。 次に、基本構想の8つの分野別に意見、要望を申し上げます。 1、防災・防犯の防災分野では、首都直下地震等に備えた防災設備の整備、備蓄の充実、地域防災意識の醸成等、地域防災力の向上に努めました。さらなる地域防災力向上を目指し、スタンドパイプの配備、各地域での初期消火訓練実施の促進と支援を特に火災危険度の高い地域において実施していただきたいと存じます。また、地震被害シミュレーションの更新の実施時期について御検討をお願いします。 防災、減災まちづくりについては、耐震改修に新たな助成制度を創設し、コロナ禍にもかかわらず、耐震化、不燃化の促進に努められ、不燃領域率の向上も図られ、さらには、雨水流出抑制、狭隘道路の拡幅といった取組を着実に進めていただいたことを高く評価します。今後も総合計画の目標値達成に向けて、さらなる推進を期待します。 地域防災計画の目標である死者ゼロを目指して、高齢者の家庭内防災の推進と、乳幼児親子が通い慣れている子ども・子育てプラザ等での母子救護所の設置に向け、推進をお願いします。 防犯については、防犯カメラの増設、特殊詐欺対策としての自動通話録音機の貸与等に着実に努められたことを評価します。 2、まちづくり・地域産業のまちづくり分野では、杉並区鉄道駅ホームドア整備事業費補助金要綱を制定し、久我山駅が補助対象となりました。また、新たな移動サービスの導入に向けて、グリーンスローモビリティーや情報発信アプリMaaSの実証実験を行うなど、安心・安全な地域交通の推進が図られたことを評価します。 地域産業分野では、創業スタートアップ助成を創設し、区内創業者を支援する新たな取組を評価する一方、杉並区就労支援センターの利用状況がコロナ禍の影響があるとはいえ、低下傾向にあることが気になります。特にすぎJOBの中の相談事業やすぎトレのニーズはまだまだ多いと考えますので、さらなる内容の充実と区民周知に努めていただきたいと思います。 高齢者の住まいについて、高齢者が賃貸住宅へ入居するために、区は高齢者等アパートあっせん事業、高齢者等入居支援事業、都と連携した住宅セーフティーネットの支援事業を行っていますが、利用条件に当てはまらず、利用できない方が多くいると思われます。事業開始からかなりの年月が経過しているため、利用条件の見直しを検討し、より多くの方が利用できるよう改善を求めます。 3、環境・みどり分野の環境について。温室効果ガス排出量削減と区民の環境配慮に対する意識醸成に寄与する太陽光発電システム、蓄電池、電気自動車用充電設備の導入助成を実施しました。 また、食品ロス削減に対する我が会派の提案を全て形にしていただき、さらなる食品ロス削減の推進に努められたことを評価します。 緑の分野について、安全で快適に利用できる公園は、憩いの場として安心して利用できる施設でなければならないと思います。災害発生時には避難所となるのが公園です。安全管理には万全を期していただきたいと強く要望します。 また、公園のリニューアルについては、ワークショップ形式で丁寧に進めていただいていることが確認できました。ワークショップに参加できない方々や、公園を利用している保育園への配慮も丁寧にお願いします。公園のトイレの洋式化も着実に進めていただければと思います。 4、健康・医療分野、5、福祉・地域共生分野では、在宅医療体制及び在宅医療と介護の連携について、当該年度においても様々な取組を推進、強化されたこと、また、ケア24を中心に地域包括ケアシステムの体制がしっかり維持、充実されていることを確認しました。2025年には、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となって、要介護者のさらなる増加が見込まれています。今後も着実に地域包括ケアシステムの機能強化を図っていただくようお願いいたします。 動物との共生社会の構築に向け、犬のしつけ方教室の開催、震災救援所にペット同行避難の際に必要な資材の配備、また、都立和田堀公園内にドッグランを整備するため、東京都との協議、調整を図り、今年度内に、設置に向けて鋭意取り組まれたことを高く評価します。 6、子ども分野では、学童クラブ待機児童が当該年度は増えてしまったことについて重く受け止めざるを得ません。担当部署の皆様は様々な御努力をされているとは思いますが、より一層の取組強化を求めます。 子供を真ん中に社会全体で育んでいこうという流れの中で、医療的ケア児、重症心身障害児など、障害児への支援は所得制限が設けられたままです。移動が制限されることなく、全ての子供が自分らしく生きていくことができるまちの実現のため、所得制限を撤廃し、福祉タクシー利用券等の助成事業拡充を求めます。 学びの分野では、就学援助について年度当初の支援時期を7月から6月に、その後の支給を2か月ごとから毎月にしていただけるよう検討を求めます。 増加の一途をたどる不登校支援について対策は急務です。学びの多様化学校、校内教育支援センターの設置を求めます。 また、区立学校での1人1台タブレットについては、ハード面、ソフト面からの環境整備を進め、より充実したICTの活用を行っていただきたいと思います。 バーチャル・ラーニング・プラットフォームなど、メタバース、仮想空間を活用した多様な学びの場を創設する取組も大いに期待しています。 日本語を母国語としない外国人児童生徒の総合的な支援として、多文化キッズサロンの設置へ向けて推進を求めます。 8、文化・スポーツの分野について。文化の杉並には、多くの若者が夢を描いて集まっています。そうした若者の文化芸術活動を支援するのが、さきに述べた杉並区文化芸術活動助成金であります。さらなる充実を強く求めておきます。 スポーツは、心身の健康に寄与するとともに、人生を豊かに彩るものであります。障害の有無に関わりなく、誰もがスポーツに親しむ機会が得られるよう、令和4年度立ち上げられた障害者スポーツネットワークや当事者団体の皆様と連携して、利用しやすい区立体育館の整備を求めておきます。 今回取り上げた個々の意見、要望に加えて、委員会審議において、我が会派から出されました提案、意見、要望、そして先日、岸本区長に提出しました令和6年度予算要望を、今後の区政運営に当たり、十分検討、反映していただくことを改めて申し添えておきます。 最後に、本委員会の審議に当たり、誠意を持って答弁に当たられた区長をはじめ、理事者の皆様、資料の作成に当たられた職員の皆様に心から感謝を申し上げるとともに、併せて、正副委員長の委員会運営に感謝を申し上げ、杉並区議会公明党を代表しての意見開陳を終わらせていただきます。ありがとうございました。

無所属・都民ファーストの会代表、あかねがくぼ舞委員。

無所属・都民ファーストの会を代表し、令和4年度、杉並区会計歳入歳出について意見を述べます。 令和4年度は、目指すまちの姿を「みどり豊かな 住まいのみやこ」とする新たな基本構想がスタートを切り、予算編成は「新ビジョンスタート予算~希望に満ちた杉並の100年へ~」と名づけて行われました。基本構想スタートに合わせ、実現に向けた具体的な道筋として、新たな総合計画、実行計画等の6計画が策定され、柱として、8つの分野に沿った29の施策と128の実行計画事業が示されました。当該年度の最終的な各施策指標の実績を見ると、目標値を達成できたのは90件中31件とたった3割です。また、29の施策のうち、6つの施策では目標値が全て未達となりました。コロナの影響で先行き不透明な年ではありましたが、計画が甘かったのではないかと懸念を抱きます。 以下、これまでの定例会や決算特別委員会を踏まえて、1、財政、2、議会対応、3、区長の認識とリーダーシップの3つの視点より意見を申し述べます。 まず、1つ目の財政についてです。 区政経営報告書、杉並区各会計歳入歳出決算書、杉並区各会計決算審査意見書、杉並区基金運用状況審査意見書、杉並区健全化判断比率審査意見書等の資料により、各分野で、おおむね適切に予算執行されていることが確認できました。計10回の補正予算は総額319億円となり、コロナ対策や物価高騰対策等に関わる経費で、区民のために迅速に執行されていることが確認できました。区民生活に密接に関わる区政運営がおおむね正しく行われていたと認識しています。 財政調整基金については、危機管理の観点からも大変重要なものであると考えます。当該年度の財政調整基金は、一般財源の不足額を補填するために3億5,578万9,000円を取り崩したものの、2年連続で増加しています。区政経営改革推進基本方針の中で、基金の残高の目安として示されている350億円を大きく上回っており、23区でも1位とのことです。財政調整基金が増加していること、また、取り崩しの使途が明確であり、区民のために利用されたと認識できることから、この点については一定の評価をいたします。 しかし、区民1人当たりの基金総額にすると14万2,330円となり、23区では下位でした。決算特別委員会では、その理由として、人口が多いからとの御答弁がありましたが、杉並区の人口は約57万人で、23区中6位です。約90万人と特別区で一番人口が多い世田谷区の約6割の人口であるにもかかわらず、世田谷区の16万6,698円より低くなっています。その他、人口上位の区を見ましても、杉並区ほど財政調整基金と区民1人当たりの基金総額の差がある区はありません。基金の在り方については、多面的な分析や検討がされているとは言えず、いざというときの命綱とも言える基金についての認識の甘さが明らかとなりました。 景気の不透明さは歴史が証明するところであり、過去を見れば、バブルの崩壊、デフレ、リーマンショック、東日本大震災やコロナウイルス感染症など、予測できないことが多くありました。今後30年以内に首都直下型地震が発生する確率は70%とも言われており、ますます危機感を持たねばなりません。コロナ対策においては、財政調整基金をちゅうちょなく活用することで、時期を逃すことなく、必要な対応を取ってきました。これは、今まで健全な財政運営に努めてきた結果であり、平時における備えが重要であるということは言うまでもありません。 次に、ふるさと納税についてです。ふるさと納税の本来の趣旨は理解いたしますが、年度当初から減収の懸念材料の一つとして認識されており、監査でも指摘されていました。制度開始以降、流出額は年々増え、令和4年度は40.9億円、令和5年度は47.9億円と過去最高額の流出となっています。これまでの流出額の総額は214億円に上ることを顧みると、決算特別委員会でもあったように、区の産業振興シティープロモーションにもつながる返礼品の追加をかたくなにせず、寄附行為のみで区民の意識改革を訴えるだけでは、流出金を止めることはできません。制度が存続する以上、流出額が増えていくのは明らかです。ふるさと納税流出額は、区の財政を圧迫し、行政サービスの低下につながりかねない深刻な問題であり、早急に対策を講じるべきと考えます。 2つ目の視点、議会対応についてです。 まずは、第1回臨時会で報告された専決処分についてです。専決処分が行われた経緯について、ここでの詳細な説明はいたしませんが、令和5年3月24日に、報告第2号地方自治法第179条第1項の規定に基づき専決処分された令和4年度一般会計補正予算(第10号)は、正当な理由なく専決処分されたものと認識しております。当該事案判明時点において、予備費対応ができず、また、議会を招集する時間的余裕がなかったことが原因との報告を受けました。今回の専決処分は、区職員の事務の誤りに起因するものであり、組織的なチェック体制の徹底を図り、再発防止に努めていただければと存じます。 しかし、本当に議会を招集する時間的余裕がなかったのでしょうか。過去を見ると、コロナ禍で緊急的な事態が生じ、時間が切迫した事態においても、常に速やかに議会を招集し、補正予算案を提案してきました。この間の対応と比較すると、今回の専決処分の時間的余裕がないという理由には大きな疑念が残ります。当該事案に気づいた時点で速やかに臨時議会の招集を検討すべきだったと考えます。 次に、ボートマッチ事業についてです。この事業には問題が大きく2つあったと認識しています。 第1に、予算編成では、例年どおりの選挙啓発グッズに充てる予定として、選挙啓発費217万円が計上されていました。しかし、年度途中にその選挙啓発費が当初予定していなかった目的以外の事業に流用される方針となりました。すなわち、ボートマッチ事業は、予算編成時は誰も考えていない新事業であることは、区においても明らかで、それを自認しながらも、従来の選挙啓発費を充てようとしたことは、目的外流用と評価されても仕方ありません。したがって、ボートマッチ事業の予算は補正予算を編成し、議会に付するべきことは明白でありました。 第2に、東京都選挙管理委員会から再三にわたる助言があったにもかかわらず、全く聞く耳を持たず、事業を進めた挙げ句、最終的には、通常であれば区の自治を最大限に重んじ、よほどのことがなければ口を出すことをしない総務省が技術的助言をし、中止に至ったという経緯があります。これは区の自治能力の低さを全国ニュースで周知してしまうという事態となったと理解しています。そんな状況にもかかわらず、区長がボートマッチ事業の中止について大変残念と発言されたことはまさに大変残念です。区長は所信表明で、議会では区民に対する思いに、与党、野党の別はなく、誠実な答弁を心がけます、その前提として、全ての会派に等しく可能な限りの情報を提供します。二元代表制という地方自治の本旨に立ち返り、自由闊達で生産的な議論を闘わせてまいりたいと発言されていました。しかし、実際はどうでしょう。前述の2例を見ても、むしろ重要な課題や議論が割れる問題について、議会に付することなく、執行部の独断で進めようとしているようにしか見えません。そのような問題こそ、きちんと手続を踏み、密室の区政ではなく、公明正大な区政を心がけるべきです。 3つ目の視点、区長の認識、リーダーシップについてです。 多心型まちづくりの推進や、都市基盤の整備、都市計画道路、公共施設の再編整備は、区民の命と暮らしを守るためにも大切なインフラであり、着実に進めるべきものであると考えます。しかし、計画の見直しを行ったことにより、多くの事業が遅滞しています。大震災への備えという面も含めて、待ったなしの課題を遅滞させた責任は大きいと考えます。対話を大切にしたまちづくりとして開催されている「さとことブレスト」や阿佐ケ谷駅北東地区まちづくりを振り返る会については、確かに区民の声に耳を傾ける機会ではありますが、そこに足を運ぶ人、運べる時間的、立場的余裕のある人は区民のごく一部にすぎません。選挙で、半数近くが対立候補に投票して選出されたことをいま一度自覚する必要があると考えます。 次に、重点事業にも入っていた浜田山駅南口の整備の再検討についてです。本事業は、賃借についての協議が調わないとの理由で断念し、再検討となりました。令和5年第1回定例会報告時の都市環境委員会のやり取りを見ましても、多くの議員が何とかならないのかと、浜田山駅南側に住まう方の声を代弁しています。浜田山地域住民は、この事業に本当に期待をしていました。20年越しの事業を、地権者との契約が合意できなかったとのことで、早期に賃借断念として事実上の白紙としたのは安易な判断だったのではないか、区民の気持ちを軽く考えているのではないかと言わざるを得ません。事業が前に進まないときこそ、トップマネジメントの在り方が問われます。 決算特別委員会では、区長から、浜田山駅南口の整備は必要であり、事業が前に進む機会をきちんと捉えて問題を解決していきたいとの御答弁をいただきましたが、これまで区長が前面に出て、事態打開に動いた形跡はなく、必要性を強く認識しているようには思えません。浜田山駅周辺は商店がひしめき合い、南口整備に適した場所は限られており、今の場所を逃すと、この先何十年と進展しない可能性が高いことは容易に想像ができます。代案の可能性を探りつつも、地権者とも粘り強く交渉を続けるべきではないかと考えます。また、必要性を認識しつつも、他の地区で行われているような対話集会が開かれることもなく、区長自身が浜田山地域住民と直接話す場を持たないのは、区長にとって重要な事業である認識がないのではないかと懸念を抱きます。 以上、区民生活の安心・安全の維持のためにも、区長の責任の下、各事業を前に進めていただきたいと存じます。 これまでるる申し述べてまいりましたが、行政の最高責任者として、住民の直接選挙によって選ばれた区長の責任は大きいと考えます。区民と共に区政を前進させていくのが、区長、議員、職員の役割です。加えて、地方自治体の首長として大切な要件は、職員を束ね、職員の力を組織の力に結集させ、問題解決に向け、力強くリーダーシップを発揮していくことであると考えます。対話を大切にするという岸本区政ですが、大きな声を上げられる人たちだけでなく、声を上げない、上げられない多くの区民の声を幅広く拾い上げる、幅広い方法、方策の立案検討を求めます。 また、議員や職員からの意見にも平等に耳を傾け、区政を正しい方向に導いていただくことを強く要望します。 以上の理由から、我が会派は一般会計を不認定といたします。 なお、その他特別会計については、各保険事業がそれぞれの制度趣旨に沿って適切に執行されたと評価できるため、認定といたします。 最後に、本委員会の審議に当たり、誠意をもって御答弁くださった理事者の皆様、資料作成に尽力くださった職員の皆様、また、円滑な委員会運営に努められた正副委員長に心から感謝を申し上げ、無所属・都民ファーストの会を代表しての意見開陳とさせていただきます。

