江戸川区議会ので、教育長と監査委員の人事案件が承認され、その後、区民生活に関わる複数の議題についてが行われました。能登半島地震への対応、少子化対策、図書館設置、障害者福祉、防災対策など、様々な行政課題が議論されました。
- ・教育長・監査委員の人事承認
- ・能登半島地震を受けた耐震化と液状化対策の推進
- ・人口減少と少子化への対応、子育て支援の充実
- ・船堀駅周辺への図書館設置の検討
- ・障害者福祉と親亡き後の課題への対応
- ・新庁舎建設計画の工期延長と建設費増への対応
- ✓蓮沼千秋氏の教育教育長任命に同意
- ✓大澤成美氏の監査委員再選任に同意
- ✓広兼保彦氏の監査委員選任に同意
※ このまとめはAIが発言記録から自動生成した要約です。正確な内容は下部の発言や公式会議録の原文をご確認ください。
// 発言者(23名)
// 発言(108件)

これより本日の会議を開きます。 事務局長に諸般の報告をさせます。 〔岡村事務局長報告〕 ─────────────────────────── ●二三総総送第七百三十九号 令和六年二月二十一日 江戸川区長 斉 藤 猛 江戸川区議会議長 藤 澤 進 一 殿 議案の追加送付について 令和六年第一回江戸川区議会定例会に提出する左記議案を、別紙のとおり追加送付いたします。 記 〔 以 下 略 〕 ───────────────────────────
三番、田村ひろし議員から所用のため欠席の届出がありました。 ───────────────────────────

日程に入ります。 日程第一、同意。 お手元に配付した文書表のとおり、同意第一号を議題とします。 提出者の趣旨説明を求めます。斉藤区長。 〔斉藤 猛区長登壇〕
三月三十一日をもちまして、現教育委員会教育長であります蓮沼千秋教育長の任期が満了となります。引き続き蓮沼千秋氏を任命いたしたいと存じます。議会の同意をお願いいたします。

本件は、江戸川区教育委員会教育長に蓮沼千秋さんを任命することについて、議会の同意を求める件でありますが、これに同意することにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

ご異議なしと認めます。したがって、蓮沼千秋さんの江戸川区教育委員会教育長の任命については、これに同意することに決定いたしました。 ───────────────────────────

次に、お手元に配付した文書表のとおり、同意第二号を議題とします。 提出者の趣旨説明を求めます。斉藤区長。 〔斉藤 猛区長登壇〕
監査委員のうち、大澤成美委員と鵜澤悦子委員が二月二十七日をもちまして任期満了となります。引き続き大澤成美氏を監査委員に選任するとともに、鵜澤悦子氏の後任といたしまして、広兼保彦氏を選任いたしたいと存じます。議会の同意をお願いいたします。

お諮りします。 本件は、江戸川区監査委員に、大澤成美さん及び広兼保彦さんを選任することについて、議会の同意を求める件でありますが、はじめに大澤成美さんを監査委員に選任同意することにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

ご異議なしと認めます。したがって、大澤成美さんの江戸川区監査委員の選任については、これに同意することに決定しました。 次に、広兼保彦さんを監査委員に選任同意することにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

ご異議なしと認めます。したがって、広兼保彦さんの江戸川区監査委員の選任については、これに同意することに決定しました。 ───────────────────────────

前回に引き続き一般質問を行います。順次質問を許します。六番、勝山まゆみ議員。 〔六番 勝山 まゆみ議員登壇〕

私は、令和六年第一回定例会にあたり、同僚議員と同趣旨の質問もございますが、通告に従い、江戸川区議会議員になって初めての質問をさせていただきます。 区長並びに教育長の明解で前向きな答弁を期待いたします。 冒頭に、能登半島での震災で、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、ご遺族と被災された方々に心からお見舞い申し上げます。 また、日々、復旧作業に従事されている多くの皆様に敬意を表し、一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず、人口減少と少子化への対応及び、子育て支援などについてお伺いいたします。 昨年四月に、国立社会保障・人口問題研究所は、六年ぶりに二〇二〇年の国勢調査を出発点とした、日本の将来人口の推計を発表しました。 それによると、我が国の総人口は、現在人口の一億二千六百万人余りから、五十年後の二〇七〇年には八千七百万人に減少し、二一〇〇年には約半分の六千三百万人になるとされています。 年少人口は一千五百三万人から五百六十万人に減少、生産人口も七千五百万人から三千二百万人に大きく減少するのに比べ、高齢者人口は、減少はするものの三千六百三万人から二千五百万人と、その減り幅は緩やかで高齢化率は二八・六%から四〇%が推計されています。 このように、人口減少と歯止めのかからない少子高齢化の流れの中で、民間の経済人や研究者で構成する人口戦略会議が、今年一月に、長期の人口戦略などを取りまとめた提言書「人口ビジョン二一〇〇」を首相に提出しました。 その中で、このままでは、人口が減少する地方で、消滅する自治体が相次ぐとともに、市場の縮小によって、あらゆる経済社会システムが維持できなくなるとの危機感に立ち、低迷を続ける出生数を改善し、人口減少を食い止め、安定的で成長力のある人口八千万人国家を目指すべきだとしています。 一方、本区ではこれまで「子育てするなら江戸川区」と言われるほど、充実した子育て施策や、水とみどりあふれる環境、多くの公園、地縁の良さを残した地域コミュニティなどの土壌が育まれ、子どもたちの元気な声が響きわたるまちづくりを進めてきました。 しかしながら、最新の人口推計では中位推計において、二〇二五年の七十万人をピークに、二〇五〇年には、約六十万人に減少するとされていますが、出生数と合計特殊出生数のいずれも減少傾向にあります。 区内で生まれるお子さんが減少すれば、将来母親になり得る世代は徐々に減少し、将来生まれるお子さんも減ってくるという、マイナスのスパイラルに陥ってしまいます。 私は、本区において三人の子育てを経験し、子どもを産み育てる難しさを感じる一方で、子育ての楽しさも実感してまいりました。 もちろん、子どもを望むか否かは、個人の価値観や人生設計によるものだと思いますし、いろいろな生き方があってしかるべきだと思います。 私も、議員活動を通じて、子育ての楽しさや江戸川区が誇る子育て環境や、本区の魅力を積極的にPRしていきたいと思っています。 子育てについて本区は、昨年より「えどがわ50の子育てプラン」を実践に移し、区民の皆様からも、高く評価されているとお聞きしています。 推計される本区の人口減少を少しでも緩やかにしていくためには、この「50の子育てプラン」が速やかに実行されることが、子育て支援・少子化への対応のポイントとなることは、言うまでもありません。 今後は、更に子育てをする世代の声を直接聞き、またそれ以外の世代からも共感を得る取組みにしていくことが重要と考えます。 加えて、若い世代が本区に魅力を感じ、暮らしたいまちとして選び、住み続けてくれることも大切だと思います。 そこで、区長にお尋ねいたします。 これからの人口減少に繋がる、少子化、子育て支援への対応に係る展望について、区長のご所見をお聞かせください。 次に、本区主要の六基金の、今後の推移とその活用について、お伺いいたします。 本区の基金残高と区債については、過去をさかのぼると、二〇〇〇年、平成十二年には、基金残高三百五十五億円、区債残高八百五億円と約四百五十億円も大きく区債が上回っており、四年後の平成十六年に、ようやく基金残高が区債残高を上回ったとお聞きしております。 常に様々な課題に対応しながら、行財政改革による人件費の削減、民間活力の導入、施策の見直しなどによる健全財政推進の積極的取組みを続けることにより、良好な財政状況を作られていったと伺っております。 その後も、厳しい歳入構造の中で、徹底した健全財政の取組みを進め、毎年更なる目的に応じた積み立てを行い、令和四年度決算では、主要六基金積立残高は、二千四百五十三億円、区債残高は三億円、実質公債費比率は全国二位となっています。 一方で、将来に目を向けると、先に述べた人口の減少に伴う歳入規模の縮小に加え、新庁舎の建設や公共施設の再編・整備、学校改築、また少子高齢化社会の到来に伴う社会保障費の増大、老朽化したインフラ整備や災害対策などのまちづくりなど、より一層の行政需要の増大が考えられ、これまでに目的別に積み上げられてきた主要六基金残高で、これからも十分に安定的な区民サービスを、提供していくことができるのかどうかも考えるところです。 そこで、区長にお尋ねいたします。 これまで長年にわたり積み立ててきている基金ですが、行政需要が増大する中において、今後の基金の積み立てや基金残高の推移をどのようにお考えか、また物価高騰対策等で大幅に基金を取り崩した場合、どのような影響があるのか、加えて健全財政を維持していくためには、今後どのような基金活用方針をもって、財政運営に臨まれるのか、区長のご所見をお聞かせください。 次に、公共施設再編と整備計画などについてお伺いいたします。 本区は、江戸川区公共施設再編・整備計画を発表しました。 これまでも、二〇一七年に、公共施設等総合管理計画と公共施設が抱える課題と今後の検討の方向性、二〇一八年に、大型公共施設の現状と再編・整備に向けた今後の検討の方向性をまとめられてきましたが、今回の計画は、それらで示した課題と検討方向のもと、より具体的に将来にわたる区の考える公共施設の再編・整備方針を示したものと思います。 かつてより、公共施設の整備に関しては、先に質問したことと関連する本区の人口減少や、現在の公共施設三百九十一施設のうち、築五十年以上の施設が約二四%九十五施設、築三十年以上の施設が約七三%二百八十四施設あり、施設の老朽化、更には、維持管理経費の増大や、先日、新庁舎の建設経費が資材や人件費などの高騰により、約三百三億円から五百九十億円になると発表されましたが、公共施設を現状どおり建て替えた場合には八千三百億円の借金を抱えると推計される財政面の課題などが言われてきました。 今回、発表された計画では、これらの課題に応えるとして、時代に合わせた再編・整備の方針として、施設の集約・複合化の検討や、跡地の有効活用、民間資源・活力の積極的活用などがうたわれております。 また、策定にあたっても「広報えどがわ」での検討経過の発信や、二度にわたるパブリックコメントの募集をされています。 しかし、二一〇〇年に向かっての計画と言っても、老朽化には、すぐに対応が必要な施設もあり、また、統廃合や集約化が重要となる計画を進めることは、多くの地域住民の生活やまちの賑わいに関わることであり、なによりも、広く区民へ周知し、意見をくみ取ることが重要であると考えます。 そこで、区長にお尋ねいたします。 この計画を、区民参加の面も含めて、今後どのように進めていくのか、また、進めるためには、より具体的な実施計画の策定や庁内の体制などが必要と考えますが、区長のご所見をお聞かせください。 あわせて、同僚議員より質問がございましたが、現在、本庁舎跡地の検討が進んでいるとお聞きしております。中央地区の賑わいを維持することができる活用方法について、地域住民の皆様と、議会とも十分協議しながらの検討をお願いいたします。 その中央地区においては、中心施設の一つである、築五十八年になるグリーンパレスの老朽化も課題です。 計画には、本庁舎の移転後も中央地区の賑わいを維持することができる活用方法と、バンケットルームをタワーホール船堀に集約するよう検討すると書かれていますが、グリーンパレスの今後の整備について、どのようにお考えなのか、区長のご所見をお聞かせください。 次に、旧第二松江小学校の跡地利用の構想について、お伺いいたします。 昨年、長年地域に愛された、第二松江小学校が閉校となり、閉校式には多くの地域の皆様や、卒業生も駆けつけ、惜しまれながらも尊い歴史を物語る、未来志向の明るい、華やかな式が行われ、今後の跡地利用についても、地域の皆様から大きな期待、切実な思いが寄せられています。 現在、体育館や一部校舎は残し、防災拠点や文化交流等への活用や、校庭スペースについても多目的な広場として、区から一定の整備方針が示されています。 松島・中央地区では、以前にあったスポーツ団体がチームのみならず、連盟ごと消失してしまったという過去があり、地域からは、ボールが使用できる広場の整備について、強い要望が寄せられています。 もちろん、一つの種目だけでなく、様々なスポーツが可能な多目的広場であるべきですが、千載一遇の機会として、ぜひネットを高くするなどをして、様々な球技が行える整備が必要ではないでしょうか。 そこで、区長にお尋ねいたします。 今後、防災拠点や文化交流、そして今お話ししたボールが使用できる多目的広場として、大きな期待が寄せられている旧第二松江小学校の跡地活用のお考えについて、区長のご所見をお聞かせください。 次に、小、中学校における「不登校対策」について、お伺いいたします。 蓮沼教育長は、就任にあたり、三点の重点目標をあげられました。 一点は児童生徒の学力向上であり、就任以来、新たな施策、取組みを実施しており、徐々に成果も上がっているとお聞きしております。 これまで、本区の児童生徒の学力は、二十三区において、平均点よりも下位にあるとお聞きしておりますが、来年度予算案にも、小中学校における区独自の学力調査の実施や、中学生の英語教育改革をはじめとして、子どもたちの学力向上のための様々な新規施策が計上されており、子どもたちの将来のために、その成果を期待するところです。 また、あとの二点は、不登校児童生徒の減少と、教員の働き方改革の推進であったと記憶しておりますが、不登校児童生徒の減少について、本区はこれまでも大きな課題と認識して、様々な施策を展開してきています。 学校の教員における気づきはもちろんのこと、Q‐Uアンケートや登校サポート事業の実施、学校サポート教室やスクールソーシャルワーカーの配置、更に今年度から、都の補助事業である校内別室指導支援員配置事業も行われていて、来年度予算案にも新規施策が盛り込まれています。 このように、各種の施策を工夫しながら、新規拡充し、対応されてきているところですが、残念ながら、不登校の児童生徒は年々増加する傾向にあります。 令和四年度の不登校児童生徒数は、小学校では五百九十六人で、五年前と比較して三・六倍以上であり、中学校では千百七十二人で、一・八倍以上となっています。 また、長期の不登校から、ひきこもり状態になるという実態もあることが、本区のひきこもり調査からもわかっています。 このように、児童生徒の将来を見据えた点からも、不登校児童生徒の減少を図っていかなければならないと考えます。 その要因について、教員による調査によると、学校に関わる状況では、友人関係をめぐる問題が最も多く、家庭に係る問題では、親子の関わり方が最も多くなっています。 私は、議員になる前に学校で働いていたことや、PTA会長の経験があり、また、現在、学校評議員や、子ども関係のNPOの理事をしていることもあり、不登校や不登校気味の児童生徒や保護者の方から、ご相談を受けることがあります。 そこで言われる悩みの要因として、教員との人間関係をうまく構築できず、学校に行けなくなったり、行くことが不安になったりすることも多く聞かれます。 教員の皆様も、児童生徒の声に耳を傾け、日々悩みながら状況の改善に、懸命に努力をされていることと思います。 そこで、教育長にお尋ねいたします。 時代の移り変わりが激しく、価値観も多様化する中で、児童生徒と教員の関わり方をどのように分析されていますか。 また、教員と児童生徒や、保護者との良好な関係づくりをしていくために、教育委員会として、また学校長を中心としたオール学校としてのサポート体制について、どのようにお考えでしょうか。教育長のご所見をお聞かせください。 次に、教員の働き方改革に関連してお伺いいたします。 教育委員会は、令和四年にこれまでの学校における働き方改革プランを改定し、発表しました。 そこには、教員の長時間勤務を是正することで、質の高い学校教育の維持向上により、子どもたちの豊かな学びと成長を支えていくと書かれており、是正のために、学校業務の適正化や部活動の在り方、勤務時間の管理などをあげられ、目標として、月の時間外勤務が八十時間を超える教員をゼロにするとしています。 確かに、現在、学校教員がブラックな職業といわれ、心の病気などの休職者が増え、教員試験の受験者数が減少を続ける中で、教員の働き方改革を進めることは大変意義のあることだと思います。 これからも、ぜひとも、保護者や地域の方々の理解と協力を得ながら進めていただきたいと思います。 さて、働き方に関連して、育児休業や先に述べた病気などによる休職者が出た場合、欠員を埋める代替教員の確保がなかなか難しいとの声をよくお聞きします。 代替教員が確保できなければ、休職を希望する教員も休みづらいことや、なにより、学校現場において他の教員に負担がかかってしまいます。 現状では、まずは、学校で代替教員を探すということのようですが、百件電話をしても、なかなか見つからないと困っているという声もお聞きしております。 そこで、教育長にお尋ねいたします。 代替教員を探すことについて、教育委員会の役割をどのように考え、学校とどのように連携していくのか、お考えをお聞かせください。 また、臨時免許状制度などを活用した、代替教員の確保について教育長のご所見をお聞かせください。 次に、障害がある方と家族の課題について、お伺いいたします。 本区でも、障害のある方は年々増加し、高齢化も進んでいるようです。 そうした中で、精神障害のある方たちとそのご家族が、地域において必要なサービスを利用しながら、生活の質を高めつつ、自立して生活できるように、地域全体で支えていくことが重要だと考えます。 そのために、本区では、民間事業者などのサービス供給者の指導育成や地域生活支援サービスなどによる在宅サービス基盤の充実、障害に関する身近な相談体制などの充実に努めていて、全国の各自治体も努力していることと思います。 しかし、残念なことに、家族との痛ましい事案は、現実に起きています。 平成二十七年にとある県で、長年、精神障害のある子どもの暴力に苦しめられた父親が、子どもの命を奪ってしまうという大変痛ましい事案があり、その際に父親は、行政や警察は助けにならなかったと語っています。 これまでも、同様の事案は報告されていますが、このような最悪の事態は避けなければならないと思います。 昨年、精神障害のあるお子さんとのかかわりに苦慮する保護者からお話を伺い、既に精神的にも身体的にも追い詰められているような状況でした。 確かに、心に余裕を持てず孤立し、自らを追い詰めてしまっていたのだと思いますが、保護者のお気持ちは察するに余りあるものがあります。 これは一例に過ぎませんが、精神障害のある方のご家族だけでなく、様々な障害のある方のご家族も、毎日苦しみ、悩まれている方は、区内にも多くいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで、区長にお尋ねいたします。 来年度予算案にも、精神障害のある方が地域で安心して暮らしていくための、生活支援の場を拡充するための予算が計上されており、前向きに進められておりますが、今後、精神障害のある方とご家族の方々の、苦しみや悩みを少なくするための体制づくりについて、区長のご所見をお聞かせください。 次に、障害のある方の親亡き後の課題についてお伺いいたします。 先日、障害のある方のご家族から、親亡き後の課題についてご相談をいただきました。 ご家族からは、自分たちがいなくなった後、障害のある子どもをどうしたらよいか、区内で入所できるグループホームを探しているが、なかなか空所が見つからず困っているということでした。 このようにお困りの方は、区内にも多くいらっしゃると思います。 特に重度の障害のある方については、区内に対応できる入所施設やグループホーム、ショートステイの施設も少ないため、家族が何かあった際には、地方の施設を利用せざるを得ないといったこともお聞きします。 障害のある方にとって、生涯を住み慣れた地域で安心して暮らし続けることが重要であると考えますが、現実はなかなか難しい状況にあると思います。 そこで、区長にお尋ねいたします。 障害のある方の親亡き後の課題について、どのように取り組まれていくのか、区長のご所見をお聞かせください。 最後に、特長ある本区の伝統的区内産業へのこれからの取組みについてお伺いいたします。 本区の産業界も、多くの事業所が新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい経営環境にありました。 現在は、経済活動の回復期にありますが、ロシアのウクライナ侵攻による影響を受けた原材料費の高騰、また、円安や物価高騰、人手不足、更には、ゼロゼロ融資の返済が始まるなど、業績の回復に向けて、区内の中小企業は、やはり変わることなく厳しい局面に立たされているものと考えます。 そのため、区は来年度予算において、経営支援資金の特別融資や特例借換資金融資、ものづくりへの人材確保・定着支援事業を実施されるとお聞きしています。 これらの施策事業が区内中小企業の助けとなり、区内経済の活性化に繋がることを心から期待しております。 さて、これまで、本区には、農業、伝統工芸、金魚養殖業など、長い歳月と人が織りなす伝統的地場産業が存在し、産業としての一角を成すとともに、江戸川区独自の魅力ある文化を形成してきました。 また、江戸時代から続く浴場も、区民のコミュニティ、交流の場であるとともに、憩いの場、文化継承の場などとしての機能を持ち、伝統的産業の一つとして、なくてはならない存在になっています。 しかし、今、これらの伝統的地場産業は、いずれも限られた条件の中で将来の展望が、なかなか厳しい状況にあると思います。 本区の農業は、小松菜や花卉の栽培などを中心とし、都市農業として高い生産性を誇っています。その生産基盤である農地は、都会の中にある「農の風景」として、区民の心を癒す役割や災害時の防災機能も有す大事なものですが、残念なことに年々減少し続けており、現在は四十九ヘクタールと十年前に比べて、約七八%に減少しています。 伝統工芸は、全国でも高く評価されている高度な技術を誇る、伝統工芸士がいるとともに、美術大学とプロジェクトを組み、新製品を開発するなど、先進的な事業も大きく評価されておりますが、区内にある伝統工芸保存会と伝統工芸会の二団体とも、高齢化による会員の減少は続き、次代への継承が課題となっています。 金魚養殖業は、本区の貴重な地域資源であり、かつては、日本の三大名産地として挙げられ、車のご当地ナンバーの図柄にも用いられるほど、区民の意識の中に江戸川区を象徴するイメージとして定着しています。 しかし、現在、金魚養殖を行っているのは、二業者のみであり、金魚池も五千平米のみに減少し、保存と継承が心配されます。 これらの伝統的地場産業が保存、維持、継承されなければ、本区の魅力、そして、これまで培われてきた文化は、大きく損なわれると感じています。 そこで、区長にお尋ねいたします。 農業、伝統工芸、金魚養殖業、これらの伝統的区内産業の保全と維持、継承のために、今後どのような振興策に取り組まれていくのか、区長のご所見をお聞かせください。 以上で、一回目の質問を終わります。

斉藤区長。 〔斉藤 猛区長登壇〕
それでは、勝山議員の質問にお答えをいたします。 はじめに、人口減少と少子化、子育て支援の対応についてお答えをしてまいります。 ご説明いただいたとおり、本区は人口減少や少子化は急速に進んでおります。少子化や人口減少が更に進めば、地域コミュニティや区内経済、区の財政など、あらゆる分野に影響が及んでまいります。最終的には、まちの活力や社会保障の在り方など、全世代に関わってくる問題と捉えております。このような状況に非常に危機感を持っております。そして、迅速な取組みを進めていく必要性を感じているところです。 少子化の対応には、子どもや子育て世代を社会全体で支えていくことが必要不可欠です。ですので、勝山議員がおっしゃるとおり、当事者である子育て世代の声を聞くことはもちろん、当事者以外の共感を得る取組みを進めていくことが重要だと考えております。 今年度実施いたしました区民基礎調査では、そのような観点から、子育て当事者以外も含めて幅広いご意見をいただきました。 その中で、区の少子化や子育て支援に対する考え方をお伺いしたところ、五十五歳から七十四歳の六割以上で取組みを進めるべきとのお答えをいただいたところです。 引き続き、全ての世代にご理解を得ながら取組みを進めていきたいと思っております。 来年度は、「えどがわ50の子育てプラン」のメニューがそろい、一体的な取組みを進めてまいります。しかし、少子化への対応はこれで全てとは思っておりません。常に検証を進め、適時適切にそのときのニーズに合わせた取組みを進めていきたいと思っています。 そのような思いを持ちながら、引き続き、少子化対応や子育て支援への取組みを推進してまいりたいと思っています。 次に、江戸川区の基金の今後の推移と活用についてお答えいたします。 今後の基金の推移につきましては、新庁舎建設への対応や、船堀地区のまちづくりなどの需要が二〇二六年にピークを迎えるため、それ以降は、基金残高は減少局面に入ると見込んでいます。 更に公共施設再編整備計画にあるように、高度成長期以降に集中的に整備した施設の改築について、継続的に取り組む必要があります。 本区は、一兆円を超える膨大な公共施設更新の需要を抱えており、特に足元で経費が高騰している学校改築への対応及び災害に強いまちづくりに区切りをつける二〇五〇年までは、基金を大幅に繰り入れながらの財政運営になると見込んでいます。 そして、大幅な基金を取り崩した場合、どのような影響があるかというご質問でございますが、基金はそれぞれ目的を持って積み立てているものです。 例えば、計画的な事業展開や景気変動に対応することが困難になります。具体的には、老朽化した学校を計画的に改築することができない。また、大規模な災害や事前の防災・減災対策にも対応できなくなり、復旧復興には支障が出る。更に区民の皆様にお約束しているまちづくりや、新庁舎をはじめ、公共施設の建て替えもままならなくなります。加えて、リーマン・ショックに象徴されるような経済危機による税収の急減にも対応できなくなります。 生産年齢人口が減少する局面の中で、財政が厳しくなる前に、今後の需要に見合った基金の積み立てを実施することで、二一〇〇年の共生社会ビジョンの実現に向けた安定的な区民サービスを提供できる財政基盤を構築したいと考えております。 今後も、極力借金に頼らず、基金を計画的に活用することで、将来世代に負担を先送りすることのない健全財政を堅持してまいります。 次に、公共施設の再編整備計画についてお答えいたします。 本計画は、二一〇〇年の江戸川区共生社会ビジョンの下、策定したものであり、施設整備のポイントとして、時代に合わせた施設の再編整備、文化、スポーツ、趣味などの生きがいづくりができる環境の整備、災害対策の充実の三つの具体的な政策を示しております。 それぞれの施設整備のポイントでは、施設の集約や複合化の考え方、施設の類型ごとの整備方針、未来に向けた魅力的な施設の整備、防災拠点の強化や、建物の防災性能の確保など、施設の再編整備の実行に向けた考え方を示しております。 公共施設再編整備計画の実行に当たっては、今後、人・物・金が減っていくことが予想される中、将来世代に負担を残さず、いかに区民サービスを維持向上させていくかという視点が大切となってまいります。 今後この計画を具体的に進めていくためには、施設の在り方や職員の仕事の進め方も併せて検討していく必要があり、その際には、庁内の組織に横串を指し、担当範囲にとらわれることなく、庁内全体で議論を進めてまいります。 また、区民参加の面につきましては、計画を具体化する際、区のホームページやSNS、広報誌など、区が持つ媒体を広く活用してまいります。 更に、地域の皆様のご意見をしっかり伺いながら、計画の具体化に向けて取り組んでまいります。 公共施設再編整備計画を推進していくためには、一人ひとりのご意見に対して丁寧に耳を傾け、いただいたご意見を区の施設整備の参考にしながら進めていくことが必要だと思っております。 グリーンパレスと旧第二松江小学校につきましては、部長からお答えをいたします。 学校教育については教育長から、そして、障害者福祉についても部長からお答えをいたします。 最後の伝統的産業へのこれからの取組みについてお答えをいたします。 伝統工芸をはじめ、農業、金魚養殖業など、これらの伝統的産業をどう維持継承し、振興していくかというのは、区にとっても大きな課題であると考えております。 伝統的産業の振興策として、区が取り組むべき支援のポイントは、主に次のことではないかと思っております。 それは、プロモーション活動、人材確保等技術の継承、そして生産基盤の保持です。 一点目のプロモーション活動というのは、魅力発信や需要の掘り起こしを行ったりすることです。やはり安定した収益を上げられないと、事業存続は難しくなります。 これまでも伝統工芸品、金魚、区内農産物などの認知度向上と販売促進に努めてまいりましたが、今後も引き続き取り組んでまいります。 二点目の人材確保と技術の継承につきましては、事業者ごとに様々な状況や課題があると思っております。事業者の状況に応じたきめ細やかな支援を行うべく、相談支援体制の充実を図っていきたいと考えております。 そして、三点目の生産基盤の保持というのは、農地や金魚池などの確保に努めることです。これについては、関係団体や事業者の皆様のご意向が重要となりますので、ご意見をしっかりと伺いながら、仕組みなどを考えてまいりたいと思っております。 更に、伝統的産業の振興と支援の強化を図るため、産業経済部の組織体制についても見直しを検討しているところです。 伝統的産業を振興していくために、こういった取組みを総合的に展開しながら、今後も必要な施策、支援を行ってまいりたいと考えております。 以上です。

蓮沼教育長。
教育関連で二点ご質問いただきました。 まずはじめに、教員の児童・生徒との関わり方の現状や保護者との良好な関係づくりに向けたサポート体制についてお答えいたします。 私は教育長として、江戸川区の全ての学校が、子どもたちが通いたい、保護者が通わせたい、地域が応援したい学校となるために、常日頃、校長先生方と様々な話をしています。もちろん一般の先生方とも話をしておりますが、児童・生徒及びその保護者と教員が良好な関係性を築くことは、学校運営にとって何よりも欠かせないことです。 児童・生徒の抱えている悩みや価値観が多様化し、複雑化している現在において、教員はその個々の状態を完全に把握することがなかなか難しくなってきているのが現状です。 その中においても、児童・生徒は、自分のことを知ってもらいたいし、理解してもらいたいという思いは普遍的なものであると考えています。 児童・生徒のことを十分理解している教員は、保護者とも必ずや良好な関係を築いていくことができます。そのためにも教員が一人ひとりの児童・生徒と向き合える時間を十分に確保していくことが大切であり、そのために教育委員会では様々な取組みを進めています。 具体的には、スクールサポートスタッフや学年アシスタントの配置は、教員が子どもたちと向き合える時間を確保するための取組みであり、これらは十分な効果が出てきております。 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置も、児童・生徒の置かれている状況を、専門的な知見から教員が理解できることに繋がっています。 今後とも教育委員会では、教員が児童・生徒と向き合える時間を十分に確保し、児童・生徒理解を深めていく中で、保護者との良好な関係づくりができ、働きやすい学校づくりに寄与できるようなサポートを行ってまいります。 教員の働き方改革と、代替教員の確保について、お答えいたします。 議員のおっしゃるとおり、産前産後休業、育児休業等や病気などによる休職者が出た場合には、代替教員が指導に当たりますが、その代替教員の確保は、本区に限らず、東京都全体の課題だと認識しております。 この代替教員として勤務いただける方を探すに当たり、区として、臨時的任用教員や時間講師の候補者名簿を学校に提供しております。 学校間で情報共有し、欠員の時数に応じて、区内の学校を複数担当して授業を行ったり、ある学校で勤務した次の年度から区内の別の学校へ異動したりする場合もございます。 また、教育委員会でもその候補者などを対象に、相当数の電話及びメール送信を実施しており、教員として、子どもの前に立ち、指導するという意欲のあった方を学校に紹介するなど、各学校と連携して教員確保に当たっております。 また、基本的には小学校で指導を行う場合には、小学校全科の教員免許が必要ですが、特に代替教員の確保が難しい小学校では、中学校や高等学校の教員免許状所持者が臨時免許状を取得し、小学校全科として勤務しているケースもございます。 来年度任用に向けても、この臨時免許状の申請手続を進めている案件もございます。 更に中学校におきましては、この免許を取得している部活動指導員や外部指導員に声をかけ、部活動指導員などの任用終了後に、代替教員として活躍していただいているケースもございます。私も実際に二名ほど、こういった形で教員になっていただいたケースもございます。 引き続き、代替教員を含めた教員の確保に向けて、東京都教育委員会としっかり連携しながら、学校現場が困らないように、子どもたちが困らないように進めてまいります。 以上でございます。

新庁舎・施設整備部長。
私からは、グリーンパレスの今後と、旧第二松江小学校の跡地構想についてお答えしてまいります。 まず、グリーンパレスの今後についてでございます。 グリーンパレスは、各種文化活動や様々な会議に利用される集会室、宴会や法事などにも利用できるバンケットルーム、消費者センターなどの行政機関、また、共育プラザや子育てひろばなどが設置された、様々な世代の方に利用されている複合施設となっています。 ご質問にもあったように、築五十八年を経過していますが、今から十六年前の平成十九年度には、施設の耐震補強工事と併せて、電気設備や空調設備、給排水設備など、大規模な改修工事を実施し、全面リニューアルを実施しました。 その後も必要な修繕を行い、適切な施設管理を行っているところです。 一方で、公共施設全体の考え方としては、昨年十二月に江戸川区公共施設再編・整備計画を策定したところです。 中でも、計画のポイントの一つである、時代に合わせた施設の再編・整備では、将来世代に負担を残さないため、長寿命化や集約・複合化、民間活力の積極的活用などを示しています。 今後は、こうした考え方の下、施設の老朽化などを契機に、各地域で求められる施設の具体的な検討を行ってまいります。 グリーンパレスについても、この考え方に基づき、地域の皆様の声を伺いながら、新庁舎への庁舎移転後も、中央地区の人の流れが継続していくような、賑わいの維持向上を目指してまいります。 次に、旧第二松江小学校の跡地構想についてです。 統廃合校の後利用については、公有財産の運用に関する基本方針並びに統廃合校等の後利用に関する指針に基づき、行政需要を第一とすることを基本としております。 旧第二松江小学校については、基本方針などに基づき、安全性が確認された体育館を含む一部校舎を、緊急時において、避難所機能を暫定的に維持し、平常時には文化・スポーツを通じた多世代交流の場として、当面の間、活用してまいります。 校庭スペースについては、ボールが使用できる貴重な広場ですので、未使用の時間帯については地域にも開放して、ご提案のようなボールが使用できる多目的広場として考えてまいります。 私からは以上です。

江戸川保健所長。
私からは、障害者福祉の推進についてのうち、精神障害のある方とご家族の課題についてお答えいたします。 精神障害のある方は年々増加傾向にあり、身近な疾患となっています。国の方針においても、入院医療中心から地域生活中心へという理念を明確にしており、精神障害への対応は、健康政策の中でも重点的に進めてきたところです。 区においても、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らすことができるよう、医療、障害福祉、介護、住まい、就労など社会参加、地域の助け合い、普及啓発が包括的に確保された地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいます。 現在、事業者や関係機関の方々と四つのワーキンググループをつくり、具体的には、医療連携、住まい、普及啓発、ピアサポートについて議論を重ねております。精神障害の方が地域で安心して暮らせるよう、課題解決に向けた検討を進めております。 来年度には、精神障害者の自立と社会参加の促進を図ることを目的とした通所施設である地域活動支援センターⅠ型を、現在の四か所から二か所増設し、計六か所とすることを目指します。 より身近な地域で生活相談、就労支援など、様々な相談体制や関係機関との連携を強化することで、早期の発見、介入、支援に努めてまいります。 あわせて、精神障害について正しい理解の促進を図るため、引き続き普及啓発を行い、地域住民や関係機関、団体と協力し、精神障害者を受け入れ、支援する地域社会を醸成していきたいと考えております。 以上です。

福祉部長。
私からは、親亡き後の課題についてお答えいたします。 障害のある方やそのご家族の多くの方から、年を重ねても住み慣れた江戸川区で暮らし続けたいという声を日頃からいただいております。特に重度障害のある方のご家族からは、地域で暮らし続けるための施設やサービスの充実を求める声を多くいただいております。 区では、重度障害者等を受け入れるグループホームの設置を進めるため、各種の区独自の取組みを実施しています。 具体的には、平成三十一年度より、知的や身体障害者の受け入れのためのグループホーム開設時の設備費の補助を開始しました。また、令和四年度からは、重度グループホームの体制強化支援事業として、施設運営のための区独自の補助を実施し、令和四年度には四法人、令和五年度には六法人に補助しています。 更に、令和五年度には、重度障害者を受け入れるグループホーム向けに、消防用設備設置のための整備費補助事業も開始しています。 障害者が地域で家族と暮らすための体制整備としては、家族の急な用事や疾病に対応するため、区立の障害者支援ハウスでは、緊急時の受け入れ事業を行っています。令和四年度には、延べ九十一名の方がこの制度を利用しました。 また、同施設では、グループホームの体験入所を実施することで、居宅からグループホームへのスムーズな移行のための事業も実施しています。また、地域での専門人材の育成に当たっては、年間を通じた各種研修の実施を行っています。 このようにして、区や障害サービス事業者等が連携し、地域での支援のネットワークづくりを行っています。今後も、障害者、当事者や家族の声を丁寧に聞きながら、障害のある人が自分らしく暮らせるまちの実現のために取り組んでまいります。

勝山まゆみ議員。

丁寧なご答弁をいただき、ありがとうございました。 今回は、区民の皆様からいただいたお声をもとに、質問をさせていただきました。 皆様の暮らしがより良くなるよう、また、将来を担う子どもたちに、明るい未来を繋げるために、ぜひ、前向きに進めていただけるよう、お願いいたします。 ありがとうございました。