以上で各会派による意見開陳は終了いたしました。 ほかに意見はありませんか。──ただいま奥田雅子委員、松本みつひろ委員、奥山たこえ委員、横田政直委員、田中朝子委員、田中ゆうたろう委員、ブランシャー明日香委員、松尾ゆり委員、堀部やすし委員から意見の申出がありました。 なお、再度お願いいたしますが、意見開陳は20分以内に収めていただきますよう、改めて御協力をお願いいたします。 それでは、意見の申出のありました委員を順次御指名いたします。 奥田雅子委員。

区議会生活者ネットワークを代表し、2022年度杉並区一般会計歳入歳出決算、並びに特別会計歳入歳出決算について意見を述べます。 2022年度は、長引くコロナ禍に加え、2月のロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響により、エネルギーや食料等の物価高騰が区民の暮らしに追い打ちをかける状況となりました。国が見込んだGDP成長率、実質3.2%程度、名目3.6%程度は、実質1.4%、名目2.0%と大きく予想を割り込みました。2022年度は、杉並区にとって新基本構想がスタートし、6月の区長選挙で初の女性区長が誕生するなど、新たな展開が動き出す年となりました。岸本区長就任直後には実行計画等の一部修正が行われましたが、基本構想に基づき事業が進められ、コロナ禍における原油価格や物価高騰への支援などの新たな課題や緊急性のある課題に対して10回の補正予算が組まれ、対応がなされました。 全体的な区財政の状況は、経常収支比率が7年ぶりに80%を割る79.8%になったことや、公債費負担比率などからも健全であることが確認できました。また、基金と区債についても、不測の事態に備える財政調整基金や、区立施設の更新に備える施設整備基金等に着実に積み増しできていること、一方、区債は前年度よりも減少していることも確認しました。 私たち区議会生活者ネットワークは、決算認定に当たり、基本構想に基づく総合計画などが推進され、区民福祉の向上が図られたか、また、持続可能な地球環境を未来に引き継げるかという視点で検討いたしました。 以下、主な課題について、決算特別委員会の質疑を踏まえて意見を述べます。 まず、防災・防犯です。災害時における備蓄品の拡充がされ、特に災害時要配慮者や女性への配慮がなされたことは評価できます。一方で地域のたすけあいネットワーク、地域の手の登録者に対する支援者の体制が十分かどうかの検証が必要です。 次に、まちづくり・地域産業では、誰にとっても移動しやすい地域交通環境の整備に向けて、新しい移動サービスとして、グリーンスローモビリティーと合わせたMaaSの実証実験から、政策立案に必要なデータが得られ、杉並区地域公共交通計画の策定が行われました。今後新たな移動手段として、高齢者等の社会的弱者に優しいまちづくりが進むことに期待いたします。 次に環境・みどりについてです。省エネ対策のすぎなみエコチャレンジの実施や、多世代向け環境学習の取組として、地球温暖化や省エネ行動、食品ロスや3Rなどをテーマに、環境学習動画をユーチューブで発信したことや、食べ残しゼロ応援店やフードシェアリングサービスなど、区民や区内事業者を巻き込む仕掛けがなされたことを評価します。 私たちがかねてより省エネ対策として重視しているのは、建物の断熱です。燃料費が高騰している今、学校をはじめとする区立施設の断熱化を最優先に進めていただきたいと思います。 また、取組が進んでいない太陽熱の利用については、区が補助金を出しているお湯を大量に使う高齢者施設などでの利用を呼びかけるなど、普及に取り組むことをこれまでも提案してまいりましたが、改めて要望いたします。 ペットボトルの利用を減らすため、区立施設を給水スポットにすることを提案し、前向きな姿勢を確認しました。区役所本庁舎、地域区民センターはもとより、図書館など給水器が設置されている全ての施設を給水スポットとして、区民に周知する取組を進めていただきたいと思います。 これまで区が進めてきたディッシュ・リユース・システムは、2022年3月に終了していましたが、民間との連携により、すぎなみフェスタでのリユース食器導入の取組が復活したことを歓迎し、評価します。区役所で販売されている弁当などにリユース食器導入を進めていただくことを要望します。 また、みどりの分野においては、緑被率及び公園の1人当たり面積が微増ながら減らしていないことは、「みどり豊かな 住まいのみやこ」の実現には重要です。一方で、これまで培われてきた緑が相続や開発などによって失われていく事態が今後ますます増えていくことが懸念されます。緑を可能な限り残していくためにできることを地域住民と共に考えていくことが必要です。 次に、健康・医療では、地域医療体制の充実に向けて、医療と介護等の関係者による在宅医療地域ケア会議の開催や、多職種連携ICTシステムの活用によって、医療と介護の連携が強化されたことは心強いことです。しかし、介護現場のヘルパー不足は深刻です。今後も住み慣れた地域で暮らし続けるためには、介護人材の確保を確実に進め、さらなる充実を求めます。 ワクチンについては、区内には子宮頸がんワクチンの副反応による重篤な被害者が複数名います。その人たちの声を聞かず、救済や治療を置き去りにしたまま、男子の接種にまで助成を行わないよう求めます。また、区内の新型コロナワクチンの副反応報告数が81名にも上ること、その中には死亡や重篤なものも多数含まれていることは紛れもない事実です。区民が接種を受けるかどうかの判断をするために、事実をホームページで公開し、周知することを求めます。 次に、福祉・地域共生について。地域福祉コーディネーターの配置を2地区に広げ、アウトリーチによって地域に潜在している課題を掘り起こし、分野を超えて必要な支援や情報とつなぐ取組はとても重要です。区内全域に地域包括ケアシステムの推進が図られるよう、さらなる地域福祉コーディネーターの配置を要望します。 長寿応援ポイントの見直しについては、結論はこれからだと承知しましたが、制度そのものの廃止はないことが確認できました。今後は、課題の解決に向けて、改めて利用者や活動登録団体の意見を聞き取ることを求めておきます。 独居高齢者などの住宅確保要配慮者が確実に賃貸住宅に入居できるよう、居住支援協議会の機能を活用し、さらに充実していくよう求めます。 今年の3月にパートナーシップ制度を含む、性の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組の推進に関する条例が制定され、性的マイノリティーの方々への差別や偏見を排した地域社会づくりへ前進しました。この条例におけるパートナーシップ制度の対象から残念ながら外れてしまった事実婚カップルに対して、今後認めていく方向の検討が必要です。 認知症対策では、認知症になっても希望を持って住み慣れた地域で暮らし続けられるために、これまでのネガティブな認知症観からポジティブな新しい価値観へと転換していくことの必要性を共有し、高齢者施策の見直しを図るという区の姿勢が確認できました。また、高齢障害者への支援の在り方には課題も多く、その人にとって必要なサービスが受けられる体制づくりが必要です。 次に、子供について。区立児童相談所の2026年11月開設に向けて準備が進められました。同時に2所目の地域型子ども家庭支援センターが開設され、さらには3所目の開設準備が進められ、増える児童虐待相談への体制強化が図られたことは重要です。 また、安心して子供を産み育てられる環境の充実という点では、妊娠期から子育て期までの切れ目のない伴走型相談支援の充実が図られました。子育てに対する不安や孤立感の軽減は虐待防止にもつながります。乳幼児親子が子育て仲間に出会い、交流することで、エンパワーできる場や、産後ケア事業、子供ショートステイなど多様な子育て支援事業の充実が図られたことを評価します。今後は持続可能な受皿の体制を保障していくことが求められています。十分な委託費の検討を要望します。 子供の居場所づくりでは、この間の児童館再編の取組を検証し、今後のよりよい子供の居場所の方向性を検討するに当たっては、何よりも子供の意見をしっかり聞き取り、大人の都合ではない子供の最善の利益を第一に進めるよう求めます。 医療的ケア児の受入れが、保育園や学童クラブ、区立小学校で実現したことは、インクルーシブな環境という観点からも重要です。関係各課の連携で、包括的な支援体制のさらなる充実を期待します。 次に、学びについてです。当該年度は、杉並区教育ビジョン2022のスタートの年であり、ビジョンに掲げた「みんなのしあわせを創る杉並の教育」の実現のため、杉並区教育ビジョン2022推進計画が策定され、取組が進められました。教員の働き方改革が課題となっている中、副校長、校務支援員の配置、部活動指導員を増員するなどの取組を進めたことは重要です。 交流協会と連携し、外国にルーツを持つ子供のための日本語教室をスタートさせたことを評価します。不登校の子供が急増する中、今後の校内居場所の全校設置、支援先の情報が掲載された冊子の作成と配布に前向きな意向が示されたことに期待します。これまでも不登校対策として求めてきた区が主催するオープンな親の会の開催、スクールソーシャルワーカーの処遇改善と増員を要望いたします。 文化・スポーツについて。コロナ禍の影響が長期化する中、文化芸術関係者が活動を継続できるよう、感染症対策を講じて実施する事業に対し、経費の助成を行ったことは重要です。障害者スポーツネットワークが設置され、多くの障害者が身近な区立体育館で気軽にスポーツを楽しむためのユニバーサルタイムの取組を荻窪体育館でスタートさせたことを評価します。今後、区内のほかの体育館にもこの活動が広がることを期待します。 次に、協働の取組について。少子高齢社会が進行する中、複雑化する地域課題に対して、迅速かつ的確に対応していくことが求められています。私ども生活者ネットワークはこの間、地域課題の解決には地域住民抜きで進めないで、ということで、住民自治を重視した政策を一貫して訴えてきました。そういう意味では区が掲げる参加と協働による地域づくりは、大いに賛同するものです。これまで行ってきた協働の取組を一層深化しつつ、基本構想で掲げた新たな協働の形をつくるとする公民連携による地域課題の解決、職員意識の醸成を目指す区の協働推進基本方針を着実に進めていただきたいと思います。 また、岸本区長が大切にしている対話について、岸本区長就任前に区が開催してきた施設再編などに関する説明会での反省も踏まえ、区が住民との対話の機会を増やし、前向きな合意形成を図っていこうとする姿勢は重要です。対話の場では、参加者一人一人が尊重され、安心してそれぞれの意見が言えるよう工夫し、その前提となる情報公開の徹底により、区民参加のよりよいまちづくりが進むことを期待します。私たちもそのために力を尽くしたいと思います。 次に、デジタル化の推進について。デジタル技術を活用した区民サービスの向上及び行政内部のデジタル化による効率化の推進の2つの柱で進められています。行政職員の働き方改革の観点からも重要な取組です。一方、区民サービスにおけるデジタル化も時代の流れとともに進めていくことは必要ですが、一方で、デジタルデバイドに配慮した取組も必要です。講習等でスキルを身につけられる場合と違って障害によって利用が制限されてしまう方も存在することを忘れることなく、当事者からの声を聞くことも欠かさないよう要望しておきます。 なお、デジタル化が進むことによって、個人情報の保護が後退することがないよう進めていただきたいことを申し添えておきます。 最後に、会計年度任用職員について。この間、処遇については一定の改善がなされた点は評価します。昨年度、雇用安定性を課題として、雇用年限制度について検討するとのことでしたが、職員の固定化や高齢化、新規雇用の機会抑制を理由に、6年の雇用年限撤廃に至らなかったことは残念です。区には欠かせなくなった非常勤職員が安心して生き生きと働ける環境になるよう改善を求めておきます。 以上の理由及び要望を付して、認定第1号杉並区一般会計決算、認定第2号杉並区国民健康保険事業会計決算、認定第3号杉並区介護保険事業会計決算、認定第4号杉並区後期高齢者医療事業会計決算を認定いたします。 結びに当たり、資料作成に御尽力いただいた職員の皆様に感謝を申し上げ、区議会生活者ネットワークの意見開陳といたします。