次に、十八番、所 隆宏議員。 〔十八番 所 隆宏議員登壇〕

私は、当面する諸課題について質問いたします。一部、昨日の質疑と重複しますが、通告に従い質問してまいります。区長、教育長の前向きな答弁を期待します。 まずはじめに、能登半島地震を受け、更なる耐震化の促進と液状化対策について伺います。 本年元旦、十六時十分に発生し、マグニチュード七・六、最大震度七を記録した「令和六年能登半島地震」では、二百四十人を超える方がお亡くなりになられております。犠牲になられた皆様に改めて哀悼の意を表するとともに、一日も早い復旧・復興をご祈念申し上げます。 地震による災害は本区においても「首都直下地震」が三十年以内に七〇%の確率で発生すると言われており、決して人ごとではなく、今回の震災からも教訓を得て備えていく必要があります。 今回の震災では、石川県志賀町、輪島市で震度七を観測。七尾市、珠洲市など県内各地で震度六強を観測したほか、震度五強から震度六弱の余震も複数回観測されています。 そのような中、大きな被害となった要因の一つが住宅の耐震化の問題です。 能登地方では一九八一年以前に建てられた旧耐震基準の住宅が多く、輪島市の耐震化率は四五%、珠洲市で五一%と、全国平均八七%を大きく下回っていたことが報道されました。 翻って本区における住宅の耐震化率は九八%と全国平均を大きく上回っており、本区の住宅の耐震化のこれまでの取組みについては高く評価しております。 一方、一九九五年の阪神・淡路大震災では、新耐震基準で建築された住宅においても被害を受けました。阪神・淡路大震災をきっかけに、新耐震基準の弱点を強化し、制定されたのがいわゆる二〇〇〇年基準です。 二〇一六年に発生した熊本地震では、本震・余震合わせて震度七が二回、六強が二回、六弱四回、五強五回等起こる中で、新耐震基準の住宅も八・七%にあたる七十六棟が倒壊しましたが、二〇〇〇年基準で施工された住宅の倒壊は、二・二%、七棟に留まりました。 つまり首都直下地震に備えるためには二〇〇〇年基準での耐震化が有効であり、本区では令和四年度から住宅耐震改修助成事業の対象を二〇〇〇年以前の住宅へと広げて取組みを開始したところです。 対象となる一九八一年から二〇〇〇年の間に建てられた住宅は、区内には一万八千戸あるということですが、耐震改修工事に至ったのは令和四年度一件、令和五年度八件と伺っております。二〇〇〇年基準の耐震化についても現状を把握した上で目標を示し、推進することが必要と考えます。二〇〇〇年基準の耐震化の推進について、どのように取り組んでいかれるのか、区長のご所見をお聞かせください。 また、能登半島地震では、地盤の液状化による被害も各地で発生しました。中でも石川県内灘町とかほく市では、計千軒以上の住宅が液状化被害に遭いました。道路は波打ち、電柱が斜めに倒れ、傾いた住宅など、まち全体が歪んだかのように、あらゆるものが傾いているとのことで、平衡感覚を失うほど自宅が傾いた方たちは途方に暮れ、再建を断念する人も居ると報道されております。 二〇一一年に発生した東日本大震災では、本区においても清新町などで地盤の液状化により、住宅が傾くなどの被害が発生しました。 令和四年五月公表の東京都の液状化被害予測によると、本区の建物被害は全壊が二百八十六棟、半壊は七百十一棟と、葛飾区に次いで二番目に被害が大きいと予測されており、首都直下地震に伴う液状化への事前の備えも進めていく必要があると考えます。 葛飾区では、地盤のボーリング調査の費用助成や液状化対策工事の費用助成を行っており、二〇一六年度から二〇二二年度までの累計で、調査七十件、液状化対策工事十三件の実績があったとのことでした。東京都の新年度予算には、戸建て住宅の地盤調査や液状化対策工事に対して支援を行う区市町村への補助の予算が新たに付いたと仄聞しています。 また、能登半島地震での液状化では道路や水道などの公共インフラの被害が大きく、復旧・復興活動の大きな妨げとなっており、公共インフラの液状化対策の重要性について改めて考えさせられることとなりました。 そこで液状化対策に関して二点伺います。 一点目は宅地における液状化対策について、本区では今後どのように推進していかれるのかお聞かせください。 二点目は、重要なインフラである上・下水道等の液状化対策の現状と、区道など公共施設の液状化対策の課題について、区長のご所見をお聞かせください。 次に、空き家対策の推進についてお聞きします。少子高齢化などを背景に空き家が全国で増加しています。この空き家問題は以前より、特に管理の手が届かない物件に対して、近隣住民の皆さんからの苦情や相談を多くお聞きしているところです。 適切に管理されずに放置されれば景観上の問題に留まらず、防災や防犯、衛生などの面で地域環境に大きく悪影響を及ぼします。 二〇一八年の総務省の調査によると、使用目的のない空き家は全国に約三百四十九万戸あり、一九九八年からの二十年間で約一・九倍に増えています。 国土交通省はこのままのペースでは二〇三〇年に約四百七十万戸まで増えると推計しており、管理して活用可能な空き家を増やすなどして、四百万戸程度に抑える目標としています。 また、不動産の売買や空き家・空き地を有効に活用したいときに所有者と交渉ができずに、公共事業や民間の事業、または災害復旧にも支障が出るなど、計画が進まない「所有者不明土地」の問題があります。 その事態の解消に向けて、不動産の所有者を明確にする「相続登記の義務化」が本年四月に施行されます。三年以内の登記の義務化や罰則規定などが盛り込まれています。相続登記の義務化は、空き家問題を解消するための大きなポイントであり、所有者が不明の不動産が減少することにより、空き家対策の推進が期待されます。 二〇一五年に全面施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、倒壊の恐れなどが高い老朽家屋には、自治体が「特定空家」に指定し、改善などの指導・勧告措置を行えるようになりましたが、そうした状況に陥る前の未然防止が大変に重要になってきます。 本区においては令和二年度の調査で六十九棟の危険と思われる老朽家屋を確認。その内の六割が空き家と判明し、現在に至るまで三十三棟が除却に応じ、それ以外の所有者とも改善に向けて交渉中とお聞きしています。 本区のこれまで取組みについて、高く評価するところです。 そこで、今後の空き家対策の更なる推進についてお聞きします。 「空家等対策の推進に関する特別措置法」の一部を改正する法律が、昨年の十二月十三日に施行されました。倒壊の危険がある特定空き家の予備軍となる、管理が不十分な空き家の状態を示す新たな区分「管理不全空家」を設定。市区町村から指導・勧告を受けても従わなかった場合、住宅用地の固定資産税を最大六分の一に軽減する税の優遇措置を解除するとしています。 また、空き家対策を着実に推進できるように、空き家対策についての経験や実績のある民間法人を指定できる「空家等管理活用支援法人制度」も創設されました。 空家等管理活用支援法人が行う業務の例としては、所有者、活用希望者への情報の提供や相談等を実施するとしています。 これらの法改正を踏まえ、今後の老朽空き家の対策や、空き家の利活用の推進について区長のご所見をお聞かせください。 次に、ごみ収集のDX化について伺います。 令和四年第一回定例会で同僚議員より、社会にとって必要不可欠な公共サービスとしての清掃事業を、今後も安定して持続していく上での課題について質問をし、BCPをはじめ、ごみ収集に関して相互応援体制が可能となるマップの作成などの準備も整えているとの答弁がありました。 本区の清掃事業は、一日当たり区と雇上会社や委託会社の職員約四百三十名と、車両約百九十台の体制で作業に当たっており、令和五年度当初予算では百十二億八千万円余の経費で事業を行っています。 これまで、清掃事業の中のごみ収集の現場はアナログが基本で、作業員の経験で地図を頭に叩き込んで作業するというのが当たり前でしたが、雇上会社でも人手不足が課題となり、今後いかに作業する方の負担軽減を図っていけるかが重要課題であると考えます。 また、清掃事業にはごみの収集・運搬はもとより、循環型社会に向けたごみ減量とリサイクルの推進や食品ロスへの取組みなど、時代や社会の変化とともに事業を進めてまいりましたが、更なるごみ減量と再資源化についても取り組んでいかなければなりません。 そのような中、デジタル技術を用いて効率的なごみ収集を行う自治体も登場しています。 神奈川県の座間市では二〇一九年に小田急電鉄株式会社と「サーキュラー・エコノミー推進に係る連携と協力に関する協定」を締結しました。サーキュラー・エコノミーとは廃棄される製品や原材料などを資源と考え、廃棄物を出さずに循環させる経済システムのことで、SDGsの達成に向けた取組みとして世界的潮流になっています。 座間市では、先の小田急電鉄が開発したごみ収集業務管理システム「WOOMSウームス」によってDX化を進め、各収集車にタブレット端末を搭載し、他の車両の動きや、収集したごみの量や、未収集の集積所の情報などが共有できる仕組みとなっています。 二〇二〇年八月にシステムが導入されて以降は、大量にごみが出された集積所への連携した応援や、収集ルートの最適化など業務効率が上がり、その余力をサーキュラー・エコノミーに活かすために、家庭の庭木から出る枝の切りくずを、バイオマス発電の燃料として再資源化する取組みを行い、可燃ごみの減量に繋げています。座間市ではDX化を更に進めることによって家庭から排出される紙おむつのリサイクルについても検討しているとのことです。 このようなごみ収集のデジタル化・DX化は、本区においても収集作業の効率化をはじめ、サーキュラー・エコノミーの推進によって更なるごみ減量、そして何より区民サービスの向上に繋げていけるものと考えます。 そこで二点お伺いいたします。 一点目は、ごみ収集のデジタル化・DX化を進めていくべきと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。二点目は、DX化の進展とともにサーキュラー・エコノミーへの取組みも重要であると考えます。 家庭から排出される使用済み紙おむつのリサイクルも、東京都が町田市などで実証事業を実施していることから、本区としても研究し取り組んでいくべきと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。 次に、在宅介護支援の更なる取組みについてお伺いいたします。 東京都によると、都の人口は少子化の影響により、二〇二五年の千四百二十三万人をピークに減少に転じることが予測される一方で、高齢者の数は増加していき、高齢者人口は、二〇二五年には約三百二十八万人、二〇四〇年には約三百七十九万人に達し、都民の四人に一人が高齢者となる見込みで、併せて介護を必要とする高齢者も増加し、二〇一六年時点で約五十六万人だった要介護認定者は、二〇二五年には約七十一万人に増加することが予測されています。 各保険者が推計した介護サービスの見込み量の集計を二〇一九年と二〇二五年で比較したところ、居宅サービスの見込み量は、訪問介護がプラス一五・九%、訪問看護がプラス三五・二%、訪問リハプラス二七・二%、など、いずれも大きく増加する見込みとなっています。 本区では二〇二五年における介護人材の不足数を千五百人と推計し、平成二十八年度より介護人材確保事業を展開していることや、在宅介護における支援について支えとなっている熟年者激励手当は要介護状態にある居宅の熟年者を対象に手当を支給するなど、先進的な取組みであると評価するところです。 在宅介護を支えていくうえで重要なことは相談窓口を含め、介護する側の負担の軽減を図ることです。支える側が仕事などを離職しないで済む取組みが必要です。 二〇二一年の厚生労働省の雇用動向調査によれば約九万五千人の方が介護・看護を理由として離職しており、特に四十五歳以上から急激に増加しています。 介護離職をする方の多くが、介護がいつまで続くのかわからないことに重ね、職場での理解が得られず休暇が取れないといった悩みを抱えています。また同調査によれば、介護離職する方の多くが職場においてはキャリアを積み重ねて重要な立場に就いているなど、職場にとっても働き手を失う事が大きな損失となることも見逃がすことはできません。 更に「仕事と介護の両立に関する実態調査事業報告書」によると、介護による精神的・肉体的な負担を減らすために離職したにも関わらず、離職後の負担について、精神面で五六・三%の人が、肉体面で五一・五%の人が、経済面では六九・一%の人が「負担が増した」と回答しています。結果的には仕事をしていることで、介護することに対しての気分転換になっていたことや、仕事を辞めて収入が減ってしまい介護サービスの利用ができなくなり、心身ともに負担が重くのしかかってしまうなどの現実に直面しています。 そのことからも介護離職の抑制を図っていくことは在宅介護を行う上で重要です。熟年相談室や区役所で相談体制の強化を図る事のみならず介護休業制度の普及活動など全庁をまたぐ取組みや、区内事業者に対しても浸透させていくことが喫緊の課題であると考えますが、今後の方向性について、区長のご所見をお聞かせください。 次に、区立図書館についてお伺いします。 ユネスコは公共図書館宣言二〇二二で、地域において知識を得る窓口である公共図書館は、個人及び社会集団の生涯学習、独自の意思決定及び文化的発展の基本的条件を提供する。公共図書館が教育、文化、社会的包摂、情報の活力であり、持続可能な開発のための、そして全ての個人の心の中に平和と精神的な幸福を達成するための必須の機関である、と公共図書館についての信念を表明しています。 本区の図書館の歩みは、昭和二十一年十二月に小岩小学校内に都立江戸川図書館が設置されたのが始まりでした。 現在区内には中央図書館、地域図書館、コミュニティ図書館を合わせて十二館あり、令和四年度からは区立小・中学校の学校図書館を利用した「図書館サテライト」の設置を進め、現在は十校に設置するなど、役割や機能を分担し、利便性の向上に取り組んでいただいております。 更にこれからの目指すべき図書館像を明確にし、今後取り組むべき施策やサービスを示す二〇三〇年に向けた「江戸川区立図書館基本計画」の策定に向け、有識者や一般区民が参加する検討委員会を昨年より設置し、議論を重ね、新たな魅力溢れる図書館の在り方を検討しているところです。 昨年、文教委員会の都市視察で伺った「札幌市民交流プラザ」の中にある「札幌市図書・情報館」は、仕事やくらしに関する図書や情報提供、札幌の魅力を発信する機能に特化した知的空間が創出され、静かに読書するエリア、会話OKなグループエリア、データベース閲覧席の他、ミーティングルームなどもあり、魅力的な空間となっておりました。 席も予約制を導入するなど工夫され、ビジネスマンや学生など多くの方が入れ替わりに来館し、本に向かう姿が印象的でした。 令和二年度の「江戸川区民世論調査」では、図書館を利用したことのない人と現在利用していない人を合わせると、約六割の人が図書館を利用していないという結果になりました。 図書館を利用しない理由として挙げられる第一位は「図書館に行って本を借りたり返したりするのが面倒」次いで「近くにない」という理由になります。 我が会派の同僚議員からも以前、利用者の利便性を高めるために、各事務所に返却ポストを増やすことができないか、質問させていただきました。 その時から十年以上が経過し、人々の時間の使い方にも変化が見られます。借りるときは広い図書館でゆっくり本を吟味する。あるいはネットで予約し、図書館サテライトで受け取るなどし、返す時は身近な場所で返却する。時間を割くことなく返却できる返却ポストを、通勤経路となる駅の近くや、各事務所、例えばタワーホール船堀に設置することで、更に利用しやすくなると考えます。 先日公表された「(仮称)江戸川区立図書館基本計画(案)」の二〇三〇年に向けての取組みの方針の中にも「どこでも便利に利用できるサービスの充実」が挙げられ、資料貸し出しや返却のためのサービスポイントの拡充がうたわれておりました。 そこで、区立図書館について二点伺います。 一点目は今後の本区の図書館に求められる機能や魅力あふれる図書館について区長のご所見をお聞かせください。 二点目は返却ポストの増設を含め、区立図書館の利用率向上のための取組みについて、区長のご所見をお伺いします。 最後に「学びのユニバーサルデザイン(UDL)を取り入れた授業づくり」についてお聞きします。 文部科学省によると直近十年間で義務教育段階の児童・生徒数は一割減少する一方で、特別支援教育を受ける児童・生徒数は倍増しており、特に特別支援学級の在籍者数は二・一倍、特別支援教室の利用も含む通級利用者数は二・三倍と著しく増加をしています。 同時に通常学級に在籍する小・中学生の八・八%に、何かしらの特別な支援が必要な児童・生徒がいることも分かっております。 これらの背景から、今後、ますます多様性を認め、これまでの形にとらわれない教育、なかんずく、個性に応じた教育の充実が重要であると考えます。 本区では平成三十年までに全小学校に、令和二年度には全中学校に特別支援教室が設置され、情緒等に障害のある児童・生徒に巡回指導が行われるようになりました。 固定の特別支援学級は小学校で十四校、中学校で九校設置されており、通常学級での学習が困難な児童・生徒が少人数で指導を受けられています。 更には、弱視、難聴、言語の障害を抱える児童・生徒への通級指導学級は小学校八校、中学校六校に設置されており、支援が必要な児童・生徒への教育体制の強化に全力で取り組んでいるところと承知しております。 その上で、保護者より「小学校の支援学級から中学校の支援学級に進学した際、新しい環境下でも子どもの個性を理解して頂けるのか不安がある」。また別の保護者からは「発達障害がありテストの点数が取れない分、宿題の提出など他の面で努力を重ねている。個別に応じた評価をしてもらえたら望みが持てる」とご相談を寄せていただいたこともありました。 これらのお声に対しても本区としては、寄り添った対応に努められていると理解しておりますが、近年、特に発達障害への認知は広がってきているとはいえ、まだまだ障害に対する全世代の理解の壁は高いと言えます。 さて、令和五年度江戸川区教育課題実践推進校として、篠崎中学校が「特別支援教育」について、一年間、その研究に取り組まれました。 主題は、江戸川区の共生社会ビジョンの視点から「ともに学ぶ「共生社会の第一歩」として、子どもの「主体性」を引き出す「学びのユニバーサルデザインを取り入れた授業実践」」を掲げられました。学びのユニバーサルデザインとは教育者が、全ての子どものニーズに合わせた学びをデザインすることです。 それは柔軟な学習の目標や、教材や、評価の方法を提供し、学習する子どもの個人差への対処に役立つものとなっています。 その三原則として「何を学ぶか どのように学ぶか なぜ学ぶのか」とあり、言い換えれば「多様な方法で理解し 多様な方法で表現し 多様な方法で取り組むこと」と言えます。 全ての子どもに画一的な方法で学習させるのではなく、多様な学習方法を用意することが不可欠であるとするUDLの概念は素晴らしいものであると感じます。 本研究では、通常学級と特別支援学級の先生が研修をして相互の授業を見合ったり、時には、通常学級の先生が特別支援学級に出向く出前授業が行われました。 また、技術科の木工作品づくりや音楽科の合唱など、様々な教科で交流及び共同学習が実施されました。 UDLを取り入れた授業の改善、校内・教室のユニバーサルデザイン化を目指した基礎的環境の整備、個別への配慮等が実践される中、支援する教職員と通常学級の生徒の、障害への一定の理解・啓発にも繋がったと受け止めております。 障害への理解に不安を抱き、個別に応じた評価を望む方にとっては、一つの希望となる研究であったのではないかと思います。 まさに共生社会の実現を目指す上で、通常学級の生徒、あらゆる障害のある生徒、全ての子どもにおいて、誰一人取り残すことのない教育として、学びのユニバーサルデザインを取り入れた授業づくりの推進が重要であると考えます。 しかし、他方では教職員の専門性の向上など、ますます力量が求められ、研修等、様々な取組み課題も多くあると理解しております。 そこで、教育長にお尋ねします。 個性に応じた教育を推し進めようとされる本区の教育ビジョンについて、教育課題実践推進校の研究成果と課題を踏まえた、今後の「学びのユニバーサルデザインを取り入れた授業づくり」について、お考えをお聞かせください。 以上で私の一回目の質問を終わります。

斉藤区長。 〔斉藤 猛区長登壇〕
それでは、所議員の質問にお答えをいたします。 はじめに、一点目、二〇〇〇年基準での住宅耐震化の推進についてお答えいたします。 二〇〇〇年以前に建築された新耐震基準の木造住宅についても、平成二十八年の熊本地震では、倒壊等の被害に至ったものもあり、耐震性が十分でない建物は早期に耐震化を図る必要があると考えております。 東京都においても高い確率で首都直下地震が発生すると予想されており、本区では二十三区でいち早く、令和四年度から新耐震基準を対象に耐震工事等の助成制度を開始し、東京都建築士事務所協会江戸川支部に協力をいただきながら、耐震化の促進に取り組んでまいりました。 本区では、二〇〇〇年以前に建築された新耐震基準の木造住宅が、現在約一万八千棟あることから、建物所有者などに、これまで以上に耐震化の必要性や助成制度をお伝えすることが重要であり、このため、耐震相談会の回数を増やすとともに、現在、最新の確認申請データから対象住宅の抽出を行っており、このデータを基に、戸別訪問の実施に取り組んでまいります。 また、令和六年度から、昨今の工事費高騰を踏まえ、旧耐震基準も含めた工事助成限度額を五十万円増額することについて、今議会に提案をさせていただいており、更なる耐震化の促進に取り組んでまいりたいと思います。 液状化について、二つのご質問は部長からお答えをいたします。 次に、法改正を受けた今後の老朽空き家の対策や空き家の利活用についてお答えいたします。 今回、法律改正がありましたが、本区ではそれ以前より、空き家に限らず、老朽危険家屋の対策として、実態調査や定期的なパトロール等により状況把握に努め、管理不全空家対策に取り組んでまいりました。 平成二十四年度の老朽危険家屋対策の取組み以降、百十四棟の老朽危険家屋の所有者に指導を行い、七十八棟が除去、残り三十六棟に対しても、現在指導を行っております。 老朽危険家屋対策の課題としては、建物を除去し、更地にした場合、固定資産税の減額措置の解除により、固定資産税が高くなるため、除去への抵抗感があることが大きな要因の一つとなっておりました。 昨年、改正空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されたことにより、区が管理不全空家に指定し、勧告した場合、固定資産税の減額措置が解除されることとなりました。今回の法改正は、空家対策に非常に有効であると考えており、東京都と連携を図りながら、老朽危険家屋の除去や建物の適正管理の更なる促進に努めてまいります。 空家の利活用につきましては、部長からお答えをいたします。 次に、ごみ収集のDX化の推進についてお答えいたします。 区内の集積所の数は、令和五年度に四万か所を超え、戸別収集の増加により、この五年間で約五千か所増えています。今後も集積所の増加が見込まれることから、作業員の負担軽減のため、より一層業務の効率化が必要になると認識しております。 一方、少子化、そして、高齢化や働き方改革の影響等で、ごみ収集の運転手や作業員の人手不足が深刻な問題となっています。近年、清掃事業のデジタル化も進歩を遂げております。神奈川県座間市では、収集車両にタブレット端末を搭載し、ルートサポートとして、ルートの最適化を行っております。また、ワークサポートとして、車両間同士で収集状況に応じた応援体制を構築しております。その結果、ごみの積載と収集回数の効率化を進み、その余力を家庭から出る枝の切りくずの資源化に繋げていることも、SDGsの目標実現に向けた重要な視点と考えております。 本区においても、令和五年三月より、粗大ごみ収集において、収集現場から収集状況をタブレット端末に入力するシステムを開始しております。今後、他自治体の事例も参考にしながら、ごみ収集のDX化について研究を進めてまいります。 サーキュラー・エコノミーについては部長からお答えをいたします。 次に、在宅介護支援の更なる取組みについてお答えいたします。 介護離職の原因といたしましては、家族の介護が必要になったときに、仕事と介護の両立ができる制度や、相談窓口などの情報を集めることができなかったことや、しばらくは仕事をしながら介護を続けていたものの、いつまで続ければいいかという先が見えない不安から、やむを得ず退職を選択することなどがその理由として挙げられます。 本区では、安心して仕事と介護を両立できる体制を構築することにより、介護離職を防止することを目的として、令和四年度から仕事と介護の両面から支援に取り組んでおります。 区内企業の皆様には、説明会や区ホームページやチラシ等により、相談窓口を広く周知し、介護休業制度の普及啓発を行っております。 更に、区内中小企業の皆様が、介護休業制度を整備するに当たり、社内の就業規則を作成、変更するために係る経費の一部について助成を行う人材確保定着推進助成金制度を開始しております。 区民の皆様には、熟年相談室などの窓口の周知のほか、介護相談の際に適切な助言を行い、必要な介護保険サービスの積極的利用を促すことができるよう、区職員や熟年相談室、ケアマネジャー等を対象に、講演会や研修を実施しております。 また、区内各地で介護者交流会を実施し、同じような状況にある介護者の情報共有の場を設けております。 こうした取組みを拡大していくことに加え、仕事面での更なる支援充実のため、職員から介護休業等の相談を受けた場合の対応力向上のための企業向けの実践的な研修や、介護をしながら働き続けられる環境づくりの推進など、区内企業に対する働きかけも、引き続き行ってまいります。 今後も、仕事と介護の両立を支援するため、様々な立場の関係者の意見を取り入れながら、更に推進してまいります。 次に、区立図書館についてです。 今後の図書館に求められる機能や、魅力あふれる図書館についてお答えをいたします。 本区では今年度、江戸川区立図書館基本計画の策定に向けて、五回の検討委員会を開き、二〇三〇年の江戸川区立図書館をテーマに議論を重ねてまいりました。 議論を重ねていく中で、従来の図書館の機能から一歩踏み出したサービスを求める声が多くありました。具体的には、ものづくり、プログラミング、音楽などができる趣味の場所、グループでの学習作業ができる場所、飲食や会話をしてもいい場所などです。 図書館の基本的な機能は維持しつつ、様々な目的を持ったたくさんの人が集う地域コミュニティの拠点となるような図書館、そんな魅力的な図書館を目指していきたいと考えております。 次に、利用率向上のための取組みについてお答えいたします。 最近の図書館での貸出数と予約数の割合を見ますと、六割の方が事前に予約をして本を借りています。時代の流れとともに、図書館の使い方にも変化が見られます。 本区では現在、予約した本の受け取りができる図書館サテライトを区内の小中学校十校に設置しております。あわせて、二十四時間本の返却ができる返却ポストを併設し、利便性の向上に取り組んでいます。 本をその場で選びたいときは図書館で、返すときには近くのサテライトでという使い分けをしていただくなど、自分に合った活用をしていただきたいと考えております。 今後も図書館サテライトをもっと多くの方に活用していただけるよう、更なるPR活動を行うとともに、増設や機能の拡充を含めて検討し、利用率の向上を図っていきたいと考えております。 UDLにつきましては、教育長からお答えをいたします。 以上です。

蓮沼教育長。
私のほうからは、教育課題実践推進校の研究成果と課題を踏まえた今後の学びのユニバーサルデザイン、UDLを取り入れた授業づくりについてお答えします。 今までのように、一斉授業の中において、画一的な方法で学びを進めていくことのよさももちろんございますが、様々な理由でそれが適さない子どもたちもおり、現在、確かな学力の定着に向けて、この学びのユニバーサルデザインを取り入れた授業づくりの研究を進めているところです。 今回、教育課題実践推進校として、実践研究を行った篠崎中学校では、全ての子どもたちにとって学びやすい教室環境を整えるとともに、教員主導の「どう教えるか」から、子どもたちが「どのように学ぶか」という視点で授業改善を行ってきました。 障害の有無にかかわらず、全ての子どもたちにとって、日々の学校での学びをより良いものにしていくためにも、学び方を自分たちが選択し、自分に合った方法で学力を高めていくことが重要であります。 一人一台端末の導入により、まさに自分に合った学びを子どもたちが選択できるようになりました。今までは、黒板にまとめられた文字をノートに書くという学び方が、一人一台端末で文字を打ち込んだり、写真で取り込んだりするなど、自分に合った方法を選択して学べるようになりました。まさに、学びの多様化、学習の個性化ではないかと思います。 子どもたちの学び方の選択肢を増やすためには、やはり教員一人ひとりが、子どもたちの学習における困り感を見取る力をつけることや、指導方法、教材の引き出しをたくさん持つという点等に課題がございます。 今後、教員がこの学びのユニバーサルデザインの考えに基づいた授業を行えるように、実践研究を進め、広く周知を行っていくとともに、教員が授業研究を丁寧に行うことができる時間の確保に向けた取組みを進めてまいります。 以上です。

都市開発部長。
私からは、宅地における液状化対策についてお答えさせていただきます。 東京都が令和四年に公表している液状化予測図では、区内のほとんどの地域において、液状化の可能性が高い、もしくは液状化の可能性があると予測されております。 本区では、宅地における液状化対策として、ホームページやパンフレットなどを用いて、液状化の危険性や対策工法の情報提供を行っております。 また、窓口でのご相談をいただいた際には、令和五年十月から無料化となった東京都のアドバイザー派遣制度もご案内しております。 新たに建築をする際は、液状化に関する調査を行い、液状化の可能性がある場合は、十分な対策を講じてもらうことや、既存建物においても、液状化への備えとして、調査や調査結果に基づく必要な対策を行っていただくことが重要であると考えております。 東京都では、令和六年度から、液状化対策への支援制度を設ける予定と聞いておりまして、まだ詳細な制度内容は公表されておりませんが、制度内容の確認や他自治体の動向を注視しながら、区として行うべき液状化対策について研究してまいります。 以上でございます。

土木部長。
私から、上下水道などの液状化対策の現状と、区道など公共施設の液状化対策の課題につきまして、お答えをいたします。 まず、上下水道などの現状ですが、水道管接続部、つなぎ目の抜け出し防止、抜け出しを防止する耐震について、こちらは六割強が完了しております。 下水道においては、主要な国道・都道のほか、大地震の際に優先的に機能させる必要のある緊急障害物除去路線の区道百六十一キロにありますマンホール二千七十三か所の浮き上がり防止対策を完了しております。 また、避難所や災害復旧拠点からの排水機能を保つために、下水道管とマンホール接続部の耐震化も順次進められております。 更に、ガス管の耐震対策は、約九割が完了しておるところでございます。 次に、区道インフラ施設ですが、橋梁については、軽微な損傷が生じる可能性はあるものの、機能を損なう、壊滅的な被害を防ぐ、こうした対策を実施しております。主要な区道においては、舗装厚の高級化や計画的な修繕を行っております。加えて、国道・都道を含めました交通ネットワークの構築によりまして、道路機能が寸断される恐れはないというふうに考えております。 道路部分の液状化対策の課題でございますが、技術基準などが確立されておらず、また、民有地を含めた地域全体で対策を講じる必要があること、更には、財政負担が大きく、補助制度なども確立されていないなどの課題がございます。 今後も地震に強い安全なまちを目指しまして、ライフライン施設の更なる対策推進とともに、液状化対策の課題解消に向けて、国、都などの関係機関に働きかけをしてまいります。 以上です。