松本みつひろ委員。
杉並維新の会として、認定第1号令和4年度杉並区一般会計歳入歳出決算外認定第2号から第4号までの各会計決算について意見を申し述べます。 まず、当該年度を概括的に振り返りますと、サッカーワールドカップで日本が強豪国のスペイン、ドイツを相次いで破り、ベスト16に進出、また、ヤクルトスワローズの村上宗隆選手が史上最年少での三冠王と、シーズン日本人最多本塁打となる56号を記録するなど、主にスポーツ界から明るい話題がもたらされた一方、円安や物価高、資材、エネルギー高の進行によって生活実感が日々悪化、脱却への道しるべが年度後半にようやく出てきたものの、新型コロナウイルス感染症との闘いは当該年度も続き、また、昨年の決算審査でも多くの委員から願いが届けられたロシアによるウクライナ侵略もやむことはありませんでした。そして、政治の世界では、安倍晋三元首相が選挙応援中に銃撃され、逝去されるという言葉にならない事件が起きてしまいました。改めて御冥福をお祈り申し上げます。 杉並区の政界にも激震が走った年度でした。4期目を目指す現職区長が187票差で敗れ、新人の岸本候補が区長に就任しました。率直に申し上げて、杉並新時代に対する期待感よりもはるかに大きな不安を抱きながら、絞り出すように、岸本区政にあっても区政の前進を諦めないと発信したことを覚えています。当該年度の予算には、当時の会派の一員として私も賛成しています。その理由として、新基本構想のスタート年であり、これに基づく計画事業の予算化は、誰が区長であっても新年度からスタートさせるべきと表明していましたが、あに図らんや、杉並区総合計画、実行計画等6事業が見直しとなり、区立施設再編整備はそれに先立ち、立ち止まるなど区政は混乱、2名いた副区長は4月、9月に相次いで辞任し、副区長職は今もなお欠員がある状況です。議会でも区長公約に対する批判的な質疑が相次ぎ、傍聴席からも、議席からも不規則発言が増えるなど、杉並新時代という響きもむなしい何とも後ろ暗い時代を迎えていると感じています。 そのような認識に基づき、各会計の歳入歳出決算を審査してまいりました。今回の決算審査に当たっては、主に3つの視点を持って臨みました。1つ目の視点として、計画初年度の施策指標は達成されたか、2つ目の視点として、財政運営が適切に行われていたか、3つ目の視点として、財源確保と予算措置、事業執行のそれぞれが精度高く実行されたか。 1つ目の視点については、区政経営報告書等を精読し、低調な結果であるものと認識しています。特に総合計画における計画初年度の目標値、計画策定時から見た近未来の施策指標達成をこれだけ逸していることについて、強い危惧を覚えるものです。この点については、1年前の当委員会において、当時の会派を代表して申し上げた意見をもう一度正面から受け止め、今後、施策指標を達成するための確かな取組を求めておきます。 2つ目の視点について、財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方に掲げる5項目を全て満たしており、ルール時代の筆頭項目であった経常収支比率も7年ぶりに80%を割り込むなど、区が掲げる基本的な考え方や各種の財務指標、諸表から見るに、財政運営はおおむね堅調に行われたと見ています。 その一方で、税収増を要因とするコロナ前の水準になお程遠い財政規模の膨張や、その要因でもある特定財源の増、その結果、一般会計歳入決算額に対する特別区税収入の割合が3割を切っている状況などを複眼的に見て感じる違和感に、区民の生活実感とは乖離した好調な税収を背景に、歳入確保の取組の停滞や、事業実施における不十分な経費精査などが発生しているのではないかと仮説を立て、3つ目の視点である財源確保と事業執行率の精度に焦点を定め、各審査区分において質疑を行ってまいりました。 財源確保については、ふるさと納税による流出対策に立ちすくみ、制度の見直しや、区民の理解促進という隘路を右往左往する状況や、不用意な規制が放置されていることによって、公園占用料を逸失している場面などが確認できました。当該年度の財政効果額は87億円と評価できる水準であり、新たな歳入確保施策への果敢なチャレンジや、基金運用も少しずつウイングを広げ、挑戦を行っているなど、評価できる面もありますが、物価高、資源高、人件費高の社会情勢の中で、義務教育における保護者負担軽減等に乗り出していく検討を中央進行管理事業として行っていた当該年度の取組としては不十分なものであるとの結論に至りました。 執行率については、決算当該年度は92.9%と前年から0.2ポイント悪化し、不用額は約140億円となりました。不用額については、執行努力や契約差金などで発生するものと、事業実績減や事業未実施によって発生するものがあり、その要因について決算書類で十分に判断することができないことから、時間を割いて質疑を行いました。質疑を通じ、区の取組と執行率が必ずしも相関しない事業、適切な取組で成果を上げている事業も幾つか確認できたものの、申請を待っていたけれども、来なかった、また、この執行率は例年同様であるといった事業も散見されました。全ての事業には政策目的とその必要性があるはずで、待っていたけれども、申請は来なかったという事業の総括をやすやすと受け入れるわけにはいきません。事業を必要としている人にアウトリーチするか、またはアウトリーチに行けないのであれば、待っていれば来る申請件数を精査した予算要求をするべきでした。令和6年度当初予算編成事務処理方針にも、経費の精査見直しに関する文言は複数躍っていますが、言葉倒れに終わらぬよう、財政課と予算要求側の各部門の双方がこのことに真剣に取り組むことを切に要望するものです。 以上、計画初年度の施策指標は達成されたか、財政運営が適切に行われていたか、財源確保と予算措置、事業執行が精度高く実行されたかの3つの視点から当該年度決算を確認してまいりました。財政運営は順当に行われていると認識しているものの、好調な外部環境への依存を深めており、経済環境の激変や不合理な税制変更等、VUCAの時代に訪れる一寸先の闇に耐え続けられる行政運営ではないと判断したことから、認定第1号令和4年度杉並区一般会計歳入歳出決算について不認定といたします。 認定第2号から第4号までの各会計決算については、保険者とのコミュニケーションに課題があることを指摘しましたが、会計実績としては堅調に運営されていることを確認し、それぞれ認定いたします。 我が会派の決算審査の冒頭、区長に今回の決算の満足度について尋ねました。自信を持って示しているので、100点満点ですとのことでしたが、誰が編成し、誰が執行しても100点満点の決算はないだろうと思っています。決算書の3ページに、区長の記名で示されているとおり、地方自治法第233条第3項で、地方公共団体の長は、監査委員の審査に付した決算を監査委員の意見をつけて次の通常予算を議する会議までに議会の認定に付さなければならないとされています。この規定の精神は、決算を議会と振り返り、その議論の中から改善点や留意点を発見することで、次の通常予算をよりよいものへと磨き上げていく営為を求めることにあるのだろうと私は解釈しています。自信を持って提出していただくのは結構なことですが、100点満点の決算はない、だからこそ決算審査がある、そのことをお認めいただき、その上で決算審査に当たって、我が会派からあった要望事項等について、次年度当初予算における最大限の配慮を求めるものです。 その上で一言申し上げます。本定例会の私の一般質問に対し、平和と持続可能な社会を望むなら、今の社会をしっかりと見て、何に対しノーなのかをはっきりさせた上で、何がよいと思うのか具体的なイエスを持つべきと区長から答弁をいただきました。決算審査を通じ、平和な社会と持続可能な杉並区政を望む立場から、今の区政をしっかり見て、必要な改革を先送りし、庁内会議で貴重な時間と多額のコストを無駄遣いし、施策指標の未達を3年目となるコロナの影響に牽強付会し、自助努力を追求せず、特別区長会などの場で、国に対する不平不満を述べてばかりの岸本区政に対してノーであることをはっきりさせた上で、時間軸を持って必要な改革を断行し、1円の税金も無駄にしない意識で財政効果を積み上げ、それら行財政改革を通じて生み出した財源を子供たちを中心とした将来世代に投資することを通じて、機会平等な社会をつくるという具体的なイエスをお伝えしてまいりました。真摯に受け止められ、改めて、本来あるべき杉並新時代の扉を開き、前人木を植えて後人涼を得区政を重ねて求めておきます。 以上、決算審査を締めくくるに当たり、意見を申し述べてまいりました。結びに当たりまして、本委員会の審査及び資料作成に誠意をもって御協力いただきました理事者、職員の皆様、また円滑な委員会運営に努められた正副委員長に感謝を申し上げ、杉並維新の会の意見といたします。
(午後 1時 5分 開議)

休憩前に引き続き委員会を開きます。 意見開陳を続行いたします。 奥山たえこ委員。

れいわを耕すです。認定第1号から4号について、まず私、奥山たえこから決算審査の中で判明したこと、一方、言及できなかったことなどについて述べていきます。 今回の決算の当該年度、2022年(令和4年)6月の区長選挙で岸本聡子候補が当選しました。7月11日に就任し、執務を開始しております。前区長が編成した予算を執行したものであり、新区長にとっては自身の政策的経費があまり盛り込めないスタートになったのではないかと受け止めています。 まず、選挙公営についてお尋ねしました。当該年は、区長選挙のほかに区議会議員補欠選挙がありました。当区のような区議選が大選挙区制の場合、補欠選挙では、供託金没収ラインを切ることはまずあり得ません。つまり選挙公営におけるポスター作成費は税金で支払われることになるのです。各自の申請額を伺っていきました。上限額ぎりぎりまで申請する人が半数である一方、3分の1以下でちゃんとしたポスターをつくっている人もいます。なぜこんなに差が出るのでありましょうか。そこで、選管にほか自治体の例を挙げて、作成の明細書をつけることを求めました。傍聴している方にはまるで選管がやるべきことをやっていないから、上限額ぎりぎりまで請求しているんだというふうに見えたかもしれません。しかし、責任は候補者にあります。選管に責任はありません。 根拠の法律ですが、公職選挙法施行令第110条の4に定められてあります。この件で、国会では、参議院で議員が質問主意書を出しております。N国党の方です。公費負担の適正化について、例えば先ほど私が述べたような明細書をつけるとか、いろんな証拠書類を添付することで適正化されるのではないかといった質問をしております。令和3年11月です。しかし、その答えは、全く、全く改善するそぶりさえありません。なぜでしょうか。そのことは私たち地方議員が一番よく分かっているかもしれない。国会議員と地方議員は、選挙になれば、互助組織であります。地方議員が嫌がるようなことは国会議員はなるべくしないという忖度が働いているのではないかと考えます。ぜひ選挙管理委員会に協力をお願いする次第です。 そもそも選挙公営の支出方法ですが、相見積りはいたしません。そしてこれは超ウルトラ特命随意契約であります。自分が選んだ事業者に対して言い値のままで支払うことができる。上限額まで請求することができる。そしてまた、地方自治法第2条第14項にこうあります。おなじみの条文、地方公共団体は、中略、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならない、このくだりは、私たちが執行部を追及するときにしばしば使う言葉でありますけれども、場合によってはブーメランとして戻ってくるのではないでしょうか。 さて、政治倫理条例の制定にも言及しました。前の区長の折、指定管理者の応募者、まさに応募のときに、職員がゴルフを一緒に回るという事実がありました。その当時、杉並区は既に杉並区職員の倫理の保持及び公益通報に関する条例があったにもかかわらず、この条例は全く実効性を果たしませんでした。今年度の審査の中で見直しに着手したとのことであります。なお、職員とのゴルフ行きは、新しい区長になってからその悪弊は絶たれております。この条例が職員に対して生きるのであれば、今度は議会の番ではないでしょうか。この条例は職員を対象としておりますから、議員は対象となっておりません。いわゆる口利き禁止条例、政治倫理条例、これはいろんなパターンがありますけれども、そろそろ杉並区議会でも制定を検討すべき時期に来ているんじゃないかと思います。 なお、条例の有無にかかわらず、議員が職員に折衝した場合には、その記録は基本的に残されることになっております。常に心に留めておくべきことだと考えます。 さて、長寿応援ポイントであります。何度も何度も私、質問してきたことなんですが、今回はポイント券の発行や換金に事務経費が幾らかかるか、少なくとも半分から3分の1程度を必要とするということは分かりました。重複しないユニークユーザーの人数は4,000人を切っております。私は別にここで税金や年金の恩恵は高齢者がより多く受けているという世代間対立をあおるつもりはありません。しかし、始めたらやめられない施策の一つがこれではないでしょうか。聞いたところによると、紅白まんじゅう──昔、敬老会で配っていたそうですが、それも廃止されたとも聞きました。これから新しい施策が始まります。給食費の無償化、家賃への助成などです。施策の精査が必要だと考えます。 ふるさと納税については、返礼品についていろんな質疑が各会派から出されました。答弁を聞いていて感服したのですけれども、返礼品の原資は、他の自治体の本来ならばそこに入るはずだった税金である。それは決して杉並区から出ていった税金とイコールではありませんということでした。大変立派な答弁を伺って、うれしく思っております。ただ一方で、武士は食わねど高ようじとまでは言っていられませんので、ぜひ区長におかれては、引き続き、廃止訴えに努めていただきたいと思います。 さて、阿佐ヶ谷北東地区のまちづくり計画についてです。各会派から、これまでより一層踏み込んだ質疑がなされました。しかし、杉並第一小学校の移転、B案がいつ誰がどのようにして発案し、A案に取って代わったのかということは分からなかった。むしろ謎は深まるばかりであります。しかし、この件、構造はとってもシンプルなんです。再開発における一番のメリットは容積率の緩和です。同じ底地からどれだけの床面積をたたき出せるか、それが再開発の成否に関わっているわけです。河北病院は、一部は40メートルの高さとなります。杉一小学校の跡地は──壊すとしたらですけれどもね──60メートルは可能となっております。否定する答弁はありませんでした。すると、杉一小学校の底地を手に入れることで利益を得る人は誰なのか、その方向に導くことができるのは誰なのか、これは容易に分かることであります。なのに、その経緯が明らかになっていません。 岸本区政においては、当たり前のことでありますけれども、こういった意思形成過程の記録をもきちんと取っていただけるようお願いしておきます。 さて、次に、山名かなこの意見を述べます。 令和4年度の決算について意見を述べます。 議員になって初めての決算特別委員会でしたが、各議員の関心に基づく質問、各所管の専門性による回答は、聞いていて、大変興味深く、参考になりました。今回、歳入、生活経済費、保健福祉費、教育費に関するところで質問をさせていただきましたが、区民の生活をよりよいものにしていくという視点の下で、各担当者の方が前向きに取り組んでおられることがよく分かりました。杉並区における学校教育や男女平等、共同参画の取組の理念はすばらしく、そういった理念の実現に向けて日々努力されている様子を質疑でも確認できました。より多くの区民が生きやすい社会をつくっていくために、改善点を含め、以下、意見を述べさせていただきます。 まず、教育に関しては、子供たちが主体性を持って取り組むための教育や、男女平等の観点に立った実践的態度の育成を進めていくことを前提に、教員の研修にも取り組まれている姿勢はとても大切なことだと思いました。パターナルな上から下への教育ではなく、個が多様なアイデンティティーを尊重し合って共存していくための教育は、子供の権利を守ることにもつながります。質疑の中でもお伝えしたとおり、教員や子供たちが共に社会に存在している性別に対する無意識のバイアスを学んでいける機会を増やしていくことで、子供たちにとってより生きやすい社会の形成を進めていってほしいと思います。 他の議員の質疑の中で、包括的性教育に関する質疑もありました。命の安全教育が学校教育として今年度からスタートしていますが、2000年代の性教育に対するバックラッシュ、つまり、人種やジェンダーなどの社会的弱者に対する平等の推進や地位向上などに対して反発する動きのことですが、それを考えると、一歩前進したとも思います。子供たちが自分自身の体を守り、尊重し、他者に対しても同様にすることは大切なことであることを学ぶ機会は非常に大切です。男女平等社会に不可欠な、自分の体のことは自分で決めることができるようになるための教育をより拡大していってほしいと思います。 一方で、区内唯一の施設である男女平等推進センターの在り方についてですが、区民の認知度が低いといった問題点や、情報資料コーナーが使いづらいといった課題があります。今ある施設と予算の中で、職員の方ができることを丁寧に実施していただいていることは、やり取りからもよく分かります。図書の紹介を通して利用者が少しずつ増えていることはとても望ましく思いますが、やはり施設全体が駅からも遠く、バス停からのアクセスもよくない、そして十分なスペースが確保できない現状を鑑みると、抜本的な改善が必要な気もします。 ジェンダー平等というのは、残念ながら自然発生的に起こるものではありません。様々な国や自治体が工夫を重ね、社会の構造を変えていく取組を進めた後に少しずつ変化していくのだと思っています。男女平等推進センターは、やはり場所としての機能が十分に生かされていません。区役所内におけるハラスメントゼロ宣言が出されたように、区として、社会としてハラスメントを含む権力構造を内在化した社会の在り方を変化させていくためにも、杉並区の男女平等推進センター及び男女共同参画に期待される役割は大きいと思います。より多くの区民がアクセスしやすく、利用しやすい施設にしていくためにも、予算を確保しつつ、施設移転も含めて検討すべきものと考えます。 最後に、高齢者福祉を含む福祉政策についてです。三療サービスに関するやり取りで明らかになったのは、ゆうゆう館の廃止とともに、高齢者サービスでもある三療サービスが廃止されていってしまっていることです。利用者である高齢者の声だけではなく、視覚障害者の雇用の創出という観点からも、杉並区において、このサービスが広く利用されていくことが区民にとっての利益になると考えます。高齢者にとって必要なサービスがコミュニティふらっとに機能移転されないことも疑問です。高齢者の居場所がなくなるだけではなく、低額で区民が利用できるマッサージサービスが減少してしまわないように、視覚障害者の雇用が減少しないように、より多くの施設で利用可能であるべきだと指摘しておきます。 最後になりますが、資料作成や御答弁いただいた職員の皆様、ありがとうございました。今後とも既存の枠組みにとらわれることなく、個人個人が主体となって自由に生きられる杉並区をつくっていくために議論していければと思います。 さて、以上から、決算の財務指標については問題ないと認識します。例えば財政健全化比率は、高齢化が進み、人口減少する地方都市から見ればあり得ないほどの健全な数値です。予算執行に当たっては、課題はあまたあるものの、目的に従い、誠実に対応したと受け止めております。 以上から、認定第1号令和4年度杉並区一般会計歳入歳出決算について、奥山たえこ、山名かなことも認定に賛成をします。 特別会計の3つ、認定第2号、認定第3号、認定第4号については、奥山は認定に反対、山名は賛成とします。 以上です。

横田政直委員。

参政党杉並、横田政直です。認定第1号令和4年度杉並区一般会計歳入歳出決算について、不認定の立場から意見を述べます。 本決算は、前田中区長の時代に予算編成され、令和4年度途中まで執行され、その後、岸本区長に引き継がれたものです。岸本区長が予算編成したものでなく、予算執行期間も約9か月間でありますが、不認定とする大きな理由は、本決算年度に執行された新型コロナウイルスに対するワクチン接種が、区民にとって本当に適切であったか疑問が残るからです。もちろん国が決めた方針に従うことは、地方自治体として否定するものではなく、予算執行の経理上の不適切な有無を問題視しているものでもありません。このワクチンが本当に人間の健康にとって正しい薬物であったのか疑問が残ります。 厚生労働省の人口動態統計によると、令和4年の死亡数は156万8,961人で、前年、令和3年の143万9,856人より12万9,105人増加しています。前々年、令和2年の137万2,755人と比べると19万6,206人の増加です。コロナ関連死を差し引いても、令和2年と比べ約14万人の死亡数が増加していると推計されています。この数字は、阪神・淡路大震災の22回分、東日本大震災の6.5回分の死亡数に匹敵します。広島市では、昭和20年12月末までに原爆によって死亡した人の数は14万人と推計していますが、原爆に匹敵する死亡数が増加している現象にその原因を究明する動きは、政府にも、医療界にも、マスコミにもほとんどありません。医療界にはワクチンの危険性を主張する多くの医師が存在しますが、その声に政府は耳を塞ぎ、マスコミはほとんど報道しません。原爆に匹敵する異常現象が起こっているにもかかわらず、それを全く無視する政府、医療界、マスコミの異常な行動を私は全く理解ができません。この現象は歴史に残る事象です。将来の日本人はこの歴史を見ます。私たちは胸を張って政治家であった、行政マンであったと言えるのでしょうか。私たちの子供や孫の世代に自信を持って、誇りを持って、責任を持って正しいことを行ったと言えるのでしょうか。このような疑いが残る新型コロナワクチンを今後も打ち続けるのでしょうか。 小児に対するワクチン接種は相変わらず続いています。このように決算年度に行われたことは、今年度にも引き続いております。地方自治体として、国の方針に従うことは否定しませんが、その自治体としてできることを実施している自治体も現に存在しています。政府や行政の最優先の課題は、国民、区民の生命と健康を守ることです。しかし、本決算年度にはそれが行われていない可能性があります。本決算がどんなに正しい会計処理がされていたとしても、区民の生命と健康を守ることが行われていない可能性をはらんだ本決算を認定することはできません。 また、教育について。教育委員会事務局次長は、愛のない校長や愛のない副校長に目を光らせてほしいとの私の質問に対して、杉並区の教育現場が本来の理念に沿っていて、理想的で全く問題がないかのような答弁をしていました。逆に私は勘違いをしていると。練馬区の中学校では、校長が女子生徒を襲っていたという事件が起きていますが、杉並区ではどうでしょうか。令和4年度には盗撮で懲戒免職になった荻窪中学校の講師がいました。教育長は、子供たちの模範となるべき存在であるにもかかわらず、このような悪質な行為を行ったことは絶対に許されるものではありません。区立学校に対する信頼を揺るがすことになってしまい、心よりおわびを申し上げます。今後、厳正な服務規律の確保と綱紀粛正の徹底を図り、再発防止に努めてまいりますとコメントしていました。 令和5年度に入って教育分野の不祥事が4件起きています。荻窪小学校の校庭に埋まっていたくぎで児童に痛ましい事故が起き、指導要録が紛失し、またメールアドレス及び氏名といった個人情報が漏えいしています。また、中にはストーカー行為で懲戒免職になった和田中学校の教員がおりました。教育長のコメントはほぼ同じです。子供たちの模範となるべき教職員が、このような悪質な行為を行ったことは絶対に許されるものではなく、極めて重く受け止めております。区立学校に対する信頼を揺るがすことになってしまい、心よりおわびを申し上げます。今後、厳正な服務規律の確保と綱紀粛正の徹底を図り、再発防止に努めてまいります。教育委員会事務局次長はよくぞ白々しい答弁をされたものです。 また不祥事が起き、ほぼ同じ内容の教育長のコメントが出されるのでしょうか。現状の延長線上でよいのか。部長や次長は退出していただき、意欲がある課長を抜擢するぐらいのことが必要なのではないでしょうか。現場に寄り添い、弱い者、困っている者の味方になるのではなく、白々しい答弁でごまかそうとする者が責任ある立場にいたのでは教育現場がよくなることはないと思います。 以上、認定第1号令和4年度杉並区一般会計歳入歳出決算については不認定とし、他の認定第2号、認定第3号、認定第4号については、区民負担の軽減に努めていただきたいという要望つきで認定いたします。 ここからさらに意見を述べさせていただきます。 本決算特別委員会の副委員長の人選について。いわゆる監査には違法性監査だけでなく、妥当性監査があるように、違法でなくても妥当であるかどうかの判断があり得ます。監査委員による監査と、議員全員をメンバーとする決算特別委員会による決算審査はメンバーも異なるわけで、当然区政に対するチェックの仕方が異なります。したがって、なるべく影響を受けないほうがよいという判断はあり得ると思います。また、収賄罪の保護法益が職務の公正だけでなく、公正らしさも含まれるとの解釈があるように、どう見えるかも重要だと思います。公平公正に職務遂行したとしても、公平公正に見えるかも重要だと思います。もとより、公平公正に委員会運営をしていただいた正副委員長には感謝しております。また、多くの職員の皆さんに資料の御提供をいただきました。ありがとうございました。 最後に、不規則発言、やじについて。不規則発言には、一定の緊張感を生む効果があると思います。私自身はやじに鍛えていただいていると思うタイプの人間です。しかし、そうでないタイプの方もいると思います。右も左も、保守も革新も、主義主張に関係なく、新人とは限りませんが、特に新人議員に対して寄ってたかって汚くやじることで萎縮させることがあれば、議会の品位を汚すと思います。私は10年ほど前にもこちらで意見を述べる機会をいただいておりました。今は亡き小泉議員のやじが好きでした。陰湿さがなく、笑いを意識されていたことが思い出されます。穏健な保守の立場から、私の意見として付け加えさせていただきました。ありがとうございました。