福祉部長。
私からは、空家の利活用についてお答えいたします。 区では、これまで空き家活用マッチング事業により、高齢者向けシェアハウス等に有効活用しております。 今回の法改正は、NPO法人や社団法人等が区市町村の指定を受け、公的立場から活動しやすい環境を整備することで、区市町村の補完的な役割を果たすことが期待されております。 この制度は、空家活用を推進する有効な手段の一つであると認識しております。 今後は、引き続きマッチング事業による有効活用も図りつつ、支援法人の指定については、他自治体の動向も踏まえ、関係団体ともしっかり意見交換をして検討してまいります。

環境部長。
私からは、循環経済、いわゆるサーキュラー・エコノミーへの取組みとして、使用済み紙おむつのリサイクルについてお答えいたします。 増加する使用済み紙おむつのリサイクル推進に向けて、環境省は令和二年三月に、使用済み紙おむつの再生利用等に関するガイドラインを策定しました。本ガイドラインに基づき使用済み紙おむつの発生量を推計すると、国全体では年間二百二十万トン、江戸川区では年間で約九千九百トン発生している計算になります。これは本区の燃やすごみの約六・五%に当たります。 町田市では、令和三年十一月から令和四年三月まで、使用済み紙おむつのリサイクル推進に向けた実証事業を行いました。今回の実証事業では、DX化を図り、先行する収集車が、紙おむつが排出されている集積所をシステムに登録することで、後に別の車で配置された地点のみを回収するコースを構築でき、効率的な紙おむつの収集運搬が可能となりました。 また、収集された紙おむつは、鹿児島県大崎町の民間リサイクル施設で水平リサイクルされた後、町田市に再生紙おむつとして納品されました。 実証実験からは、使用済み紙おむつを排出する際には、汚物をトイレに流してもらう協力が必要なこと、また、紙おむつの水平リサイクルが可能な工場が遠隔地に限定されてしまうことなどの課題も明らかになっています。 現在、このような状況でございますが、今後は産官学の技術革新や施設の新設、増設等の設備投資を視野に入れ、使用済み紙おむつのリサイクルについて、環境負荷の少ないサーキュラー・エコノミーの実現に向けて研究を進めてまいります。

十八番、所 隆宏議員。

区長、教育長、そして各部長から、前向きなご答弁をいただいたと思います。ありがとうございました。 一点目の能登地震を受けての災害対策なんですけれども、この二〇〇〇年基準の耐震化、今、新耐震基準は江戸川区では九八%ということで、もうかなりいいところまでいっていると思うんですけれども、この二〇〇〇年基準、一万八千戸あるというところに対して、更にアプローチを、そこを私、例えばその目標値、何%にしていくんだという、そういう目標値があったらいいなというふうに思っているんですけれども、所管の課長さんにお話を聞いたらなかなかそういうのは難しいんだということがお聞きしたんですけれども、とにかく今、一万八千戸に対してアプローチをしていくというお話がございました。そういったところで、しっかり現状を掌握していただいた上で、また更に進めていただければというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 また、もう一点、液状化の対策、これは能登地震で液状化の被害が大きかったということで、改めて液状化の危険度マップとか、そういったものを確認をしてみますと、都内、特に江戸川区も、非常に危険なところというふうになっておりまして、これに対するやっぱり対策というのは必要なのではないかな。 今までこの地震、江戸川区にとっての災害といえば、低地帯であるので水害、そして地震については、耐震化、それからあと、燃え広がらないような対策ということで考えてきたと思うんですけれども、この液状化ということもちょっと頭に入れていかなくちゃいけないのではないかなというふうに思っております。 今回の液状化、能登地震の被害を見て、例えばこれから江戸川区で家を建てようとする方が、どうなっているのかなと調べて、そして、脆弱であれば対策をしたいなということも出てくるんではないかなというふうに思います。そういったときに、この事前の調査とか、工事の費用助成、そういった制度があれば、そういった方たちの後押しになるんではないかなというふうに思いますので、提案をさせていただいたところです。 それから、公共施設についてのこの液状化対策、なかなか、水道等は随分進んでいるということなんですけれども、難しい面があると思いますけれども、国土強靱化という考え方からすると、やはり例えば区画整理とか、大きな面的な整備をする機会を得て、それに合わせてこの液状化対策というのをできるような、そういうことがあってもいいんではないかなというふうに考えています。 課題も多いと思いますけれども、そのために、必要と思われる制度とか財源についての要望なんかも、しっかりとまた、国や都に上げていただいて、安心できるこの江戸川区、更に進めていただければというふうに思っております。 それから、一番最後にお聞きしました、学びのユニバーサルデザインを取り入れた授業ということで、この一人ひとり障害あるなしにもかかわらず、いろいろな個性に合わせた授業ができる、これはすごく理想的なことではないかなというふうに思います。 子どもの幸せが、やはり教育の目的であると、このように考えておりまして、その実現に向けて、更なる研究をしていただいて、この教育行政の前に進むことを願っているところでございます。 その他につきましては、予算特別委員会のほうで、私は委員ではないんですけれども、同僚の会派の議員に託して議論していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

次に、二十四番、桝 秀行議員。 〔二十四番 桝 秀行議員登壇〕

質問に先立ち、能登半島地震により被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 昨日の同僚議員による代表質問と一部重複する箇所もございますが、内容は少々異なりますので通告どおり質問いたします。ご答弁をお願いします。 はじめに、新庁舎建設計画に生じた工期の延長と建設費の増加についてお訊ねします。私は、斉藤区長と他執行部の皆様と同様に百年に一度と言われる新庁舎建設計画が、一日も早く、そして多くの区民に愛され、更に区のシンボルとして竣工する日を待ち望んでいます。その立場にあっても、今回の公表にはいくつかの疑問を感じましたので、そのまま質問といたしました。 まず、今回の公表は庁舎移転計画にとって大きな計画変更であり、区民にとっても関心の高いところと言えます。それは昨日の代表質問でも多くの議員が質問として取り上げていることからも明らかです。 私は質問作成にあたり、工期延長と工事費の増額について、区はどのように受け止めているのか、その姿勢を確かめる必要がありました。区政にとっても大きなニュースであったことから、斉藤区長が議会招集挨拶で何を述べ今後どのような方向性を示すのか、お待ちしていましたが挨拶の中で触れられることはありませんでした。事の重大性に鑑み、区長には招集挨拶で取り上げていただきたかったと思いますし、むしろ取り上げるべきではなかったのかと今でも感じています。 また、昨日の代表質問に対する答弁の中で「基本的な計画に大きな影響はない」「更にコスト削減に努める」という趣旨の答弁をなされていました。果たして本当に今の段階で影響はないと言い切れるのでしょうか。 現段階での積算額は五百九十億円ですが、今後建築市場のコストがどのように変動するかは未知数です。材料費は今後のエネルギー情勢や為替相場からも影響を受けるため予測は難しいと言えますが、少なくとも直近で相場が下がる要素はありません。また、業界における人手不足は深刻です。人材の需給バランスが崩れた状態が長く続き、少なくとも新庁舎建設が着工される数年のうちに解決されることはないと考えるべきです。更に建設業界の働き方改革は、実質的に作業現場において現行の週休一日が週休二日に改正されるものであり、休日が一日増えると一週間当たり一五%の生産性が落ちることとなり、それによって工期も伸び、コストも上積みされます。 このような状況下にあって、区としては「大きな影響はない」とするよりも、様々な状況を予測した複数のプランを準備するべきだと思います。そのプランとは、一つ目にはこのままの勢いで建築費相場が上昇した場合です。二つ目のプランは今の建築費の相場が横ばいで推移する場合です。そして三つ目のプランは建築費相場が下落していく場合です。 今後の状況変化に備え、上昇相場、横ばい相場、下落相場のそれぞれのプランを準備しておくことが、安定して事業を進めるために、また区民に不安を与えないための方策ではないでしょうか。 ここで、一つ目のシナリオを考えてみます。このまま建築費相場が上昇した場合です。数年後の着工までに、この二年九か月と同じように市場の高騰が続き今回同様に二百億円増えたとすると、五百九十億円プラス二百億円で建築費は七百九十億円になります。また、工事着工後にも建築業界の厳しい状況が続けば、更に工事期間中にも工事代金の追加が見込まれます。追加として工事費の一〇%強の百億円が上積みされたと想定すると、竣工までの建築費合計は八百九十億円となり、少しでもぶれればもう一千億円が見えてきます。新庁舎建築計画の最悪のシナリオは建築費一千億円です。今後数年間、建築業界の動向が読み切れない以上、このシナリオを否定できる人はいないはずです。そこまで想定すると、基本的なプランを変更せずコスト削減のみでは到底乗り切れないものとなってしまいます。など、今の段階では様々な事が予測できるのです。 それでは、具体的な質問に入ります。区は昨年末、設計作業中の新庁舎の概算工事費が、当初見込みの約二倍にあたる五百九十億円に膨らむと公表し、その理由を建築業界における慢性的な人手不足や、働き方改革などの外的要因によるものとしています。区にお聞きします。今から僅か二年九か月前の基本構想基本計画の時点と比較して、機能強化分の八十七億円を差し引いたとしても工事費は約一・五倍にまで膨れ上がっています。区が説明する工事費の高騰として上積みされた二百億円について、誰による積算なのか、その内容を精査したのは誰か等、金額の内訳とともにより具体的にお聞かせください。そしてまた、今回の工事費増を区としてどのように受け止めているのか合わせてお聞かせください。 二番目の質問です。先の質問を更に掘り下げる形となりますが、そもそも建築費の増額理由は、近年続く材料高や人件費の高騰であり、そうした影響を受けて増額となる建築計画は日本全国官民問わずに起こっていることです。しかし、この直近僅か二年九か月で建築業界における材料の相場や人件費は、国交省や民間から発信されている数値を見ても、区が今回示されたような一・五倍にまでは上昇していません。区役所建設で先行する葛飾区の工事費は一・二倍の上昇に留まっています。 一方で本区では、今回公表された五百九十億円のうち建設費は当初公表されていた金額の一・五倍です。他の地方公共団体や民間の建設計画と比較しても、一・五倍という数字は増額幅が大きいと言えます。ここから考えると単に当初の試算が甘かったのではないかという見方もできるのではないでしょうか。三百三億円と五百九十億円の差額を負担するのは区民です。区民に代わって公共調達を実施するという重要な責務を負う立場から区の見解をお聞かせください。 三つ目は提案です。今回の新庁舎建設費五百九十億円という規模は、恐らく江戸川区政史上、最も高い買い物になるはずです。言ってみれば区は今回のような大きな事業の経験がありません。社会には高い買い物には高い買い物なりの買い方というものがあり、それは経験こそがものを言うものです。 そこで提案です。他の自治体で庁舎建設のような大型の建設事業に携わってきた経験者を職員として庁舎内に置いてはどうかというものです。区では現在CM方式を採用しています。CM方式とは建設プロジェクトにおいて、専門性を持つ第三者機関にプロジェクトの全般的な運営管理を委託する方式で、近年民間でも採用が進んでいます。これはコンストラクションマネージャーが、工期延長、予算超過などを防止するため、発注者、設計者と一体となって事業を進めるものであり、第三者の目線を取り入れる意味でも有用な手段だと言えます。今回、区では相手先に三菱地所設計を選び、既に様々な取組みが行われていますが、今後も協調性を高めより良い成果を収められるよう推進していただきたいと思います。 しかし、CM方式はあくまで外部の第三者目線です。第三者はあくまで第三者であり、発注者の身内とまでは言えず、信頼をできてもそれには限界があります。私の提案は外部だけではなく、区の内部にも職員として経験者を招聘してはどうかというものです。区長を含め、全職員が未経験者という形で新庁舎建設に臨むよりも、庁舎内に一人でも経験者を置くほうが事業の成功に繋がるものと思いますが、区の見解をお聞かせください。 次に、小中学校改築事業における入札制度についてお訊ねします。本制度については、これまでも議会を通じて様々な角度から改善を要望してきました。その主張は、区内業者を優先する制度が少し行き過ぎてはいないか、というものです。しかし、残念ながらその意向は区に届くことはなく、むしろ区内業者優先の色合いを更に強めるような制度改正が今日まで行われてきました。 今日は今回の制度改定を受け、改めて本制度における区の考え方をより具体的にお尋ねしてまいります。一点目の質問です。現時点で区内業者は都心部のゼネコンには力及ばず、区外業者と比較し、入札金額が高いという傾向があり、それは実際に昨年及び一昨年の設備工事において現実のものとなりました。これは区内業者が、価格点で区外業者を下回りながらも、区の総合評価方式による総合点で逆転するという典型的な逆転現象です。つまり入札金額が高いにも関わらず区内業者に落ちたのです。納税者である区民の立場に立てば、少しでも安く、少しでも高品質の工事が望ましいのは明らかです。この現象は、区民の利益と区内業者の利益が相反する、言わば天秤にかかった状態とも見てとれます。 ここでお尋ねします。区内業者を優先にすると契約金額が割高となるおそれがあり、それは区内業者の利益となる一方で、区民にとっては不利益となる可能性もあります。区内業者と区民の利益、これが相反する入札制度となっていないでしょうか。区の見解をお聞かせください。 次に、提案です。それは区内業者を優先するという目的を変更せずとも可能な案です。まずは、現行制度のように区内業者を元請として落札に導くのではなく、通常の一般競争入札として区内外の業者を問わず落札してもらうことです。そして落札した業者には、積極的に区内業者を下請けとして活用することを求めていく制度です。この制度でも、これまでの制度と全く同様に区内業者に仕事が行き渡り、目的としている区内業者の育成に十分繋がるものです。区の見解をお聞かせください。 次に、受注制限の制度改定についてお尋ねします。区は、今年度本入札制度において、受注制限を緩和するという制度改定を表明しました。その改定内容のポイントは、事業者にとって効率的な受注が可能となり、区にとっても計画的な改築スケジュールを立てられるという利点があります。しかし一方で、工事が立ち止まってしまう可能性があるなど、区にとって大きなリスクを含んだ改定であると私は認識しています。 ここで、今回の制度改定について、中継をご覧の区民の皆様に少しでも理解を深めていただくため、牛丼を食べる人の食事を例にとってみます。これまでの制度では、一企業は一つの大きな学校改築工事を受注し、その工事の完了後に次の工事を受注できるという制度でした。これを人の食事に例えるならば、目の前に大きな牛丼が出されます。それを頑張って食べ終え、少し休憩をしてから次の牛丼が出てくるという流れです。何も問題はありません。 しかし、今回の制度改定は、この牛丼が出てくるタイミングを改めるという内容です。一校目の学校が工事中の状態にあって竣工を迎える前に、この企業は二校目の工事を受注できるという改定内容です。つまり、瞬間的に二校の改築工事を同時に請け負うことになるのです。これも牛丼に例えると、目の前の牛丼を食べ終わっていないのに、二杯目の牛丼が運ばれてくるのと同じ現象です。食べ終わっていない牛丼と次の牛丼の二つが同時にテーブルに載っている状態となるのです。 こうなれば事業者は、早く二杯目の牛丼に手を付けるべく、まずは目の前にある牛丼を食べ切ることに集中するでしょう。工事で言えば、着工中の一校目を竣工させることに全力で取り組むことです。しかし、この時点では一杯目の牛丼を予定どおりに食べ切れるものかどうか、その保証はどこにもありません。むしろ建築業界では、工期が延びる傾向にあります。一杯当たりの牛丼を食べる時間が延びるのです。これが現実となれば、大変な事態です。一杯目の牛丼を食べ終わるまでの時間が延びてしまい、注文していた二杯目の牛丼に手を付けることができないのです。二杯目の牛丼は、長い間放置されて冷え切ってしまいます。これはまさに一校目の工事が滞り、二校目の工事が予定どおりに着手できないという状況を示しています。民間では、こうした現象は日常的に見られます。私は今回の制度改定は、このようなことが現実化する可能性が十分にあると考えています。それは区にとって、紛れもないリスクです。 新庁舎建設では、工期の遅れを見越しているにもかかわらず、もう一方の学校改築現場では、工期どおりに工事が進むことを前提としている改定です。その点を取っても、区の考え方が一貫しておらず、矛盾しているとの見方もできます。と、私は考えますが、区では今回の受注制限の緩和という制度改定にどのようなリスクがあるとお考えでしょうか。お聞かせください。 続けて、お聞きします。私は今回の制度改定におけるリスクが現実と化し、学校改築スケジュール全体の更なる遅れを招くおそれがあると考えています。加えて、この制度改定では、入札段階で一層区内業者が有利となり、入札制度の競争性が保たれなくなる可能性も生じます。競争性が保たれなくなれば談合の温床となるおそれもあり、また、落札される金額まで高くなってしまうことも十分に考えられるのです。区は、なぜここまで大きなリスクを負担するのでしょうか。お答えください。 次に、区が取り組んできた区内業者育成について、具体的な成果をお聞きします。本制度は、導入から十年以上が経過し、条例の目的を達成する形で、近年は区内業者の落札が続いています。しかし、落札させること自体が目的ではありません。落札した業者や業界が区の学校改築工事を請け負うことによって成長することを最終的な目標としているはずです。独自の条例を制定し、独自の評価方式によって毎年数十億円ものお金を動かしている制度であることからも、区は区内業者がどれだけ育成されてきたのか、具体的な成果を示すべきと考えますが、いかがでしょうか。 最後の質問です。先程お尋ねした区内業者の育成の成果に係りますが、そもそも区内業者の育成とはどのような状態を指すのでしょうか。何をもって育成と言えるのでしょうか。企業それぞれの利益が高まれば育成なのか、雇用が増えれば育成なのか、業界内で起業が増えれば育成なのか、何をもって育成というのでしょうか。育成の定義付けは、本制度運用上必要なものだと考えます。「区内業者育成」の定義をお聞かせください。 最後に、誤解のないよう申し上げます。私自身、区内業者とその業界には、未来に向かって大きく繁栄していただきたいと心底願っています。しかし、私はその願いと本入札制度の狙いが必ずしも一致しないと考えています。真の意味において、区内業者が成長するためには、本制度を改めるべきだというのが私の主張です。かつて行政から入札制度で優遇を受けて成長してきた建設業界があったのでしょうか。私は、その例を知りません。皆、自主的な努力と競争社会の中でもまれるからこそ、強い企業となるのです。それこそ日本が歴史的にも歩んできた資本主義社会の姿です。 以上で、私の質問を終わります。

斉藤区長。 〔斉藤 猛区長登壇〕
それでは、桝議員のご質問にお答えをいたします。 はじめに、新庁舎建設計画に生じた工期延長、建設費増の原因と今後について、お答えをいたします。 まず、建設費高騰の原因と受け止め方でございますけれども、世界的な原材料の品薄や円安の影響による資材価格の高騰及び大規模案件の集中や働き方改革の影響による人件費の上昇にあると認識をしております。 具体的には、二百億円のうち、労務費等が四割程度、残り六割が建設資材となっております。建設資材のうち、主構造の鉄骨価格や設備機器の上昇が大きな要因となっております。 これらの工事費の算出に当たっては、設計者の見積り聴取による積算だけではなく、専門家による直近の契約価格の情報収集などの調査も行い、多角的に実勢価格の把握に努め、専門家と区で十分に精査をしております。 工事費高騰は、全国における社会的な要因によるものと受け止めておりますが、負担の増大は、区民の皆様には申し訳ないことと受け止めております。防災を考えても、新庁舎建設は進めていかなければならない区の最重要課題であり、現計画の理念を踏まえつつ、コスト削減も図りながら建設を進めていきたいと考えております。 次に、当初の見通しに甘さがなかったかという点について、お答えをいたします。 基本計画をまとめる時点においては、新庁舎の形状及び導入する機能などが未決定であり、設計図もないため、細かく経費を積み上げて工事費を算出することができない段階でした。そのため、一般的な概算費用である一平方メートル当たりの単価に面積を乗じる方法を採用しておりました。近隣の庁舎建設事例を参考として、単価五十五万円に延べ床面積五万五千平方メートルを乗じて、概算費用を三百三億円といたしました。よって、先程数字等で具体的にお話をされていましたけれども、積算積み上げで出したものではないというところを、まず理解いただければと。要は、出し方が違ったのだというところをご理解をいただければと思っております。 その後、東京オリンピックや新型コロナなどで建設を控えていた案件が同時期に始まり、過去に経験したことのない急激な建設費高騰が起こりました。当時、新型コロナの影響で国内景気が厳しい状況にあり、需要の回復や設備投資の増加を想定することは難しい状況にあったと考えております。物価高騰や労務費上昇など、将来の予測ができなかったことについて、今から見れば、甘さのご指摘はごもっともと感じますが、当時としては適切なものであったと考えております。 次に、新庁舎事業の推進に当たり、部内に経験者の知見を取り入れてはという提案について、お答えいたします。 新庁舎と同等規模の庁舎建設経験のある他の自治体の職員は非常に少なく、新庁舎整備事業に雇用することは難しいと考えております。新庁舎整備事業は、区としても経験したことのない規模の事業ですので、プロジェクトを円滑に進めるためには、庁舎の設計実績が豊富な設計事務所に加えて、全体調整やマネジメントを主体的に推進できる組織体制が必要であると考えております。 そこで、設計事務所は、大規模な庁舎設計実績のある企業と技術者を選定しております。また、区職員の庁舎整備に係る知識や経験を補填するため、区側の立場で複雑な事業の構築やその進捗管理をするCM、コンストラクション・マネジャーを採用しております。CMは、再開発事業者との調整、設計内容の精査、実勢価格の把握など、幅広く機能してきたところです。更に、CM会議に管理職も含めて積極的に参加し、専門家のノウハウや技術力を吸収しながら進めております。 これからも、引き続きこの体制で新庁舎整備事業を推進していきたいと考えております。 次に、小・中学校改築事業における入札制度について、お答えいたします。 まず、区民の利益と区内事業者の利益が相反する制度になっていないかというご質問についてです。 学校改築事業の契約は、社会的要請型総合評価一般競争入札という方式を採用しています。この入札制度は、価格点五十点と社会的要請点五十点で構成されており、その合計点で受注者を決定しています。 過去の入札案件において、価格点が高い区外事業者の例は、下請率が低かったことなどを受け、社会的要請点が二十点未満となったため、落札できなかった案件があります。このケースは、議員のお話にもあったように、価格面では不利益になったこととなります。ただ、本入札制度は、価格と併せて、事業者の地域社会への貢献度に対する評価項目を設けて評価をしています。この点は、公契約条例第十三条、特定公共事業の指定で、価格以外の要素を重視すべき事業として指定することができるという規定によります。 区民の利益で考えれば、評価項目の一つである災害・緊急時の対応は、事業者の取組みが区民の利益に直結する例の一つであると考えます。価格だけではなく、社会要請点の達成度も含め、総合的に評価して選定していることは、地域社会への貢献度という尺度で見れば、区民と区内事業者の利益に繋がっているものと考えております。 次に、元請ではなく、下請として区内業者の活用を促す制度にしてはどうかという質問についてです。 現行の入札制度でも、区内業者、区外業者にかかわらず、区内下請業者の活用を評価することになっています。また、区内下請業者の活用の配点は、入札公告時に公表し、更なる活用を促しております。 学校改築事業という大きな事業に、区内業者に元請業者として受注いただくことは、更なる技術者や労働者等の人材確保や設備機材の配備などを推進し、組織力や経営力のより一層の向上に繋がると考えています。また、これまでの実績といたしましても、二十一校全ての工事で、区内業者が元請として受注しています。区内業者の単独で六校、区内業者のJVで二校、区外業者と区内業者のJVで十三校となっています。 今後も区内業者、区外業者全てに区内下請業者の活用を促しつつ、引き続き元請業者としての参加を促す方針を継続していきたいと考えております。 それ以降のご質問については、部長からお答えをさせていただきます。 以上です。