田中朝子委員。

杉並みらいの会の田中朝子です。令和4年度杉並区各会計歳入歳出決算に対する意見を申し述べます。 当該年度の我が国の経済は、いまだ完全収束が見通せない新型コロナウイルス感染症に加え、ウクライナ情勢等に伴う世界的な物流の混乱や物価高騰の影響等により不透明な状況にありました。特別区においては、法人住民税の一部国税化等の不合理な税制改正により、貴重な財源が一方的に奪われ続ける中、景気の下振れリスク等もあり、財政運営がより厳しい状況にさらされていました。特別区は、人口減少社会を迎え、少子高齢化対策が喫緊の課題となっている中、近年、危険性が増している大規模水害や、今後30年以内に高い確率で発生すると思われる首都直下地震への備え、今後一斉に老朽化が見込まれるインフラへの対策等、大都市特有の膨大な財政需要を抱えています。さらに、物価高騰対策、児童相談所の設置等、取り組むべき課題は山積しており、それらの課題に対応するための十分な財源の確保が急務となっています。特別区が将来にわたって区民の負託に応えていくためには、より一層の行財政改革に努め、計画性、持続性のある財政基盤を確立し、区民サービスの向上を図るとともに、持続可能な財政運営が求められています。 杉並区の令和4年度は、こうした経済の見通しや、コロナ禍での不透明な経済動向等を踏まえて、新たな基本構想に基づく計画事業や、コロナ対策に加え、既定事業に必要な経費を見込んで、「新ビジョンスタート予算~希望に満ちた杉並の100年へ~」と名づけられた予算編成を行っています。また、年度途中で区長の交代があり、新区長の下で実行計画の一部修正が行われ、その上で基本構想に定められた各分野の将来像に向け、各計画事業の進捗が図られました。 本委員会の質疑を通じ、区財政を取り巻く状況は依然として厳しいものの、財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方に基づき、財政の健全性の確保に向けた取組がされていることを確認いたしました。このことを踏まえ、杉並みらいの会は、令和4年度杉並区各会計歳入歳出決算をいずれも認定し、以下、本委員会で取り上げた以外の幾つかのことについて意見を申し述べます。 まず、自主財源の確保についてです。原油価格や物価の高騰の影響が継続する状況を鑑みると、当該年度は特別区税が2年ぶりに増加し、この5年間で最大になったものの、区税収入の先行きは不透明感を増しています。そのような状況においても、区民に最も身近な地方自治体の責務として、将来にわたり必要な行政サービスを提供し続けるため、区財政の健全化を維持することが必要であり、自主財源の確保がますます重要になります。杉並区は他区より自主財源の割合が少し低いこともあり、区民税の適正で公平な課税収納に努め、収入未済額を減らすとともに、受益者負担の適正化に取り組み、自主財源を中心とした歳入基盤の確立が不可欠と考えます。 次に、歳出への対応についてです。健全な財政運営の基本は歳入に見合った歳出です。今後も進行する少子高齢化による社会保障費の増加や新たな行政需要などに対応するため、経常経費を中心とした歳出の抑制を行うとともに、民間活力の導入など業務や経費の適正化、また効率化に努め、限られた財源を最大限に活用しなければなりません。さらに、老朽化が進む公共施設については、効率的な利用と維持管理コストの低減を図り、再編計画や長寿命化に取り組む必要があります。 次に、区立施設再編整備計画について申し上げます。当該年度予算には、区立施設再編整備計画(第2期)前期実施プランの着実な推進が方針の一つに挙げられていました。しかし、年度途中で区長交代があり、区立施設再編整備計画の中の児童館、ゆうゆう館の再編整備については、新区長の公約を踏まえて、これまでの取組の検証等を行い、新たな方針を決定することとされ、それまでの間は、原則事業を一旦休止するとされています。区長及び区の所管の皆様が丁寧に区民の声を聞き、この考えに至ったことは一定の評価をいたします。しかし、大切なのはこれからです。一旦休止するのはいつまでなのか、計画を取りやめるのか、そのまま進めるのか、また新しい施設を考えるのか、いずれかに決定しなければなりません。ただ、先送りしても何も変わらず、それぞれの地域の区民の皆さんの期待も裏切ることになります。大変な決断になるかとは思いますが、少なくとも来年度予算案が決定する前には新たな方針を決定し、スピード感を持って新しい整備計画に取り組んでいただくことを要望いたします。 次に、区民との対話について申し上げます。区長は当選以来、対話から杉並の未来をつくることをモットーに、「さとことブレスト」、「聴っくオフ・ミーティング」や区民とのワークショップ等、積極的に区民との対話を続けていらっしゃることは一定の評価をいたします。様々な課題に対し、丁寧に進めて、区民の皆さんの理解を得るのは大切ですが、方針をなかなか決めることができずに時間がたってしまうようでは本末転倒です。区民の皆さんの話を聞いてほしいという気持ちの中には、話を聞いて自分たちの言うとおりにしてほしいという要望が少なからず入っています。どの課題も大きく賛否も分かれているため、方針決定するまで板挟みになって大変なことも多いと思いますが、対話は、政策決定の手段であり、目的になってはいけません。 昔は行政の仕事は遅くて当たり前でしたが、もはやドッグイヤーと言われてから20年以上たち、今やマウスイヤーとも言われており、区民からもますます早い対応を求められています。それぞれの最終決定は、区民ではなく区長がしなければなりません。4年間、区民との対話だけで終わってしまうことのないよう、スピード感を持っての政策決断をお願いいたします。 最後に、ふるさと納税について申し上げます。住民税控除額の上限の拡大、ワンストップ特例制度の創設や、過剰な返礼品競争などにより、杉並区の住民税の減収額、流出額は年々増え続け、当該年度は約41億円の住民税が流出しています。ふるさと納税については、寄附本来の趣旨等を踏まえた抜本的な見直しが必要であり、杉並区としても、引き続き国に見直しを求めていくことには異論はありません。しかし、少額の流出ならともかく、流出額が年々増え続け、もはや50億円に届こうとするとなると、区民サービスの充実や、必要な施策実現の観点から、果たして看過できる金額と言えるでしょうか。高級牛肉やホタテ、シャインマスカット等の高額返礼品と競う必要はありませんが、アニメやラーメン、カレーなどの杉並区の魅力の発信を伴う返礼品を考えることはやってみるべきではないでしょうか。ふるさと納税を考える「聴っくオフ・ミーティング」でも、参加した区民の方々からいろいろなアイデアが出ていました。このようなことこそ、区民や杉並区を愛する全国の方々から広く、杉並の特色を生かした返礼品のアイデアを募集してはいかがでしょうか。 確かに制度の見直しは必要ですが、制度がある以上は正論ばかり主張しても住民税が流出することを止められるわけではありません。給食費無償化も始まり、一斉に老朽化が見込まれるインフラへの対策等を考えると、ふるさと納税等を利用して少しでも収入を増やす努力をすべきです。東京から税が流入している地方の自治体も、それぞれが非常な努力をしてそれを確保しているのですから、杉並区もその姿勢には学ぶべきではないでしょうか。ふるさと納税への様々な取組を進めるよう強く要望いたします。 最後に、委員会での御答弁や決算審議に必要な資料作成に御尽力いただいた理事者、職員の皆様、また正副委員長に感謝を申し上げ、杉並みらいの会、田中朝子の意見開陳を終わります。

田中ゆうたろう委員。

令和4年度杉並区各会計歳入歳出決算について意見を申し述べます。 まず、本題に入ります前に、先ほど他の委員からも言及がございましたけれども、この本決算特別委員会初日の9月15日に行われました副委員長の選挙につきまして一言申し上げます。これは通例ですと正副委員長互選ということで、大概指名一任という形で進むことが多いわけですけれども、今回につきましては、奥山委員から異議があるということで、結果的には選挙が行われて、わたなべ友貴副委員長が選挙されるという結果になりました。このとき、奥山委員は特段、なぜ異議を唱えるかというその理由をこの議場で発言しておられませんので、どのような理由であったのかというのは、私は直接には存じ上げないんですけれども、ほかの何人かの委員から私が聞いたその証言によれば、要するに監査委員の御主人だから副委員長として望ましくないという趣旨の発言を奥山委員が何人かの委員にされたという証言が私のもとにももたらされております。それが、すなわち、この委員会の席上で異議を唱えられたと、副委員長の人選に対して異議を唱えられたという直接の理由なのかどうかということを私はここで断定することはできませんけれども、仮にそうした私のもとに寄せられた証言が真実であったとするならば、先ほど他の委員からいろいろな指摘もなされておりましたけれども、私は、監査委員の御主人だとか何だとかというような理由で、委員長とか副委員長になることを妨げるような会議規則も、委員会条例も何もないわけで、私はそれは望ましくないことだと非常に強く思いますね。もし事実だとすれば、いじめじゃないでしょうか。そういうようなことは厳にやめたほうがいいと思います。非常に恥ずかしいことで、卑劣な、下品な、すこぶる下品なそういういじめみたいなことは絶対にやめたほうがいいと思います。ということを申し上げた上で本題に入ります。 当該年度の杉並区政を振り返りますに、緑豊かな左翼の都と申しますか、まずもって区長が交代したということが非常に大きな区政の変化としてございました。それが令和4年7月のことであります。その後、翌年、令和5年4月には、今度は区議会議員選挙がございまして、岸本区長に親しい、政策合意書なるものを結んだ区議会議員が多数この4月の区議会議員選挙で誕生するという結果になりました。本来であれば基本構想初年度ということで、「みどり豊かな 住まいのみやこ」が目指されるはずだったんですけれども、左翼の都になっちゃったということであります。 それで、その岸本聡子区長と田中良前区長、そして私田中ゆうたろうは、昨年6月の区長選挙におきまして、互いに候補者として政策論争を交わし、共に区民の審判を仰いだわけであります。結果は岸本候補の当選となりました。私に投票してくださった1万9,487名強の区民の皆様には、御期待に沿えず大変申し訳ない結果となりましたけれども、区民の結論でありますので、これを尊重し、私は区長選後は岸本丸の船出を心静かに見守っておりました。とりわけ私は、令和2年に田中前区長に対する問責決議案をこの議会に提出した経緯がございます。杉並芸術会館座・高円寺の指定管理者の指定について、議案審査時に発した暴言に基づく内容でありましたが、田中氏の区長としての責を問うた以上、私はこれ以上田中氏に区長を任せるわけにはまいりませんでした。政治経験ゼロ、行政経験ゼロの岸本氏には、正直なところ、一抹の不安もございましたけれども、せめて岸本氏には前の区長のときに比べればよくなったと区民の皆様に喜んでいただけるよう、一生懸命杉並区政に取り組んでいただきたい、そのような思いから、岸本区政の成り行きを心静かに見守っておりました。 それではまずい、このまま黙っているわけにはいかないようだと初めて気づかされたのが、昨年8月15日、岸本区長が西荻窪で行われた安倍元首相国葬反対デモに参加していたと区民の方から情報提供があったときのことでした。翌日、秘書課に真偽を確認したところ、公務ではなく、私人としての行為なので、報告する義務はないとの返答でした。就任からまだ1か月、多くの区民がいまだコロナ禍に震え、おののくさなか、国葬反対デモなどよりも汗を流すべきことはほかに幾らでもあったのではないでしょうか。もとより、国民の多くが大東亜戦争の犠牲者の御霊に思いをいたすこの日、区民を代表する立場の者が国葬の是非という区民の意見を2分していたテーマの一方の側にやすやすとくみしていたとすれば、区長として軽率のそしりは免れません。 しかし、それ以上に私が深刻に受け止めたのは、区長は選挙で、まずは情報公開の徹底と確かに公約しておられた、その公約を区長自らの手で早くもほごにしてしまったことでした。デモに参加したならば参加した、参加していないならば参加していないと正直に答えればよかっただけの話であります。しかも、その後なぜか一部の区民に対しては態度を一変、結局、デモへの参加を認めるという極めて不可解、不公平な行動を取ったことも明らかになっております。 岸本聡子さんという人は物事の優先順位がつけられない人、岸本聡子さんという人は自分の立場をわきまえることができない人、岸本聡子さんという人は杉並区のことにあまり興味がない人、もっと言えば杉並区が嫌いな人、そして岸本聡子さんという人は平気でうそをつき、平然と区民をだます人なのではないか、そのような私の疑いは、その後、今日に至るまで深まるばかりであります。区のホームページには、岸本聡子の聡は、公の心に耳と書く、この使命を追求し、皆さんの心に寄り添いながら、区政の歩みを進めていくと、区長就任時の思いが述べられていますが、今となっては、この言葉の何と寒々しいことか。対話、対話と連呼して世間を欺きつつ、区民の理解も不十分なまま、問題だらけの政策を押し通す暴走ぶり、区民に固く約束したはずの政策を次々と覆す迷走ぶり、残念な限りであります。誠に残念な限りであります。 とりわけ下高井戸児童館の廃止や、西荻窪の都市計画道路拡張見直し破棄、阿佐ヶ谷駅北東まちづくり推進見直し破棄などなど、公約違反をごまかすためのばかげたアンケートや対話集会の数々、委員会でも指摘をいたしましたけれども、高円寺の再開発反対デモに参加をしておられましたけれども、馬橋通り、あの通りの危なさを御覧になったことがあるでしょうか。杉並第六小学校や馬橋小学校の子供たちがどれだけ危ない思いをしてあの馬橋通りを使っているか。その馬橋通りの一角に事務所を構える日本共産党が、あるいはその日本共産党の支援を受けた岸本区長が、高円寺北口の再開発反対とか、道路拡張に異を唱えたり、その反対運動にまきをくべたりする資格は全くないと私は思いますよ。区長専用車廃止とは名ばかりの──これも重大な公約違反でありますけれども、区長による庁有者のあきれ果てた乱用も明らかとなりました。また、杉並芸術会館座・高円寺につきましては今回あまり言及するいとまがございませんでしたけれども、その座・高円寺主催提携事業における事業ごとの収支決算書は、とうとう私のもとに今日に至るまで提出されておりません。 私は、資料請求に際しまして、売上げや支出の明細を含む実施報告書の提出を要望しております。きちんとそれは書いております。書いて、出てきたのが、何の内訳も明細も示されていない。あれでは、過去にこの劇場で行われてきた助成金の未計上、そういったことが本当に行われていないのか、あるいは今もって行われているのかというその判断が全くつかないわけであります。情報公開ナンバーワンの杉並区はどこに行ったんでしょうか。全く公約違反と言うほかないと思います。 それと、今年の7月に佐藤信芸術監督から新しくシライケイタ芸術監督に交代がなされたわけでありますけれども、この佐藤信さんという方が、この杉並区の歴史に残した汚点、負の遺産に関する総括も全くまだまだ行われていないままであります。今年の2月には、いつものように偏った映画祭をやっておりましたけれども、そういうのは幾つかラインナップに入っていても構わないみたいな答弁を区民生活部長がされておりましたけれども、それであれば、北朝鮮の拉致被害者をテーマにしたような、そういう映画もあるわけですから、そういったものも織り込むように、この芸術監督を指導したらどうなんでしょうか。 演劇が行われた後のアフタートークと称するその政治結社、政治集会の中、安倍元首相がモリカケ問題に関与したそうだとか、ああいうシュプレヒコールを平然と行って、それを田中良前区長は間近に見ながら、それに文句もつけなかった。ああいう風潮が積もり積もって、安倍元首相のお命を縮めたんじゃないかというふうに思うと、もっともっと私はこの劇場の正常化、もっともっと早くから取り組んでいればよかったなという後悔の念に襲われることしきりであります。しかし、今からでも、せっかく区長が替わったんですから、早くこの劇場のそれぞれの明細をちゃんと明記した収支を出すように強く求めるものであります。求め続けますのでね。 それと、性の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組の推進に関する条例及び条例の中に規定されているパートナーシップ制度について一言申し上げます。この問題につきましては、多くの時間を費やして質疑をいたしましたが、昨日、静岡家裁浜松支部が、性別変更の手術規定は違憲で無効であると判断したとの報道がございました。性同一性障害との診断を受けた人が戸籍上の性別変更をする際、生殖機能をなくす手術を事実上、要件とする法律の規定が憲法に反するかが争われた家事裁判で、関口剛弘裁判長は昨日までに、規定は憲法に違反し無効だとする判断を示したものであります。申立人側の訴えに基づき、手術を受けないままでの戸籍上の性別変更を認めたものですが、非常に残念であります。こうした悪目立ちをしたくてしたくてたまらないおかしな裁判長によって、女性の人権侵害がまた一歩、重大な一歩が刻まれてしまったわけであります。 こうした人権侵害を後押ししているのが、当区の性の多様性条例にほかならないことを恥ずかしく、申し訳なく思います。他の委員から、包括的性教育に関する質疑もなされておりましたが、今後、不適切な外部講師が包括的性教育に名を借りて、当区の教育現場に入り込みはしないか懸念が尽きません。他自治体では、中学校で行われた命の授業に、いつの間にか性の多様性教育が追加されたことを教育委員会が把握していなかったばかりか、外部講師が授業中に、一般社団法人にじーずを生徒に直接紹介し、自身の連絡先も相談先として生徒に提供していたとの事例も判明しております。生理が嫌だという女子学生をトランス男性の兆候として捉えていたとのこと、この女子学生はにじーずを受診し、自分はトランス男性ではないかと思い始め、ジェンダークリニックへの通院を希望するに至ったとのことであります。先日の委員会でも指摘をいたしましたけれども、まだ物心がつく前の子供たちに、あたかも自分たちは性的少数者の一員ではないかと錯覚させるようなこのにじーずの代表、またこの組織、悪質な誘導、悪質な洗脳にほかならないではありませんか。この件につきましては、台東区議会議員が、やはり誘導ではないかという趣旨の発言をして、何か謝罪に追い込まれるという話でありますけれども、謝罪に追い込むその台東区議も、所属政党も間違っているし、その謝罪する台東区議自身も間違いですよ。謝罪するぐらいなら最初から言わなきゃいいんです。この件に関しては、その台東区議の発言、何ら間違っておりません。このような誘導や洗脳は断じて許されることではありません。 また、このパートナーシップ制度につきましては、今後、ポリアモリー、複数愛、ないし複数性愛の視点から制度が改変される余地もあることが今回の委員会で示唆をされたわけであります。この性の多様性条例及びパートナーシップ制度につきましては、改めて廃止を含む抜本的な見直しが必要であるということを強く指摘をしておくものであります。 そのほかにも、この様々なる左翼の無駄遣い、ボートマッチ事業、あるいは専決処分等に関する指摘は、先ほど他の会派からございましたので、ここでは繰り返しません。全くそのとおりだと思いますと申し上げておきます。 それとふるさと納税につきましては、返礼品を直ちに開発することを求めるとともに、またそれ以前に、区長が自身のSNSに寄せられている区民の批判に真摯に耳を傾け、区民の信頼を取り戻すことが求められていることを再度強く指摘するものであります。岸本区長が嫌で、もう可能な限りふるさと納税をほかの自治体に行いたい、もう行った、もう可能な限りやるつもりだという区民の声、全然読まない人でありますけれども、対話重視ではなかったのですか。一刻も早く御自分のSNSに寄せられている区民のふんまんやる方なき思いに目を通すよう、改めて求めるものであります。 以上、申し述べてまいりましたように、このような左翼の無駄遣いが多く含まれた令和4年度杉並区一般会計歳入歳出決算につきましては、以上申し上げたような理由から不認定といたします。それ以外の各特別会計歳入歳出決算につきましては、特段の異議なく認定といたします。 最後になりますけれども、今回私が質疑を行うに当たりましては、他の委員からの様々な情報提供、あるいは御教示に負うところも多々ございました。私から一々お名前を挙げると迷惑がかかると思いますので、挙げませんけれども、この場を借りて深く御礼を申し上げます。