総務部長。
私から、この小・中学校改築事業における入札制度についての三点目から六点目まで、お答えさせていただきます。 まず、受注制限解除の条件緩和の制度改定により想定されるリスクについて、お答えいたします。 今年の一月に実施した学校改築事業三校の入札公告から、受注制限解除の条件緩和を実施しております。この改正は、従来の工期から数か月延伸することに伴い、新校舎建設の完了時期が後ろ倒しになることで、受注機会が減少してしまうことを防ぐためのものです。今回の改正により、新校舎が完成していない段階で新たな工事を受注することになるため、技術者確保に、これが困難になることなどがリスクであると認識しております。 一方で、学校施設の老朽化が進んでいます。そのため、区は、毎年度三校の改築を行う方針に基づき、概ね五年先までの計画を策定し、公表しています。現時点で、九十八校の小・中学校のうち、対象の学校は三十六校あり、児童・生徒の安全確保のためにも、計画的に学校改築事業を進める必要があります。 また、学校改築計画を公表していることは、区としての方針を示すだけではなく、事業者の皆様のメリットにも繋がっています。昨年十二月に開催した入札制度説明会のアンケートでも「安定的な工事発注が見込める」「社内での検討がしやすい」などの声をいただいております。 学校改築事業を継続的に行う上で、今回の受注制限解除の条件緩和は、業者の皆様に入札参加を積極的にご検討いただくための環境づくりの一環と考えております。 次に、リスクを負担してまで区内業者を優先し保護する具体的な理由について、お答えいたします。 これまでの学校改築事業は、全ての案件に区内業者が元請業者として受注いただいており、今後も同様の参加を期待するものです。受注制限解除の条件緩和による技術者確保などのリスクについては、先程申し上げたとおりですが、区としては、リスクを負担してまで区内業者を優先し保護するというよりは、区内業者、区外業者の皆様に積極的に参加をご検討いただくためということが理由となります。 次に、入札制度導入以降、現在に至るまでの区内業者育成の具体的な成果についてです。 まず、先程区長からも申し上げましたように、これまでの二十一校全ての工事で、区内業者が元請として受注しております。元請業者の中には、区内業者が単独で受注した工事もあります。これは区内業者がJVとして参加しながら、技術力向上や体制強化などに取り組んだことが大きく寄与していると考えております。 また、区内業者の皆様からは、区外業者とのJVによる効果も聞いております。令和三年度に実施した意見交換会やアンケートによりますと「施工技術や現場管理のノウハウを習得できた」「JVを組んだ業者からの紹介により、取引先が拡大できた」「金融機関からの信頼度が向上した」「採用活動の円滑化に繋がった」などの効果を伺っております。 更に、受注した区内業者の経営事項審査点の向上にも寄与していると考えております。経営事項審査点では、完成工事売上高などの財務指標も評価項目となっておりますが、区の学校改築事業による売上げも含まれると考えれば、効果の一つと言えると考えております。 事業の成果は、継続して事業を行う上で重要な指標ですので、今後も成果を確認しながら、制度を運用していきたいと考えております。 最後に、区内業者育成における育成の定義についてのお答えでございます。 学校改築事業に係る社会的要請型総合評価を進める区の立場で、育成の定義を申し上げれば、企業業績への寄与、雇用の創出・安定、地域経済活動の増進などを挙げられます。 しかし、実態としては、事業者の皆様の経営努力により、企業として公共工事や民間工事を通して成長されていると考えております。 区としては、学校改築事業の事業者の皆様が成長する機会として活用いただくことを目的としておりますが、先程の成果のお話と同様、制度を継続的に運用するためにも、育成の観点をより意識して取り組んでまいります。 以上でございます。

桝 秀行議員。

それぞれご答弁ありがとうございました。 原稿を読みながら自分で感じたのですけど、ちょっと言い方がきつくなっていたなと思いまして。基本的には、僕は斉藤区政を支持していますので、この場を借りて、もう一回、ちょっと謝っておきますので。 ただ、やはり考えが違うところは、きちんと言わなければいけないと思っているので、今回、これを取り上げました。区長の答弁にもあったとおり、ほかの自治体でも、この建築費というのは深刻な問題になっているのですよね。ホームページの公表とか、これまでの答弁を聞いていても、やはり私が持っている感覚と職員の皆さんが感じている感覚は、ちょっと違うかなと思いました。確かに三百億円の計算の仕方は、今回と違ったかもしれないですけど、これだけ金額が大きくなった、大きなニュースになったら、普通は一回黄色信号ですよ、こういう計画は。その上で、みんなで集まって、もう一回考えて、まだいけると思えば、そこからもう一度スタートしたらいいのです。民間でも、こんなことが発表されたら、即役員招集ですよ。すぐ役員会議になります。それぐらいの大きな出来事なのですよね。ほかの自治体でもそれぐらい、会議やっているかどうか分からないですけど、大きくもっと受け止めていますのでね、その辺はちょっと感覚が違うということだけお伝えしておこうと思います。 それから、入札制度のほうは、これまでほとんどゼロ回答だったのですけど、今日の答弁は、少し何か前進したような手応えを感じました。予算委員会のメンバーでもありますので、この点に関しては、また予算委員会で続きをお聞かせいただきたいと思います。 以上です。

暫時休憩します。 午後三時二十五分休憩 ─────────────────────────── 午後三時四十五分再開

休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行します。九番、太田彩花議員。 〔九番 太田彩花議員登壇〕

通告に従い三点質問いたします。 最初の質問は、船堀駅周辺への図書館の設置についてです。 船堀の地域は、駅周辺への新庁舎建設などのまちづくりが予定されている地域です。それに伴う人口の増加など、まちの様子も大きく変わることが予想されます。地域の住民の方々からは「この船堀駅周辺には図書館がない。一番近いのは葛西図書館だけれど、ここからは距離があって歩いていくのは難しい。だから、足の悪い人や子ども連れの人はなかなか行きにくい」「新庁舎が建てられるこの機会に、私たち住民や子どもたちが歩いて気軽に通える図書館をつくってほしい」という要望が寄せられていました。「船堀駅周辺に図書館をつくる会」が提出した陳情は、文教委員会で回数を重ねるたびに署名が追加で寄せられ、二月一日時点で七千五百九筆に達しています。地域住民をはじめとする多くの方々の強い願いが示されたと言えます。 昨年十二月に行われた江戸川区立図書館基本計画の策定における意見募集は、百十件の意見がありましたが「新しい図書館をつくってほしい」という内容の意見は二十八件寄せられ、そのうち「船堀駅周辺」というのが十六件ありました。これらの声に耳を傾けるべきです。 「令和五年度東京都公立図書館調査」における令和四年度の統計データによると、江戸川区は、図書館一館当たりの区の面積は、四・一六平米と二十三区の中で二十三位、最下位となっており、図書館の密度が最も低く、空白となっている地域が他区に比べても多いことが明らかになっています。また、区民一人当たりで見ると、図書数、貸出数、予約受付数は、それぞれ二十三区中二十位と他区と比べても低い数字となっています。江戸川区の図書館政策をより前進させていくための第一歩としても、図書館の増設を進めることが求められているのではないでしょうか。 現在、江戸川区では、図書館の空白地域となっている場所を中心に、半径一キロメートル以内に通える距離を目安として、学校図書館を窓口として図書館資料の貸出・返却のみができる「図書館サテライト事業」が進められています。私は先日、葛飾の区立図書館を見学に行きましたが、江戸川区の図書館政策をより充実させるのに大変参考になるものであると感じました。 例えば、四つ木地区図書館をはじめとした地区図書館の一部は、小学校敷地内などに設置がされていますが、図書館として独立された施設として運営がされており、概ね三万弱の蔵書もあって、閲覧席もあります。開館日に関しても、休館日を除いて火曜から木曜、土曜、日曜、祝日は午前十時から午後五時まで、金曜日は午前十時から午後八時までとなっています。本区の図書館サテライト事業と比較すると、様々な面で充実しています。 やはり、図書館法に基づく公共図書館の設置こそ、区民のためには必要であると考えます。図書館は、年齢や障害、国籍を問わず、また、お金のありなしにかかわらず誰もが利用できる地域の課題解決や社会教育の場であり、区民の憩いの場、コミュニティを醸成する場でもあります。基本的人権の一つである「知る権利」を保障するために、いついかなる時代であっても、区民が身近に通える場所に設置すべき施設として必要不可欠なものです。 多くの区民の要望に応える公共図書館設置と図書館政策の前進を求め、二点質問します。 第一に、区長は、船堀駅周辺が図書館の空白地域であり、図書館設置を求める多くの署名が寄せられていることについて、どのように受け止めていますか。 第二に、船堀駅周辺に、図書館法に基づいた機能を持つ図書館の設置のため、あらゆる可能性を多角的に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 次の質問は、江戸川区での文化・芸術活動の充実についてです。 「二一〇〇年の江戸川区」実現に向けたアクションプランの「人とともに生きる」という項目の中で、「『生きがい』につながる文化・スポーツの支援」と題して目標が掲げられています。そこには、「人生百年時代において『食事・運動・生きがい』は欠かせないものです。中でも『生きがい』を見つけることは、心身の健康や幸せな生活につながります。新しいことに挑戦したり、人と交流することは『生きがい』を見つけるきっかけになり、その要素として『文化・スポーツ』が果たす役割は大きいものがあります」と書かれています。 私は学生時代、音楽を専門に勉強してきました。学生の頃は、学校併設のスタジオや、防音設備とピアノが設置された練習室で歌やピアノの練習、作曲、また仲間たちとともにコーラスなどの音楽活動を行うことができていました。ところが、学校を卒業して社会人になると、身近にはそれらの環境はなくなり、結果的に音楽活動をする機会は失われていきました。 しかし、社会人になってからも、文化活動などに生きがいを求める区民は多く、文化を楽しむ権利を保障すべきです。区内のある演奏家の方は「広い集会室を借りて楽器や踊りの練習、発表をしていたけれど、音が隣の集会室に響くことなどが原因で使用を断られたことがある。しかし、民間のカラオケボックスやスタジオは、費用がかさんでなかなか通えるものではない」といいます。区内の公共施設の音楽室利用者からは「民間のスタジオよりも圧倒的に料金が安く、一人で楽器の練習をするには十分な環境だ。えどねっとも使いやすい。でも、身近に楽しもうとすると、部屋の数が少な過ぎる」という声が上がっています。文化や芸術の良さに誰もが触れることができ、豊かな人生を保障できる江戸川区をつくるには、芸術活動にあらゆる形で携わる区民の声を積極的に取り入れながら、こうした事業を前進させる必要があるのではないでしょうか。 そこで、二点質問します。 第一に、身近なところで文化・芸術活動を楽しめるような環境づくりのため、施設の再編整備の視点だけでなく、具体的な方針と目標が必要と考えますが、区長の見解をお聞かせください。 第二に、区内公共施設の音楽室利用者のニーズを把握し、周囲の環境を気にせず、個人やグループごとに楽器等の練習ができるよう、防音設備の整った場所を今後も維持し、更に拡充すべきと考えますが、見解をお聞かせください。 最後の質問は、国民健康保険料についてです。 国民健康保険料は、毎年値上げされてきました。コロナ感染症の拡大のときは、値上げ幅が抑えられたものの、均等割は二十三区で最も高額となっていました。一月十七日付のしんぶん赤旗で、二〇二三年度の国保料が高い市区町村上位五十自治体が報道され、江戸川区は全国二十五位となっていました。大阪府は、上位五十のうち三十自治体を占めています。このデータは、日本共産党政策委員会が調査し、年収四百万円の四人世帯の場合で計算した国保料を比べたものです。 国保料は、年収や家族構成によっては、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの約二倍になる世帯もあります。給与年収四百万円の四人家族(三十代の夫婦と小学生の子ども二人)の国保料は、東京特別区では四十万円前後ですが、同じ年収、家族構成の世帯が、中小企業の労働者が加入する協会けんぽでは、保険料の本人負担は二十万円前後です。 全国知事会は、二〇一四年に低所得者が多く加入する国保の保険料負担が重いのは「国保の構造問題」だとし、公費一兆円の投入で高過ぎる国保料を協会けんぽ並みに引き下げるよう国に要望しました。全国知事会の要望は、そのとおりです。その後も、国保への定率国庫負担を増額することを国に要望し続けています。同様の要望を二十三区長会として、国と都に要請していることは承知しています。しかし、江戸川区がいち早く一般財源の繰り入れを減額し、国保料が全国二十五位という高額になっていることは問題です。来年度提案されている国保料均等割は、五千七百円の値上げで六万九千円にもなります。 国民健康保険制度は、社会保障としての住民の命と健康、暮らしを守るという本来の役割を果たす立場から、一般財源からの繰り入れを増やすなどあらゆる努力をして、保険料の大幅値上げを抑えるべきです。また、全く収入がない子どもからも保険料を徴収するということが国保制度の最大の矛盾です。物価高騰、年金は僅かしか上がらない状況で、国保料の負担割合が増えている実態から、来年度の国保料は据え置くとともに、子どもの国保料免除を進めるべきと考えます。 そこで二点質問します。 第一に、国保の構造問題が根底にあるからこそ、江戸川区の独自の対応が必要です。来年度の値上げ案が示されていますが、一般財源からの繰り入れを増やして、国保料を据え置くことを求めますが、いかがでしょうか。 第二に、子どもの国保料均等割軽減は、喜ばれています。子どもの国保料を徴収すること自体が国保制度の最大の矛盾ですが、現在の就学前の子どもの保険料二分の一軽減を、区独自に十八歳までの子ども全員に拡大するべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上で、第一回目の質問を終わります。

斉藤区長。 〔斉藤 猛区長登壇〕
それでは、太田議員の質問にお答えをいたします。 はじめに、船堀駅周辺への図書館の新設について、お答えをいたします。 船堀駅周辺に限らず、様々な地域で図書館が欲しいというご意見をいただいております。また、船堀駅前のまちづくりに併せて図書館を新設してほしいというご署名が集まっていることも把握をしております。 区では、SDGsビジョンで、二〇三〇年度までに、近くにないからという理由で図書館を利用できない区民の割合をゼロにするという目標も掲げております。一方で、将来的には人口の減少や予算規模の縮小が予測されており、公共施設の数や規模の適正化を今の段階から検討していく必要もあります。 今後、図書館サテライト機能の拡充を含め、区民の皆様により良いサービスを提供できるように検討を続けてまいります。 次に、江戸川区での文化・芸術活動の充実について、お答えをいたします。 はじめに、身近なところで文化・芸術活動ができる環境づくりについて、お答えをいたします。 二一〇〇年の江戸川区共生ビジョンでは、スポーツも文化活動も、自分のやりたいことは誰でも何でもチャレンジできるという目指すべき姿を掲げています。その実現に向け策定したアクションプランにあるとおり、地域の学校を活用した文化やスポーツ活動の拠点をつくり、文化団体やスポーツ団体の協力を得ながら、様々な活動を提供していきたいと考えております。 将来的には、歩いて行ける身近な場所で様々な活動ができる環境を整えていくことが大切だと捉えております。そのため、今後も各地域の学校を身近な活動拠点として位置付け、活用を検討してまいります。 音楽室については、部長からお答えをいたします。 次に、国民健康保険料について、一般財源からの繰り入れを増額して保険料を据え置くことを求めることについて、お答えをいたします。 国では、平成二十七年の五月と令和三年の六月の国民健康保険法の改正によりまして、持続可能な国民健康保険制度を運営していくために、都道府県を財政責任の主体とするとともに、都道府県が定める国民健康保険運営方針に財政の均衡なども記載事項として位置付けを行いました。 東京都は、法改正を踏まえまして、令和六年四月改定予定の国民健康保険運営方針に決算補填等が目的の法定外繰入解消目標年次を記載いたしました。今後、都は区市町村と協議しながら、法定外繰入金の解消に向けた具体的な取組みを実施していくことになります。 本区といたしましては、本来、保険料で賄うものを一般会計から法定外繰入を行うことは、給付と負担の関係が不明確になるほか、国民健康保険加入者以外の区民の皆様にも負担を求めるということになるため、平成三十年度から計画的、段階的に削減をしてまいりました。このようなことから、法定外繰入を増やす状況にはないと考えております。 今後も財政状況や負担と給付の均衡を図りながら、持続可能な国民健康保険制度として運用してまいります。 子どもの均等割の件については、部長からお答えをいたします。 以上です。

文化共育部長。
私からは、江戸川区の文化・芸術活動の充実について、二問目、防音設備の整った音楽室の維持・拡充について、お答えを申し上げます。 区立施設では、音楽室を設置している施設は、グリーンパレスやコミュニティ会館など合計十四施設、十八室となっております。また、総合文化センターやタワーホール船堀、こちらの大小ホールやリハーサル室、小岩アーバンプラザなどの地域施設の一部にもホールを設置しており、吹奏楽や合唱をはじめ、多くの音楽団体に利用されております。音楽室やホールの利用率は高くなっておりますけども、ハーモニカや琴など小音量の楽器については、集会室での利用を可能とするなど、弾力的な運用を行っております。 なお、区立施設は、区民の文化・スポーツの振興と福祉の増進はもとより、地域コミュニティの形成も目的として設置しているため、個人よりも団体利用を優先しております。 引き続き、文化・芸術活動の充実を図ってまいります。 以上です。

健康部長。
私からは、就学前の子どもの均等割の軽減を区独自に十八歳まで拡大すべきということについてのお答えをさせていただきます。 これまでも未就学児の均等割額の軽減につきましては、全国知事会、全国市長会、特別区長会としても要望しておりましたけれども、法改正が実現いたしまして、令和四年四月に開始がされたものでございます。この際の法改正に当たりまして、参議院の厚生労働委員会の附帯決議におきまして、市町村や都道府県等における財政状況等を勘案しながら、対象者や減額幅の更なる拡充を引き続き検討することというふうにされてございます。 それから、令和四年四月の衆議院厚生労働委員会におきまして、当時の後藤厚生労働大臣から、国は保険料減免について、未就学児の均等割軽減は、公費を投入して公平性を確保した上で全国一律の形で実施しておりますが、市町村があらかじめ子育て世帯といった画一的な基準により独自に行うことは好ましくないとの発言がございました。昨年の十一月には、特別区長会として、武見厚生労働大臣に直接お会いをして、国民健康保険制度の見直しに関する提言の中で、次元の異なる少子化対策の中、子育て世帯の経済的負担を更に軽減すべく、保険料軽減対象の拡大と公費による軽減割合の拡大を要望いたしたところでございます。 このようなことから、対象者や減額幅の更なる拡充については、引き続き国において検討するものというふうに認識しており、区が独自で実施するものではないというふうに考えてございます。 以上でございます。

太田彩花議員。

ご答弁ありがとうございました。 図書館に関してです。様々な地域で図書館が欲しいという声が上がっていると答弁がありましたけれども、今の質問で出しているのは、船堀駅周辺についてです。船堀駅周辺が図書館の空白地域であること、ちょっとこれについての認識、もう一度区長にお尋ねしたいと思います。 それから、図書館サテライトを含めという答弁でしたけれども、サテライトを実際に利用した方からは、二回ほど利用したけれども、不便だし使わないだろうと、これは図書館とは言えないと、不満の声が上がっていました。これは図書館基本計画の意見募集の中にも、こういう声は寄せられています。私も船堀小学校の図書館サテライト、見学に行ったのですけれども、やはり開館日と時間に限りがあること、入場のしにくさなどからして、これは区民の要望に応えようとすると、やはり限界が来てしまうというふうに認識をしました。船堀駅をということで署名が七千五百筆以上集まっているということも重く受け止めるべきです。 区長は、昨日の代表質問に対する答弁の中で、図書館は知る権利を保障する最後の砦と述べていました。やはり、その権利を守る立場に立つのでしたら、サテライトでおしまいにするのではなく、図書館法に基づいた図書館、その声に応えて設置するべきです。これについても、再度お尋ねいたします。 そして、文化・芸術に関してです。アクションプランの中で、学校を活動の拠点とするということで、確かに学校でしたら、誰もが知る場所にあって通いやすいという面もあるかもしれませんけれども、学校現場の方とも協議をした上で、また考えていただけたらなというふうに思います。 それから、音楽室に関しても、区民のニーズを把握してということで、これからも文化・芸術施策に対して、区民の声、系統的にアンケートなどでニーズを把握してほしいと、そういうやり方を進めてほしいと考えますが、これについてどうお考えか、お尋ねいたします。 それから、国保料に関してです。やはり国保の負担割合の減額ですとかは、国がやることだということでした。大変残念に思います。 例えば、立川市の国保運営協議会といいますと、一月十七日に来年度の国保料について、値上げせずに据え置くことを答申していました。この答申に基づく条例が可決すると、五年連続の据え置きとなります。それから、子どもの均等割についても、国が二〇二二年度から未就学児の均等割、これを二分の一に軽減していることに対して、市として来年度から、その残りの二分の一を独自に軽減をして負担をゼロにするという答申もしていました。 こうした値段の据え置き、それから子どもの国保料均等割軽減、これはこのほかの自治体の取組みに対しても認識をお尋ねします。