ブランシャー明日香委員。

緑の党グリーンズジャパンのブランシャー明日香です。令和4年度杉並区歳入歳出決算について、認定の立場から意見を申し述べさせていただきます。 当該年度は、国内では感染症の継続、長期的な経済停滞、エネルギー高騰と物価高、超少子高齢化社会への突入、不登校の子供たちの増加の問題、ジェンダーギャップは世界146か国上125位、開く格差問題など多くの課題がありました。 杉並区では、昨年7月の岸本聡子区長就任に伴い、実行計画の一部修正が行われました。基本構想に定めた各分野の将来像に向けて各計画事業の進捗が図られました。岸本区長が就任されてからの杉並区ですが、対話、住民参加、情報公開、多様性の尊重など、新しい政策を掲げて誕生した区政ということで、全国的にも注目される一方、行政内、議会にとって様々な変化、そして混乱が生じた年だったと思います。 前区政によって敷かれた予算下での新区政体制という移行期ということで、就任したばかりの区長はもちろん、職員の方々にとっても大変な1年であったことと思いますが、財政においては、当区は基礎自治体として規律を重んじ、健全な財政運営に努め、主要課題や、喫緊の課題であるコロナ禍における原油価格・物価高騰の支援などの課題に対し、10次にわたる補正予算を編成し、対応し、的確に取り組んできたものと評価をいたします。 全体論としては、新区政に替わってから、杉並区では、対話とケアの区政に向かって少しずつ、しかし、着実に進んでいっているように見受けます。当該年度行われた「聴っくオフ・ミーティング」では、子供の居場所、自転車のまち、防災、給食無償化と4回、今年度、ふるさと納税、公共施設のこれからを加えると6回、「さとことブレスト」8回、今年度を含めると11回、ほかにも多くの機会を通して、区は区民の声を聞き、区民と共に社会をつくっていこうという姿勢を見せています。 一方で、新区政は、都市計画道路、阿佐ヶ谷北東まちづくり、施設再編など、前区政からの事業計画をどのように引き継ぎ、どのように社会的合意を取り付けていくかという難しい課題に取り組んでいます。杉並区民の理解と協力を得ながら、施設の老朽化、少子高齢化、防災面での課題を克服し、財政の安定を確保し、前進していくという重要かつ喫緊の仕事です。今後は、対話を重視するとなると、スピード感を失うのではないか、いつまでも議論がまとまらないのではないか、専門部署によって連綿と構築された計画がぶれてしまうのではないか、事業関係者との関係性が壊れるのではないかという不安や疑問の声が内外から上がるのも自然のことだと思います。 そんな中、阿佐ヶ谷北東地区に関しては、これまで積み上げられてきた計画を振り返り、これまでの決定プロセスを見直し、反対派、賛成派を含む住民、行政、ステークホルダー、必要に応じて学識者や専門家を交えてのまさに本気の対話をやろうという姿勢が伝わってきていることは、区長だけでなく、担当部署の方々の相当の覚悟と意思が伝わってきており、私は高く評価しています。これから公平な場において丁寧な議論が活性化し、区民と行政の協働のプラットフォームが育てられ、実績が積み重ねることを期待いたします。 そして、議論の先にはやはり区長の強いリーダーシップが待ち望まれていると思います。その大前提として、区は、疑念や不安の払拭に正面から向き合い、事実の調査、検証、情報公開、透明性を徹底していただきたいと思います。 このように、新区政は、地域との信頼関係と、杉並区の未来へのまちづくりを同時に構築していくという大きなチャレンジに立ち向かい、杉並新時代へ向けてかじを切りました。簡単な道のりではありませんが、将来世代を含む区民の福祉へつながっていくという自信を持って、今後も一歩一歩着実に進んでいっていただきたいと思います。 以上を踏まえ、当該年度の決算につきましては、私にとっては初めての決算特別委員会ということで学びながらの審議となりましたが、全ての質疑応答通して、改善できる課題はありつつも、行政は健全な財政運営をしていると判断し、令和4年度杉並区各会計歳入歳出決算の全てを認定いたします。 次に、来年度杉並区各会計予算の編成及び今後の区政運営に対し、部分的ではありますが、特に留意をしていただきたい事柄について、当会派の意見を要望として付します。 当会派は、当該年度の決算審査に当たり、特に環境政策、ゼロカーボンシティー政策に注目して質疑をいたしました。当該年度は、まずは環境部の中に温暖化対策担当課という新しい部署が設立され、地球温暖化対策に特化したチームがスタートし、様々な施策が実行に移されていることを高く評価いたします。 今年度4月の温暖化対策実行計画の策定に向けて、当該年度を含む長期間にわたり御尽力いただいたことに感謝いたします。また、今10月からは、組織横断的な気候変動対策推進本部もできたということで、ますますの前進を期待しています。 ここで、令和6年度予算編成において、ぜひ御検討いただきたい点を改めて幾つか申し上げます。 まず、国や都からのゼロエミッション補助金を今後はさらに有効活用できる可能性があります。プラスチック容器削減のための補助メニュー、住宅のZEH化、省エネ家電への買換え、EV車充電器設置など多岐にわたる潤沢な補助金を積極的に活用してほしいと思います。 本庁舎は、契約内容の見直しも含めて、今後再エネ化100%に向けて検討していただきたい。その他の区有施設についても、順次、再エネ化を目指していただきたいです。住宅の断熱化再エネ補助については、区民の方からいただいた声の中には、申請の仕方が難しい、何年ぐらいで経済的に回収できるのかを知りたいなどの声があります。区民がやる気になったときに、速やかに補助制度の利用が可能となるように、利用者に寄り添った説明、サービスの向上をお願いします。 現在、国は、設置断熱基準のさらに上を行くLCCM住宅(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス住宅)という基準をつくっています。建設時、運用時、廃棄時において、できるだけCO2削減に取り組み、さらに太陽光発電を利用した再生エネルギーの創出により、住宅建設時のCO2排出も含めライフサイクルを通じてのCO2収支をマイナスにする住宅です。ゼロではなくマイナスです。杉並区でもぜひZEH住宅の上を行くLCCM基準の住宅を増やす取組も検討していただきたいです。 学校教室の断熱化改修については、当該年度ではまだ十分に検証されていなかったように見受けます。何より教室で暑さにあえぐ子供たちの声が届いていなかったかと思います。気候変動によって、弱い立場にある子供たちが苦しむということは、まさしく気候正義の問題であり、人権の問題です。こちらも、国の交付金制度などを適宜活用し、コストを抑えながら、迅速に取り組んでいただける道筋があると思います。 緑の保全に関わる条例や仕組みの見直しが必要と思われる質問が多くの議員から出ました。保護樹林や屋敷林を手放すしかない所有者のやむを得ない事情、地域コミュニティーのふだんからの理解と協力の必要性、緑化率の減少、グリーンインフラとしての樹木の役割、補助金の設定額、生産緑地の買取りの問題、委員会での多角的な質疑で、現制度の課題や限界が浮き彫りになりました。今後見直し予定の杉並区みどりの基本計画への検証に十分に生かしていただきたいと思います。 気候対策だけではなく、その他の全国自治体が共有する課題については、先行自治体への視察や外部の講演会、講習会に参加し、情報を収集し、次の施策に生かすべく、区職員自らが率先して情報共有、情報収集に努めることを求めます。職員自ら課題意識を持ち、解決までの道のりを自ら切り開き、区政へ反映していく政策提言能力を上げていく、より一層の取組を要望いたします。 政策経営分野に関しては、区の施策は縦割り行政の倫理を超えて、分野横断的な行政内での対話が活性することを期待します。専門性を高めつつ、それぞれの担当部署とは一歩離れた広い視野を持って取り組んでいただきたいと思います。 ゼロカーボン政策全体については、2050年に国も都も杉並区も温室効果ガスを実質ゼロにすると約束をした以上、経済や社会の仕組みを根本から見直す必要が問われている中で、仕組みにこだわってできない理由を探すような状態では、誰も約束を果たすことはできません。できるかできないかではなく、やるかやらないか、その選択肢を託されるのが、ここにいらっしゃる皆様です。 国立環境研究所の江守正多氏のお言葉をお借りすると、気候危機は人類に劇的な変化を求めている。産業革命以来の化石燃料文明をあと30年以内に終わらせ、新しい文明を切り開いていく、それくらい大きな転換期を迎えている。このことを行政だけが知っているだけでは社会は変わりません。区民が気がつき、自治体と共に一人一人がプレーヤーになることを自覚することが肝心です。こういった挑戦は、今年度末開催予定の気候区民会議などを通して実践されていくでしょう。今後は、様々な区政の事業や課題が多様性あふれる区民と共有され、積極的な区民参加と協力を行政の専門性と蓄積の上に補完とし、そして区長のリーダーシップを発揮し、議会の公正な審議を経て、発展させていく、それが民主主義を成熟させていくことであり、杉並全体の真の力になっていくと考えています。 以上が決算審議を通しての当会派のからの総括になります。 結びに当たりまして、誠意をもって御答弁いただきました区長をはじめ、理事者の皆様、資料作成に従事された職員の皆様に感謝とお礼を申し上げ、緑の党グリーンズジャパンの意見開陳といたします。