斉藤区長。
まず、最初の船堀駅の周辺の図書館の新設についてなのですけれども、先程お答えしたつもりなのですけど、もう一回読みます。 また、船堀駅前のまちづくりに併せて図書館を新設してほしいという署名が集まっていることも把握していますという、これでお答えにさせていただければというふうに思っています。 それと、あとサテライトと地域図書館とのお話がありましたけれども、そこについては、これは昨日もお話ししたとおり、例えば、やはり地域の図書館というのは、調べ物をしたりとか、例えば本との出会いというのはありますけれども、そういったところは地域の図書館で。そして、本の返却とか、そういった部分はサテライトでやるとか、自分なりの使い方をしていただきたいと、そういう意味でございます。 音楽室につきましては、これは部長からお答えをいたします。 そして、国民健康保険のお話がありましたけれども、ある自治体で、据え置きをした自治体もあるというお話でしたけれども、もし私どもがそれをやりますと、二十四億円の経費がかかってきます。これは子どもの給食費と同じでございまして、太田議員さんとしては、これをどっちに優先されるのかというのをぜひ教えていただけないかなというふうに思っております。 以上です。

文化共育部長。
音楽室の利用につきまして、皆さんのご意見をというお話でございますけども、現在もこういった諸室、音楽をはじめ、文化団体ですとか音楽協議会の皆様を通じてご意見を伺っているところでございますし、その中には、個人の方の意見も含まれているというふうに思ってございます。 引き続き、その団体のご意見を伺いながら、文化・芸術活動の充実を図っていきたいというふうに思ってございます。 以上です。

太田彩花議員。

再びのご答弁ありがとうございます。 図書館に関しても、それから音楽室に関しても、やはりこれからの公共施設については、施設の再編整備ありきではなくて、あくまで区民の声に基づいて、それに沿うあり方を計画すべきという意見を申し上げます。 それから、国保の据え置きと子どもの国保料軽減、二十四億円必要ということは承知をしております。子どもの均等割軽減、それから据え置き、合わせると二十五億七千二百万円、これは今年度の予算の三千億、その約〇・八%です。ぜひやっていただきたいと思います。 以上です。

この際、議事の都合により、あらかじめ会議時間を延長します。 次に、十一番、きもと麻由議員。 〔十一番 きもと麻由議員登壇〕

元旦の能登半島地震に始まり、二〇二四年は、私たち江戸川区民にとっても大変考えさせられる幕開けとなりました。 年々激甚化する自然災害への恐怖、世界では終わらない戦争が繰り広げられ、長引く感染症への恐怖、回復しない経済状況、政治不信。「未来に対して希望が持てない」という世の中の風潮ではありますが、先日、ロイター通信でとても素敵なニュースを読みました。 そのニュースのタイトルは「十代のニュートン、ガザのテントを照らす電気装置を発明する」というもので、避難生活を送る十五歳のパレスチナ人の青年が、停電時に避難所を照らすための風力発電装置を開発し、難民キャンプの人たちのテント生活に貢献しているというものでした。 この青年は、ガザの戦闘地域で私たちが想像できないような恐怖の日々を送りながらも、インタビューでこのように答えていました。 「私は科学者になって、ガザ地区だけではなく、全世界のために発明するという夢を実現したいです。ガザの状況が改善される未来が楽しみです。」 私はこの記事を読んだときに、どのような状況下にあっても、人間は夢や希望を持つことがとても大切なのだと、改めて思いました。 話は江戸川区に戻りますが、最近区内の方たちからよく聞くのが「今の子どもたちは夢がない」というお話です。一方で、大人の方たちからよく聞くのは「どうせこのまま変わらない」という言葉です。 私はこういった話を聞くたびに、これでは人生百年を江戸川区で生きていくのはとても辛いのではないかと思い、意見聴取やリサーチを重ねました。 その結果を踏まえて、今回は「誰もが希望を持てる江戸川区へ」というテーマで二点質問させていただきます。 一つ目の質問は「共育プラザを拠点にした高校生デザインプロジェクトの開催」についてです。 成人年齢が十八歳に引き下げられ、身近な問題から将来の夢まで、早い段階から考え、決断し、社会人になる前に失敗も成功も含め、様々なことを体験していく必要があります。しかし、今の受験勉強中心の学校生活だけでは、間違えたり失敗したときにどのように対処し、周りの人たちに理解を得ていくのか、そういった人生において大切な経験が少ないまま社会に出ることになります。将来の夢が科学者でも、スポーツ選手でも、デザイナーでも、サラリーマンでも「自分の人生は自分で作っていく」そういうマインドを育てていくために「デザイン思考」を早い段階から取り入れ、実践していくことが必要です。 「デザイン思考」とは「課題当事者への共感で問題の原点に迫り、仮説を立て、アイデアを考える」ということですが、この「デザイン思考」によって問題に向き合い、解決することは、とても重要な体験になります。 私は江戸川区の若者に、もっともっとクリエイティブに発想し、それらを実現することで、自由に生きていく術を身につけてもらいたいと思います。 ところで江戸川区では「区民参加による政策プレゼン」や、小学生による「子ども議会」「中学生議会」があり、区民の意見を聞き、区政に反映させるという取組みが行われています。自分たちの声が区政に届くというのは、本人たちにとっても励みになることだと思います。 そこで私は、江戸川区の若者に「デザイン思考による問題解決」を体験してもらうために、若者の視点で施策の発信をしてもらう場を共育プラザに作ってみてはと考えます。 共育プラザ条例の中には「中学及び高校生世代の者の活動を支援し、中高生の自立及び地域社会への参画を促進すること」とあります。まさに高校生自らが企画し、大人や地域を巻き込みながら地域活動を実践することで、若者に進んで行政参加をしてもらえるのではないでしょうか。 例えば「若者の選挙の投票率向上」や「空き家の活用法」など、区としても悩ましい課題を若者の視点で考えてもらうことで、ユニークな解決策が発案されるのではないかと期待されます。 全国の自治体から例を挙げますと、兵庫県加古川市の「放課後プロフェッショナル」や静岡県静岡市の「高校生まちづくりスクール」など、既に成功例は多数ありますし、この中には高校生が発案した施策が国の「地方創生政策アイデアコンテスト」や東京大学主催の「チャレンジ!オープンガバナンス」で入賞し、実際の政策へと繋がった例もあります。 江戸川区においては「SDGsフェス」や「二十歳を祝う会」など若い世代が主役のイベントについて、新しい発想とロジカルな思考で「今までになかった江戸川区」をデザインしてほしいと思います。共育プラザを拠点にした高校生デザインプロジェクトの開催について、区長のご所見をお願いします。 次に「江戸川区で学び、江戸川区で働く」ことを充実させるための江戸川総合人生大学の活用についてです。 江戸川総合人生大学は、あらゆる世代の江戸川区民のために「江戸川まちづくり学科」「国際コミュニティ学科」「子育てささえあい学科」「介護・健康学科」を設けて「共育」「協働」の社会づくり「地域文化」の創造と継承といった、地元をもっとよくするための学びの場を提供しています。ここでは様々な活動を通じて地域の人たちと繋がることができ、若い人から高齢者まで、新しい地域コミュニティ創造のための大切な場所になっていると認識しています。 私も人生大学へ通っておりましたが、一緒に学んでいた女性たちが「私たちにはもう仕事らしい仕事なんてない」そのように話していたことがとても印象的でした。ですが、人生大学は講師陣も素晴らしく、カリキュラムもかなり充実しているので、学びを生かして新しい仕事に挑戦することも可能だと思いました。 また、子育てや介護、外国の方たちとの共生など、どのフィールドでも一番の問題は人手不足ですが「地域社会のニーズ」と「人生大学で学んだ方々」をマッチングすることで、雇用創出のプラットフォームとしても、もっと活用していくべきと考えます。人生百年時代に向けて「何歳になっても新しいことに挑戦できる江戸川区」を作っていくために、三つ質問をさせていただきます。 一つ目の質問は「現役世代の社会人も参加しやすいカリキュラムの提供について」です。 三十代から四十代の働き世代の方からよくいただくのが「江戸川総合人生大学に興味があるが、カリキュラムがきつ過ぎて通えない」というご意見です。人生大学は二年制で、一年次は週三回程度、しかも授業はほとんど平日の昼間なので、働き世代の社会人が通うことができません。 例えば、千代田区の「ちよだ生涯学習カレッジ」は一年制で、授業は月に二回、主に平日夜間に開催して、幅広い年代の参加を目指しています。 これからの地域コミュニティ活動には、現役を引退したシニア世代だけではなく、働く世代の参加も不可欠です。現役世代の社会人も参加しやすいカリキュラムを検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。 また、リアルタイムのオンライン授業以外でも授業を受けやすくするための工夫や、生徒に配布している「タブレットの活用」については、今後どのようにお考えでしょうか。 二つ目の質問は「人生大学の学びを仕事に繋げる取組みについて」です。 江戸川総合人生大学に通っていたシニア女性から、このような意見を受けました。 「人生大学に通っていても、働くことには繋がらない。」 人生百年時代と言われ、生涯にわたる学習とボランティアなどの社会活動だけではなく、就労意識が高いシニアの方々に対して「雇用の促進」も求められています。現状の学科に加えて、大学や専門学校と連携して、語学やITなどの資格の取得を目指したり、専門的なカリキュラムを提供して、それを仕事のきっかけに繋げる取組みはできないでしょうか。 三つ目の質問は「仕事のマッチングについて」です。 人生大学修了後にボランティア活動をしている方は多いですが、そこから更に進めて「働くこと」に繋げていく取組みも検討していただきたいと思います。 例えば「保育ママ」は資格がなくてもできるので「子育てささえあい学科」で学んだ方にチャレンジしてもらうことが可能ですが、数多くある区の子育て施策から「学びを生かした働き先」を探し出すのは大変困難です。 そこで、当区の「介護の担い手研修」のように、研修修了者に対して、区内の介護事業者との相談会を開き、仕事のマッチングを行うという取組みを参考に、人生大学でも卒業生に対して、江戸川区で「学びを生かした働き先」を紹介する場を設けられないでしょうか。 以上で、一回目の質問を終わります。

斉藤区長。 〔斉藤 猛区長登壇〕
きもと議員の質問にお答えしてまいります。 はじめに、共育プラザを拠点とした高校生デザインプロジェクトの開催について、お答えいたします。 区内には七つの共育プラザがあります。中高生が好きな時間に来て自由に過ごせる場所、やりたいことがかない、地域と繋がり社会性を高める場所、学校でも家庭でもない第三の居場所として、多くの中高生でにぎわっております。 ご質問の中でもおっしゃっていたとおり、共育プラザ条例三条で明確に、中学生及び高校世代の者の活動を支援し、中高生の自立及び地域社会への参画を促進することとうたっております。 各共育プラザには、中学生、高校生の自主的な企画発案による音楽イベントやスポーツ大会が実施されています。また、なごみの家の熟年者とダーツやeスポーツによる交流によって、積極的な地域や世代間との交流も行っております。 共育プラザで高校生デザインプロジェクトの開催をというご質問でございますが、昨年の夏に実施をいたしました、区民と区職員による政策提案プレゼンテーションの中では、応募いただいたのが区民二十五グループ、七十六人の参加のうち、高校生は二グループ、七人の参加がございました。高校生たちによる若さあふれるフレッシュな発想は、区としても歓迎すべきことであり、デザインプロジェクトによって共育プラザにおける高校生の活動の幅も広がるのではないかと思っております。共育プラザの理念である中高生の自主性も尊重しながら、今後の事業展開の参考とさせていただきます。 人生大学のご質問の、社会人も気軽に参加できるカリキュラムについては、部長からお答えします。 その次の、仕事に繋げる取組みについて、私のほうからお答えをいたします。 答弁に当たりまして、北野大学長が江戸川総合人生大学の十周年の記念のときに記念誌に書かれていた言葉を引用させていただきます。 「大学を設立する場合、最も大切なことは建学の精神です。江戸川区には、共育・協働の社会づくりの考え方があります。これは区民が地域の問題を発見・認識し、その解決に向け、互いに知恵を出し合い、社会貢献へと繋げられる学びのシステムを作ることです。したがって、本学の目的は、学びのための学びではなく、大学で学んだ知識、経験を広く地域社会で生かし、人様のお役に立つことです。このほかにも、資格取得のための大学ではないことにもこだわりました。もちろん、学生が種々の資格を取得し、ボランティア活動などに生かすのは大変結構なことですが、本学の目的は、資格を取ることではなく、学んだことをいかに社会に出て活かすかにあるわけです。」 そのように記されております。 総合人生大学は、共育・協働の社会づくり、ボランティア立区の推進、地域文化の創造と継承という三つの柱を基本理念としております。仕事に繋げる取組みも大切でございますが、それぞれの学生が本学の建学の精神を理解していただき、物の豊かさから心の豊かさを求めた有意義な人生に向け一歩踏み出せるように、この基本理念に基づいたカリキュラムを提供していきたいと思っております。 仕事のマッチングについては、部長からお答えをいたします。 以上です。

文化共育部長。
私からは、総合人生大学の質問二つについて、お答えします。 一つ目の、現役世代の社会人も気軽に参加できるカリキュラムの提供についてでございます。 江戸川総合人生大学では、現在、一年次には概ね週二回、二年次は週一回の講義と社会活動体験を行っております。昨今、働きながら受講する学生が増えてきたことを受けまして、今年度より、一年次の授業数と二年次の社会活動体験の時間数を減らしており、より参加しやすいカリキュラムといたしました。また、一部には土曜日に授業を実施するなど、受講しやすい仕組みを工夫しております。 一方で、学生以外の方が気軽に参加する仕組みとして、授業見学や聴講生、公開講座などを行っております。学生以外の方にも広く、より多くの方が受講できるよう、今後も努めてまいりたいと思います。 授業のオンライン配信につきましては、現在、自宅等からの受講を希望する場合には、ウェブ会議システムを利用して授業に参加いただいております。これはリアルタイムでの参加となりますが、授業を録画して配信することは、著作権に抵触するおそれがあることから、実施については、現状では困難でございます。 タブレットの活用例といたしましては、レポートの提出や学生間での資料の共有に活用しております。また、大学祭では、タブレットで動画や中継映像を映した展示も行われました。学生のスキルに応じて、利便性の高い方法を選択できるよう改良しております。 最後の、仕事のマッチングについて、お答えをいたします。 総合人生大学の授業では、一流の講師陣の講義を受けることができ、中には企画力、組織力強化のための講義やソーシャルビジネスの立ち上げ・運営、民主的な会議の進め方といったような仕事にも役立つ講義も行われております。受講により、新たな知識や分野の開拓がされ、それが動機付けとなり次のステップに進んでいただくなど、足がかりとなっている方もいらっしゃいます。 卒業生に限らず、就労につきましては、そもそもハローワークなど公共の紹介機関もあります。また、お話のありました介護の担い手セミナーにおける相談会なども行われているところでございます。それらをご活用いただくことで、幅のある選択肢に繋がることと思ってございます。 総合人生大学で働き先の紹介を行うことは考えてはおりませんけども、卒業生が生きがいを持って、あらゆる場面で活躍していただけるよう、今後も寄り添ってまいりたいと思います。 以上でございます。

きもと麻由議員。

ご答弁ありがとうございます。 高校生デザインプロジェクトに関してですが。すみません、これ、意見として申し上げさせていただくのですけれども。日本って、デザイン思考とかデザインシンキングって大人になってから学ぶことがすごく多いと思うのですが、なるべく早いうちから知る機会があって、問題解決やコミュニケーションとか、そういった生きる知恵としていろいろなことに応用できるスキルですので、ぜひ取り入れていただきたいと思います。特に、これからの若い人たちは、常に新たな変化に柔軟に対応していく能力が必要だと思います。共育プラザでこういったことを、ちょっと遊び感覚で楽しみながら、そして、いろいろな社会実験的なことも出てくると思いますが、いずれそういったことを蓄積していって、例えばSTEAM教育みたいな、ちょっと先進的なものにも繋げていけたりすると、すごく面白い江戸川区になるのではないかなと思いました。 人生大学に関しましてですが、今回取り上げさせていただいた理由の一つとして、特定の年代の方たちに生徒さんがすごく偏っているということで、もっと幅広い世代の方たちに参加できるような人生大学にしていただきたいという意図で質問させていただきました。これも意見なのですけれども、資格取得が目的ではないとか、そういったことも存じ上げているのですけれども、少しずつでも今の時代の課題に合った形にアップデートしていくという方向で、これからも進めていただければと思います。 以上です。

次に、十三番、本西光枝議員。 〔十三番 本西光枝議員登壇〕

通告に基づき質問してまいります。 まず、今年一月三十日に法制審議会でまとめられた、離婚後も父母双方の親権を認める「共同親権を選べるようにする民法改正の要綱案」に関連して伺います。 この改正案の報道により、DV被害を受けている方が子連れ別居することを萎縮し、逃げ遅れることが生じています。「子育ては両親二人で行うもの。一方が子どもを連れていくことは、親子の絆を断絶させる誘拐だ」と言われるからです。 DVを受けている方は、離婚後、共同親権から原則除外するとはしていますが、実際には、現状を把握できないままに家庭裁判所が、性虐待があるにもかかわらず、面会交流を進めるために「手紙やメールなどの間接交流から始める」など問題が多く、私たちは反対の立場を取っています。 家庭裁判所の調停で、別居中の親と子どもの面会交流が認められたケースは、二〇二〇年には八九・六%です。子どもがおおよそ中学生になるまでは「会いたくない」という気持ちは尊重されず、子どもが嫌がっても、一度決まった約束は簡単には覆すことはできません。面会交流は子どものためになるという考え方が、DVや虐待、子どもの拒否を軽んじたのです。 現場の支援を行う弁護士は「そもそも問題は、離婚後の父母と子の関わりをどう考えるかであって、共同親権か単独親権かということではない。社会に誤解が生じている」といいます。共同親権は、その言葉のイメージに反して、何事に関しても双方の親二人そろわないと決定できず、別居している親に拒否権を与える制度でもあることに留意が必要です。 諸外国では、共同親権が一般的であると言われていますが、イギリス司法省は、二〇二〇年六月、離婚後、共同親権とすることは、DVや虐待が軽視され、家裁が子どもと同居する親に及ぶ危害を識別し対応できないということが警告されています。 今回の要綱案が強引に進められれば、DVや虐待の被害者の保護や、個人の尊厳をないがしろにされることに繋がりかねません。 そこでお聞きします。 面会交流や、今回の民法改正においての原則共同親権では、DV被害者や子どもが不利益をこうむることを指摘されていますが、江戸川区としては認識されているのでしょうか。 また、面会交流では、子どもの会いたくないという気持ちの声はかき消されています。子どもの権利条約十二条では「意見は、子どもの発達具合に応じて十分に考慮されなければならない」とあり、第二項では「子どもが自己に影響を与えるいかなる司法的・行政的手続においても、意見を聞かれる権利を認めなければならない」と規定しています。このたびの本区の新年度予算には、意見表明等の支援が盛り込まれています。 子どもの権利条例を持つ本区においては、子どもを権利の主体と捉え、信頼できる大人との繋がりを増やし、子どもの意見を聞くために、どの年齢層においても安心して話をする場を作っていくことが大事だと考えます。 子どもの意見を聞くことについて、どのようにその環境を整えていくのでしょうか、伺います。 離婚の相談やDV相談などは、基礎自治体で行われています。面会交流や養育費の取り決めは、現行法のままでもできることを知らされないままに、共同親権という言葉だけが独り歩きしている今の状況を知ることも必要なのではないかと思います。 また、行政が受ける相談の中では、本人がそれをDVだと気がついていないこともあると伺いました。アンコンシャスバイアスがまだ残る日本においては根深い問題であり、人権に対する啓発を更に進めていくことが必要です。 DV加害者がジェンダー平等の視点を学ぶ機会を得、DVをなくしていくことと、被害者も人権について知り、自らの自信を取り戻していける支援をどのように行っていくのか伺います。 次に、子宮頸がんワクチンについて伺います。 子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスによる性感染症により発症することから、HPVワクチンとも呼ばれています。副反応被害の報告が相次いだことを受け、厚労省は二〇一三年四月から始めた定期接種化を六月には安全性に課題があるとして、積極的勧奨が中止となりました。二〇一六年四月には、ワクチン被害者の女性たちが、国と製薬会社に対して裁判を起こし、二〇二三年十一月現在、百十七名で継続しています。全身に及ぶ多様な症状が一人の患者に重層的に現れるという特徴があり、その治療法は確立しておらず、現在も副反応被害に苦しんでいます。しかし、二〇二二年四月に再開された積極的勧奨では、中止されていた期間に受けそびれた人たちに機会を提供するキャッチアップ接種も行われています。 多くの被害を出したワクチンが、改善もなく積極的勧奨が再開されたことには危機感を持っています。この認識は、厚労省のワクチンの副反応検討部会でも同様に議論されており、重い副反応被害が出た場合に相談できる協力医療機関を全国に約九十か所も設置し、患者に対応することとされました。 これまでの二価のサーバリックス、四価のガーダシルに加え、二〇二三年四月からは、新たに九価のシルガード9が定期接種として追加されました。 もともと子宮頸がんワクチンは、そのほかの定期接種の平均と比べて重篤とされる副反応報告が八・五倍にも上るもので、極めて副反応の頻度が高いワクチンです。積極的勧奨が行われるワクチンであっても、副反応があることを理解した上で接種する環境を整えていくことが大事だと考えます。 そこで、質問いたします。 HPVワクチンの接種の再開に当たり、厚労省は、学校での相談体制も整えてから行うようにという通知を出していました。この通知を受けて、シルガード9も含めた、養護教諭への情報提供など、どのような対応が取られているのか伺います。 次に、男子への接種について伺います。 効果効能について、肛門がんと尖圭コンジローマについて追加されました。肛門がんは、全ての悪性腫瘍の中で一%程度とされ、二〇一九年全国がん登録罹患者数の報告では、男性十万人当たり約一人です。尖圭コンジローマは、生殖器とその周辺に発症するイボですが、自然治癒が多い良性の病変であり、治療法もあります。 極めてまれな肛門がんと尖圭コンジローマの予防のために、深刻な副反応が報告されているHPVワクチンを接種することは、リスクとベネフィットのバランスを著しく欠いていると考えます。 また、男子へのHPVワクチン接種を推奨する理由として、性交によって女性がHPVに感染することを防ぎ、間接的に女性の子宮頸がんを防ぐことも挙げられています。しかし、女子の子宮頸がんを減少させることを示す実証データやエビデンスなどはないと指摘されています。男子に認可されたHPVワクチンは、従来型の四価のガーダシルで、現在ほとんどの女子が接種しているのは、新しいタイプのシルガード9です。そもそも性感染症の視点で言うなら、子宮頸がんワクチン接種は、当初から男性、女性問わず積極的勧奨がなされたのではないでしょうか。 そこで伺います。 HPVワクチンを男子に接種することのリスクについてのご見解と、男子への接種により女子の子宮頸がんを防ぐというなら、なぜ男子、女子問わず積極的勧奨がなされなかったのか、ご所見を伺います。 最後に、ともに生きるまちをつくるためのインクルーシブ教育について伺います。 日本は、二〇一四年に障害者権利条約を批准しています。国連の権利委員会による初めての審査が行われ、二〇二二年九月に出された総括所見の改善勧告の中で、緊急課題とされたのが、自立生活と地域社会へのインクルージョンとインクルーシブ教育です。 日本の障害児教育は、様々な変遷を経て、特別支援教育を実施し、独自のインクルーシブ教育を構築してきました。 しかし、国連の権利委員会は、特別支援教育の解体を言い渡し、分離を前提として成り立っている社会や学校を捉え直すことを求めています。交流や共同学習を行ったとしても、分離教育は分離された社会に繋がるからです。障害の有無で分離した特別支援教育は、障害者がインクルーシブな社会で暮らしていく道のりを否定し、施設で暮らすことに繋がります。真のインクルーシブ教育なくして、障害のある人の自立生活はあり得ません。 本区では、二〇二一年に「ともに生きるまちを目指す条例」を、二〇二三年十月には「障害のある人が自分らしく暮らせるまち条例」を制定し、一人ひとりを尊重し、誰もが安心して暮らせるまちをめざしています。 そこで、国連の権利委員会が最も重視した十九条「自立した生活及び地域生活への包容」と二十四条「教育」への勧告に対する区長並びに教育長のご所見をお聞かせください。 二〇二二年、私が地域の方とともに行った上映会「みんなの学校」は「不登校も特別支援学級もなく同じ教室で一緒に学ぶ、公立小学校のみんなが笑顔になる挑戦」を描いたドキュメンタリー映画です。大阪市の公立小学校が舞台です。現在も繰り返し、日本各地で自主上映会が行われています。 東京都国立市教育委員会は「フルインクルーシブ教育」の実現を目指し、二〇二三年五月に東京大学大学院教育学研究科と連携協力協定を締結しました。 国立市では、自閉症・情緒障害特別支援学級を設置し、通常学級との交流や共同学習を行っていますが、分かれて学習することも増えているとのことでしたので、国連が勧告するインクルーシブ教育への実現に向けて、どのように取り組むのか注目をしていました。 二〇二四年度は「これまで秋に送付していた就学通知書を六月下旬に全ての家庭に、学区の小中学校を通知する。特別支援学校を希望する場合は、決定次第、再発行する」ことにしたそうです。 これまでは、障害のない子どものいる家庭には、十月から十一月に就学通知を送付し、障害があり、特別支援学校などへの入学を検討している家庭への送付は、その後でした。保護者が通常学級を希望した場合は、更に遅れ、支援などに関する話合いが入学直前の三月になってようやく行われていたとのことです。それを改め、六月下旬という早い時期に就学通知を送ることは、障害のあるなしにかかわらず、地域に暮らす子どもが、その地域の学校に通えることを教育委員会が示すことになります。 そこで、本区においても、障害のあるなしにかかわらず、地域の学校へ通えるメッセージとも言える就学通知を、就学時健診前の早いうちに送付することに取り組んではどうかと考えますが、ご見解を伺います。 本区の小・中学校の通常学級に在籍している支援を要する児童・生徒に対し、現在は学校生活介助等を行う障害児介助員が配置されていますが、学習活動上のサポートを行うなど、それぞれの困難さに応じた適切な教育を実施する上で、学校としての適切な対応が一層重要になると考えます。 そこで、通常学級に在籍する児童・生徒のより良い学びのための介助員の役割について、どのようにお考えか、伺います。また学校という場で、障害のある子どもやその家族、受け入れる学校や障害のない子どもたちも安心できるよう特性に応じた環境調整や関わり方、集団への働きかけなど専門的支援を行う学校作業療法という取組みが進められている自治体もあります。その一つとして、保育所等訪問支援という保護者の希望により実施される児童福祉法のサービスを用いた方法があります。その名称から、保育所への訪問を連想しますが、幼稚園、認定こども園、学校、放課後子どもが過ごす場所など、集団生活を営む施設に作業療法士などの専門家が訪問できます。 本区での、小・中学校においての保育所等訪問支援の受け入れ状況をお聞きするとともに、利用をしやすくするために学校での受け入れ態勢を作ることについてのお考えを伺います。 以上で私の第一回目の質問を終わります。