松尾ゆり委員。

令和4年度決算について意見を述べます。 私は、令和4年度予算案に対して、主に以下の点から反対をいたしました。第1に、新自由主義的行革概念からの脱却と言いながら、民営化の推進が引き続き行われていること、第2に、施設再編整備計画の問題、特に児童館の廃止が全区的に大きな問題となっていること、第3に、阿佐ヶ谷、西荻の駅前再開発や都市計画道路の推進であります。また、前区長による行事などの政治利用に反対する立場から、否決はされたものの、修正案も提出いたした経緯がございます。これら前区政下で策定された令和4年度予算は、その後、区長選挙を経て、岸本区長就任後、一部修正されたものもありますが、多くは問題を残したまま執行されました。 施設再編整備計画については、岸本区政下において検証が始められたものの、児童館、ゆうゆう館の廃止方針は転換されるのか否か、いまだ不透明で問題は解決されていません。また、阿佐ヶ谷駅北東地区の再開発計画につきましては、先日、振り返る会が開催されたものの、対話は緒についたばかりであります。とりわけ看過できないのは下高井戸児童館の廃止であり、また、結果として今年度の実施とはなりましたが、本天沼集会所、天沼集会所、ゆうゆう天沼館の廃止、再編が当該年度は計画に沿って具体的に進められたことです。 このように、前区政の下で策定された方針を大方そのまま引き継ぎ、実施した形になった令和4年度一般会計の歳入歳出決算外3件については、全て反対といたします。 さて、以下は決算質疑を踏まえて今後を展望いたします。 第1に、施設再編整備計画について述べます。今後、見直し案が発表されるとのことですが、質疑では、コミュニティふらっとと児童館について伺いました。コミュニティふらっとは、どうしてもゆうゆう館の後継施設として扱われがちですが、高齢者福祉施設ではなく、コミュニティーの核となる施設として位置づけられています。質疑の中では、重度障害者の保護者の方の要望から、ふらっとの取組として避難訓練が実現できた例を紹介いたしました。ふらっと東原の利用者である地域の私たちは、子供や学校の情報をはじめ、地域の様々な情報を取り交わしています。そうした中で、運営事業者さんの理解の下、課題解決の第一歩になるこうした取組ができたことで、私は、コミュニティふらっとの可能性を改めて認識することができました。 町会の高齢化が問題となる中、新たな地域コミュニティーの在り方として、ふらっとを介して出会った人たちが、課題に気づき、解決へと行動に乗り出していく、そうした場になっていくことを望みます。そのためには、民間運営事業者さんにお任せではなく、地域課をはじめ、区職員が積極的に住民と関わる仕組みをつくる必要があります。施設再編の検証報告書では、ふらっとでの多世代交流を一過性のものでなく定着させていくには仕掛けが必要と書かれており、これには共感するところです。例えばすぎなみ大人塾のような例もあります。社協センターや社会教育主事さんたちの知恵も借りて仕掛けをつくっていくことは、地域の自治を育てていく萌芽となることでしょう。 次に、児童館については、まず、放課後等居場所事業の検証において、学校になじめない子への対応、学校施設の利用に制約があること、放課後等居場所事業ではできない児童館ならではの特性があることなどの課題が示されました。重要なポイントだと思います。特に児童館の特性として、子供自身が自由に居場所を選び、遊びを選べること、おやつやゲームなどの持ち込みができること、学童と一般来館の子供が一緒に遊べること、小学生だけでなく、幼児さんや中高生とも交流できることなどたくさんの特徴が挙げられています。今後、よりよい子供の居場所について検討するということですが、居場所は託児所とは違います。また、児童館は単なる居場所ではありません。今後、杉並区は子どもの権利条例と自前の児童相談所を持つ自治体になっていく予定です。そのときに、区内にあまねく設置された児童館と職員は、子供施策を地域できめ細かく展開していくための基幹的なインフラになるものと考えております。この点からの再評価が必要です。 もちろん児童館自体も変わっていく必要があります。児童館に来る子の対応だけでなく、児童館に来ない子にもアウトリーチしていくため、例えば出前児童館に取り組み、児童館のない地域でも子供たちに遊びと支援を提供できる仕組みを要望いたします。 第2に、対話について述べます。この間、「聴っくオフ・ミーティング」、「さとことブレスト」、施設再編整備計画の意見交換会、さらには、阿佐ケ谷駅北東地区まちづくりを振り返る会など、多くの対話の機会が持たれました。どの取組も対話を前向きに進めようとする区の姿勢が見られることは評価いたします。他方で、運営方法などについては、まだまだ改善の余地があることは行政側も自覚していることと思います。何よりも個々のテーマについて話し合いさえすればいいというものではなくて、最終的には新たな結論を得てこその話合いです。現状はまだそこまでは至っていません。 さきの一般質問で、私は世田谷区の幹部が書かれた「人をつなぐ街を創る」という本を紹介しました。そこに描かれた対話は、住民と行政が時にぶつかりながらも、次第にコミュニケーションを会得し、信頼関係を築いていく過程です。その道のりはもちろん平坦なものではありません。複数の委員から、いつまで話し合えばいいのかと、早くも音を上げるような意見もありましたけれども、民主主義は時間がかかります。対話とは、予定調和の結論をみんながのみ込むこととは全く正反対です。むしろ相対立する意見を闘わせることで、新たな可能性を見出していくことこそ、対話の醍醐味です。激論を超えて、1つの結論にたどり着く未来を見てみたいと思います。 第3に、こうした事業を担っていく職員の問題です。コミュニティふらっとにしても、児童館にしても、住民と共に地域の課題に取り組む職員の配置と人材確保、そしてスキルアップは重要な課題です。これまで職員定数の削減に邁進するあまり、杉並区では、特に若手の職員さんが、出張所をはじめ、行政サービスの第一線で地域住民と接触する機会が極端に減ってしまいました。コミュニティふらっとに限らず、住民と共に自治を担う力を職員さんたちにはもう一度取り戻していただきたいと思います。 質疑では、会計年度任用職員についてただしましたが、委託、指定管理で働く人も含め、低賃金や待遇面の課題は山積しております。重ねて改善を求めます。 これら全てを包括するのが、岸本区長の掲げる公共の再生という大きな目標であると受け止めています。働く人が十分に報われ、かつ良質な行政サービスを提供していくために、新たな時代の公共の役割とは何かを様々な場面で一つ一つよく考えながら、住民自治に基づき、しっかりと自立する公共を杉並に取り戻していきたいと考えております。 このほか質疑では、福祉避難所、施設使用料、図書館、校庭開放など、それぞれ要望したところであります。また、質疑では触れられませんでしたけれども、不況の中、地域経済の振興については待ったなしの課題と認識しています。特に商業の振興において、プレミアム商品券は有効であることが分かっています。引き続きの事業実施を要望いたします。 さて、ウクライナ戦争開始以来、国際関係の変化は一気に加速しました。欧米が戦争に足を取られる一方、グローバルサウスの発言力、存在感が強まり、日本も対応を迫られています。次は台湾有事などと危機をあおるような政治家の発言も相次いできましたが、日本は米中対立に巻き込まれることなく、中国との友好平和、そして平和で繁栄する東アジアを築いていく責任があると思います。排外主義に陥ることなく、近隣諸国との善隣友好、また、日本国内に居住する外国籍の方々との共生を進めなくてはなりません。 一方、アベノミクスの10年により国民生活は困窮に追い込まれています。円安は一時的なことではなく、国力の低下がそのまま通過に現れたと見るべきで、政治を変え、根本的な政策転換を図らない限り、私たち国民の生き延びる道はありません。こうした中、杉並区政は、区民の生活と営業、福祉をしっかりと守り、支えていかなくてはなりません。区長、職員の皆さんはもとより、議会の立場からもそのために一層働く決意でございます。 以上をもって決算に関する意見といたします。 終わりに当たり、多くの資料を調製してくださり、また有意義な意見交換の場を与えてくださった区長はじめ、職員の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

堀部やすし委員。

決算審査の締めくくりに当たり、令和4年度一般会計歳入歳出決算の認定に反対し、以下、今後に向けて意見を申し述べます。 令和2年に新型コロナウイルス感染症が国内で発見されてから3年、当該年度も大規模金融緩和が継続されるとともに、多額の国庫及び都支出金を受け、窮地は回避されました。多額の国債を日銀が継続して買い取り、これを通じた財政出動が維持された結果であり、これにより、区の歳入のうち依存財源が占める割合も約6割となっています。自主財源ではなく、依存財源が区の財源の過半を占めている事実はあまり知られていませんが、財政的に自立した地方政府とは程遠い姿です。少子化、高齢化が進化している現状からも、先行きの厳しさが増している事実は隠しようもなく、依然として中長期で楽観できる材料はありません。 第1に、有形固定資産の老朽化とその対応が将来の財政運営に影を落としています。区の施設、インフラの老朽化比率を示す減価償却率は、有形固定資産全体で62%に達しています。区の有形固定資産の3分の2近くは既に減価償却が終わっている、すなわち耐用年数を超えている計算になります。このうち建物は55%、道路は89%であることが審議において示されています。法定耐用年数を超えたからといって直ちに問題があるわけではありませんが、老朽化の進行に伴い相応のリスクを抱えていることは自覚しておく必要があります。 発生主義に基づく令和4年度杉並区財務書類を確認すると、有形固定資産全体の減価償却累計額は2,149億円となっています。この累計額は本来、将来の更新に対する要準備額と受け止めるべきもので、これに見合う一定割合の資金を用意しておく必要があると言えますが、自治体においてはそうはなっていません。もちろん減価償却累計額に示された金額のみで施設を更新できるわけではありません。この数字はあくまで過去数十年に積み重ねられた実績値にすぎないもので、現在の物価上昇などは全く織り込まれておらず、さらには変化し、高度化している現在の施設ニーズを満たすことのできる数値でもありません。したがって、区でも今後必要となる施設の更新経費について試算が行われていますが、その試算額はその都度上昇しています。 平成中期、具体的には平成24年度までの10年間に支出された建物の改築、改修経費が年平均52億円であったことに対し、平成25年に以後30年間の必要経費を試算したところ、その年平均は93億円となっていました。それが平成30年には年平均115億円に、さらに一昨年の試算では築80年まで使用する建物がある前提を置くことに加えて、期間を今後40年まで延ばし、平準化が試みられましたが、それでも年平均121億円へと上昇しています。しかし、この試算は今後の物価上昇や金利上昇の影響などは全く考慮されておらず、更新規模もかなり抑制的に見られています。実際にはこの間の学校改築でも明らかなように、いずれも建て替えの前後で規模が非常に大きく膨れ上がっているところです。区が示した財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための考え方において、施設整備基金に年40億円以上を積み立てるとした設定は区の施設規模を95%に圧縮することが前提となっていましたが、全く守られていません。施設規模は膨張の一方となっており、この現実にはさきの試算も全く説得力の乏しいものとなっています。 次期計画においては、それらを確実に反映させた複数の試算を示してもらわなければ困りますし、長寿命化などあれこれ条件を変えて試算しても、試算のために所要経費が上昇している事実に真摯に向き合っていかなければなりません。高齢化に伴う担税力の低下、経済金融動向の変化に伴う物価金利上昇が現実化している中で一体どのように必要な資金を捻出していくのか、当初見通しよりも好調な歳入額をもって様々不合理な歳出圧力が強まりつつある現状には強い疑問を感じないわけにはいきません。未来を担う子供たちのためにと行った財政出動が、そのまま将来世代に重い負担を回している現実を生んでいることは看過できない大問題です。 第2に、歳入構造の変化が進む中で、歳出規模が拡大する一方、DX、GXをはじめとする構造改革が遅れています。杉並区の歳入総額に占める区税収入の割合は、昭和、平成のピーク時50%を超えていました。しかし、当該決算年度は29.5%と全体の3分の1以下となっています。区の歳入構造は大きく変わっており、現在では依存財源が過半を占めているわけです。これは時代とともに諸制度が変わったことによるものですが、このような中で決算剰余金が100億円を超えている実質収支率7.7%といったところで、その主要因は杉並区がその収入額について何ら決定権を持たない、依存財源が堅調であったことによるものです。しかもその財源の少なくない部分は赤字国債を出どころとしているのであって、そう無邪気に喜んでいられるものなのか、その持続可能性には注意が必要です。 この問題については、数年前に財政健全化と持続可能な財政運営を確保するためのルールに掲げる指標を経常収支比率から行政コスト対税収等比率に変更し、それが現在の基本的な考え方にも引き継がれたこともあって関心が払われないことが気がかりです。歳入の中で依存財源の拡大傾向が続いている中、かつ減価償却累計額に見合った施設整備基金の備えがない中で、行政コスト対税収等比率が100%を超えなければ支障がないといった安易な考え方は非常に危険です。この指標は、補助金など依存財源や特定財源に依存する歳入構造の変化を発見することができないものであって、しかも100%では減価償却に見合った最低限の積み立てさえできない状態にあることを意味します。仮に国庫支出金、都支出金などへの依存度を高めながら100%が続いたとして、そこに真の意味で財政構造が柔軟性、弾力性を保っていると評価することができるものなのか、日本の政府債務残高が対GDP比でワーストクラスにあることを全く無視した論であり、あまりに楽観的過ぎると言わなければなりません。自主財源である区民税でさえ、雇用調整助成金などの特例措置の延長により下支えされていた現実を忘れてはいけません。各種特例の終了により、今後厳しい局面も想定され、既に企業倒産などの増加も始まっています。インボイス制度に強い反発があったのは、実質増税に対する反発であり、国民負担の上昇に対する反発そのものでしょう。 区長はフランスやスウェーデンの社会保障を理想とされているようですが、2020年フランスの国民負担率は69.9%、日本は47.9%です。現状でさえ増税に強い反発がある中で、中負担高福祉を持続可能な形で実現できるものなのか、顕著に進む人口の高齢化、社会資本の老朽化、気候変動などを乗り越えるためには、DX、GXをはじめとする構造改革から逃げることなく取組を前に進める必要があることを自覚しなければなりません。 第3に、当該年度特に顕著に現れた決算上の課題はいずれも重要で、早期に改善を要するものばかりとなっています。以下、時間の関係で指摘します。 その第1は、当該年度は地方自治法179条1項の要件を満たしているとは言い難い補正予算の専決処分を行っていることです。その背景には、平素から安易な予備費の執行を繰り返していたこと、さらには発覚後の初動が不適切であった点に問題があり、是正が必要です。一般会計補正予算(第10号)は、議会が委任していない議案で3月24日に専決処分が行われています。これは幼児教育の無償化に係る国庫及び都支出金の返納に必要な約2億円を補正予算(第9号)に計上することを忘れていたために発生したものです。本件は3月17日に計上漏れが発覚したものの、当該年度も早くから安易な予備費の執行が進められた結果、予備費で充当することができませんでした。補正予算は当該年度10回、その前年度も16回にわたって編成され、議決されており、これまで臨時会を柔軟に開催してきたにもかかわらず、計画性のある対応がふさわしいものについてまで安易に予備費を使い込んだ結果、このような結果を招いたと言わざるを得ないものです。予備費の執行については、過去にも指摘したことがありますが、是正が必要です。 より大きな問題は、事態が3月17日に発覚した後の対応が不適切であった点です。9号補正への計上を忘れ、予備費の充当も不可能だったのであれば、直ちにその旨を議会側に通知し、招集を決断すべきでしたが、実際にはそう対応されず、何と東京都に納期限の延長を交渉していました。自らの過失で計上漏れを発生させていながら、なぜそのような特例が認められるなどと考えたのか不思議でなりませんが、当然にも納期限の延長は認められませんでした。直ちに議会招集に踏み切れば専決処分を回避することができたところ、無理筋な納期限の延長交渉で時間を浪費し、議会招集を怠ったものと評価せざるを得ません。そもそも本件返納金の発生は毎年恒例のことで、当該年度に限ったものではなく、これだけでも注意義務違反が否めないものです。議会が委任していない事案に係る専決処分は、法179条1項が規定する極めて厳格な要件を満たす必要があります。今後は、平素から安易な予備費の充当を行わないことはもちろん、不測の事態にも適正な対応を図るよう要請するものです。 第2は、まずは情報公開の徹底と記載されていた選挙公約が形骸化しつつある、その影響が公金の影響にも及んでいることから是正が必要です。まずは、情報公開の徹底は選挙公報の筆頭に記載されていた選挙公約であります。就任時の所信表明演説においても、情報公開、情報発信を飛躍的に向上させ、情報公開度ナンバーワン、透明度ナンバーワンの区政を目指してまいりますと述べられていました。区長の公約には実現が簡単でないものも多く、時間がかかると思われるものが少なくありませんでしたが、情報公開については基本的に御自身の決断次第であり、そうではありません。他の全ての基本となることが期待されているものでした。以前のひどさが目立ったため、前進が見られることは評価していますが、しかし、抜本的に変わったとまでの評価を行うことはできません。情報公開請求に対する可否決定が依然として原則14日で出されないケースがあります。個人情報の記載もなく、初めての請求事例というわけでもなく、反復継続して請求が出ているものについてこのような事例が発生していることは問題です。開始決定と同時に公開されるとは限らない事例があることも相変わらずであり、非公開決定などに対する審査請求が出されてもいても、行審法が定める簡易、迅速な解決は図られておらず、滞留状況が解決していません。 情報発信についても、区長の関心の高い分野で飛躍的に向上している事実は確認できますが、区長の関心の薄い分野や地味な分野ではそうはなっていません。例えば積立基金はその過半を債券で運用していますが、購入銘柄は非公表となっています。公金を原資に購入していながら、どのような債券を購入しているか公表しないままでいることを正当化するのはおよそ透明度ナンバーワンとは言えず、議会においてその都度確認を要するなど実に迂遠な手続が必要になっているところです。 この8月末における債券運用の現状は、債券買入れ総額514億円に対し時価評価額は496億円台と17億円台のマイナスとなっていることが明らかとなりました。仮に8月末に全額を取り崩すような事態にでもなれば17億円の実損が発生しますが、このような事実は全く知られていません。金利上昇で既発債の価値が下がっていることから含み損を抱えているわけですが、その影響は自治体も例外ではありません。満期保有を前提としているのだから時価評価は関係ないとの主張は、一見正しく聞こえますが、不測の事態に目を閉ざす姿勢そのもので、それを言ってしまえば、大規模災害や防災、減災への備えも全て無視できることになってしまいます。物価上昇が進んだ現在、今後の金利上昇は確実です。しかし、債券の多くは固定利付債であることから、購入後に世の中の金利が上昇しても、得られる利息はその後も変わりません。一方で、新しく発行される債券の利率は上がっているわけで、当然既に購入した低利の債券の魅力は低下します。価格を下げなければ購入者は現れないわけで、当然に時価評価額は下がりますし、そのまま満期まで保有しても、物価上昇に見合う利子も得られません。5年でラダーを組んでいるとはいうものの、その運用利回りは平均0.1%、さらに近年購入した期間10年の社債などには超低利の上、時価評価の低下が著しいものもあります。これらは非常に重い事実であって、その上で今後の資金繰りを考えていかなければなりませんが、こうした事実が全く共有されていないのは、区の情報発信に問題があると言うべきです。 当該年度の区長選挙の際には、基金を取り崩せば直ちに資金が確保でき、次々と新たな事業を実現することができるかのように宣伝をしていた候補者もいました。区が情報を積極的に発信していなかった以上、事態を把握することはできず、やむを得なかったと言えるかもしれませんが、今後はその御経験を踏まえ、情報を適切に公表していかなければなりません。 第3は、入札契約制度が適正化されておらず、これに伴う課題も解決していないことです。この問題は従前と同様ではありますが、当該年度は特に不自然な特命随意契約により、問題を複雑化させ、事業そのものが頓挫した事例があったことは見過ごせません。選挙管理委員会は、本年執行の杉並区議選を前に、特に若年層への啓発事業として、投票マッチング、ボートマッチ事業を企画しました。その内容は画期的で耳目を集めたところですが、不自然な特命随意契約を締結し、取組を進めた結果、大きな混乱を招くところとなりました。ボートマッチはこの事業者が先駆者だったわけでも、長年の実績があったわけでもなく、もともと報道機関や学術機関において研究や取組が積み重ねられ、ノウハウが蓄積されていたものです。ところが、それら実績のあるところは委託候補となることはなく、なぜか口利きで紹介を受けた特定業者のみと交渉し、契約が締結されていました。その後のてんまつは話題になったとおりです。 前例のない初の取組であることを踏まえるならば、透明性の高いプロポーザルを実施するなど、公正な選考を行いながら、適切な委託先と実施方法を検討すべきところ、全くよく分からない経緯で選ばれた特定業者が最初からリードする形で事業が進められていたわけです。当時この事業者に所属する者がボートマッチの設計における中立性には限界がある旨公言しており、そのことは議会でも話題になりましたが、それを裏打ちするかのように、自己検証が必ずしも容易とは言えないアルゴリズムを使う検討が行われていたことも明らかとなりました。語るに落ちるとはこのことで、契約を締結し、公金を支出しながら、最終的に実施に至らない大変不幸な結果となってしまいました。 この事業者がなぜ選ばれたのか、実績のある報道機関や学術機関が選考対象にすら入っていなかったことを考えると、青年会議所の関係者から口利きを受けたこと以外に決定打があったとは思えないものです。実施手法や主体さえ間違えなければ、ボートマッチは決して違法ではないと考えられるところ、安易な取組方をしてしまった結果、画期的な取組はすっかり台無しとなってしまいました。関係者の口利きで安易に特命随意契約を締結し、進めたツケであり、猛省を求めるものであります。 第4は、区長公約に基づいて実施された指定管理者制度の検証、施設再編整備計画の検証、ビーチバレー場の設置検証など、いずれも検証項目の選定が恣意的で全く核心に迫っていません。決算という観点でもここには大きな問題があります。例えば永福体育館に常設されているビーチコートは、公式競技場としての規格を満たしていることを売りに整備された施設でした。しかし、設置後、この5年間、公式競技大会の開催実績はゼロとなっています。わざわざ公式競技場としての規格を満たして整備したのは何だったのか、なぜ公式大会が開催されないのか、規格を満たしているビーチバレー場の数はそう多く存在しない中、予選会においてさえ使用されないのはなぜなのか、この5年を振り返り検証すべき事項は数々あったはずですが、このように不都合な事実は検証作業においてあえて取り上げられておらず、無視されています。このビーチコートについては特定の団体が繰り返し使用することで稼働率を引き上げており、区もこれを評価しているようですが、このような茶番で検証したことになっているのは全く評価できるものではありません。このような現状であれば、ビーチコートを常設化する必要はありません。そもそもビーチバレーボールは適切な砂を確保することができれば仮設会場でも実施することができるものです。そのほうが台風などで砂が吹き飛ばされてしまうおそれなどもなく、合理的ではないのか。跡地は他の用途にも利用できるよう汎用性の高い空間に切り替える検討が必要と言うべきです。区長によればこれで検証が終わったということではないということでしたので、改めて適切に再検証を行うよう要請いたします。 施設再編整備計画の検証も同様です。改築や施設再編を進めるに当たり、施設整備基金に毎年40億円以上積み立てることが必要との数値が示された際、算定において、施設規模は95%に圧縮する前提があったことはさきにも指摘したとおりです。しかし、全く守られず、ひたすら財政負担の増大を招いています。平成時代に1校30億円で建て替えていた学校施設は、今や60億円を超える学校も出てきました。金融緩和の継続により課題の顕在化が先送りされていることなどは不幸中の幸いと言えるかもしれませんが、いつまでも続くものではありません。現在のような施設再編を続けていくことに持続可能性があるとは到底思えませんが、そのこと自体は検証されておらず、これまた無視されています。これでは課題の解決は困難です。 指定管理者制度についても、杉並芸術会館の件で指摘したように、事業報告書、収支報告書の精度にばらつきが多く、その実態を迫ることが容易ではないことに課題があります。しかし、これも具体的にはほぼ何も検証されていませんでした。指定管理者は自治体の業務の一端を継続的に担っていますが、区に対する事業報告、収支報告の様式や公開範囲に課題があり、事業に直接関与しない区職員は、定期的に異動することから監督の目も弱く、必ずしも全貌を把握していません。その結果、杉並芸術会館においては、一部の収入が未計上となっていたり、本来自主事業であるものを指定管理業務に含めて収支報告が行われていたりと、こちらから監査請求を提起するまで様々な課題が無視されていました。集会施設やスポーツ施設などは非公開会社や共同事業体が担っているケースもあることから、さらに複雑な実態がある可能性があります。既に適切とは言えない支出があったことも確認されていましたが、例えば本部経費は適切か、再委託などは合理的か、契約手続は適正か、親会社、関連会社、親族、その他関係者などへの合理性の乏しい利益移転や私物化はないか、いずれも決算という観点から、制度運用の核心に迫る問題で検証しなければならないものばかりです。しかし、これもほとんど検証されておらず、恐らくこのまま従来と大差なく制度が活用されることになると考えられるところですが、果たしてそれでよいのか、大いに疑問が残るところとなりました。 さて、ここでお時間がやってまいりました。このほかまだまだ数多くの課題があるところですが、残念ながらこれで終わりとしなければなりません。 最後に、資料請求に御協力をいただきました職員の皆さんに深く感謝を申し上げまして、意見といたします。ありがとうございました。

これをもちまして意見の開陳を終了いたします。 これより採決いたします。 認定第1号令和4年度杉並区一般会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕

起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。 認定第2号令和4年度杉並区国民健康保険事業会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕

起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。 認定第3号令和4年度杉並区介護保険事業会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕

起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。 認定第4号令和4年度杉並区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
本日の委員会を閉じます。 (午後 2時47分 閉会) function get_view_no( huid ){ var i; var cnt; if( self.frames.name == 'hat' ){ parent.v_n_no=null; parent.v_n_shi_no=null; parent.v_b_no=null; parent.v_b_shi_no=null; cnt = parent.huid_list.length; for( i=0; i parseInt( parent.huid_list[i] ) ){ parent.v_b_no= i }else if( parseInt( huid ) parseInt( parent.huid_shi_list[i] ) ){ parent.v_b_shi_no= i }else if( parseInt( huid ) parseInt( parent.huid_tou_list[i] ) ){ parent.v_b_tou_no= i }else if( parseInt( huid ) = 0) && (version = 0) && (version