区長。 〔斉藤 猛区長登壇〕
本西議員のご質問にお答えしてまいります。 はじめに、面会交流及び共同親権のリスクについてというご質問でございます。 面会交流や民法改正における原則共同親権では、DV被害者や子どもが不利益を被ることを指摘されておりますが、そういったご質問ということで捉えております。それを認識しているかどうかというご質問ということでございますけれども、今回の民法改正につきましては、法務大臣の諮問機関である法制審議会の家族法制部会において要綱案が示された段階であり、今後、国会において審議されるものと聞いております。要綱案の検討時には、議員がお話しされたような面会交流の課題や共同親権が導入された際のリスクなど、様々な議論がされていることを認識しております。今後も国の動向を注視するとともに、区においては引き続き、両親の離婚後も子どもの利益が尊重され、健やかに成長することができるように適切に支援に取り組んでまいります。 続きまして、子どもの意見を聞くことと、DVにつきましては担当部長からお答えをいたします。子宮頸がんの学校における体制については教育長から。 次のご質問が、男性へのHPVワクチン接種についてでございます。 男性への接種リスクにつきましては、女性の副反応と同様に接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起こることがあると認識をしております。男性への接種は男性自身のHPV感染を予防するだけではなく、男性自身が感染源にならないことにより女性への感染予防と子宮頸がんが予防できるなど大きな効果があると認識をしております。 また、男性に積極的勧奨が行われていないのは、現時点で定期接種化がされていないためです。区としては、引き続き女性への啓発の取組みを行うとともに、今後の都の動向を注視した上で、男性HPVワクチン接種の費用助成について検討してまいります。 続きまして、インクルーシブ教育についてのご質問でございます。 江戸川区では、共生社会の実現のために、全ての人々が他人を自分と同じように大切にする気持ちを持つことが大切であると考えています。今後も、教育だけではなく文化・スポーツ、福祉や産業、健康など様々な角度から共生社会の実現に向けて取り組んでいく必要があります。 江戸川区がめざす共生社会、つまりインクルーシブな社会を築いていくために、今の子どもたちがその実現に向けた教育を積み重ねていくことはとても大切なことだと思っております。しかしながら、障害の有無にかかわらず全ての子どもたちが等しく教育を受けられるようにしていくインクルーシブ教育の推進に向けては、国の考え方をはじめ様々な課題があるのも事実でございます。インクルーシブの理念と現状のギャップをどう埋めていくのかが今後の進むべき道だと考えております。 以降は教育に関する質問でございますので、教育長からお答えをいたします。 以上です。

蓮沼教育長。
まずはじめに、子宮頸がんワクチンについての学校での相談体制についてお答えいたします。 令和五年九月八日に文部科学省より事務通知がございました。厚生労働省からの啓発活動への協力依頼であり、教職員がHPVワクチンに関する正しい知識や情報を得ることができるよう、必要に応じて教職員に対し情報提供資材の配布や講習会の周知など啓発活動に協力いただきたいという内容となっております。 公費で受けられるHPVワクチンの接種により、感染予防効果を示す抗体は少なくとも十二年維持される可能性があることがこれまでの研究で分かっています。一方で、ワクチン接種後には、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起こることがあります。まれですが重い症状が起こることもございます。このように子宮頸がんワクチンにはメリットとデメリットがありますので、児童・生徒及び保護者からの相談には、概要が記載されているパンフレット等を配布し、養護教諭など教職員、かかりつけ医等へご相談を促してまいります。 次に、インクルーシブ教育における取組み、私の考えも含めてお話しさせていただきます。 まずはじめに、国連のこの勧告に関してですけれども、私は日本の今の特別支援教育が決して分離教育だとは思っておりません。やはり個別の学び、それから共同的な学びを大事にした、今の時点では寄り添ったそうした教育になっているのかまだまだ課題がございます。ヨーロッパのようなやはり国民的なそういった考えの広まり、そういったものも背景にございますし、日本での今までの教育の良さ、そういったものもございますので、今のそういったインクルーシブ教育を大事にしていきながら、特別支援教育を否定するということには考えておりません。 具体的な取組み等をお答えいたします。 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックにより、各学校において障害者理解に向けた取組みが進みました。現在も学校二〇二〇レガシーとして障害者理解を進めている学校もあり、卒業生でもあるパラリンピック水泳選手を招いた水泳学習、日本代表強化指定選手を招いた車椅子バスケットボール体験などが行われています。総合的な学習の時間においては、聾者協会から講師を招き、バリアフリーやユニバーサルデザインなど全ての人たちが暮らしやすいまちについてみんなで考える学習を行っている学校もあります。 また、区内にある都立特別支援学校の児童・生徒との副籍制度による区内小・中学校児童・生徒との交流及び特別支援学級の子どもたちと通常学級の子どもたちの交流及び共同学習が進んでいます。運動会や音楽会、遠足などの行事だけでの交流だけでなく、教科によっては共に授業を行っています。更に、交流及び共同学習の推進に向けて、令和三年度から一年に一、二校程度、教育課題実践推進校における実践研究を行ってきました。交流及び共同学習の具体的な方法や通常の学級での多様な学びに対応できるような指導方法の研究を実施し、他校に広めることができました。障害の有無にかかわらず、経験を深め、社会性を養い、豊かな人間性を育むとともに、お互いを尊重し合い、大切さを学ぶ機会となる交流及び共同学習等につきましてはこれからも取組みを推進していきます。 次に、就学通知についてお答えいたします。 本区では、学校・地域の活性化等の観点から学校選択制を導入しています。小学校対象者には七月、中学校対象者には九月に就学指定校を記載した調査票を配付しています。本区では、この就学通知は、一部を除き、就学相談を経た児童・生徒を含め一月中旬に送付しています。希望調査票は、障害のあるなしにかかわらず通常学級の指定校を記載して配付しております。その後いろいろ相談していただいたり、進路を考えることも含めて一定の期間を設けております。また、他市区町村の動向につきましては今後とも注視してまいりますが、現時点では今後も一月での通知発送を予定しているところでございます。 次に、介助員についてお答えいたします。 介助員の職務の一つに授業を受ける場合の生活介助が含まれており、学校生活において大きな役割となっています。東京都の令和六年度新規予算事業において、インクルーシブ教育支援員配置補助事業について示されました。内容は、特別に支援を要する児童・生徒に適切な教育の場の判定及び助言を行う就学支援委員会において、特別支援学校が適当と判定された児童・生徒が総合的な判断により公立小・中学校へ就学した場合に、日常生活上の介助や学習支援を行う支援員を配置している区市町村に対する補助事業です。詳細につきましては、現在、東京都において検討を進めているところであり、三月末頃に実施要綱が示される予定です。本区におきましては、東京都の実施要綱に基づき配置について研究してまいります。 最後に、保育所等訪問支援についてお答えいたします。 本区には、学校生活において集団生活への適応に課題がある児童・生徒及びその保護者、担任等教員が相談したり支援を受けたりする仕組みがあります。例えば、スクールカウンセラーは心理についての専門性を持ち、学校生活において児童・生徒が抱える様々な課題について解決のための助言や指導などを行っています。また、スクールソーシャルワーカーは社会福祉などの専門性を持ち、児童・生徒が置かれている環境に働きかけることで問題の解決に向けて支援を行っています。更には、医師や心理士、特別支援学校の先生などによる専門家チーム派遣を行い、児童・生徒の学校生活における困り感について学校への助言も行っています。 保育所等訪問支援については、保護者からの依頼があれば学校として実施することは可能です。たくさんの専門家が児童・生徒に関わり、より良い教育環境を構築できるよう、各支援機関との連携の在り方について今後も研究してまいります。 以上でございます。

子ども家庭部長。
民法改正に関連しまして、自治体にできることについて二点お答えしてまいります。 まず、子どもの意見を聞くことについてお答えいたします。 全ての子どもは生まれたときから権利の主体として様々な権利を持っており、その一つとして意見表明権、これがございます。これは、全ての子どもが自由に自分の意見を表することができ、その意見は年齢や発達の程度に応じて十分に考慮されなければいけないというものでございます。江戸川区子どもの権利条例では、この意見表明権を特に大切にしていく権利の一つとして位置付けておりまして、この考え方は、児童の権利に関する条約、それから国のこども基本法とも一致するものでございます。 子どもの意見を聞くためには、まずこの子どもに権利があることを理解する、そこが大事だと思います。そして、子どもの周りの大人がしっかりと子どもの意見を受け止め、子どもが自由に意見を表明しやすい環境にあることが重要だと考えております。区では、様々な相談先で子どもの意見を受け止めていくとともに、社会全体で子どもの意見を大切にするという考えが共有され理解されるように、引き続き周知・啓発に努めてまいりたいと思っております。 次に、DV防止とDV被害者支援についてお答えいたします。 DVを防止するためには、いかなる場合においても暴力は最大の人権侵害、そういった考えや認識を高める教育や周知・啓発活動が重要だと考えております。区では毎年、DVやモラルハラスメント、ジェンダーについての講演会や、児童への啓発活動といたしまして区立中学校におけるデートDV予防出張講座、これを実施しております。更に、区ホームページやSNSでのDV予防動画の公開、それから人権・男女共同参画情報誌「カラフル」、こちらの発行ですとか、区内施設各所にDV相談カードの設置など、啓発活動を行っているところでございます。 DV被害者の支援では、専門のDV相談室を設置し継続的かつ丁寧な相談に応じ、メンタルケアが必要な場合には保健所や健康サポートセンターに繋げるなど、相談者の状態や相談内容に合わせた支援を行っているところでございます。 今後も関係機関としっかりと連携を図り、DV防止のための周知・啓発活動やDV被害者支援に取り組んでまいります。 以上です。

本西光枝議員。

ありがとうございます。 まず、民法改正の関連ですが、国で審議されることではありますが、要綱案が通れば加害に加担することにも繋がりますので、当事者が相談に行けるところは自治体になりまして、十分な対応が求められるところです。引き続き、DVを含め離婚等のきめ細やかな相談に乗り、身の安全を図るための必要な対応は躊躇なくしていただくようお願いをいたします。 そして、大人の都合ばかりが優先され、子どもの意見は後回しにされがちです。全ての大人が子どもの権利について知るだけではなく、話を聞き、その意見を尊重することの実践をこれからも引き続きやってください。要望します。 HPVワクチンについては、重篤な副反応が多いワクチンですので、接種するかしないかを慎重に判断できるように今後も分かりやすくリスクを知らせることと、あと、相談に乗ることをお願いいたします。要望します。 あと、インクルーシブ教育についてなんですけども、お答えいただきました。今、国連が言うインクルーシブ教育に向けての過渡期にあるのかなとも思っておるところです。副籍や交流のことも出ました。そういった頻度も上げていっていただき、給食も一緒に食べるとか、できることはたくさんまだまだあるかとは思います。 でも、大阪では何年も何十年もかけて同じ教室で学ぶことに取り組んでいます。支援学級に対しての通常の学級を原学級と呼んでいます。出席簿も五十音順で名前があり、支援学級の担任の先生や介助員の方たちが在籍児童の状況や授業内容に合わせて教室に入り込んでサポートをしております。この方式を原学級保障と呼ぶそうです。こういったやり方があるということを認識されているかどうかということを、もう一回、教育長にお聞きしてもよろしいでしょうか。それでお願いします。

蓮沼教育長。
認識しております。

本西光枝議員。

ありがとうございます。 ともに生きるまちを目指すに当たり、こういったやり方を大阪はとっているということですので、分離させない世界をつくっていくには教育現場が非常に大きく影響すると思います。このような方法を本区でもとることはできると考えますので、ぜひ研究をしていただき検討していただきたいと思います。 また、通常級を希望した児童・生徒が同じ場に単に置かれているだけとならないように、先程、東京都のインクルーシブ支援員の話も出ましたが、そういった学びの保障を確実に進めていっていただくことを要望します。 また、今年は教育大綱の見直しが予定されています。現行の教育大綱の中では、子どもは社会の宝、希望であると言いつつも、家庭・地域・社会が基本となり、子どもの人権については触れていません。二〇二一年に制定した江戸川区子どもの権利条例を基に、子どもの権利が反映された大綱となることを要望いたします。 以上です。ありがとうございます。

次に、四番、林 あきこ議員。 〔四番 林 あきこ議員登壇〕

令和六年一月一日に発生した能登半島地震によって被害を受けられた皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げます。被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。 それでは通告に従いまして質問いたします。 昨今、子どもの性に関する様々な問題が起きています。昨年には世間をゆるがせた旧ジャニーズ事務所の性加害問題が発覚しましたし、塾講師による盗撮事件が起きたり、本年に入ってからは性的虐待の疑いで保育士が逮捕される事案も発生しました。このような問題が発生する背景には、そもそも被害を受けた子どもが性に関する十分な知識を持っておらず、性被害にあったという認識を持てなかったり、加害者から「誰にも言ってはいけないよ」などと口止めをされたり、子ども自身が誰に相談したらいいのか分からないといった様々な要素があげられます。この問題から子どもたちを守るために「包括的性教育」の重要性を強く認識しています。 「包括的性教育」は性加害を起こさないための学びでもあります。「同意」とは何かを学んだり、相手に愛情を伝えるための適切な触れ合いについて考えたりすることで、加害を生まないようにすることも、包括的性教育の大きな役割です。 「包括的性教育」とはComprehensive Sexuality Education、包括的セクシュアリティ教育とも呼ばれますが、人権をベースとし、互いを尊重しより良い二元関係を築くことを目指す教育です。健康とウェルビーイング、尊厳を実現し、子どもや若者たちにエンパワーメントし得る知識、スキル、態度、価値観を身につけさせる教育でもあります。 「性教育」というと、生殖の仕組み、二次性徴、性感染症予防の話などがイメージされがちですが、包括的性教育では、身体的な話だけでなく、社会的な規範の是非、差別や暴力、ジェンダーの不平等をなくす方法、性を安全に楽しむ権利、リスクに直面したときにアクセスできる機関など、幅広いテーマを包括的に扱います。現在は国際的なスタンダードとなっており、世界的に包括的性教育が行われています。 公益社団法人日本財団と「性と妊娠にまつわる有識者会議」がまとめた「包括的性教育の推進に関する提言書」では、性に関する知識不足が影響して、様々な問題が生じていることを指摘しています。この会議の委員でもある教育評論家の尾木直樹氏は「性教育は子どもたちの命に関わる基本的な人権問題であり「包括的性教育」を通じて子どもたちは安心・安全に生きる権利や自己決定能力、多様性等を学ぶことができる。そして、子どもたちだけではなく、教師も保護者も共に学び合っていかなくてはならない。」とコメントをしています。 ここで、区内で包括的性教育を推進している事例を紹介します。社会福祉法人えどがわが運営しているおひさま保育園では「おしえてくもくん」という絵本を用いて、プライベートゾーンについての教育を行っていると伺っています。また、毎日のお着替えやお昼寝、トイレに行くタイミングなども男女別になるように工夫をしていると伺いました。民間では、子どもたちを守るために幼少期からの包括的性教育が重要視されており、積極的に教育が行われています。 そこでお伺いいたします。 区立保育園においては、どのような包括的性教育が行われているのかをお示しください。また、保育園や幼稚園に通園していない幼児に対しても、三歳時健診などの際に適切な教育を行うべきと考えますが、この点についてもお答えください。 さて、令和二年六月「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を政府が策定し、二〇二三年度から「生命(いのち)の安全教育」がスタートしました。「生命の安全教育」とは、生命の尊さを学び、性暴力の根底にある誤った認識や行動、また、性暴力が及ぼす影響などを正しく理解したうえで、生命を大切にする考えや、自分や相手一人一人を尊重する態度等を発達段階に応じて身に付けることを目指すものです。性犯罪、性暴力を根絶していくためには、加害者、被害者、傍観者にならないための教育と啓発を実施することで社会の意識改革に繋げ、ひいては性暴力を未然に予防していくことが重要という考えの下に構築されています。 文部科学省が公開している「生命の安全教育」の専門サイトでは、スライド教材や活用の手引き、動画コンテンツが配布されており、幼児期から高校、大学まで、発達の段階に応じた教材が用意されています。 東京都教育委員会も「社会環境の変化や情報化社会の進展など、児童・生徒を取り巻く環境が変化する中、学校においては性情報の氾濫、未成年者の性感染症や人工妊娠中絶の未然防止、性自認・性的指向等への正しい理解など、様々な課題に対し、適切に対応する必要がある」として、性教育の手引きを発行しました。その中で「性を含めた健康に関する指導は、児童・生徒の実態や課題に応じて、教育活動全体を通じた各教科等において、関連付けて指導することになっています。」と記載しています。また、令和五年六月に「生命の安全教育指導資料」を公開し、その中で「各学校や地域の状況に応じた「生命の安全教育」の実施について、積極的な取組みをお願いします」とも書かれています。 このような性に関する教育は家庭でも行っていくべきという声も耳にします。確かに、保護者がしっかりと学び、実践しているご家庭もあります。でも今子育てをしている親世代の多くは「どのように教えたらいいのか分からない」と戸惑いを感じています。その裏付けとして、性教育に特化した保護者向けポータルサイトの「命育」によると、性教育に「自信がない」「あまり自信がない」と答えた保護者の声は八三・五%という結果が示されています。 また、包括的性教育を行っていくためには「安心した環境」が必要ですが、家庭が「安心した環境」でない子どもも存在します。「いろいろな家族があって、たとえ家族であっても健全で安心できる関係性が築けるとは限らない」「その場合は助けを求めてもよい」という話は学校という家庭外の場だからこそできるのではないでしょうか。「生命の安全教育」を学校で行う利点は、どのような家庭環境の子どもたちにも知識が届くという点です。 そこでお伺いします。 「生命の安全教育」が二〇二三年からスタートしましたが、区立幼稚園及び区立小中学校で行われている「性教育」について、現状をお伺いいたします。また「生命の安全教育」に関して、国も東京都も進めるべきという方針ですが、本区では今後どのように取り組まれていくのか、お示しください。 さて、本区では、令和六年一月からプレコンセプションケア支援事業がスタートしました。プレコンセプションケアは中学生を含む全ての若い男女の健康を応援する取組みとなっており「医学的・行動学的・社会的」に、様々な保健介入が行われます。中学生になると体に関する多様な悩みが出てきます。例えば女性であれば月経不順や月経痛、PMS(月経前症候群)などの悩みを抱える生徒さんは少なくありません。見た目を気にして過度なダイエットをされる生徒さんも、男女関係なくいらっしゃると思います。アルコールや喫煙、違法ドラッグなどに対しても注意が必要になってきます。 「青少年の性行動全国調査」第八回(二〇一七年)調査結果をみると、中学生女子の性交経験率は四・五%となっています。避妊や性感染症予防に対する正しい情報を得ていませんので、予期せぬ妊娠や性感染症に関する悩みも出てくるでしょう。安心できるご家庭であれば、家族から身体や性に関する話をしたり、家族に相談をしたりして適切な対応ができると思いますが、そうでないご家庭も多くありますし、先程お話したとおり、保護者もどのように話をしたらいいのか分からないのです。また思春期を迎えたお子さんが、家庭内で何かを相談をすること自体がそもそも難しい時期でもあります。 月経不順や非常に強い生理痛があれば、中学生であっても気軽に婦人科を受診して良いことや、月経の悩みを解決するために低用量ピルという選択肢もあるということ、HPVワクチンに関する正しい情報、予期せぬ妊娠や性感染症を防ぐための対応、困ったときの相談先としてプレコン相談をはじめとした様々な相談先があること、その他、中学生の発達に合わせた様々な情報などは、プレコンセプションケアの一環として積極的に周知を行っていただきたい内容です。 そこで、プレコンセプションケア支援事業を区立中学校に通われている全生徒対象に周知をすることが効果的であると考えます。配布されているタブレットを利用して、中学生向けのプレコンセプションケアに関する情報を周知されてみてはいかがでしょうか。その際、プレコンセプションケア事業の主体は健康部ですが、中学生に働きかけ、適切な情報を伝えるためには健康部と教育委員会の連携が欠かせません。 そこでお伺いいたします。 本区では令和六年一月からプレコンセプションケア支援事業がスタートいたしました。この事業は中学生からが対象です。若い世代が自ら健康管理できるようになることは、生涯にわたって「質の高い生活」を送ることに繋がります。そこで区立中学校に通われている全ての生徒に対してプレコンセプションケアについて伝えていくことが有効と考えますが、周知について区長の見解をお示しください。 以上を、私の一回目の質問といたします。

斉藤区長。 〔斉藤 猛区長登壇〕
林議員の質問にお答えをいたします。 初めの幼児期の包括的性教育につきましては部長から、そして教育につきましては教育長からお答えをいたします。私のほうからは、プレコンセプションケア支援事業についてお答えをしてまいります。 本区が行うプレコンセプションケア支援事業は、中学生から自分の体の仕組みを知り、将来の健康や生活、人生設計に役立たせることを目的としております。今年度の取組みといたしましては、女性の健康情報サービスアプリを活用した健康管理や情報発信を行ってまいります。今月中にはアプリ内に区の特設ページを開設して、健康づくりや妊娠前の食事に関する情報を発信する予定です。 また、医師会医療検査センターでは月一回、医師によるプレコン相談を行っております。月経や性に関すること、妊娠への不安など、悩みに寄り添うような相談を行っております。必要に応じて、医師の判断により卵巣にどれぐらい卵子が残っているのかの目安を把握する検査や精液検査を無料で受けることができます。 区立中学校への周知につきましては、教育委員会や学校との連携が重要であると認識をしております。既に中学校では保健体育などの授業で体の仕組みや発達について正しい知識を生徒に伝えています。更に、医療専門職による性感染症予防の健康教育やがん予防出前教室などの機会を通じて中学生に適切な情報を伝え、将来の自分を意識した健康づくりを推進してまいります。 今後は、中学生や若い世代に情報が届きますよう、ご提案にありましたタブレットの活用や区のホームページなどの充実を図り、更なる周知啓発を行ってまいります。 以上です。

蓮沼教育長。
私のほうからは、区立幼稚園、小学校・中学校における性教育の現状と生命の安全教育の今後の取組みについてお答えいたします。 議員のおっしゃるとおり、性教育や生命の安全教育については、幼児、児童・生徒の健全育成の観点から我々もその重要性を認識しています。区立船堀幼稚園では、年長組の幼児を対象に養護指導員がプライベートゾーンに関する絵本を活用し、水着で隠れるところは大切にしなければならないこと、人に見せたり触らせたりしないこと等の指導が行われています。各小・中学校では、性教育について学習指導要領に基づき適切に実施しています。 また、東京都教育委員会が作成した性教育の手引きのとおり、授業だけでなく教育活動全体を通して指導が行われています。また、江戸川保健所や東京都教育委員会と連携し、保健師や産婦人科医による出前授業を実施している中学校も複数、今年度は四校ほどございましたけれども把握しております。 性教育と併せて、生命の安全教育についても文部科学省及び東京都が作成した資料がございます。本区においても、それらの資料を活用した教育の推進について研究していく必要があると考えております。 今後も、学習指導要領に示された内容について確実に指導するとともに、現代的な課題を踏まえながら、保護者の理解を得て必要な指導を行うなど適切に実施してまいります。 以上です。

健康部長。
私から、幼児期の包括的性教育についてお答えをいたします。 幼児期から性や体について正しい知識を持つことは、自分や相手を知り、尊重することにも繋がり、大切なことだと認識しております。 現在、区立保育園では、日々の生活の中でトイレは別々に行かせたり、着替えは時間差をつけるなど、機会を捉えて配慮することの大切さを伝えております。また、園によっては絵本を活用し、体やプライベートパーツへの理解を促す取組みを行っております。更に今年度は、五歳児を対象に「体を大切にしよう」というテーマで保健師がお話をする機会を予定しております。令和六年度につきましては、この取組みを区立園全園に広げていきたいと考えてございます。 また一方で、保育園、幼稚園に通っていない幼児も含め、三歳児健診で性器の異常、日常生活の困った癖、あるいはトイレのトレーニングなどについて、リーフレットを活用するなど、適切な情報提供や保護者に寄り添った相談支援を行っております。 幼児期からの普及啓発は非常に重要であると認識しております。今後も、養育に関わる皆様、共育プラザや子育てひろばなどの関係機関とも連携しながら包括的性教育を推進してまいります。 以上です。

林 あきこ議員。

丁寧なご答弁ありがとうございました。詳細については、予算特別委員会でもお伺いできればと思います。 昨今、この「包括的性教育」や「生命の安全教育」については非常に注目を集めている分野です。インターネットやデバイスの普及などで様々な情報にアクセスしやすくなり、SNSも中学生が利用するようになってきています。膨大な情報に触れる子どもたちをどのように守っていくのか、その方法については時代に合わせて変化させるべきと考えています。是非、これからも前向きな取組みをお願いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

次に、二番 五十嵐まさお議員。 〔五十嵐まさお議員登壇〕

まずはじめに、一月一日能登半島地震で被災された方々に対し、お悔やみ申し上げます。一日も早い復興をお祈り申し上げます。 質問に入ります。 今回の私の一般質問のメインのテーマは「太陽光パネル」についてです。 二〇一五年のパリ協定、そしてSDGsから加速した環境対策。脱炭素やエネルギー政策に伴い、太陽光パネルも環境対策の一環として普及し、現在では国土面積における太陽光パネルの面積割合に関しては世界で一位となるほどに、日本は太陽光パネルが普及してきています。私も近年までSDGsや太陽光パネルに対して特に疑問はありませんでしたし、環境に良い影響をもたらすものであれば当然推し進められてしかるべきものだと思っていました。ですが、私が太陽光パネルのことについて強烈に意識させられたのが一年前の二月。ちょうど今頃の時期です。 「都知事が葛西臨海公園の木々を伐採?建て替え工事?」特に政治的に大きな話題になることのなかった江戸川区が、SNS上で多くの脚光を浴びました。皆さんにも記憶に新しいことと思います。もちろん実際にはネットニュースと事実と相違があった点もあり、今はそれらの話題も一段落したように感じます。 なぜあのニュースはあそこまで注目が集まったのでしょうか。「木を切るな」「憩いの場を勝手に変えないでくれ」そういった声は確かに地域住民からもありましたが、それだけではあんなに区外や都外からも注目を浴びることはありません。やはり話題になったのは「太陽光パネル」が一つ大きな要因だったように思われます。 少し遡って昨年の記事を検索してみました。二〇二三年二月一八日、大量の樹木を伐採して太陽光パネル設置。二〇二三年二月二七日、樹木を伐採して太陽光パネル設置。二〇二三年三月三〇日、葛西臨海水族園跡地に太陽光パネル設置などの記事がありました。私はこれらの記事の是非について話したいわけではありません。焦点をあてたいのは木々の伐採のことではなく「太陽光パネルが設置されるということに感情的になっていた人たちがたくさんいる」のではないかということです。 太陽光パネルのリスクやデメリットについては決算特別委員会でも少し触れましたが、災害に弱い、ほとんどが中国製品であり人権問題に絡んでいる可能性もある。事業者に払う再エネ賦課金で国民の負担が増える可能性がある。廃棄時の有害物質の流出などが挙げられます。もちろん、メリットとして再生可能エネルギーで環境に優しい。などの理由があることも重々承知しておりますが、もし多くの国民の皆さんがそれを望んでいるのであれば、昨年話題になったような状況にはならなかったのではと思います。 普段、エネルギー政策や環境問題などに触れない人にとってはあまり関心がわかず「なんとなく環境に優しいことなら良いんじゃない」というふうに思われている方も多いと思いますが、政治への関心が高い人たちからは太陽光パネルに対して強い懸念を抱く人が少なくないということを私たちは認識しておく必要があると思います。 江戸川区では二〇三〇年度までに公共施設への太陽光パネルを設置可能な建築物の約五〇%以上へ設置するという目標を掲げています。また公共施設への再生可能エネルギーによる電力利用割合を二〇二二年度には六・二%だったものを、二〇二六年には三〇%、そして二〇三〇年には五〇%へ。という計画があるかと思います。今回の補正予算でも省エネの補助金の一つとしても対象に入っています。東京都でも新築住宅への太陽光パネルの設置を義務付ける条例が可決され、令和七年四月から施行されます。 以上のことから、太陽光パネルはますます増えていくことが想定されますが、まず考えたいのは「太陽光パネルは本当に環境にやさしいのか」ということです。 太陽光パネルの生産には大量の電力が必要になります。パネル製造時に大量のCO2を排出しています。江戸川区はカーボンマイナスの目標に向けて二〇五〇年には「温室効果ガス排出量を実質マイナスへ」という目標があります。しかし製造時に大量のCO2を排出するなら、それは目標に適切に向かっているのか検証が必要ではないでしょうか。 例えば地方では山や森林を切り崩して太陽光パネルを設置するということが各地で見られますが、CO2を吸収してくれるはずの森林をなくして太陽光発電をするというのは本末転倒なことだというのは多くの方も感じられることと思います。 また、太陽光パネルは製造方式によって鉛、セレン、カドミウムなどの有害物質が含まれています。適切に管理しなければこれらの有害物質が環境に出てしまう恐れがあります。土壌や水質汚染にも繋がり、環境破壊だけでなく、環境汚染も引き起こします。 太陽光パネルは環境にやさしく、エコであるという印象がありますが、今お伝えしたようなデメリットやリスクを知らない人の方が多いのではというのが現状だと思っております。 ここで二点質問です。太陽光パネルの環境負荷と安全対策についてです。 一点目、大量のCO2を排出することから、かえって環境負荷を高めてしまうのではないかという指摘に対しての見解をお伺いします。 二点目、太陽光パネルの設置を検討している方々に太陽光パネルには有害物質が含まれており、適切に管理しなければ環境汚染に繋がるリスクがあることを周知しなくてはいけないと考えておりますが、その点の対策はお考えでしょうか。 次に、災害時の対策についてでございます。 令和六年元日、能登半島での震災がありました。災害リスクの高いこの江戸川区の区民の方々も改めて震災のリスクが頭をよぎり「この江戸川区での災害対策はどうなっているのだろう」という考えに至る方が多数いらっしゃったことだと思います。災害や震災は私たちには避けることができないものです。ただ、そのリスクを想定して被害を最小限に留めるために何ができるかということは対策しておくことができます。 そこで、災害時における太陽光パネルについてです。 まず、災害時の太陽光パネルの危険性について、実際に能登半島の地震の際にエックス(旧ツイッター)で経済産業省がこのような注意喚起のポストをされていましたので読み上げます。「太陽光パネルは、破損した場合でも、日の光が当たると発電をする可能性があるため、むやみに近づかないようにご注意ください。また、復旧作業にあたられる際も十分ご留意ください。」こちらが一月二日午前七時ごろのポストでございます。 このように太陽光パネルは日が当たっている限り発電し続ける仕組みになっておりますので、地震や台風によって太陽光パネルが飛んでいったり、外れてしまって、水没した後に発電し、感電や火災の可能性があるということを専門家から指摘されたりもしております。 ここで、災害時における太陽光パネルのリスクについての質問でございます。 災害時に想定される太陽光パネルによる二次被害の防止についての対策をどのように考えるか。災害やパネル劣化などにより有害物質が漏れ出し土壌や水質汚染に繋がるリスクが考えられますが、それに対しての対策はどのようにお考えでしょうか。 次に、太陽光パネルの廃棄やリサイクルについてです。 繰り返しになりますが、太陽光パネルには鉛、セレン、カドミウムなどの有害物質が含まれています。廃棄やリサイクルには細心の注意が必要です。しかしながら、資源エネルギー庁によると、含まれる有害物質の情報が廃棄物処理業者に伝わっていないために、適切な処分がされていないというケースが見られるようです。廃棄物を出す事業者が有害物質の含有を知らなかったり、認識はしていたが確認していなかったというケースもあります。太陽光パネルのメーカーも積極的に情報開示を行っていないことがあるそうです。 太陽光パネルの耐用年数は二十年から三十年と言われており、二〇三〇年くらいから大量の廃棄が発生すると予想されています。そのコストは誰が負担することになるのでしょうか。 東京都の設置義務化条例では廃棄の費用にまでは触れられていません。今後の検討になるとのことでしたが、感電や有害物質のリスクのある太陽光パネルですから取り外しや廃棄についてもある程度費用も考えておかないと悪質業者による不法投棄などが横行してしまうかもしれません。安全な廃棄、リサイクルを進めるための対策が必要になると思います。 ここで、廃棄やリサイクルについての質問です。 今後、江戸川区でも太陽光パネルの廃棄やリサイクルが増えてくると考えられますが、安全に適切に処理が進められるよう持ち主と廃棄事業者それぞれに対して費用の補助などの考えはありますでしょうか。 ここまででお話したとおり、環境面、災害リスク面、様々な角度から検証してもやはり過度な太陽光パネルの設置の推進は区民の生活、福祉の向上に繋がるものではないと思えます。コスト面においても補助金が出れば区民の負担は直接的にはないかもしれませんが、結局のところ、都民、国民の税金から賄われる補助金なのであれば、結果的に経済的負担を高めることにも繋がります。 また、そもそもの費用対効果にも疑問が多い太陽光パネルですが、地震や台風のリスクだけでなく、そもそも海抜ゼロメートル地帯が七割を占めるこの江戸川区では浸水のリスクも想定されます。水害の恐れがある地域においては太陽光パネルを推進するのではなく、むしろ禁止するべきなのではと言っている研究者もいます。 最後の質問になりますが、太陽光パネルの事業に関しては国や都の政策に従って、この江戸川区でも推し進めなくてはいけないものなのでしょうか。今後の脱炭素の事業と太陽光パネル事業における江戸川区としてのスタンスについて、区長のご所見をお伺いします。 以上で一回目の質問を終わらせていただきます。

斉藤区長。 〔斉藤 猛区長登壇〕
それでは、五十嵐議員の質問にお答えをいたします。 はじめに、環境負荷と安全対策についてお答えをいたします。具体的な数字でお答えをしていきたいと思っています。 まず、環境負荷についてです。 太陽光パネルは発電時に温室効果ガスを排出しません。また、製造から設備、廃棄に至るライフサイクル全体を含めても、火力発電に比べ非常に少ない排出量で電力を供給することができます。資源エネルギー庁のホームページでは、一キロワットアワー当たりの二酸化炭素排出量で比較すると、石炭火力が九百四十三グラム、石油火力が七百三十八グラムに対しまして、太陽光パネルは三十八グラムと説明されています。具体的には、太陽光パネルの製造等で消費したエネルギー量は一年から二年程度の稼働年数で回収できると見込まれています。その後、約三十年間にわたり自然の力で電力を生み続けられることから、環境負荷を生じさせないエネルギーの一つと考えられています。 また、太陽光パネルに含まれる可能性のある有害物質は、鉛、セレン、カドミウム、ヒ素の四つになります。パネルメーカーは太陽光発電協会のガイドラインに基づき有害物質の有無を情報公開しています。具体的には、市場の大部分を占めるシリコン系パネルの一部には鉛が含まれている場合があるものの、電極部分に数グラム程度のため通常に使用する分には支障はないと言われております。一方、経年劣化等により太陽光パネルを取り外す場合は、有害物質が溶出してしまわないよう専門事業者を通じて適切に処理することが必要です。 現在、国では、有害物質の有無を含めて、太陽光パネルの廃棄・リサイクルに必要な情報提供につきまして検討しているところです。また、都は新たに協議会を立ち上げ、関係者間の連携強化を目指しています。本区におきましても、国や都の動向を注視しながら適切な管理方法を周知していければと考えております。 災害時に想定される懸念のご質問、また、廃棄やリサイクルについては部長からお答えをいたします。 最後に、脱炭素事業と太陽光パネルの今後についてお答えをいたします。 気候変動対策は本区としても差し迫った課題であることから、昨年二月にカーボンマイナス都市宣言を表明し、意欲的な目標を掲げて取り組んでおります。本区の目標の前提には、国によるカーボンニュートラル宣言があります。東京都においても、国の政策を踏まえた上で、二〇三〇年までに温室効果ガス排出量の半減を表明しています。 気候危機が深刻化する中で、世界中が二〇五〇年までの共通のゴールに向けて急速に歩みを進めています。太陽光パネルの普及が高まるにつれ、区民の皆様の間で不安や懸念が生じることも理解できます。現在、国において様々なリスク軽減に向けて動いているところであり、本区としても丁寧に対応していきたいと考えております。 太陽光パネルを含めて、自然由来の様々な再生可能エネルギーを活用することは大切なことです。国や都の政策との整合性を図りながら、今後もカーボンマイナス都市を目指してまいります。 以上です。

環境部長。
私から二点お答えしてまいります。 まずはじめに、太陽光パネルの災害時に想定される懸念についてお答えいたします。 太陽光パネルは破損したり水没したりしても日光が当たると発電し、不必要に接触すると感電するおそれがあります。また、水に長時間浸ると鉛などの有害物質が流出し、土壌汚染に繋がるおそれがあります。このため、破損したり水没したりした太陽光パネルを発見した場合にはむやみに近づいたり触ったりせず、専門の事業者に対応を任せるか、やむを得ず対応せざるを得ない場合はブルーシート等で覆うなど、感電や有害物質の流出防止に十分注意する必要があります。 また、これらのリスク軽減を図るためには、日頃から定期的なメンテナンスが欠かせません。一方、太陽光パネルを住宅等に備えることは、広域的な停電が発生した場合にも電気を使用することができるため、災害時の対応力を高めレジリエンス強化に資することにもなります。本区は、破損または水没した太陽光パネルの危険性について注意喚起をしながら、住宅等のレジリエンスを強化することにより災害時のリスク軽減を目指してまいります。 もう一点、太陽光パネルの廃棄やリサイクルについてお答えいたします。リサイクルへの費用補助の対策についてもお答えいたします。 太陽光パネルは様々な金属やガラスなどから成る混合物でありまして、これは産業廃棄物に当たります。廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、産業廃棄物の処理は都道府県である東京都の事務と規定されております。国の取組みといたしましては、資源エネルギー庁が令和四年から太陽光発電設備の廃棄等費用積立制度を創設し、最終的に排出者が廃棄処理の責任を負う仕組みを構築しました。 更に、経済産業省と環境省が共同で、再生可能エネルギー発電設備の廃棄・リサイクルの在り方に関する検討会を立ち上げ、令和六年一月の中間取りまとめの中で、使用済み太陽光発電設備については発電事業者や所有者等の責任により適正に解体・撤去され、リサイクル等の適正な処理が必要であると言及されております。あわせて、東京都も令和五年から令和九年にかけて使用済み住宅用太陽光パネルリサイクル促進事業の補助制度を創設しリサイクルの取組みを支援しておりますので、これらの制度の周知に努めてまいります。 以上です。

五十嵐まさお議員。

ご答弁いただきまして、ありがとうございます。 行き過ぎたSDGsの政策であったり脱炭素の事業に関しては、やはり私としては懸念が多く、慎重な姿勢を求めたいなということは思っているんですけども、でも、今回のお話でもこういった懸念点が太陽光パネルについてあるということを少しでも多くの皆さんと共有できたことに関してはうれしく思っています。 また、今回、他の議員の方々からも一般質問の中で災害の対策に関しては様々なアイデアがあったと思いますけども、備えを増やすことだけではなく被災時に被害が拡大するリスクのあるものを減らすこと、もしくは増やさないといった引き算の考え方も十分に災害の対策になり得るのではないかというふうに考えております。その点で、災害リスクの高いまち江戸川区における太陽光パネルの在り方については、引き続き慎重な検討をお願いしたいというふうに考えております。 以上です。ありがとうございます。

以上で一般質問を終結します。 ───────────────────────────

日程第三、請願・陳情。 ただいままでに受理した請願・陳情は、お手元に配付した文書表のとおり、それぞれ関係委員会に付託します。 以上で本日の日程は全て終了しました。 なお、明日二十二日から三月二十四日までは、予算特別委員会における議案審査、常任委員会における議案審査、議事の都合及び休日のため休会し、次回は三月二十五日午後一時から本会議を開きます。 本日は以上で散会します。 午後五時四十七分散会